水を司る魔法科高校の転生者   作:排他的

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知り合いと友達

翌日、入学式が終わったので普通にA組のクラスに向かい、扉を開ける。するとそこにはひとつの巨大な塊があった。

 

それは司波深雪に群がる蝿……男共ついでに女子も。総司は気にせず席に座り、履修登録を済ませ、そのまま席に座ってディスプレイ端末を弄る。知り合いと連絡を取るために。

 

総司の知り合いは数は少ないが色々な分野の知り合いがいる。例えば様々な業界の有名人、これは色々なところに投資してたら出来た知り合い。潮がその中に入る。他には古式、現代に限らない魔法師。これは総司が見つけたり、職に困ったりしているところを助けたりしてできた知り合い。

 

そんなこんなで総司のLINEやTwitter、電話帳にはそうして知り合った人間のアカウントや電話番号が登録されている。どっかの見廻組の局長みたいだが、人数は数十人程度。

 

その中には世界的に人気なアイドルやら人様には知られていない魔法師なんかもいたりと十師族やコネクションを得たい人には涎が溢れてくるほどのものだ。

 

まぁ総司からしたらあんまり会わないけどいつも連絡取ってる友だち感覚なので気にしたらあれだろう。

 

昨日の夜のうちに来ていた連絡を返して、新しい水の魔法を考えているとホームルームが始まり、オリエンテーションが始まった。

 

二科生なら教師はいないため、こういうのはパパッとスキップ出来るんだろうけどなーと考えていると、教師とは別枠でスーツを着た若い女性が入ってきた。

 

その女性は校内カウンセラーだった。スクリーンに浮かんだもう一人の男のカウンセラーとともに校内でA組のカウンセラーを務めるらしい。

 

カウンセリングは端末を使用しながらでも、会って話すでもいいらしいが、総司は利用することはしないだろう。

 

「(今更カウンセリングしても意味ないしな……)」

 

その後はカリキュラムについてのガイダンスが行われ、教師の長ったらしい説明を聞き流し、そのまま履修登録を終わらせてそのまま退出したのだった。

 

退出するとメールが来ており、誰からかなーと確認すると雫からだった。内容は、

 

『周りが司波さんほどではないけどうるさいから助けて。ついでにほのかも助けて欲しい』

 

ほのかというと雫がたまに会う時話してくれているエレメンツの少女のことだ。雫に了解とメッセージを送ると総司は教室に戻る。

 

『……?』

 

ガイダンスと履修登録を高速で終わらせて出ていった総司が戻ってきたのを不思議そうに一瞬見る生徒達。だがすぐに気を取り直して深雪や雫、ほのかを誘おうと躍起になる。

 

「ちょっとどいてくれるかな?」

 

冷たい気配を出しながら総司は雫とほのかに群がる生徒を威圧し、2人から離す。そして雫の手を掴むとそのまま教室を出て行った。ほのかは雫に引っ張られた。

 

そんな急に起きたことを生徒達は何が起こったの?という目でお互いをキョロキョロと見ていたのだった。

 

ちなみにそれは深雪も同じで、機会を見て雫とほのかを誘って窮地から抜け出そうとしていたにも関わらず、総司に横からかっさらわれた感じになったので、そのまま神輿に担ぎ上げられるように授業見学に行くことになってしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「助かった、ありがとう総司」

 

「なに、大したことじゃない。それにメール来なかったら素通りしてたからな……」

 

「まぁそれでも言えば来てくれて助けてくれるのは総司のいい所」

 

雫と総司が歩きながら話しているところで未だにポカーンとしているほのかが再起動する。

 

「え、雫……その人は?それにどんな関係で……」

 

「総司、紹介するね、この娘が光井ほのか。私の親友。ほのか、こっちは一条総司。私の恋人」

 

「へぇー雫の恋人の一条君……恋人!?

