ゾイド生命体を用いてBETAの脅威を打ち砕く話 作:もにもに+マウンテンヘッド
……タートルシップ・ブリッジ内……
地上の各ゾイド、モニタリング追跡はできているか?
スリーパー全機、後方援護のバックアップは万全です。
そうか……なら、このあとは……
「おねえちゃん、時間だよっ!」
「コラッ!? リアクタ……」
「ど、どうもっ、です。……」
染井としては、初めての、その人物との面通しである。
……さきほどリアクタから告げられたその話に、
やや、わくわくするような、自分の心のその気配も在る。
『夕食会、?』
“そうなんです! たっぷりのごちそうと美味しいごはん、たっくさん、ご用意いたします!”
パーティ……
今回、キミ以外にもねっ!
ほかにも、保護できた方々がおられるのですよぅ!
なので、救えたのだから、
ソメイ、さん、も含め、
安心できる環境と、おいしいごはんで、これからの毎日を、もてなしちゃいます!
……先程のリアクタの溌剌とした言葉と邪気無い顔の表情を、思い出す。
「やあ、こうして言葉を交わすのは、初めてのようだね、よろしくお願いする。」
わぁ、アクティアおねえちゃんは、真面目さんですねぇ!
「艦長、とよべ!もしくは、船長、と!
コホン、……アクティア・マイトと申します。
この不肖者の不出来な妹が、世話になっているようで、なにより。」
「 えっ?! い、いえいえいえいえいいえいいえ、世話になっているのは、こちらの方でして……」
「「……」」「?」
ふむ、そうか。……
染井からすると、とっつきやすいのか、とっつきにくいのか……
とにかく、妹とのことらしいリアクタに似て? あるいは妹のほうが似たのかはわからないが、
この姉の方も、しからば浮世離れしたような、そのような人物と見積もることが出来た。
「いま、地上の日本帝国軍……との連携によって、今までよりもさらに強力なゾイド戦闘機械獣を投下できるように、予定を組み立てているところだ。」
「は、はい、」
「これが投入できたら、すくなくとも、この日本列島の奪還と防備には、言うことはなしになる、その推算だよ。
どうかね? ミス・ソメイ、新しいゾイドに乗り換える、というのは。」
「へ?」
予想外のその言葉に、染井は、あたまが真っ白になってしまった。
++第11話++
「そもそも、この、ゾイドたちは、いったいなぜ、こんなにも離すことが出来ているのか……
どういう意図で、このように強力な戦闘兵器を、この地球の私達に、預けて、頂けたのですか?」
そのことを聞いてみた。
「あ? ああ。在庫処分だよ。」
へ?
「変なことをいったかね?
まあ、いい。無償で提供するよ。
なにせ、ウチラからすると、コア部位はともかく、戦闘機械獣のサイボーグ義体は、最適に“新陳代謝”……生体自己整備ができるようにメンテナンスを済ませた後だから、ただ動いて武器を使う分には問題ないだろうがね。
しかし……君たちゾイドに乗る者としては、兵装面で古い、というのは命に関わる事柄だろう?
特に君は、リアクタのお気に入りだからね。
なんならコアだけ同種族型の新式ゾイドの義体に載せ替えて、リプレースをすればいい。
そうして載せ替えで残った元の義体は、あとはリサイクルをするのみなんで……」
「わ、わ……──」
わたしのライガーのことを言ってるのか!?(>_<)!!
