トライ×ライブ! ~Rainbow Generations~   作:がじゃまる

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虹2期OPがどこにも置いてなくてガチ焦りしてる者です


10話 力の賢者

 

 

 

『海斗急いで! ウルトラマンが交戦してるけどいつまで持つかわからない!』

 

「言われなくてもそうしてるよ!」

 

最大速度で走行する機体から見下ろす東京の街は、10年前に起きた大きな戦いを連想させる。

 

この頃は異常続きだ。かつてない頻度で東京に怪獣が出現している……再びウルトラマンが来訪したのはそれに関係があるのだろうか。

 

『数体の怪獣パーツが融合してる……? キメラってこと!?』

 

『どう考えても地球に生息してるような怪獣じゃないわね……』

 

「ヘルベロスとかいうのと同じってことか……クソッ、どこのどいつが……!」

 

怪獣兵器。ヘルベロスの一件以降、戦闘用に生み出された個体をそう呼ぶことが決定された。

 

正直誇称などどうでもよかった。一番の問題は、その怪獣兵器に自分達の力が通用していないことだ。

 

『β機の修復が間に合っていない手前、今あの怪獣に対抗できるのはα機だけだ。慎重に行け……と言いたいところだが、そんな余裕は無さそうだな』

 

ヘルベロスに敗れて以降、自分達E.G.I.S.に対する風当たりは強い。ウルトラマンの登場も相まってその風潮はかつてない程に膨れ上がっている。

 

ロクに自分達の話も聞かない癖にこんな時ばかり大声で……などと思わなくもないが、ウルトラマンがいなければどうなっていたかわからなかったのも事実だ。

 

『サポートを意識する必要はない。自分達で倒すつもりで掛かれ。攻撃開始!』

 

「了解!」

 

ウルトラマンでも敵わない相手に自分達がどこまで通用するかだが、これ以上の失態を晒さない為にも退く訳にはいかない。

 

絞られた銃口のトリガーが、第二ラウンドの火蓋を切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ッッ―――……!!』

 

「ッ…! E.G.I.S.……!」

 

飛来したホークイージスの砲撃により出来た隙を突き、トライキングの拘束から脱出する。

 

起き上げた身体に走る痺れと脱力感は半端なものではなかった。戦闘で負ったダメージに加え、差し迫る活動限界によるエネルギーの減少。正直あと1分持つかどうかの状態だ。

 

「どうするタイガ……」

 

『どうするって………どうしような』

 

こうなっては打てる手段も限られてくる。光線系統の技は使えてあと1発が限界だ。

故に追い詰めるまではこの身一つでの戦闘が強いられるが、このフィジカルの差でどこまでやれるか……、

 

「っ…!」

 

だが決め手を持つのは一人ではない。トライキングへの攻撃を開始したホークイージスを横目にそれを認識する。

 

火力はどうしてもウルトラマンには劣るだろうが、それでも繰り返し叩き込むことさえ出来れば勝機はあるかもしれない。

 

「…賭けるしかないな」

 

最後の望みをタイガと共有し、残された最後の力を振り絞ってトライキングへと突撃を仕掛けた。

 

向けられた火炎放射を掻い潜った先で待ち受けていた巨体へタックル。続けてその一挙動を阻害するように手足へ連撃を入れる。

 

『ッッッ―――――!!!』

 

『テェヤッ!』

 

恐らくだがコイツには知性がある。こちらの狙いなど既に看破していることだろう。

故に狙われるのはメインウェポンでもあるホークイージス……だがそんなことはこちらもわかっている。

 

旋回する翼を撃ち落とそうと額にエネルギーが集約させられていくが、頭部ごと殴り上げることでその照準をズラす。空を切った雷が空へと伸びた。

 

『ッッ―――……!!』

 

そしてその隙を逃さないのがエキスパート集団であるE.G.I.S.だ。

立て続けに発射されたミサイルの弾幕は瞬く間にトライキングを飲み込み、赤い肉体を爆炎の中へ誘った。

 

『今だ!』

 

初めて膝を負った奴を背後から抑え込み、その懐を晒すように拘束する。

 

タイガの意図はパイロットにも伝わったのか、展開された砲台からはホークイージス最大火力であるレーザー光線が射出。大気を焼き焦がしながら対象へと猛進した。

 

