「お帰りなさい、リュウト、マナちゃん」
「うん」
「マナ、ちゃんとおつかいしてきたよ、途中で怖いおじさんに絡まれたけど優しいおじいちゃんに助けてもらったの」
「そうなの!?」
「母さん、その男がザングースを使ってたんだけどダークポケモンだったんだ」
「!!やっぱりダークポケモンはまだまだいるってことね」
「うん、だから僕は見つけたらスナッチしていく、そしたらクレインさんの居場所もわかるかもだし」
「……スナッチマシンがあるからって、リュウト、そんな危険なことしちゃ駄目よ」
リュウトはリリアにマシンパーツを渡した。
「母さんはこれをやるんでしょ、僕はこっちをやるよ」
「……………でも、無茶しちゃだめよ」
「ああ」
「所でリュウト、ヒメグマの様子はどう?」
「……指示は聞いてるけど他は何も変化ないよ」
「……そう、ダークポケモンは接していくことでこころを開いてポケモンらしさを取り戻すらしいわ、だから積極的に接してあげてね」
「うん、でも、どうやったらリライブできるの?」
「こころが完全に開いた状態でリライブセレモニーという儀式みたいなことをするの、リライブホールが完成すればここでできるけど……リュウト、今は別の方法でリライブセレモニーを受けさせるといいわ」
「別の方法って?」
「アゲトビレッジという場所の聖なる祠はリライブセレモニーを行う力があるの」
「わかった、とりあえず行ってみる」
「ありがとう、聖なる祠を管理してるローガンさんにリュウトのことが分かるように連絡しておくわ」
そして、リュウトはスクーターでアゲトビレッジへと向かったのだ。
「ここか」
そこへ、
「あなたがリュウト君?」
『プラプラ』
プラスルを連れた女性がやって来たのである。
「はい」
「私は聖なる祠を管理してるローガンの孫のミレイです」
「よろしくお願いします」
「ねぇ、リュウト君、ダークポケモン、見せてもらってもいい?」
「……いいですよ」
リュウトはモンスターボールからヒメグマを出した。
「………………5年前を思い出すな」
『プラプラ……』
「え?」
「さて、お爺ちゃんは聖なる祠にいます、ダークポケモンのこころを開くために祠への道のりにトレーナーがいるのでそのトレーナーたちとバトルしてください」
「え?」
「さぁ、聖なる祠はこっちだよ」
『プラプラ』
「はい!!」
リュウトはミレイと共に聖なる祠を目指して向かっていったのだ。
「さぁ、君のダークポケモンのために僕も手伝うよ、バトルをしよう」
トレーナーはモンスターボールからジグザグマとドンメルを出したのである。
「さぁ、リュウト君、頑張って」
『プラプラ』
「はい」
リュウトはモンスターボールからイーブイとヒメグマを出した。
「イーブイか……」
『プラプラ』
…ブラッキー、エーフィの進化前、やっぱ思い出す…
「リュウト君ね、ローガンさんから話し聞いてるわ、さぁ、バトルしましょう」
「どれどれこのオババが可愛そうなポケモンのためにひと頑張りしましょ」
「あるときは普通のおじさん、またあるときはただのおじさん、じゃが、その正体は伝説トレーナー!!……のローガンさんの次に強かった男」
「デントレさん、アゲトビレッジに来たの最近じゃないですか……」
『プラプラ……』
「……うむ」
リュウトは聖なる祠に向かう道にいた様々なトレーナーとバトルしていったのだ。
そして、
「これが聖なる祠ですか?」
『イーブイ』
「そう、この聖なる祠には幻のポケモン、セレビィの力の一部が宿されてるの」
「セレビィってあのときわたりポケモンのですか?」
「うん、その力でこころを開いたポケモンが楽しかったときのことを思い出して完全にこころを開くの、それがリライブ」
そこへ、