「…え?! いや、そういうわけではなく……」
脳天炸裂! まっしろに沸騰したその感情のままに、ただ、染井は、それを確かめたくて。
「 むー、おねえちゃん、キョドってる!」
「い、いや、そ、その……妹の前だからこそ、格好良く決めたい、というのも、あってだね……」
「もういいもん、知らない! ……ソメイ、さん、? すこし、移動しよっか……」
「あ、そ、その、い、妹よ……」
あとに残される、姉・アクティアなのであった……
++
「話し方が、まずかったよね? ごめんね、ソメイ、さん……」
「いや、わかった。……そっちの理屈だと、
ゾイドは生命体だから、生殖で増える生物だから、
自分たちのホーム(移住した星)で開拓用重機としてつかってても、
自然に数が増えちゃうし、その余りが、たっくさん!たっくさん、いっぱい出続けちゃう、ってことなのか……」
「そういうことになります、ね!」
場所は、タートルシップ内、ゾイド格納庫の中。
ソメイが、安心できるだろう、と…
…自分の相棒のシールドライガー機の前までリアクタが連れてきてくれて、、
そこで、リアクタとの会話を取っていた……
グルルゥ、
ライガーに見守られながら、ふたりは話を続ける
「……移民定着していった星々が、溢れそうになるくらい、zi人とゾイドというのは、繁栄しているのだな…」
「そうなのです、私達の一族は、他の同業の方々と同じように、宇宙の銀河を旅しながら、新しい星を見つけたら入植したりコロニーを建造しながら、ゾイドを養殖したり、放牧したりしている、移動牧場みたいなことをやっているんですよっ!」
「それで、今回、武装使節として、我々の星を助けに来てくれたのか…」
「そのようなかんじですね!」
染井はリアクタから己に説明がされたそのことに頷いてから、
「このシールドライガーに至っては、プロトタイプの開発から、一千年単位が立ってるのか……」
「そして、このゾイドは、戦闘機械獣。もっとうまれたままの姿に近い子も、いっぱい居て……」
タイプの型式の新しい方に属する、野生体の、うまれたままのワイルドに近しい姿のままで提供することもできる。……
「なるほどねぇ、改良と現代化はされているとはいえ、
シールドライガーは旧い型式のゾイドで、その他のやつをも、このわたしに、選り取り見取りさせてくれる、ってわけなのかあ、」
ガルゥ、
そう言葉の口にだすと、
なんとなく、ライガーの気配が、ムッとした物のようになった感じがする、と染井は感じた。
…………二人の間が沈黙に包まれ、一拍の間が、そこで経った後、
「……、ね、ねっ、ねぇ? ソメイ、さん、?」
「さっきの、おねえちゃんの、心無い言葉、あ、あやまりますっ」
「おねえちゃんは、どちらかというと、ゾイド生命体を、機械のように見るひとだから、あんなふうな、ロジカルな語調になるのです……ごめんなさい!」
「……う、うん、」
「……あ、謝り足りないことが、まだ、ありましたっ!」
?
「……じつは、パーティ、やろう、って提案したの、わたし、なんですようっ」
「うん、?」
「だ、だから、今日の今夜のパーティは、わ、わたしは、キミに、……ソメイ、さん、に、よろこんでもらいたくてっ、……一緒にでたくて……」
「え、えぇっと……」
「嫌、な、かんじ、ですか、っ?」
「あ、いや、その、」
「……ライガーで、初めての戦果をあげられたから、そのお祝いに、って思って!
で、でも、……地上で、地球人さんたちが、いっぱい傷ついて、いっぱい死んでいて……デリカシーなかったの、わ、わたし、でしたねっ、……ごめんなさい!!」
……うん、そっか。……
「だから、そ、それとも、っ、そ、その……
だから、だから……その、わたし、のこと、きらい、に、
……キライに、なっちゃいました、かね、? ……」
え、いや、その……
「……」
……
「………………、、。。。、、、」
うる、うるる、と大きな瞳のその両目に涙をため始めたリアクタに、
染井は、(あっ、やべえ、)となった。
「う、うぅぅう、うぇえぇえぇ……っ!」
ぼろぼろと涙を流し始めたリアクタに、染井は、うろたえた。
ノーともイエスとも言えない日本人とは、己のことだろうか。
自戒しつつ、染井は、とっさに言葉を出そうとして、
「……ま、まった、まった! わたしも、! わたしも言葉足らずだった、! だから! ねっ、泣くのを止めて……」
「ふえ、? ひぐ、ぐっす、ぐすんっ、」
はー、まるで末っ子のそのままだ。
……染井も家では末子だったので、この子の情緒というか感情のありのままは、理解できるし共感できる。
なんなら感情移入まで出来ていた。
自分と同じくらいの年の位なのに、こうも幼いのだから。
相応の、空回り、というやつなのであろうか……
なので、だから、というわけではないが、
「それから、リアクタ…さん、ちゃん、」
「? なんでしょう、か?」
「わ、…わたしを呼ぶ時、は、……染井、だけで……いい、よ、」
「!」
はい、!