これで終わりだ。戦闘に関わる者を含め、それを眺めていた全ての者達がそう思った瞬間だった。

 

 

 

 

「……甘いな」

 

「え―――」

 

絶望の鐘の音が響き渡る。

確かに零された声が雄牙の耳朶に触れた――――次の瞬間だった。

 

 

『ッッッ――――――!!!!』

 

 

赤黒いオーラに身を包んだトライキングが猛々しい咆哮を上げたと思えば、その両腕の形状が著しく変化してゆく。

 

開眼したのは巨大な目。左腕に備わった巨大な眼球を持つ盾は迫りくるレーザー光線へ向けられると―――瞬く間にそのエネルギーを吸収し尽してしまった。

 

「姿が変わって……!?」

 

『コイツは―――ファイブキングッ!?』

 

 

 

 

―――――超合体怪獣(チョウガッタイカイジュウ) ファイブキング

 

 

 

 

『ッッ――――――!!』

 

『うおあぁっ!?』

 

格段にその膂力を増したトライキング―――改めファイブキングは片腕だけでタイガの拘束を振り払い、それどころが跳ね飛ばしてしまう。

 

容易く組み伏せられたタイガに次に向けられたのは右腕……こちらも先程とは形状が異なり、五本指を備えていたはずのそれは巨大なハサミへと変化していた。

 

『ぐっ……うぅぅ……!』

 

首を締め上げるようにタイガを挟み込んだ右腕はそのまま持ち上げられ、宙に固定された敵への最期を告げる光が灯る。

 

『これ、は……!?』

 

発生源は先程レーザー光線を吸い尽くした左腕の眼球。その内部で渦巻くエネルギーは瞬く間に熱量を増大させてゆき―――、

 

『がっ…あああぁぁぁぁぁッッ………!!!』

 

迸った奔流がタイガを飲み込み、巨人の身体を覆い隠すほどの大爆発が崩壊した街を駆け抜けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う……あぁぁぁぁッ!!」

 

「誰か…助け―――」

 

至る所で上がっては響く悲鳴の中を昂貴は走る。

 

戦闘の中心地となっているこの住宅街は最早原型を保ってはいなかった。道路はひび割れ、木々は燃え、倒壊している建物も多く見受けられる。中には瓦礫の下敷きとなっている者もいた。

 

だが助けている余裕はない。溢れる阿鼻叫喚を掻き分け、人の限界を超えた速力のまま昂貴はある一点を目指した。

 

『少し速度を落とせ昂貴! まだ私の力が馴染み切っていない……下手をすれば身体が壊れるぞ!』

 

「知ったこっちゃねぇんだよそんなこと!」

 

この世は不平等だと常々思っていた。

不幸も、厄災も、そして幸運もまた不平等かつ不確定に訪れる。それらが収束するものでないこともわかり切っているはずだ。

 

だからどれだけ災厄が降りかかろうとも、それを運命として受け入れるしかない……それもわかっているはずなのに。

 

「っざっけんな……ふざけんじゃねぇぞッ!」

 

それでも納得できるかどうかは違う……そう叫ぶように更に速度を増した。

 

これまでどんなことがあっても耐えてきた。実質的に親を失い、貧相な生活に追い込まれ、咎人の息子と蔑まれようとも、それも全て運命だと受け入れてきた。けど―――、

 

「これ以上俺から何奪おうってんだよクソがッ!」

 

目前に迫った、原型から大きく拉げた建物に向けて声を張り上げる。

 

彼女を喪うことだけは納得ができない。これまで散々人を不幸にしておいて、その唯一とも言っていい救いまで奪うつもりか。

 

 

『ッッッ――――――!』

 

 

だが世界はそんな願いなど聞き入れるつもりはないらしく。

応戦するウルトラマンを戦闘不能状態に陥らせた怪獣は尚もその猛りを衰えさせることはなく、抑えきれぬ衝動を発散するように周辺の悉くを蹂躙し始める。

 

「彼方ァァァッッ!!!」

 

破壊は遂に彼方の閉じ込められている建物にまで至り、少しずつではあるがその形を崩してゆく。

 

間に合わないと理解した絶叫の中、昂貴の中に生まれたのはある種の悟りだった。

 

