総司の鬼のような特訓でどんな状況下でも即座に共振破壊で目標物を壊すことができるようになった雫。そんな雫は今、総司とアイス・ピラーズ・ブレークで試合をしていた。
総司自体ということではなく、深雪と同じ魔法構成で雫と戦っている。この前にもやっており、栞やエイミィ、上級生では千代田花音と言ったアイス・ピラーズ・ブレークに出ていた選手の模倣と雫は戦っている。
あの特訓を終えた後に雫は次の特訓と称してこの模倣選手との試合に望んでいる。そのため苦戦らしい苦戦はしていない。
花音の素早い地雷原による破壊も、栞の計算された攻撃も、エイミィの氷柱飛ばしにも対応できるようになっており、共振破壊だけで深雪以外には善戦どころか快勝している。
ただ深雪は別格なのか、共振破壊とフォノンメーザーを使っても中々倒せていなく、良くて引き分けが精々だったりする。
「み、深雪に勝てない……」
「お疲れ様、水置いとくな」
「う、うん……」
深雪は十師族四葉家の最高傑作と称される程の実力者である。総司も雫も与り知らぬことではあるが。本気を出してはいないにしろ、簡単に勝てる相手でないことは確かだろう。
ため息をつく雫、そんな雫はふと思いついたことを呟く。
「……というかどうやって他の選手の魔法能力を再現しているのか気になるんだけど、そもそも総司の秘密、まだ聞いてないんだけど……」
「……確かにな、休憩がてらに教えておこうか」
「え?」
今教えられるのかと驚く反面、すごく聞きたいと言う衝動に駆られる雫。
「……俺はBS魔法師だ」
「……それだけ?」
「いや、例えばな……」
雫の目の前で雫に渡したペットボトルの中の水を操作して氷にし、剣を精製する。そしてそれを今度は自分の身体に突き刺して吸収する。
「……手品?」
「手品ではないな……」
信じていない雫に今度は何も無いところから水を大量に生成して氷のゴーレムを作ったり、自分の身体を水に変えて某魔王なスライムみたいに身体をスライムにしてみたりしていると次第に総司の能力の詳細がわかったのか顔を青ざめさせる。
「……水を司る、それが俺の能力だ。父さんが昔俺の能力を伝えたことがあったけど信じられなかったけどな」
総司は目を虚空に向ける。あれから誇張だのなんだのと馬鹿にされることが多くなり、無能の烙印が押されたのだ。まぁ本当に使えるのだが。
「誰が他にこのこと知ってるの?」
「そうだな、俺の家族は全員知ってて、後は真紅郎と愛梨と栞と沓子と正雪くらいだな」
「私に伝えて良かったの?」
「え?そういう約束だったし、雫は安易に人に話したりしないだろ?」
「!」
雫に対する信頼が重く、雫は少し恥ずかしがっている。総司はそれを不思議そうに見ながら立ち上がる。
「さて、秘密を話し終えたことだし……」
「?」
「手札を増やすぞ、地雷原とA級の魔法を覚えてもらう」
「へ?」
「司波さんに勝ったら次は俺と試合だからな!」
雫は嬉しい気持ちから一転、絶望へと落ちていった。千代田家のお家芸たる地雷原とA級魔法の手札を使えるようにしなければならなくなったのだから当然である。
雫は総司の出した選択肢の中からニブルヘイムを選択、それを習得するために励むのだった。
ちなみにそれらを習得するのは並大抵のものではなく、疲労感は共振破壊を使いこなす時の練習よりキツイものだったと後で雫は語る。
「……何です、この魔境?」
久しぶりに総司の元に帰ってきた石山、彼は夏季休暇を早々に終わらせて詳しい調査をしようと戻ってきていたのだが、訓練場で繰り広げられている魔法合戦を見て途方に暮れていた。
雫はニブルヘイムと地雷原を2週間程で習得し、残る1週間弱は全て模倣深雪と総司との試合につぎ込んでいた。
ニブルヘイムは習得が難しいと思われたが、総司のわかりやすい説明によって割と早く習得することができていた。水を司る能力を持つ総司の面目躍如である。
話を戻して、石山が途方に暮れている魔法合戦をやっているのは当然総司と雫。総司は深雪を何とか破り始めた雫を見て、次は自分自身で相手しようと自分の魔法で雫の氷柱を攻撃し始めた。
使う魔法は爆裂ではなく、アイス・ポーン、アイス・バーサーカーなどの兵を作り出す魔法。雫はそれを地雷原と共振破壊で難なく破壊していた。
そんな雫を見て熱くなったのか、総司は砕かれた兵隊の欠片を使って細かい攻撃をしていく。雫はそれを共振破壊を使って破壊していくが如何せん数が多くて対処が出来ず、氷柱が破壊されていく。
そんな現状を見て雫はニブルヘイムを発動して欠片を凝結させていく。総司はニブルヘイムを発動されたのを確認すると水のレンズを生み出す。
「あの光のレーザー?でも屋内だからそれは使えない!」
「……それはどうかな?」
幾層にも作られた水のレンズは混ざり、大きな水の塊へと変化し、巨大な氷の塊となる。
そしてそれを落下させた。それはまさに隕石のように。ニブルヘイムなど関係ないとばかりに巨大な隕石を落とす総司に雫は正気を疑うような目で総司を見る。
雫は急いで共振破壊を使って氷の隕石を破壊しようとするが、何故か壊れない。そして思い出す、総司は水を司ることが出来ることを。
「……まさか、共振破壊で破壊されてるところをくっつけてる?」
壊れない氷の隕石はそのまま雫の氷柱へと激突し、雫は負けた。
だが総司は調子に乗って氷の隕石を落とすという愚行を行ったことで石山に説教を食らうことになったのだった。
「ありがとう、総司」
あの後も総司と試合をやることで経験を積んだ雫、明後日には学校という日になって帰ることになった。
雫は数倍強くなっており、世間のA級魔法師の数段上くらいの実力になっているはずである。深雪にも勝てるくらいの実力は確実にある。
総司は雫を見送りに門前に来ており、雫は迎えの人に迎えに来てもらっていた為そのまま車に乗り込む。
「じゃあ、また学校で」
「うん!」
雫は帰った。総司の見送りを受けながら。
帰り道、雫は気づいたことがあった。
「……そういえば総司と同衾してない!?」
特訓を終えたらいつも疲れていたため、とてもそんなことに気をかけるほどの体力を割けなかったのだ。
せっかく潮にも紅音にも同じ部屋でいいと言ってもらっていたのに、その利点を利用できていなかった。
気づいた時には既に遅く、総司との特訓で強さは手に入れたものの、アピールすることは出来なかったと落ち込むことになるのだった。
……長ったらしい修行パートをやめて騒乱編に入りたかったんや、勘弁してください。あと投稿が大体2ヶ月くらい遅れてすみません。
騒乱編、どうやって絡ませよう。なんかコンペあるよー➝大亜連合と遭遇➝準備万端で横浜戦➝戦略級魔法ブッパ!
って感じで達也達と絡ませることがなさそうな気がするんですよね……
意見とかあったらドシドシお願いします。総司に使わせたい力とかもあればお願いします!