ゾイド生命体を用いてBETAの脅威を打ち砕く話   作:もにもに+マウンテンヘッド

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第13話

 

 

……タートルシップ・ブリッジ内……

 

 

「艦長、今戻られましたかッ」

 

 

 ああ、…状況は、

 

 

「おもんばかしくないです。……地上の日本帝国のゾイド部隊は、突破された、と。」

 

 

 そうか、

 

 

「下方向への対空迎撃、できるか!?」

 

 

……無理です、本艦の自衛用対空火器が、接近する人型戦闘機の機体を貫通した場合……

 

 

「クソゥ、真下の日本帝国軍の陣地を、背後の盾にしているのか!……それも、故意に!」

 

 

 事態は一刻の猶予もなかった。 

 副官が声を上げて、発令と指揮をこなしていく。

 艦長・アクティアは、艦長席に座って、瞑目した。

 

 

(フェイントを、仕掛けられた、……ということか……)

 

 脳内で、冷静に考えをこなしていく……

 そして、阻止戦力としてレドラーとストームソーダ型の出撃命令を下す。

 その機種の切断翼の武装装備ならば、相手の最終的な生死はともかく、“配慮ができた”迎撃阻止は叶うはずだ…

…そう決断した時のこと、

 

 

「そちらの従卒に案内されたので、入らせてもらうよ、」

 

 

 ! ……人類の、日本帝国の、使節団ですね。

 ようこそ、……と、祝賀としてもてなせるタイミングではありませんが、

 

 

「 嗚呼、……我々は、囮と餌に、まんまと使われたらしい……ッ!」

 

 

 使節団の代表の壮年を始め以下一同が、こらえきれない、という憤怒の様子で、顔を歪ませる。

 その模様をみて、この人類側勢力の足並みの乱れ方に、ようやく理解が追いついてきたアクティアたちタートルシップのクルーたちである。

 

「レドラーとストームソーダー、第三大甲板から発艦可能です」

 

 よろしい、そのまま、出撃を。

 

「はっ……」

 

「待った、待つんだ。

 我々人類の戦術機という兵器は、

 BETAの巣の中のような密閉閉所での戦闘をも前提としたものだ。

 特に、まだ拝見は叶ってないが、この君等の宇宙船の内部のような構造にも、だろうね。

 そのつもりで米軍は戦術機を、F15を向けてきたのだろう……」

 

……なるほど。

 そうしたら、発着用の大甲板の開放は、取りやめ。

 現在、使節団の受け入れに使った、第五小甲板のゲートから、機体の発進を振り向けて……

 

「……待ってくれ! 我々がここまで通ってきたのは、

 このブリッジに経路が直に通じていた、広い甲板だったろう!?

 その我々が着艦した、開放甲板の暴露は、まだ閉鎖できていないのか?!」

 

 

 あっ……、

 アクティアと副官は、脳裏で戦慄した。

 

 

 

++

 

 

……タートルシップ、直下空域……

 

 

「ヒュー、ホンモンのファントム・タイプだぁ、訓練教育過程の時ぶりだぜぇ!」

 

「侮ってやるなよ、あれでもヤツラの一張羅さ。油断したが最後、サムライのソードで、切られちまう!」

 

「オゥ! そいつは御免こうむるし、杞憂というやつです。

 我々のこの近接火器とフォーメーションマニューバで、接近される前に、阻止すればいい!」

 

「ハハハ、ジョークにしてやればいいさ。ヤツラのをな!」

 

「やりますよ! ホッホーウ!!!!!」

 

 

 直上方向への跳躍飛翔を続ける、米軍機の、F15・イーグルの機体。

 その眼上の目前に……タートルシップの姿が、至近に迫りつつあった。

 

 

「パーティの挨拶だ! ドア・ノックの景気づけをしてやれぇ!!」

 

「ラジャー、サー!!!!!」「ヒャッフーッ!!!!」

 

 

 タートルシップ宇宙船の外部外装面に対して、

 戦術機の肩部にマウントされた、多連装ミサイル・コンテナの弾頭を放つ。……

 

 大きく分けて、三段階の目標指向をしていた。

 

……船体底部に向かっていったミサイルの弾体は、船底部のEシールドに阻まれて、

 そこの階層部位で炸裂し、命中は阻止された。

 

 船体外縁部にも、同様。

 

 ならば、船体上面部位は?

 

 

 ドドォッン!

 

 

「ビンゴ!」

 

 

 船の強度が極めて頑健なため、

 今の一撃では、装甲や構造にも致命打どころにもとはなっておらず、全くの損害は軽微であった。

 負傷者も死者も、当然として出ていない。

 だが、されど、この発射は、

 もしやしても、撃破だとか打撃だとか、……を志向したものでは、なかった。

……今のこれで、タートルシップの船の甲板部位への着弾によって、

 船体上面部へのEシールドの展開がされていないことを、

 この米軍の衛士たちに把握されてしまったのだ。

 

 

「作戦はAプランのままで行くぞ。

 シュミレーターで演習したとおり、ハイヴへの強行偵察の要領だ。

 あの宇宙船の内部構造にまで進出し、“我々米国独自の”、メタル・モンスターのサンプルか標本を持ち帰ること。

 可能であれば、乗組員の異星人の肉体標本の採取と、船の指揮能力の制圧までしても良い。」

 

 

 ラジャー、と米兵の衛士たちは返答をしながら……

 

 

「ジャパンのファントム、未だ、接近をなおも続けています」

 

「ファントムは所詮ファントムだろう。イーグルの性能に比べれば、近づいたところで……」

 

「い、いえ、……ファントム、増速を開始しています。このままでは、最高速で突入してくる模様、」

 

「われわれにか?」「イ、イエス!」

 

 

 は?

