トライ×ライブ! ~Rainbow Generations~   作:がじゃまる

17 / 59
アニガサキ6話、非常に良かったです
アレを見た後のせつ菜回は非常にやりづらいのですが止まらず行きましょう


16話 闇色の躍動

 

 

「きゃあぅ……!」

 

巨大な何かが降り立った衝撃波に、人間としての身体は軽く薙ぎ払われる。

やがて土煙が晴れた頃、辛うじて受け止めた菜々と共に見上げた先で赤い眼光を瞬かせたのは―――巨大なロボットだった。

 

『コイツはッ―――!』

 

「…! 中川、その手……!」

 

「え……?」

 

一先ず菜々を安全な場所にまで運ぼう。そう思い視線を落とし、違和感に襲われる。

その根源は彼女の左手。特別変わった様子はないが、今この状況においてはそれこそが異常であった。

 

「指輪はどこに……?」

 

「見えていたんですか……!?」

 

今の衝撃で落とした可能性を考え辺りを見回してみるもそんなものは確認できない。

いや待て、そもそもたった今出現したこのロボットの造形。これは指輪に施されていた意匠と瓜二つであるような―――、

 

『雄牙……このロボットはあの指輪から出現したものだ』

 

「ッ……!」

 

脳裏に過った推察をタイガも述べたことで確信に至る。

何者が仕組んだものなのかはわからないが、菜々の、せつ菜の感情に呼応したことで指輪が作動した……恐らくはそう言うことだろう。

 

「あそこって……」

 

指輪の入手経路を問い質すのが先か、彼女を避難させるのが先か。早急な決断を急かす二択が頭を駆け巡るのと歌のような音色を奏でたロボットが進行を始めたのは同時だった。

 

「待って……そこは……!」

 

「おい……中川!」

 

その行く先が何処であるのかを察したのか、血相を変えて走り出した菜々の背中が遠ざかってゆく。

 

胸に騒めく感覚。その正体を探る余裕もないまま、雄牙もまたその後を追って駆け出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ウルトラマンタイタス!》

 

 

 

 

『フゥンッ!』

 

白と黒。生命と無機物。持ち得る全てが相反する2体の巨影が鎮座する。

 

夕陽すらも反射しその純白を主張する、龍を模したような造形。どこかヒロイックな印象すらも覚えるロボットに対し、タイタスは低く構えて迎撃の姿勢を取る。

 

『ギャラクトロンか……厄介な相手だな』

 

「コイツ、10年前にも確か……」

 

『巨大人工知能ギルバリスによって様々な宇宙に送り込まれている機体だ。かつてこの星で確認された個体群もその残党だと聞いている』

 

タイタスの思考を介し、ギャラクトロンと呼ばれたロボットの情報が伝わってくる。

 

全ての知的生命体を抹殺するという大それた目的の元ギルバリスによって生み出されたのがこのギャラクトロン。何も様々な宇宙に送り込まれているらしく、ギルバリス亡き後もその数の多さから宇宙警備隊や戦士団も手を焼いているらしいが……、

 

「じゃあコレもその内の1体ってことか?」

 

『……いや、優木せつ菜の指に嵌め込まれていた指輪の造形がギャラクトロンと酷似していた。今回はそちらとの関与を疑った方がいいだろう』

 

「指輪……? そんなモンどこに」

 

『恐らく当人を除き地球人には視認出来ないように細工されていたのだろう。君が彼女と対話している間私は離れていたからな。見えなかったのも無理はない』

 

「くっそ……見失ったばっかりに」

 

思えばウルトラマンの力を行使できる自分が高校生の少女1人に追い付けないというのもおかしな話だ。あれも指輪か、もしくは指輪を菜々に渡した何者かの仕業か。

 

どうであれ取り逃した自分の失策だということに変わりはない。ならばやることは一つだ。

 

『とにかくまずはコイツを倒す。彼女を探すのはそれからだ』

 