 

「仲が良いのは認めるが恋人では無い。友達だ」

 

「えへへ」

 

雫の紹介に驚くほのかだったが、総司がすぐさま否定する。だがほのかには見える。中学生の頃友達だった同級生に好きな人が出来た時、恍惚とした顔をしていた。雫はそれと同じ顔をしている。

 

それに雫はいつだったか好きな人がいると言っていた。それがこの人なんだなーと思いながら無心でコクコクと頷く。

 

「それで何処に行く?雫に任せるぞ」

 

「んーー、工房かな、でも七草先輩の授業の時間になったら射撃場に行きたい」

 

「ふむ、なら午後だな。じゃあ行くか」

 

「うん」

 

「…………(あれ?私、蚊帳の外過ぎない?)」

 

ほのかはちょっと2人に疎外感を覚えるのだった。

 

 

 

 

 

 

昼飯の時間になり、適当な場所に座って雫とほのかは先に学食を買いに行った。1人で席番をしていると、二科生の大所帯がこの席の前を通りかかった。

 

「中々席空いてないわね……」

 

「どこも混んでるからな……」

 

赤髪の女子と茶髪のガタイのいい男子が愚痴っているのを見て総司は立ち上がった。

 

「この席座るか?」

 

「え、いいの?」

 

一科生が提案することが珍しいのだろうが、総司はそんなこと気にしないし、雫はそういう差別を容認しない人間だ。雫の友達であるほのかもそういう人間だろう。

 

「友達が2人来るけどまだ席も余るからな、3人でこれを使うのは気が引ける」

 

「……じゃあお言葉に甘えさせてもらおうか」

 

黒髪の男子がそう言って席に座り、残っている3人の二科生もそこに座る。

 

「俺、西城レオンハルト!よろしくな」

 

「一条総司だ、よろしく」

 

レオンハルト、いやレオが自己紹介すると総司が自己紹介を返す。すると黒髪の男子と赤髪の女子が目を見開く。

 

「一条って三高じゃないのか?」

 

「あぁ、兄は確かに三高に行ったが俺は別に三高に行かなきゃいけないという話はなかったからな、今から来る友達の誘いもあってこっちに来たんだ」

 

「そうなんだ…あ、私は千葉エリカ、よろしくね」

 

「わ、私は柴田美月です」

 

「司波達也だ、よろしく頼む」

 

「あぁ、よろしくな」

 

一通り自己紹介を終えたあと、雫とほのかが戻ってきた。

 

「はい、総司のうどん。ってあれ、この人達は?」

 

「あぁありがとう、席に困ってたから一緒に食べることになったんだ、別に気にしないだろ?」

 

「うん、ほのかもそうだし」

 

「よろしくお願いします!」

 

そのまま自己紹介をお互い交わし、総司達はそれぞれの昼飯を食べることになったのだ。

 

「なぁ、一条……それ辛くないのか?」

 

「ん?これか?いつもこうだが……」

 

総司が食べていたのは七味唐辛子を山のようにかけたうどんであり、見るからに赤かった。

 

 

 

 

 

 

総司のうどんがもう少しで食べ終わりそうなとき、今度は一科生の集団が通りかかった。

 

深雪を筆頭にした一科生が4人くらい来たのだ。どうやら空いている席に座って行ったため教室の時より減っていた。そして深雪は達也を見ると一緒に食べてもいいかと聞いてきた。

 

総司やほかの皆も良いと言っていたのだが、座れるのは残り1人。深雪はクラスメイトと愛すべき、そして尊敬する兄を天秤にかけることなく兄を選んだ。

 

そして深雪は持っていたお皿をその席に置こうとした。だが深雪と一緒にいたクラスメイトが待ったをかけたのだ。

 

「いやぁ、邪魔しちゃ悪いし、俺らは別のところで食べようぜ」

 

「そうね、私たちも座るとなると少し狭いし……」

 

最初は嫌悪感を丁寧にオブラートに包んでいたが、深雪の執着が強いと見るや、二科生と相席するのはどうなんだとか、一科と二科のケジメをつけるべきだと既に座っている総司達にも言ってきた。

 

「……雫、光井さん、食べ終わった?」

 

「うん。ほのかの皿も空っぽ」

 

「了解」

 

総司は見るからに赤いうどんの汁をさっさと残った麺ごとかきこむとそのまま席を立って雫とほのかを伴って出ようとする。

 

「いや君たちが立たなくても……」

 

「もう食べ終わったんでな、後ひとつ忠告してやる」

 

「な、なんだよ?」

 

「選民思想に囚われたやつほど社会に出たら役に立たないんだ。それを少しは頭に入れとけ」

 

そう言った総司は皿を片付けるとすぐに出て行った。暴発寸前だったレオとエリカは総司が出ていく前にその暴発寸前だった頭を冷やした。総司が周りに気づかないように冷えた殺気を流していたのを肌で感じたからだ。

 

達也は要注意人物として総司を心の中に止めておくことにした。

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