河童なんだけど生身で配信してたらVtuberだと勘違いされたんで事務所作ります。まる。   作:東風ますけ

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二十一話 「俺の最高の奥さん」

 

 俺は、夢を見た。

 

 それも、遠い昔の夢だ。

 

■■■■■■

 

 俺がまだ8歳になるちょっと前。俺はニンゲン達から迫害を受けていた。

 

 石を投げられるや、指を指され罵倒されるや、一体全体何が目的なのかわからない暴力が続いた。

 

 コレだけだったらよかったんだ。

 

 でも、アイツらは俺の親代わりのブーイやキユにまで手を出しやがった。

 

 …………今思えばマジでイライラするなアイツら。

 

 まあとにかく、当時俺はまだまだ小さくて、ニンゲンが怖かった。

 

 だから家出した。8歳になる日だった。

 

 土砂降りの雨の中、闇雲に走り続けた。

 

 街の奥にある、ゴミ捨て山の大木の下ででうずくまった俺に、手を差し伸べてくれた奴がいた。

 

 アイツと出会ったのが八歳くらいで……1200年前に行って、アイツに出会ったのはたしか……十五歳のときか。

 

 …………思えば、想うほどに。

 

 ……長い、永い、旅路だったなぁ。

 

 俺何回死んだっけ? たぶん、兆は超えてるかな?

 

 …………。

 

 ……。

 

 やだな、昔のこと、思い出しちまってる。

 

 …………世界が変わる前のこと。まだ俺が人間のことを大嫌いだったころ。

 

 …………こういうのはガラじゃない。

 

 でも、不思議と考えてしまう。

 

 嗚呼。やっぱり俺って不器用だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………寂しいなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……………………………?

 

 ……!

 

 誰かが俺の手を握りしめている。

 

 『──────!』

 

 ああ、わかってる。

 

 わかってるさ。ちゃんと聞こえてるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おかえり!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■■■■■

 

「ただいまっキャルーベルト!」

 

「おかえり、キャロ」

 

我が最愛の妻の、大いなる帰還だ。

 

「いやー、ルーベルト、なんかシリアスな寝顔してたっキャねー。昔から定期的にその癖あるっキャよね」

 

口では小馬鹿にしながらも、苦しそうな俺の手を優しく包んでくれていた。

 

「しょうがねぇだろ、小説家ってのは夢、特に悪夢が大好きなんだからさ」

 

「でも最近はVtuberの方が好きっキャよね?」

 

「まぁな。……! どうだキャロ! いっそのことお前もVtuberにならないか?」

 

「ならない! ……っキャ」

 

「お前がやった方が俺なんかよりよっぽど伸びそうだけどな。可愛いし」

 

「ほ、褒めたって何も出ないっキャよ///」

 

やっぱり俺の嫁は最高に可愛いな。

 

「帰って来て早々で悪りぃんだがよ、俺、お前の手料理が食べたいな♪」

 

「しょうがないっキャねぇ……エプロンあるっキャ?」

 

「ひよこのやつなら」

 

「上等っキャね。和食でいいっキャ?」

 

「キャロの作る物ならなんでも!」

 

「なんでもが1番困るって言いたいところだけど嬉しいからいいっキャ」

 

エプロンを着けて、軽々と包丁を使うキャロの後ろ姿は、めっちゃ可愛い。

 

そして、踏み台がないと台所に届かないところがなお可愛い。

 

「なァー、実際どうなんだ?学校のセンセーってのはよ」

 

「うーん。楽しいっキャよ?ルーベルトみたいなクソガキが居なくて、みんないい子っキャ!」

 

「黙れメスガキ」

 

「上等っキャ。表でろっキャ」

 

口では強い言葉を──。

 

うおっ!?やめろ!包丁はシャレにならん!?

 

「刺さったらどうする!?」

 

「どうせ生き返るから、なんなら、ルーベルトを食材にして作るっキャ」

 

「倫理観! 考え方が現代人のそれじゃない!」

 

「まあワシ1235歳だし、現代人の倫理観って言われてもちょっと……ね?」

 

「ちょっとで済んだら警察は要らないんだぜキャロ」

 

「先っちょだけとワシに昔言ったのはどこの誰っキャ?」

 

「いやー、おれ、はやくキャロの手料理食べたいなー(棒読み)」

 

「清々しいほどの棒読みっキャね。……っと、そろそろ豆腐を入れる頃合いっキャね」

 

俺の棒読みに呆気を取られたのか、キャロは調理へと戻って行った。

 

…………せや!ワイいいこと思いついた!

