河童なんだけど生身で配信してたらVtuberだと勘違いされたんで事務所作ります。まる。   作:東風ますけ

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二十四話 「謝罪会見」

 

 私はある日、素朴な、それでいてとても心地の良い田舎道を歩いていました。

 そこで私は彼と出会いました。

 相棒であり、私の大切な──。

 

 ──もう死んでしまったはずの、最愛の兄です。

 

 私はある日、父と母と兄を同時に失いました。

 両方のおじいちゃんおばあちゃんに引き取られた私は、それはもう珠のように優しく育てられました。

 

 18歳になったころ、高卒で出版社に勤めました。その会社はとても小さくて、小説家を探していました。イラストは、私が描けば解決なので!

 

 とまあ、そんなわけで、ルーベルトさんと出会ったわけです。

 

 ルーベルトさんは、私の兄にとても似ていて、喋り方だとか、考え方だとか。なんだか懐かしいんです。

 

 兄は幼かった私をとても可愛がってくれました。

 もう一度会いたい。そう思い続けてきた私にとって、この出会いは神様がくれた宝物なのだと思います。

 

 お父さんとお母さんも一人称とか見た目は違うけれど、話し方とかでわかりました。

 

 ルーベルト兄さん。ブーイお父さん。キユお母さん。

 

 私は。蝶子は元気ですよ!

 

 ……さて、そんな私の家族が今なにをしているかと。

 

「えー。この度は、わたくしルーベルトのVtuber偽装事件について、会見を開かせていただきます」

 

「パシャ! パシャ! パシャ!」

 

「えーと、ルーベルト……さんは今回の件について視聴者に対してどのような思いをもってるんじゃ? ……あ、いや。えっと。持っているんですか?」

 

 ルーベルトさんはスーツを着て配信を。

 ブーイお義父さんはカメラの音を口で再現してて。

 キユお義母さんは記者役をやっている。

 

 ……そして。

 

「みなさんおはこんばんカブにちわ! カブの神様のカッブでーす! 今回はルーベルトの謝罪会見を解説していこうと思います〜!」

 

 ………。

 

「キャロお義姉さん。なんですかねこのカオスな状況?」

 

「ワシに聞かれても困るっキャよ蝶子ちゃん」

 

 隣に座っている義理の姉もわからないなら、もう理解するのをやめておとなしく宇宙猫しときますか。

 

 家族団欒って感じで楽しいですっ!

 

■■■■■■

 

:見ろよ、ありゃ3連土下座だ。

:なに!? 3連土下座だと!

:自分の代わりに馬のレースに出て欲しいのかな?

:虹色の枝よこせ

:ウッーウッーウマウマ(゚∀゚)

:お前今どこにいる

:その、佐賀警察の義務を……ですね?

:……馬か?

:馬……ではありませんが……どうぞ(震え声)

:うまぴょい!

:このおれのためにファンファーレでも吹いてるのが似あっているぞッ!

:ぱーんぱーぱーぱかぱーんぱーん

:パンパカパンツ?

:おしい

:ちょっと、誠意足りなくない? 大丈夫? 焼いとく?

:ぐっ! ぐっ! ぐっ!

:あっちゅ! あっちゅ! あっちゅ!

:マグマダイブか……

:エンダーーーーーーー!

:うわ懐かしい。マスパうっとく?

:夢想天生

:ケンシロウかな?

:ちがうそっちは博麗の巫女。北斗神拳は無想転生

:幻想郷はすべてを受け入れるのよ

:さすが忘れられし者の楽園

:忘れてやらない

:うーんこれは結束が強い。

:ドラムなんてねぇよ

:うるせぇよ

:黙れよ

:ぼっちこそが正義

:正義とは勝者のこと

:おは典明

:勝者こそが正義だ!!

:おはドフラミンゴ

:おい見ろJOJO。フラミンゴが飛んだぞ!

:SVのRTAでも大活躍の!

:それカラミンゴ

:スペイン南部。アンダルシア地方を中心に伝わる芸能は?

:フラメンコ

:もういいよ!

