ゾイド生命体を用いてBETAの脅威を打ち砕く話 作:もにもに+マウンテンヘッド
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……二子玉川・市街地跡にて……
「こ、このッ! キックで……それがダメなら、うでのツメのひっかきで!!」
「ヒャッホゥ、なるほど、陸戦では確かに脅威になるだろうが、だが、こっちは空中を飛べるッ!!」
キィィィィン……
バババッ!
ドドドドド!!!!!
「きゃぁああ?!」「土筆ぃ!?」
迎撃しようと現れた土筆のゴドスであったが、巧みに戦術機を操る手練の米軍兵の衛士相手には、まだ、機体のポテンシャルを活かしきれていなかった。
同じ人類相手だから、加減しよう、というのもあったかもしれない。
射撃武器は……手足などの末端を器用に狙える火器系統がないから、ダメだ。
強力なビームにレーザー。この世界からするとパラレルワールドに相当する、遠い23世紀の地球の科学技術に由来を持つ……それ。
このゾイド同士の戦闘を前提にした戦闘機械獣の火力火器では、いくらゴドスとはいえ、相手を必殺してしまう。
なら、格闘戦を……相手は空を、翔んでいる!
そうして、必殺の……部位末端の損壊を目指して…近接戦を挑もうとした土筆のゴドスは、
戦術機の特有の持ち技である…マニューバの、ホバリングによる水平機動の移動でかわされた結果、
迅速なその動きでこちらからの格闘戦をことごとくかわされた、
その直後のがら空きの機体に、
戦術機の持つ複合兵装の小口径弾を、その連射速射を、モロに受けて食らってしまったのである。
「……至近距離からの小口径弾だぞ!? それの直撃を、こいつ、耐えやがった!」
「 バカヤロウ、コクピットは頭にあるものと推測される!」
「 なら、死なない程度にいくらでも、痛めつけられるってことだ! ハァーハハーッ!!!!」
百舌鳥の早贄、という言葉はあるだろうが、
まるで鳥葬に掛けられたが如く、戦術機の鷲たちについばまれていた。
そうして痛めつけられた、ゴドスが四匹……
「だいじょうぶ、ゴドス、ちゃん……しぬときは、わたしひとりでいいからね、ごめ、ん、ね……そうなるように、くっ、グッ、す、するか、ら……」
キュウ?! キュゥゥ!!!
コクピットには、幸い、至近弾や命中弾などは無い…
…だが、土筆をはじめとするこの全員は、今日のこの戦闘の連続で疲れ果てていたし、
なにより、人間同士の揉め事……に、このいたいけな機獣たちを、巻き込ませ、挙句の果てに、痛めつけさせてもいる!!!!!
そのような事態とその事実に、苛立ちと悲しみと同時に、BETAと戦うべき己等の本分はなにか、と目前の戦術機たちに投げつけたくなって、怨めしく、バカバカしく、なっている……というのが、本音であった。
なにより、相手が人間であるというところで、相手を殺すわけには! いかない。
今後の事態と時局の趨勢が、自分たちの一挙手一投足に掛かっているかもしれないのだ。
このゾイド生命体を、人類に受け入れてもらうこと。
ならば、であった。
この、戦闘機械獣…ゾイドの爪と牙を…人間の血で、汚すわけには!
対するゾイド生命体の、ゴドスたちのほうも…
…己の相棒たる少女らの、
この不条理に翻弄されながらの奮迅に、
涙(オイル)を流せる器官があれば、流してしまいたい、そんな気持ちの感情にもなっていた。
そうしたロジックとの板挟みで、今この時、少女らが死にかけていた、その時……
グルル…!…ゴドスは、怒りの、威嚇の声を上げた。
……人が怒らなくても、ゾイドが怒る……
そして、次の瞬間、目にも留まらぬ速さで、しっぽのヒレの先による“突き”を見舞った!