 

ノートパソコンと、カメラとマイクを持って来て……。

 

「ようみんな、おはこんばんにちわ。ルーベルトだ」

 

:おはようサン、タクロース

:ヤシの木

:午前に飲む午後の紅茶ほど美味いものはない

:この配信終わるまで空気椅子するわ

:チャリで来た

 

「今日は俺のスーパー可愛い嫁さんを紹介しようと思う」

 

:結婚してたの!?

:独身界の一番星ルーベルトが!?

:ひどい!この人でなし!

:↑ルーベルトは河童【定期】

 

「後ろ姿でごめん、これがワイの奥さん、キャロだ」

 

:は?キレそう(キレてる)

:オレンジ髪のロリだと?お巡りさんコイツです!

:なんだ、誘拐か…

:ブタ(箱)サンダー

:見損なったぞ!非人道的すぎる!

:↑ルーベルトは河…(以下略)

 

「可愛いだろ?実はこう見えて意外と胸が大き──(ルーベルト、誰に向かって話しかけてるっキャ?)……別に?ただの独り言だけど?」

 

:しかもこの感じ無許可だ!

:(……しかし、妙だな。ルーベルトはVtuberのはず。となるとこのキャロとかいう少女もまたVtuberとなる。しかし、配信していることに気がついていない。なんならトラッキングスーツを着ている気配すらしない。つまり、ここから導き出される答えは──!)…………ルーベルトって気づかないうちに人に服を着せる能力を持ってたんだな!

:↑長文考察ニキ乙

:まるでどっかの、真の男女平等主義者の真逆だな

:↑真が2回出ているせいで何が何だかわからん

:↑何が2回出ているせいで何が何だかわからん

:(((以下無限ループ)))

 

「じゃあ、気づかれる前に配信を切ろうと──(配信?)……あっ」

 

:あっ(察し)

:終わったわ(強風)

:君のことは忘れない、晩御飯までは

:青鬼がタンス開けて来た時くらい怖い

:ヨシエが振り向いたら居た時の方が怖いゾ⭐︎

:チキンレース失敗してて草

:これは冷めチキ案件

:次会う時はルーベルト、ゾンビかな?

 

「……ルーベルト、配信してたっキャ?」

 

「……はい」

 

「……ワシ、許可してないっキャよね?」

 

「……はい」

 

「……すっぴんだったから、恥ずかしいっキャ」

 

「……あっ、そこ?」

 

:あっ、そこ?

:そこなんだ?

:許された!?

:というかマジでカメラに近づいても美少女だな

:ルーベルトには勿体ない

:ファンでわけっこしようぜ

 

「ダメ、俺の」

 

:なんだこの生意気な緑色

:独占欲強いと嫌われるぞ?

:ケチ!

:減るもんじゃないし!

 

「ダメ、俺の」

 

:そろそろ足の限界……

:空気椅子ニキ頑張れ!

:で、Vtuberデビューはいつですか?

 

「多分、3期とか、4期生じゃね?知らんけど、な?キャロ!」

 

「いや、ワシ公務員だから副業禁止っキャ」

 

「oh…」

 

:そうじゃなければやってたなこりゃ

:ワンチャンあるのか…?

:転職するかもしれないし?

 

「……あっ、ご飯も炊けたし、食べるっキャか?」

 

「おう、そうだな、食おう」

 

:マジでうまそう

:やっぱ日本人は和食よな

:ハンバーガーうめーwww

:↑パティ、和風ハンバーグにしといたから

:パティ分厚いwww

:↑成功してて草

 

「じゃあみんな!おつかぱでした!」

 

「おつかぱっキャ〜!」

 

:乙ー!

:面白かった!

:デビューに期待

:全裸待機

:↑お巡りさんコイツです

:お幸せに!

:ルーベルトが既婚者なの解釈不一致だけど、でも逆に推せるかも!

:8888888888888

:夫婦配信待ってます!

 

 

 

 

この配信は終了しました──。

 

 

 

 

「……いや、Vtuberなのにすっぴんって違和感やばくね?」

 

「もういっそ、生身のことバラせばいいと思うっキャ」

 

 

 

 

 

 

どうも東風です。ご愛読ありがとうございます。さて、みなさんは、現時点で、どのキャラが好きですか?キャラクター作りをする際のモチベになりますので、是非気軽にお願いします!なんとなくでいいので好きなキャラに投票お願いします!あ、別に結果で出番が偏ったりは一切しないので、是非気軽にお願いします!

  • ルーベルト
  • ブーイ
  • キユ
  • 朱音
  • 団さん
  • 鈴木ネキ
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