『プラプラ』
「よく来たの、リュウト君」
「遠いところからご苦労様です」
「リュウト君、この人が私のお爺ちゃんのローガンとお婆ちゃんのセツマよ」
「こんにちわ」
「リリアさんから話は聞いておるぞ、では、さっそくわしとバトルしよう」
「……はい!!」
ローガンはモンスターボールからピカチュウを出したのである。
「イーブイ、たいあたり、ヒメグマ、ひっかく」
『イーブイ』
「ピカチュウ、10万ボルトじゃ」
『ピカァァ』
『イーブイ!?』
「リュウト君、ダークポケモンの指示にはしっかりと攻撃する相手を指定するんじゃ」
「え?」
「ダークポケモンは技の指示だけじゃと目先の者を攻撃するのじゃ」
「なるほど、よし、イーブイ、すなかけ、ヒメグマ、ピカチュウにひっかく」
『イーブイ』
「でんこうせっかじゃ」
『ピカァァ!!』
ピカチュウはでんこうせっかで全ての攻撃をよけた。
『ピ、ピカ……』
ピカチュウは息切れをし始めたのだ。
「高齢のピカチュウにでんこうせっかなんて」
『プラプラ』
「…………よし、ヒメグマ、ひっ……!!」
…そう言えばこないだのザングース、ダークラッシュとか言う技、使ってたな…
「ヒメグマ、ピカチュウ、ダークラッシュ」
しかし、ヒメグマは何もせず代わりに様子がおかしくなり赤紫色の火花がバチバチと現れたのである。
「これは……」
『イーブイ……』
「リュウト君、ハイパー状態よ」
『プラプラ』
「ハイパー状態?」
「その状態だとダークラッシュの威力が強まるの、でも、ポケモンの負担が大きいから元に戻して」
「どうすれば……」
「そのポケモンに呼び掛けるのよ、それで元に戻るわ」
「……わかりました、ヒメグマ!!」
『ヒメェェ』
「!!ヒメグマ、鳴き声が……」
「……リュウト君、バトルはここまでじゃ、そのヒメグマ、リライブセレモニーができるか試してみよう」
「どうすれば?」
「ヒメグマを聖なる祠に触れさせるのじゃ」
「……はい、ヒメグマ、ここに触れて」
『……ヒメ』
ヒメグマは聖なるほこらに触れた。
その時
「!!」
『イーブイ!!』
聖なる祠から緑の光が現れヒメグマを包みその光が強くなり弾けるように消えたのだった。
「ヒメグマがリライブされたわ」
『プラプラ』
「ヒメグマ」
『ヒメヒメ』
「じゃがな、リュウト君、クレイン君が連れ去られた今、これだけでは喜ぶことはできんの」
「はい」
「そう言えばお爺ちゃん、連れ去られたっていえばセネティさんの話があるよね」
『プラプラ』
「そうじゃ、リュウト君、バトル山という修行の場所にセネティという知り合いがおるのじゃが、最近、誰もいない砂漠に怪しい人影を見たらしい」
「……なら、その人に会ってきます」
『イーブイ』
リュウトはローガンたちにお礼を言うと聖なる祠の場所から出ていったのだ。
「なんじゃかレオ君を思い出すの」
「本当だね」
『プラプラ』
リュウトはスクーターでバトル山へ向かったのである。
そこへ、
「これはこれはアイオポートで会った少年だね、修行をしに来たのかい?」
アイオポートでメチャリッチの付き人をしていたエルデスという男がいた。
「いえ、そういうわけじゃ」
「ん?そうなのかい、まぁ、ここは強くなるにはいい場所だ、私も若い頃はここで修行をよくしていた」
「そうなんですね」
「若い頃はひたすら強くなりたかった、そして、今の地位になった、けど、最近は自分はポケモンに苦労させているんじゃないかと……君も今は若い、強くなるのはいい、けど、強くなりたいと思ったときはなぜ強くなりたいのか考えるといいよ」
「……はい」
「では、私はここで失礼しよう」
そう言いエルデスは去っていったのだった。
そして、リュウトはバトル山のエリアリーダーであるセネティと会ったのだ。