見舞われる戦術機の側であったが、
ややタイミングのあった、それを危なげなく、回避して……そして、
「アウ?……ガッ!?」
そのイーグルの一体が、むんず、と首根っこを掴まれてから……引っ倒された。
じぶんたちの背後に、なにかがいる。
「な、何? ウェイ? ホワイ?」
▼ゴジュラスがあらわれていた。
「 ころさないように当てられたいか、ころされるように当てられたか、
……どっちがいいですか……?」
「オゥ、“ジラ”!?」 「ハウア、アー、ソー、ウェイ……」「ノォォォォ……」
「……よくもわたしたちをいたぶったな……
わたしたちを攻撃したのは、そっちが先なんですからね!!!!!」
ビル街の廃墟の狭間から顔と体を乗り出し……
怒りのゴジュラスが、咆えた。
……刹那には動きが見舞われた……
ヒットゾーンをかなり高くして、器用に振りかぶられたゴジュラスのしっぽの繰り出しの一撃により、
二体のイーグルが、その上半身の胸の際から上ごと、叩き潰され……頭部部位が破壊された。
「アウ、アウチ、ノー、ノーッ!!!」
「さきにやったのは、おまえたちのほう……」「おふろ、たのしみだったのにー!! うーっ!!!」
引っ倒されたそれを、待ち構えていたガイサック二匹が、
それぞれの両のハサミの爪で、転がされたイーグルの関節部や武装部を切断し破壊していくことで、速やかに米軍機の機体は解体されていき…
無力化をおこなっていった。
「くそったれ(FUCK!)、ブービートラップか!!
……予め必殺地帯(キリング・ゾーン)が曳かれてあった所に、我々が誘引された……ということか!!?」
驚愕に染まる米軍兵たち。
「フ、フ。地獄に落ちるなら、あなたたちが先ですよ……」
作戦を思いついた本人である、兵士・土筆は、ニタリと嗤いをこぼした。
「 チクショウ(shit!)、こいつら、口に牙がついてやがる!!!」
アロザウラーの噛み付きが、米軍の戦術機の、
コクピットブロック下方の位置での、その腰のジョイント部で、仕留めようとした一瞬があった。
イーグルは手馴れの技で、その一撃を回避しようとした!
だが、アロザウラーの猛獣としての素早さに、回避速度とその制動が追いつかず、
左半身の末端を、噛みつかれてしまったのだ。
「アガァ、ァアアッ!?」
食い破ることはせず……引き倒すように、地面に転がしてやる。
そして、とどめだ。
「アギャアアアア~~ッ!?」
非殺傷の段階にはなっているはず、とアロザウラーは囁いてくれている気がするが……と片泉はあとで述懐するが、
とにかく、次の瞬間の電磁爪の行使によって、このイーグルの機体は完全に鎮圧された。
だが、しかし、……
「まだだ、あと、7機も残ってやがる!!!!」
……金済班の少女らの奮戦と健闘は続いた。
だが、
「ハッハッハ!!!」「ヨォー、ベイベッ!!」
「ぐ、ぐぅ……っ!?」
今度は仕掛けられたのはこちら…金済班…の方だった。
目前のゴジュラスを円回転の中心として、
残りの米軍の戦術機たちは、旋回しながら銃撃を続けて加えていく。
同時に多数が全周囲方向から攻撃をしてくるので、格闘戦に持ち込めない!
でも、……火器統制システムを立ち上げれば、機体各所の火器による対空銃火で、軒並み叩き落とせる!
だが、それでは、一撃必殺すぎて……ころさないようにする手加減が、できない!
手加減せざるを得ない新守の側は、やられるしか無い……
「イェス、なかなか楽しかったぜ、アニマルたちよぉ。
貴重なサンプルとして後で回収し、我が国の誇る科学班に調査をしてもらうさ、そのアニマルと、乗っている乗員ごとな。
どうせジャパンの政府のことだ。“友好”とその見返りを餌にすりゃあ、拾いもんの兵器技術と兵士(ガバメント・イシュー:GI )の何人かくらいは、どうさせてもくれようさ。
さて、俺たちはぼちぼち、そろそろ作戦の本題と……行こうか!」
「イエア!!!!!」「ヒャッフー!!!!!」
自分たちから、戦術機たちが離れていく!
向かっていく先は、上空の宇宙船へとだ。
おそらく、あの携行火器を用いることも在るのだろうか。
……そんなのはわかりきっていた。
彼我の遭遇した最初に、警告の通信を試みたのだ。
だが、向こうからの返答は、劣化ウランの弾丸だった!
このディスコミュニケーションに、絶望するしか無い。
「クソッタレ、銃撃が主体のカノンフォートじゃあ、手加減ってのができねぇ……ッ!」
金済もまた、苦闘の中で、もだえていた……
(どうする……どうすればいい……どうする!!?)
必死に考えていた、その時……
イーグルのではないエンジン音が、聞こえてくる。
なんだ、ヤッコサンの増援か?!
「ファントムか? インペリアル・ジャパン・アーミーの!」「作戦のブリーフィングでは聞かされてないぞ?!」
もしそうであったら、ありったけの罵詈雑言を己の怒声で騒ぎ喚こうか、と金済が決意した、その時に、その通信が聞こえた。
「 撃震?! ……味方(日本帝国軍)のか?!」
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