……指揮官は唖然とした。

 

 

「ファントム部隊、尚も増速……我々に、突っ込んでくる!?」

 

 

「カミカゼ、か?!」

 

 

 

 

 

++

 

 

「隊長、本気でやるつもりなんですか?」「わ、われわれの、撃震型の戦術機では、たしかに正面からイーグルとは厳しいにしろ……」

 

 ああ、だから、“正面から”、……やってやるのさ。

 

 

「た、隊長が、

 腹を切る覚悟だから、って言い出したから、やるんです。思い違いしないでくださいね?!」

 

「我々全員、始末書物だあ……」

 

 

 ま、諦めろ。

……隊を預かる衛士・有原は、そう締めつつ、

 

 

……上方向に回り込むつもりか?!

 

 

 まずい、

 

 タートルシップの迎賓挺で、日本帝国の使節を船内に招待して、初の会合を開く…

…その予定で居たので、航空航宙甲板が存在する上面方向へのEシールドは、現在、解除していたのだ。

 

 おそらくは、それを突入経路に使って……

 

 

……あのバカデカイ宇宙船に、戦術機で忍び込む?!

 

 

「チクショウ、なら、こっちもアドリブでやってやるのさ。」

 

 

 有原は決意を固めた。

 

 

「……今そちらに取り付こうとしているのは、

 そちらの機材、及び人員への、破壊活動も前提に命令されているやつらだ。

 油断すること無く、用心してほしい!」

 

 

 

 全通信帯域で、それだけを怒鳴る。

 

 

イーグルたちが、迎撃阻止の銃火を見舞ってくる。

 だが、それにひるまず……着弾を食らっても、尚も構わず……

 

 

 いっ直線に、激突させてやる!

 

 

 

「 染井~!この貸し、高くつくからなぁ!!」

 

 

 機体のスロットルを、全開。

 跳躍推進装置の、ロケットブースターとエンジンスラスター、その2系統。

 両方を同時起動してやり、直後、爆発的な推進力で撃震は飛翔した。

 

 

「 戦術機で垂直上昇するってのはぁ!!」

 

 

 上昇……飛翔……上昇していき……

 

 

「 隙だらけになるんだよなぁ!!!!」

 

 

 上昇……上昇………上昇……………到達!!!

 そして撃震の機体の進路が、米軍機のイーグルたちと、接触コースに、重なった。

 そして、激突の間際。

 

 

「近接刀、てんかいぃぃぃいぃ、! ……テヤァ!」

 

 

 イーグルが相手ならあ!

 

 近接長刀を、展開。

 

……一閃が、閃いた!

 

 

 ズバァッ!!!

 

 

「やられた?! この、ファントムごときが、この、私をぉっ?!」

 

 

……ファック、ビッチ!!!

 

 

 有原は撃破した……跳躍装置を切り裂いて落下するだけにしかさせてやった……イーグルに、

 余り慣れていないファック・コールとともに、嘲りを入れてやりつつ、

 

 

「チェストォーっ!!!!!」

 

 

 続けざまの、二撃目!!

 

 

 この一撃で、タートルシップに乗り込みかけたイーグルのもう一機と、機体同士は“刺し違えた”。

 

 

「ぬ、……落下、する……が……っ! ぬあああっ!!!」

 

 

 直後、……損壊した互いの機体が推進力を失い、

 格納庫の外部甲板に、有原の撃震たちと、それから、無力化した米軍のイーグルが、なだれ込む。

 

 

 

「ふー、……勝ったな! 私の勝ちだ! ワッハッハ!!!」

 

 

 

 

 不意打ちに近い格好ではあったが、

 有原の撃震は、米軍のイーグルを無力化することに成功した。

 

 

……かにみえた。

 

 

「これで終わりか! ジャップめ!!」

 

 

 擱座した米軍のイーグルであったが、機体の腕部と、脚部コンテナ内蔵の近接短刀はまだ生きていた!

 展開し、そして挑みかかる。

 その一撃を、血が頭に登って、逆上したイーグルの米兵衛士は撃震に振りかざそうとして……

 

 

 その時である。

 

 

 

「……コング!? コングじゃないか!! って、グアッ?!」

 

 

 格納庫の荷役、兼、警衛……のアイアンコングとハンマーロックたちが、このイーグルの四肢を取り押さえ、もぎ取った!

 

 

 今度こそ、事件は鎮圧された……

 

 

 

++

 

 

 

「 な、な、な、……」「お、おわった、のかな、?」

 

 状況のよめこめてない染井であったが、

 ともあれ、リアクタとともにシールドライガー(この個体は複座型だったのだ!)に乗り込み、

 この招かれざる訪問者……米軍の、イーグル……を、手加減無しで迎撃し、撃破する、

 

 その覚悟を固めていた。のであるが……

 

 

 ウルルゥ、

 

……おのれらの意気込みがことを為せる前に事態が完結したらしき様子を汲み取って、

 ライガーは、残念そうに息遣いを鳴らした。

 

 

 

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