「私がここのエリアリーダーのセネティです、ローガンさんのお知り合いですね」
「はい、リュウトといいます」
「そうか、実はここから南の砂漠には5年前にシャドーの研究所の残骸がある、そこはもう何も残ってなくてある人が買い取って放置されてるはずなんだけど、最近、そこに変なやつらが大勢で入っていくのを見たんだ」
「……シャドーかな」
「最近、ダークポケモンが再び現れたという話は聞いているよ、気を付けてね」
「はい」
リュウトはシャドーの研究所のあった場所まで向かったのである。
「!!この車」
そこにあった車はクレインが連れ去られた車だった。
「間違いない、ここにクレインさんが」
その時
研究所の扉が開き変な格好をしたやつらが6人出てきた。
「「「「「「俺たち6つ子さ、泣く子も黙る、6つ子ブラザーズ」」」」」」
「番号」
「1」
「2」
「3」
「4」
「5」
「「「「「「ん?1人足りないぞ、いや、そんなことあるわけない、今度は反対から」」」」」」
「番号」
「1」
「2」
「3」
「4」
「5」
「「「「「「結局、足りないぞ」」」」」」
「何してるんだ、こいつら……」
「「「「「「!!我らシャドーのラボへの侵入者だ」」」」」」
六つ子ブラザーズはそれぞれモンスターボールからデルビル、タマザラシ、ヤジロン、メリープ、ゴクリン、タネボーを出してきたのだ。
「!!全部、ダークポケモンか」
「僕の手持ちが少なすぎる」
リュウトはイーブイとヒメグマを出して戦うが相手の数が多く何とかヤジロンだけスナッチしスクーターで離れたのである。
そこへ、
「やぁ、リュウト」
同じくスクーターに乗ったパーツショップのザックがいた。
「どうしたんだい」
「………」
リュウトはシャドーのラボでの出来事を教えたのだ。
「そりゃ2匹でダークポケモン6匹あいては大変だよ、おいらは見ただけで逃げちまうよ、1匹スナッチしただけですごいぜ……そういえば、アイオポートで他にもダークポケモン使ってるやつがいるらしいぜ」
「えっ」
「その何とかブラザーズに挑むならアイオポートのダークポケモンスナッチして残りの5匹に挑んだら」
「そうする」
「そうだ、もう一回挑む前にパーツショップに寄ってくれよ、渡したい物があんだ」
「ん?」
その後、パーツショップにリュウトは来たのである。
「リュウト、どうだった?」
「いたいた、ポチエナとレディバ使ってるやつがいたからスナッチした」
「やっぱいたんだな、なぁ、リュウト、これ」
ザックの持っている箱にはほのおのいし、みずのいし、かみなりのいしがあった。
「これは?」
「イーブイを進化できる石だよ、こないだの航海士が頑張ってるからあげといてってさ、どれにする?」
「ほのお、みず、でんきタイプか……いいんですか?」
「おう、あの航海士、今はもう航海に行っちまったからありがとうは会ったら言っとくよ」
「それじゃひとつだけ」
リュウトはほのおのいしをもらったのだ。
「今すぐ、進化させるのか?」
「いや、やばくなったとき使うよ」
「「「「「「俺たち6つ子さ、泣くも黙る、6つ子ブラザーズ……!!また、来たか」」」」」」
「いけっ、イーブイ、ヒメグマ、ヤジロン、ポチエナ、レディバ!!」
そして、
「「「「「「俺たち6つ子ブラザーズのダークポケモンが全部スナッチされたぁ」」」」」」
6つ子ブラザーズはどこかへ逃げていったのである。
「変なやつら……さてと、このシャドーのラボだったな、この中にクレインさんがいるはずだ」
リュウトはシャドーのラボへと入っていったのだった。
ミレイがいるとどうしてもリュウトをレオって書いちゃう、因みにレオの過去話が外伝のほうにありますんでどうぞ