佐渡島侵攻が終わり新ソ連の兵士、そして艦隊を押し返し、一条将輝に史実通り『吉祥寺真紅郎』という加重系プラスコードを見つけ、カーディナル・ジョージと呼ばれている天才の親友ができたり、高校進学の準備をしている頃、総司は数少ない知り合いから東京に呼び出され、東京駅に来ていた。
「待たせたね、総司くん」
「待っていませんよ、北山潮総帥」
「総帥はやめてくれ、潮さんでいいと言っているじゃないか」
総司の目の前に現れた男の名は北山潮。北方潮というのはビジネスネームであり、ホクザングループの総帥をやっている実業家である。
どうして総司が十師族とはいえ、ホクザングループという日本でも一二を争う規模のグループの長をやっている人間と知り合いなのかには2つの理由がある。
ひとつは総司が投資をしているから。この世界で活動するにあたって必要なものを集めるために投資をしてお金を稼ぎ、十師族の顔合わせなどでは手に入らない政界や財界の繋がりを得るためである。
「あの時君が私たちを助けてくれなかったらこの命はなかったんだからね」
もうひとつは総司が北山家を昔助けたことだ。総司が小学生の頃、金沢に旅行に来ていた北山家を潜伏していた『大亜細亜連合』の者たちが襲ったのだ。
目的は優秀な魔法師の遺伝子と北山家の金。優秀な魔法師は北山紅音──北山潮の妻(Aランク魔法師)──のことを指している。
アンティナイトと呼ばれる魔法の発動を阻害する波長を出す指輪とハイパワーライフルを向けられ、窮地に陥っていたところに総司が一条家の私兵と共に現れたのだ。
総司は一条家の当主であり将輝と総司の父である『一条 剛毅』の命令で特定した大亜連合のエージェント達を捕まえに来ていたのだ。
総司が率いていた私兵もアンティナイトを向けられて苦しむ中、総司はそんな波長をものともせずにエージェントを凍らせて抵抗できなくし、そのまま捕縛した。
マッチポンプ的な感じだが、そこから北山家との繋がりが生まれ、今でも総司と北山家の繋がりは続いているのだ。ちなみに剛毅はこのことを少ししか知らない。
「それで御用件は……?」
「あぁ、何時もの仕事の話と雫が君に会いたいと言っていてね……詳しい話は家で話そう、乗ってくれ」
目の前に現れた黒い車に乗るように勧める潮。素直にその車に乗るとその車はすぐに発進し、北山家の家へと向かうのだった。
「さて、商談の話をしようか」
高級そうなテーブルに座っている総司と潮。2人の前には紅茶のカップと書類の山があった。
書類の山を仕分けて読みながら総司はスクリーン型のディスプレイ端末を使いながら情報を整理していく。
「この会社の株とこの会社の株は完全に保有してますね……こことここもです。ホクザングループに参入したいと言っていた企業も何ヶ所かありました、これ資料です」
「ふむ、ふむ……仲介を君に頼んで本当に良かった。繋がりのないところも君が株を保有していたり知り合いがいればホクザングループに参入させられる」
総司は財界に広い繋がりがある。若手の投資家と十師族という肩書きがあるために寄ってくる者たちも多い。まぁ本当に知り合う人はいないが。
その繋がりを利用して潮は有用な会社を自らのグループに引き入れているのだ。もちろん対価は払っている。
「あ、総司……」
「あぁ雫か、お邪魔してるよ」
総司と潮が話していると部屋の扉が開かれ、総司の目の前に小柄な少女の姿が見えた。その少女の名は『北山雫』。北山潮の娘だ。
「(ふむ、ちょうどいいか)総司くん、雫、2人で出かけてくるといい。総司くんも今日すぐ帰らないといけないからね……」
「うん、わかったお父さん」
「え、あの仕事は……」
「もう終わりだ」
「そうでしたね……って引っ張らないでくれ雫!」
「早く行こ、総司」
戸惑う総司を引っ張って出かけていく雫を見届けながら潮は背伸びしながらニヤリと笑う。
「投資の才能に知られていないが十師族最強クラスの力……そして1番大事なのは雫が好いているということ……!婚約者がいない総司くんは正しく雫の相手にふさわしい子だ……!紅音と航も賛成してくれているしね……」
潮はあっはっはと笑いながら残っている紅茶を飲みきると自分の妻に総司が雫と出かけていることを伝えるのだった。
東京のショッピングモールにて