「わかってるよ」

 

 

 

―――――シビルジャッジメンター ギャラクトロン

 

 

 

●▲■―――♪』

 

先に仕掛けたのはギャラクトロンだった。

 

音楽のようにも聞こえるソナー音を霧散させた後、煌めいた胸部の水晶体からレーザー光線をぶっ放してくる。

 

『初撃から随分なものだな!』

 

それ自体はタイタスの拳で叩き落すことに成功するものの、昂貴の中には違和感が残留する。着弾した地点ではまず機械的な方陣が出現し、直後に爆発が起こる。そのテンポの悪さがどうにも不快だった。

 

「気味の悪い奴だな……おいタイタス、コイツ何か弱点とかないのか?」

 

『数あるロボット兵器の中でも最上位に位置するものだからな。明確に弱点と呼べるものは存在しないが……強いて言うならば関節等の駆動部だろうな』

 

やはりその弱点は機械類の共通か。ともかく狙うべき部位が明確となった今動きに迷いはない。ただ一点を目指しタイタスの肉体を躍動させる。

 

『オオオォォォッ!』

 

確認できる獲物は3か所。右腕の銃口、左腕の大剣、そして結った髪のように後頭部から生える鉤爪だ。

 

最も煩わしきはやはり飛び道具。故に狙うは右腕だった。連射される砲弾をその身一つで跳ね返しながら猛進した。

 

『マッスル……マッスルッ!』

 

そうして掴み上げた砲台を破壊すべく渾身の力で引き寄せるも、余程頑丈に設計されているのか砲台どころかギャラクトロンそのものが浮かび上がってしまう。

 

「ちぃ……!」

 

本体まで付いてくるのは予想外だが、それなら作戦を変更すればいいだけ。

 

即座に修正したプランが導き出した最適解はジャイアントスイング。拘束された腕を力点に振り回される白い機体が円状に宙を翔けた。

 

『ウルトラァ……マッスルッ!』

 

「気の抜ける掛け声やめろ」

 

放り投げられ地面を転がるギャラクトロンに間髪入れずに追撃を仕掛けた。

掴み上げたのはまたも右腕。だが今度は違う。関節技を書けるように横方向へと力を掛けられ、関節部の回路を捻じり切られたギャラクトロンの右腕がだらりと垂れる。

 

「流石にこうすりゃぶっ壊れるか……」

 

『柔よく剛を制すというものか。やるな昂貴!』

 

「お褒め頂きどーも。おら、さっさと決めるぞ」

 

後頭部からシャフトが伸び、先端の巨大な鉤爪がタイタスを拘束するがそれもすぐさま剛力の前に破壊される。

最早勝敗は明確だった。さながら流血の如く欠損部位から黒いオイルを噴出するギャラクトロンにトドメを差すべく、高めたエネルギーを手甲を介し球体の形とする。

 

『˝プラニウム―――』

 

そうしていざその一撃がギャラクトロンを穿とうとしたその時、

 

『バスター˝ッ!!』

 

突如方向を転換し、真後ろへ打ち放たれた光球が何かと衝突し爆ぜる。

パラパラと舞う火の粉は拮抗の証。間違いなく全力を込めた一撃を相殺して見せた何者かへ向けて、タイタスは改めて警戒の糸を張り詰めさせた。

 

『ほぉ……今のを防ぐとは、やはりお前は中々やるようだ』

 

『…何者だ』

 

風によって吹き流されてゆく黒煙の中から姿を見せたのは―――怪獣。

だがとても自然下に存在するような個体とは思えない。二つの発光体を持つ肉体を覆う炎のような表皮は先日のファイブキング同様にキメラを想像させた。

 

『…そうだな。放浪者……とでも名乗っておこうか』

 

加えてタイタスとの間に生まれた明確な˝対話˝。それは本来奴等に存在しない知性の証だ。

それもやはりファイブキングと一致する特徴……つまりは同一の存在であることを意味した。

 

