河童なんだけど生身で配信してたらVtuberだと勘違いされたんで事務所作ります。まる。   作:東風ますけ

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二十八話 「少し不思議な博物館のマイクラ」

 

 1兆2000億……はっ!

 辺りを見渡すと知ってる天井だ。

 振り子時計を見ると時刻は午後11時。隣には相棒。

 

「1兆2000億……?」

 

「正気に戻れ相棒! 深く考えるな! 飲み込まれるぞ!」

 

 俺は相棒の肩を掴んで揺らす。

 

「はっ! ここはどこ? 私は美人?」

 

「さては意外と正気だったな? ……なぁ鈴木ネキ。今日は遅いし、泊まってきなよ」

 

「いいんですか? ありがとうございます!」

 

「とりあえず風呂だな。お先どうぞ?」

 

「……ルーベルトさん。よかったらお酒を飲みませんか?」

 

「え? ああ。いいぜ? 風呂上がりにな」

 

「楽しみにしてますね!」

 

 そして二人とも風呂に入って、今はビールを片手に酔っ払っている。

 

「だいたいルーベルトさんはVtuberとしての自覚がないんですよ〜」

 

「んなこと言われたって……なんか良いアイデアあるのかよ?」

 

「ダメなお兄ちゃんですね〜。ま、かわいい妹が教えてあげますよ。そーですね〜。マイクラサーバーを作るのはどうですか〜?」

 

 ちょっと待ってなんか聞き捨てならないセリフが聞こえた。

 

「お兄ちゃん?」

 

「あ〜〜。そういえば言ってませんでしたね? ルーベルトさんの前世はわたしのお兄ちゃんなんですよ〜」

 

「…………ファ!?」

 

「えへへ〜〜兄弟もののアニメを観て、寂しいと思ってたんですよ〜〜。どうですか、今からでも一緒にアニメ観ませんか? ほら、ノーゲームなやつとか、エロマンガなやつとか、干物妹なやつとか観ましょうよ〜」

 

「…………ファ!?」

 

「ソ!」

 

 あら、聞き覚えのある声。

 

「ラ?」

 

「シ!」

 

「……って馬鹿野郎!!!!!!!!!! テメェカッブ! いきなり現れて過去に飛ばそうとするなよ!!!!!!!」

 

「あははははは! ルーベルト。懐かしいね」

 

 危なかった。ドって言ったら1200年前に飛んでた。いや、正確には1205年か。東暦822年のあの日に。

 

「それよりカッブ。これ、おまえのおばさん」

 

 俺は相棒を手のひらで指す。指だとゴスロリ大学生にミンチにされるってドロップキックが得意な少女から学んでるからな。

 

「まだ若いですよ!」

 

「よろしく蝶子おばさん」

 

「前までお姉さんだったのに!? おばさん!?」

 

 割としっかりショックを受けているみたいだ。ここらが潮時か。

 

「ほらカッブ。子供はもう寝ろ」

 

「1205歳なんですけど」

 

「いつまで経っても俺から見りゃ子供よ」

 

「……ちぇ。ま、兄妹水入らずの時間を楽しんでよ。僕は動画編集でもしてくるからさ」

 

 そう言ってカッブは消えていった。

 

「おばさん……」

 

「まああくまで立場だぜ。……それにしても俺の前世かぁ……どんな感じ?」

 

「全く変わりません」

 

「マジか」

 

「ちなみに両親もほとんど同じです」

 

「両親?」

 

「ブーイさんとキユさん。二人も私たちの両親です」

 

「……よーし! 酒飲もう!」

 

「ものの見事な現実逃避ですね」

 

「いや俺も確かに家族みたいに居心地がいいなぁって思ってはいたんだよ? だけどまさか本当に家族だとは思わないじゃんラヌマジャン」

 

「やけに早口ですね」

 

「人間の脳はな、理解できないと思考がストップするんだぜ」

 

「ルーベルトさんは人間じゃなくて河童ですけどね」

 

「せやな」

 

 手元のビールを飲むと、ほろ苦い。だけどそれがすごく心地いい。

 

「……ま、その辺についてはまた二人も交えてゆっくりとだな。……なぁ。さっき言ってたマイクラの話、詳しく聞かせてくれよ!」

 

「ごくごく……ぷはぁ! 別に特別なことはありませんけど、Vtuberらしく事務所のサーバーを開くというのは、企業の一体感やライバーの新しい魅力を伝えるのに適していると思いまして」

 

「……でも正直なところ、追う側が結構キツいよな。わがまま言うなら俺はできるだけみんなに気軽に観てほしいんだよなぁ」

 

「公式切り抜きチャンネルを作るのはどうでしょうか?」

 

「その言葉を待ってたよ相棒。これからよろしく」

 

「嘘ですよね? 嘘だと言ってくださいルーベルトさん。小説家の編集兼イラストレーターをやっているこの私に切り抜きまでやれと?」

 

「……せめてサムネだけでも」

 

「……しょうがないですね」

 

 ドア・イン・ザ・フェイス成功!

 最初に大きな要求をして、相手が断った後、小さな本来の目的の要求をすると受け入れられやすいテクニックだ!

 俺はビジネスマンじゃないからわからないけど、こういうテクニックって相手が知ってると全く成立しなさそうだよな!

 ま、きっと一流は自然にやるんだろうな!

 

「タイトルはどうする?」

 

「ローファンクラフトとかでいいですよ多分」

 

「採用」

 

 とまぁこんな感じで、雑談していると意識が澱んできた。睡眠という深い沼にゆっくりと、心地よく沈んで行った。うん。そんな感じだ。

 

 目が覚めると腹の上に相棒がまたがっていた。

 

「お兄ちゃん! 起きて! 朝だよ!」

 

「違和感!」

 

 ここ一年で1番シュールな目覚めだった。





 この作品ぶっちゃけルーベルトの財力とキユのモデリング能力と鈴木ネキのイラストに頼りっぱなしでは?
 ブーイはドラッグストアでシャンプーを選んでいて団さんと朱音はハンバーガー食べてる。
 
 というわけで次こそマイクラサーバー編です。

 ドア・イン・ザ・フェイスって
 マン・イン・ザ・ミラーみたいですよね。

 おしまインザミラー!(オチ)

どうも東風です。ご愛読ありがとうございます。さて、みなさんは、現時点で、どのキャラが好きですか?キャラクター作りをする際のモチベになりますので、是非気軽にお願いします!なんとなくでいいので好きなキャラに投票お願いします!あ、別に結果で出番が偏ったりは一切しないので、是非気軽にお願いします!

  • ルーベルト
  • ブーイ
  • キユ
  • 朱音
  • 団さん
  • 鈴木ネキ
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