 

世界は常に不平等で残酷だ。その厄災は気まぐれに牙を剥き、時に全てを奪い去ろうとする。

 

故に人は力をつける。富、地位、繋がり……自らの手にあるものを零さぬように、降りかかる理不尽から逃れるために。それがこの世界で生き抜くために必要なものだ。

 

だから今こうして彼方を奪われようとしているのは……己にその力がないからだ。

 

「っ……!」

 

力への渇望が臨界点へ達した瞬間に灯った一つの希望。

 

そうだ。ここにあるじゃないか……この状況を打破し得る()が。

 

 

 

 

「タイタス……俺に力を貸せ」

 

『ッ……!?』

 

足を止めた身体から()り出た声を体内の超人に向ける。

この要求が何を意味するかは理解している。タイタスがそれを望んでいないのも承知の上だ。

 

けれどもう、彼方を喪わないためにはこれしかないんだ。

 

『…ダメだ。君の気持ちはわかるが……戦う義務のない者を我々と同じ場所に立たせる訳にはいかない』

 

「義務はなくても理由はあんだよ! ただ指咥えて見てられる訳ねぇだろ!」

 

『だとしてもそれを飲むことは出来ない!』

 

突っ撥ねられた要求を更に突き返すも、タイタスが揺らぐことはなかった。

表情こそ伺い知ることは出来ないが、彼もまた同様に強い意志を以って昂貴の前に立ち塞がっている。

 

『勿論一つの使命を背負った戦士としての責任もある。だがそれ以上に私は一人の友として、君を巻き込みたくないんだ。昂貴……君にはこの先、輝かしい未来が待っている。君が進む道を違えさえしなければ、必ず君の世界は変わるんだ。だから―――』

 

「アイツがいなくなったら歩む道も、変わる世界もありゃしねぇんだよ!」

 

衝突する感情の激しさを表すように荒げた声が周囲の騒音を切り裂いた。それでも現状や世界に変革を生み出すことはない。必要なのはもっと大きなものだ。

 

「それにお前、今俺が戦わないでどうするってんだよ。あのウルトラマンはもう戦えねぇし、お前も今は俺の身体から離れられない……やるしかねぇだろ」

 

『だが……しかしだな……』

 

「無茶苦茶言ってんのはわかってる。お前にメリットがないのも………だから相応の代価は払うつもりだ」

 

昂貴が足を止めても怪獣の齎す破壊が留まることはない。少しずつ、されど確実に進行する危機は今も彼女に迫っている。

 

だから何としてでも折れる訳にはいかない。この意志を……貫き通さなくてはならないんだ。

 

『……自分の言ったことが何を意味するのかわかっているのか? 君が選ぼうとしている道は君が背負う必要のない義務を背負い、犯す必要のない危険に身を晒すものだ』

 

「んなモン承知の上だよ。この先もアイツが無事に、笑って生きていける世界を守れんなら……どんな重荷だろうが背負ってやる」

 

錘だの枷だのには慣れている。これまで押し付けられてきた烙印の数々に比べれば、ウルトラマンの使命など軽いものだ。

 

「だから……頼む。俺にアイツを守る力をくれ」

 

悲痛なまでに震える感情を抑え、心からの願いを口にした。

そしてその想いは遂にタイタスの作った壁を貫くに至ったのか―――、

 

『……わかった。そこまで言われては無下に扱う訳にもいくまい』

 

承諾の言葉と共に右腕に出現する黒い手甲。それは正真正銘、彼もまた昂貴と共に歩む覚悟を決めた証拠だった。

 

『最後にもう一度だけ問うぞ。そのトリガーに触れれば君はもう戻れなくなる……本当にいいんだな?』

 

「何度も言わせんな。……とっくに受け入れた運命だ」

 

 

《カモン!》

 

 

躊躇わず引き金を弾いた。もうこの道に迷いはない。

 

『ならば応えよう。私の持つ全ての知力と……筋肉(ウルトラマッスル)を以って!』

 

眼前で集約してゆく金色の光。

やがてそれらは一つの形をなり、タイタスの輝きが刻まれたアクセサリーとなって昂貴の手に収まった。

 

『共に行こう昂貴! 示せ―――私の名を!』

 