…………まるで、ひまわりが咲いたようだった。…………
……その一言で輝かしいくらいの満面の笑顔になったリアクタに、染井は、現金だなあ、と思ったりもしたりした……
ガゥルルゥ、
シールドライガーは、その二人のふれあいの様子を、優しげに……まるで自分の愛おしい子供ふたりを、見守るかの様子でいる。
「! わっ、きゃっ!」「わわ、わっ、ら、ライガーぁ……乱暴だよぉ」
ライガーが、その愛し子ふたりの頬と顔を、
その己の舌で、ぺろり、ぺろ、となめる…
…涙を拭うように、涙の味を忘れさせるように、
二人の顔を、なんどもなめた。
顔を洗うかのように、絆と愛を確かめ、授けるかのように。
「パーティ、出ますか? ソメイ!」
「うん? ど、どうしよっかなぁ……
……ごはんだけもらってきて、ここで、ライガーと、……リアクタ、と、一緒にたべるのが、い、いいかなぁ?」
「! はいっ、はいっ/////!!」
そのような感じで、格納庫での一幕は過ぎていった……
++
タケルちゃんタケルちゃん、お肉のすてぇき、だって!
すげぇよな、このウチュージン? さんたち、そんなゼータク品、食わせてくれるなんて!
「さあみなさま、ご歓談の程を……」
そうして出されたのは、
「君たちにバッファロー種ゾイドの肉のステーキを食べさせてあげよう。
きっと、病みつきに、なるぞ!」
……てつのあじがする。
おいしくないーっ……
「 そ、そうかい?! そ、そんなぁ、普通の味の、美味しいバッファローゾイド肉の、その特選部位ですよ?!
そ、そうしたら、パパオの実のスムージーを……」
腹がこわれるからいやだーっ!
もっと、びすけっととか、くっきーとか、そういうのがいいーっ!!
……
どうしたものかなぁ、
どうしましょうか
……どうしよう
そんな折……
…… ! ……
「 どうした!!」
そ、それが、地上の人類軍が、本船に、攻撃行動を取ろうとしています!
ニホンの、帝国ではないとのことですが、しかし!
即座に、アクティアの副官が、染井のそばにいるだろうリアクタに館内端末の通知をかける。
……2コールで、繋がった!
ミス・ソメイ? これは、どういうことですか。
副官が、ずい、と迫り寄る。
追求されるべきも、この私であろう。……染井は口を開いた。
「 いったいどういうことですか? 意思統一が成されていない、ということなのですか?」
おそらく考えられるのは、……
……!
++
米軍の到着の、その数分前……
多摩丘陵の山岳地帯を、縫うように飛ぶ撃震の中隊の姿があった。
その機数は、11機。……一機の数だけが、歯抜けのように欠けている……
……なんですか、その、米軍機とやらは…
…その情報って、本当なんですか?
「 わたしがこういうからには、わかってるだろう?皆。」
(クソ両親め、こういうときは、情報が早いんだから!)
隊を率いる有原という少女衛士は毒づいた。
事態は急であった。
それも、つい今しがた、米国側から通告があったばかりだという。
情報がもたらされたタイミング的に、
今、二子玉川陣地に入っている将官将校級には、
具体的内容の一切が伏せられていた、と来たもんだ。
「まってろよ、染井……!」
染井の原隊の部隊の撃震たちだ。
その撃震の機体たちが、宵闇の空を駆けていった。
最大出力での飛行であった。
++