『まあそんなものはどうでもいい。今は存分にヤリ合おうじゃないか……このゼッパンドンと!』

 

 

 

―――――合体魔王獣(ガッタイマオウジュウ) ゼッパンドン

 

 

 

『ぐっ……!』

 

突進と共に吐き出された火球がタイタスへと殺到する。

対抗する拳で弾くその一つ一つの威力もさることながら、その熱量が半端ではない。腕先から伝わるダメージ以上に、上昇してゆく体温が身体機能を鈍らせてゆく感覚がした。

 

●▲■―――♪』

 

「っ……?」

 

この状態で二体を相手取るのは少々不利か。そう判断した折にそれは裏切られることになる。

 

破壊を免れたギャラクトロンがゼッパンドンへと加勢してくることはなく、別の一点を目指して進行を再開したのだ。

 

『どうなっている……?』

 

「おいアイツ……学園の方に向かってねぇか」

 

ギャラクトロンの進行方向を直線で結んだ先にあるのは、昂貴の学び舎である虹ヶ咲学園。

当初の目的があの校舎だったのか。どうであれタイタスが奴から離れたことでその遂行に戻ったのは確かだ。

 

「くそ……タイタス、まずはあっちだ!」

 

『了解し―――ぐッ……!?』

 

恐らくはまだ学校に残っているであろう彼方達を守るためにも奴の殲滅が優先。そう判断し動き出したタイタスの足元に数発の火球が着弾する。

 

『おいおいどうした? お前の相手はこっちだぞ』

 

「クソが……!」

 

今すぐにでもギャラクトロンを処理したいところだが、ゼッパンドンがそれを許そうとしない。

こうなってしまっては一刻を争う。早急にゼッパンドンを打ち倒すべく地面を蹴った。

 

『貴様……ギャラクトロンの狙いはなんだ。何故あの学校を狙う!』

 

『そんなこと私が知るか。つまらん奴の目的などに興味はない』

 

「また別に呼び出した奴がいるってことか……?」

 

打撃、斬撃、火球。互いの持ちうる攻撃手段の悉くが交錯する。

単純なパワーではやはりタイタスが上回っているが、ゼッパンドンは体裁きで上手くそれを埋めている。技量で見るならば奴が上か。

 

『それよりも目の前のことではないのか? 今この場に私とお前が敵として存在している……それ以外の理由など必要あるまい!』

 

そうなると不利であるのは制限時間のあるこちら側。ギャラクトロンとの交戦も考えると早急にカタを付ける必要があるのに、哄笑を上げるゼッパンドンはそれを許そうとしない。

 

『……いいや、理由ならあるさ』

 

いよいよコイツの討伐に本腰を入れるべきか。そう判断した頃、同様の結論に至ったらしいタイタスが低く漏らす。

 

『光の国へ赴いた際、我々の追跡対象が宇宙科学技術局にて開発途中であったアイテムを強奪したとの話を聞いた………貴様がそうだな』

 

『ほぉ……!』

 

ゼッパンドンの目の色が変わる。より一層の好奇を滾らせた双眸の中には確かな感情の昂ぶりがあった。

タイタスがこの星へ来た理由……それが目の前にいる。

 

『成程、戦士団の者だったか……くはは、U-40も粋な計らいをしてくれるじゃないか。これだけの上玉を寄越してくれるとはな!』

 

『否定しないか。ならばここで討つ!』

 

拳と業火が衝突する。

熱波吹き荒れるお台場の街の中、巨神同士の戦い。その第2ラウンドが開幕しようとしていた。

 

 




ギャラクトロン、更にゼッパンドンが登場。うーんパワーインフレが止まらない()

そしてタイタスの来訪理由であった追跡者がオグリスであると判明。そんな彼女の正体が明かされるのはいつになるのやら……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。