 

「反省はしている。後悔はしていない」

 

:こいついっつもこれ言ってんな

:祈っておこうかな。「後悔」の無事を

:なんだよ後悔の無事って

:今更後悔しても、もう遅い! 勇者パーティーから追放されたワイはうんたらかんたら〜

 

 あー。勇者パーティーかぁ。

 俺はふと、画面外にちょっこり座っているメスガキに話しかける。

 

「なぁキャロ。勇者パーティーってちゃんと伝承されてんのか?」

 

 キャロは自分に話しかけてくるとは思っていなかったのか、あたふたしている。

 

「え、えっと……中学の教科書には載ってるっキャね」

 

「ぎ、義務教育だと!?!?!?」

 

 なんてこったパンナコッタ。

 

「ち、ちなみにルーベルトも載ってるっキャよ」

 

「どうりで俺がスーパーで買い物に行く時にはみんなからジロジロ見られるわけだ」

 

「いやそれはまたちょっと違うベクトルだと思うっキャ。たぶんイケメンだと思われてるっキャね」

 

「マジか!?」

 

「まあ実際ルーベルトは結構イケメンだと思うっキャよ?」

 

(アイツイケメンか?)

(いや、ワシらが言ったら悔しいけどちょっとそりゃないじゃろ)

(ボクはまあまあイケメンだと思うけど)

(ルーベルトさんはオモシロ枠ですよね)

 

「おいキャロ嘘じゃねぇか」

 

「ワシはイケメンだと思ってるっキャよ?」

 

「トゥンク」

 

:なんでルーベルトにこんなにいい奥さんができて俺たちにできないんだよ

:嫁が欲しい【東風ますけ】

:もう生身とかどうでもいいからさっさと謝罪してくれ。……可愛い嫁さんがいることに対して

:そうだそうだ! 土下座しろ!

:生意気だぞ緑色!

:いい人生送りやがって!

 

 コメント欄が本題より嫁に関して謝罪するように促してきている。それでええんかおまいら。

 

「……ま、嫁さんが欲しいならまず自分を磨くことだな。見た目だけじゃなくて中身もだぜ」

 

:ぐっ、無駄に正論!

:いいこと言うじゃねぇか

:とりあえず一日一万回感謝の正拳突きから始めるか

:↑なるほど、努力は方向性も大切なんだな!

 

「……んじゃそろそろ本題いいすか?」

 

:ええで

:あくしろよ!

:40秒で支度しな

:3分間待ってやる

 

 

 

 俺は、誠心誠意の土下座をして。

 

 

 

 心の底から謝罪した。

 

 

 

 

「みなさんを騙す様なことをして、本当にすみませんでした。批判は全て受け入れます。……ただ、私から一つだけお願いがあります。……『ローファン』のみんなには、これからも優しくしてあげてください。今回の件は全て私が原因です。みんなは全く関係ありません。だからどうか、批判は全て私にお願いします。……これからは私の配信を控え、事務所運営に尽力していきますので、どうかこれからも、『ローファン』をよろしくお願いいたします」

 

 視聴者のみなさんに謝罪とお願いをした。

 自分勝手なのはわかってる。

 だけどそれ以上にうちの視聴者のみんながあったかい人たちだということを、俺は知っている。

 

 俺は顔を上げて、コメントを確認する。

 

 すると、そこには──。

 

:これからもローファン推してきます!

:ルーベルトも配信やめないで!

:お前の少し不思議な博物館をもっと魅せてくれ!

:いつもありがとう!

:ローファン最高!

:毎日楽しみだよ!

:2期生はよ!

:ファンタジーライフの新作実況してくれ!

 

「…………ありがとう。みんな、ありがとう。……俺、もっと頑張るよ。みんなに、いつでも気軽に帰って来れる。そんな場所を創れるように」

 

 

 みんなのコメントを見た俺は、生配信で5分間も泣いてしまった。

 

 ──この後。この配信の切り抜きがたくさん作られて。俺はまた生身で有名人になってしまった。

 まあ元々教科書に載っているからフリー素材みたいな者ではあるが。

 

 ……今回の会見はやっぱり、やってよかったと思う。

 視聴者のみんなと心が通じ合った気がするし、俺も付きものが落ちた気分だ。

 

 これからは今までよりも本気で活動していこう!

 

 そう決意した。

どうも東風です。ご愛読ありがとうございます。さて、みなさんは、現時点で、どのキャラが好きですか?キャラクター作りをする際のモチベになりますので、是非気軽にお願いします!なんとなくでいいので好きなキャラに投票お願いします!あ、別に結果で出番が偏ったりは一切しないので、是非気軽にお願いします!

  • ルーベルト
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