「力の賢者……タイタス!」

 

アクセサリーを握った右手の手甲から溢れた光が全てを教えてくれる。

 

「『バディィィ……」』

 

自らを包み込んだ熱に導かれるように躍動させる身体。

次の瞬間に真上へ掲げた右腕に宿った煌めきを開放するように、相棒と共に叫びを上げた。

 

「『ゴーッッ!!」』

 

 

 

 

 

 

 

《ウルトラマンタイタス!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ッッ――――――!』

 

厄災の咆哮が、破滅の足音が近づいてくる。

自分達を閉じ込め、また守ってもいた建物が徐々に崩壊していく振動を全身で感じながら妹と身を寄せ合っていた彼方。

 

「ぁ―――」

 

崩落した天井から僅かに伺える外の景色。その間を怪獣の皮膚が覆った瞬間、全てを悟った。

 

「―――遥ちゃんッ!」

 

せめて彼女だけは。ひび割れ瓦解する建物の破片から守るように最愛の妹に覆い被さる。

だが一向に訪れない最期。何かが砕ける音、吹き抜けた風の感触。その全ては今の今まで自分達のいた場所が崩壊したことを示しているのに。

 

「え……?」

 

その中で僅かに感じ取った暖かさに目を開き、見上げた先で言葉を失う。

 

湧き上がる光の中で彼方達を守るように身体を屈ませた巨人の姿。これまでに目にしたどれとも合致しない肉体を持つ()が向ける視線に妙な安心感を覚えながら……彼方は零した。

 

「…ウルトラマン……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『フゥゥンッ……!』

 

鍛え上げられた肉体が躍動している。

堂々と、余すことなく、重ね掛けたポージングで自らの筋肉を主張した巨人は、圧倒的な存在感を以ってその場の空気を支配した。

 

『な……!?』

 

「新しい、ウルトラマン……?」

 

過剰なまでに膨れ上がった赤と黒の肢体が視界のど真ん中に立ち塞がる。

雄牙の知識にある者達の姿とは大きく異なるものの、胸に灯った蒼い星型は紛れもない戦士の証。

 

この巨人もまたウルトラマンである……その事実を受け入れるのにそう時間は掛からなかった。

 

『割って入る形になって悪いが、ここは私達に任せて貰おうか…………タイガ』

 

『なんで俺の名前を……』

 

『話は後だ。今はコイツを片付ける』

 

『お、おいっ…!』

 

突然のことに理解の追い付かないタイガに変わり、踵を返した巨人は迷うことなくファイブキングへと猛進してゆく。

 

『賢者の拳は―――』

 

『待て! ソイツはッ……!』

 

 

 

『―――全てを砕くッ!』

 

 

 

衝突音に続き、何かが潰れる音が衝撃波と共に疾走する。

 

「は……?」

 

次の瞬間には明らかになった結果にタイガと共に絶句する。

 

たった一撃。たった一つの拳のみでその巨人はファイブキングの左腕―――備わった眼球の盾を粉砕して見せたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これがウルトラマンの力……」

 

『私だけではない。君の力も合わさった想いと、そして筋肉の相乗効果だな』

 

拳を打ち出した姿勢のまま巨人へと変化した身体を眺める。

視界を侵食するまでに盛り上がった筋肉は見ていた通り……いや、思念体から伺えたそれよりも遥かに力強いものだ。

 

故にこの破壊力。ただただ一発殴っただけだというのに、街に壊滅的被害を与えた怪獣を部位欠損にまで追い込んでしまった。

 

『さあ行くぞ! 今こそが私達の力……振るうべき時!』

 

肉体のみならず大地さえも躍動させて踏み出した一歩がファイブキングを刺激する。

即座に雷撃で切り返しを図ってくるもタイタスはまたも拳のみでそれを退ける。立て続けに繰り出された戦車の如し突進は奴の巨体を更に後方へと運んだ。

 

『ッッッ――――――!!』

 

『む……?』

 

訪れる二度目の衝突。

失われた左腕に変わって突き出されたのは右腕。蒼い双眼の備わった巨大な鋏は賢者の鉄拳を上手く絡めとり、噴出した強烈な冷気によってタイタスの肉体を氷結させてしまう。

 