「総司、次はあそこに行こう」
「わかったから引っ張らないでくれ……」
久しぶりに会えて嬉しいのか雫は総司の手を引っ張って行く。身長差もあって、総司は幾度となく転びそうになるがお構い無しに引っ張る雫。
雫にとって総司は白馬の王子様的な存在だ。金沢で大亜連合のエージェントに襲われていたところに颯爽と現れてエージェントを全員氷で捕縛したのだ。
しかもこちらの対応が遅れたせいで大変な迷惑をかけたと魔法師が北山家を少し軽んじるところ(主に紅音と潮の結婚が要因)があるのに対し深々と頭を下げていた。
「(絶対に捕まえる……)」
「(なんだ……めちゃくちゃ目がギラギラ燃えてるんだが……)」
※総司は女心に疎いです。将輝みたく愛想は振りまきません。ですが周りからの評価によって好かれていないと思い込むためにまじで気づきません。
「総司はどこの魔法科高校に行くの?」
「え?あ〜どうすっかね〜三高が良いんだろうけど俺は別に自由にしていいらしいからな〜」
「なら一緒に一高に行こう?」
「そうするかね〜」
内心雫がガッツポーズを決めていると、突如爆発音が鳴り響いた。
「はっはっあははははは〜!!?俺の人生もう終わりだ畜生ッ!!だったらもうここで心中してやる!!」
何やら言動がとち狂っている男が
「悪いけど雫、少し行ってくる。ここで待っててくれ」
「わかった、行ってらっしゃい」
加速魔法を駆使して男の前へ急行する総司、そしてそのまま男の顎に蹴りを入れる。
「何やってんだ、こんなところで人様に迷惑かけるようなことするんじゃない!」
「グッ……まだ若いてめぇには分かんねぇよ!俺の人生終わってんだ!」
「仕方ない!少し冷たいが我慢しろよ、アイス・ケージ!」
氷の檻が総司と男の間に現れ、男をその中に閉じこめる。
「くそっ、出しやがれ!この野郎!」
「俺の氷は特別性でね、ただ砕こうとするだけじゃ砕けない!」
「そのまま司法の手に渡す。……お前、魔法師としてはまだ終わってないよ、威力もある。それに空気弾とはいえそこまで連射できるなら
「……」
「あんたまだ若そうだし、出所したら俺のところに来るといい、仕事なりなんなり、この一条総司ができる限り何とかするよ」
総司は諭すように男に話すと、男は落ち着いたのかそのまま喋らなくなった。そしてそのまま警備員に引き渡す頃には抵抗すらしなくなったのだった。
「あの人、どうするの?」
「?何がだ?」
「本当に総司のところに来たらどうするのかなって」
「決まってるよ、来たら可能な限りサポートする。あれだけの魔法力を腐らせるのは社会にとって良くないことだ」
「ふーん」
「そろそろ遅くなるから帰ろうか?俺はあと2時間くらいで東京を出ないといけないし」
「わかった」
総司は雫を北山家に送っていくとそのまま雫に見送られるまま一条家まで帰っていくのだった。
「……魔法以外であのレベルの魔法師が潰れるのは避けなきゃいけない。十師族がいればいいという訳ではない、他の魔法師もいないといけないんだからな」
来たるべき戦いに向けて戦闘員を増やしたいとか戦い以外でも役立つ魔法師を作りたいという思考の元、一芸に秀でて、尚且つ優秀な魔法師はたとえどんな人でも助ける考えです。
達也とは考えは似ていますが、戦いに備えるという点では達也とは似ていないでしょう。原作では達也という巨大な抑止力で敵国を抑えるようにしていますけど、総司は個々の力を集めることで国を強くし、敵を抑えるという考えです。
ちなみに総司の原作に対しての記憶は薄れてきています。水を司る力しか手に入れていないので、記憶はどんどん薄れてきてます。
というか私も書いてて思うのですが、記憶を保持しているオリ主って赤ちゃんの頃から転生しているオリ主も多いですよね。正直どうやって記憶してんの?って思ってます。10年も生きてたら記憶消えてくよね?って。まぁ完全記憶能力やら原作知識は忘れない的な特典つけられてるか日記をつけてるかのどれかでしょうけど……
あ、ちなみに優等生の最初の方に出てくる奴とは無関係です。達也もいません。
後1話目出しただけなのに星9を3人もつけてくださってました。ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!