『ほう……これが˝レイキュバス˝の力か……だが!』

 

そんなものでタイタスは止まらない。

僅かに振動する筋肉はやがて膨大な熱量を生み出してゆき、遂には身体を覆う分厚い氷を砕き割るまでに至る。

 

「……シバリングもここまで来るとただの暴力だな」

 

『まだまだ、こんなことで驚いてもらっては困る!』

 

勢いのままに鋏へと両手を掛け、外側へと引き千切ることで右腕をも破壊。

それにより接近戦は不利と判断したのか、翼を広げ飛び立ったファイブキングは上空から絶え間なく光弾の雨を降り注がせてくる。

 

『……これは少々厄介だな』

 

タイタスのパワーは誇張抜きでチート級だ。恐らく正面からぶつかって競い合える者はそういないだろう。

 

だがその反面スピードや機動力は鈍い。奴がそれを理解しての行動かは知らないが、この状況があまり好ましくないのは確かだ。

 

「心配ねぇ。それより今は次の一撃のことだ」

 

『…そうか。君が言うのなら信じよう』

 

低く姿勢を構え、強く握った右腕にエネルギーを集約させる。

 

その隙を好機と取ったか、上空を舞うファイブキングは額に籠る爆発的な熱をタイタスへと向け―――、

 

『ッッッ――――……!!!』

 

解き放つ前に真下へ向けて堕ちる。

直前まで雄々しく空を切っていた翼は焼け焦げている。一瞬の間に何が起きたのか、その答えは同じく宙を舞うホークイージスの銃口から昇る煙が物語っていた。

 

『…成程な。この地球の防衛組織は…………随分と頼もしい!』

 

真っ逆さまに落下するファイブキングの頭部を渾身の力を以って殴りつけた。

吹き飛ばされた巨獣は地表を抉り、幾度となく転がっては跳ね、満身創痍となった無防備な身体をタイタスへと晒す。

 

『さあトドメだ昂貴! 高めよう……我々の筋肉をッ!』

 

「おぉッ!」

 

右肩から腕の先にかけて命一杯の力を籠める。全身から注ぎ込むように、一点に集中させるように。

 

そうして生まれた気の流れは手甲を介して光の塊となり、身体の筋肉一つ一つを鳴動させる度にそのエネルギーを高めてゆく。

 

 

 

『˝プラニウムバスター˝ッッ!!!』

 

 

 

最後にありったけの力を込めて殴りつけた光球がファイブキングへ終焉を告げる。

 

「……今度の奴は、中々骨がありそうだ」

 

直撃によって大半を消し飛ばした赤い身体が真後ろへと崩れる。

次に起こった大爆発はその内部から発された声諸共、ファイブキングの全てを四散させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瓦礫の山と化した街の中、戦いを終え飛び去ってゆくウルトラマンを見上げる。その光景は10年前を思い起こさせた。

 

本来なら、自分がああして見上げられるべきはずだったのに。胸に生まれた無力感と焦りはいよいよ誤魔化しようのないものになってゆく。

 

『…身体、大丈夫か?』

 

「……うん」

 

あのウルトラマンが雄牙達に変わって戦場に立ってすぐ、限界を迎えたタイガの身体は消失した。

 

その後は本当に瞬く間だったのかもしれない。自分達があれだけ苦戦して、手の届かなかった相手を、彼は容易く打ち破って見せたのだから。

 

『…なんで』

 

そしてその事実は雄牙だけでなく、共に戦っていた相棒にも残響を与える。

ただそこにはまた別な困惑もあるようで。それを吐き出すように、空へと消えた巨人の姿を空目したままタイガは零した。

 

『なんで……アイツがタイガスパークを…………』

 

 




満を持して力の賢者出動です。やはり全てを解決するのは筋肉なんですよね

タイガをボッコボコにしてたトライキング/ファイブキングが瞬殺された結果からお察しかもしれませんが、今作のタイタスは原典の彼よりもかなり強めに描いていくつもりです

加え今作のタイガ達には面識がなくトライスクワッドも結成されていません。従ってタイタスがタイガスパークを所持している理由なども気になる部分ですがその辺は次回に持ち越しましょう

てかマジでそろそろラブライブサイドの話を進めないとマズイさんですよ……
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