ゾイド生命体を用いてBETAの脅威を打ち砕く話   作:もにもに+マウンテンヘッド

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第14話

 

 

 

 甲板上に打ち転がった戦術機たちの残骸……

 

 イーグルから降りた米軍兵は即座にZi人のMPに検挙されたが、

 一方の撃震から現れた面子に、染井は、驚愕とした。

 

 

 

「た、隊長! それに、みんな!」

 

 

「ああ……なんとか、おまえの所に来ることが出来た。」

 

 

(むむむ?)

 

 

 ひとり、リアクタだけが、不穏な気配を感じ取った。

 

 

 

++第14話++

 

 

 

「染井……! 幼馴染で、都度在るごとに、わたしのライバルとなる女。立ちふさがってくる女。

 そのおまえが、わたしとともに戦術機部隊の教育課程から出たあと、

 このわたしの部下になったのがこないだのことだ。

 

 なんで、どうして、いなくなってしまえばいい、……何度も恨み言を云ってきたつもりだ。

 だが、ついに……わたしはわかった。わかってしまった。

 わかってしまったんだよ、……。

 

 染井、おまえが居ないと、私はくるってしまうんだ!!」

 

 

 

 有原……隊長、頭でもつよくお打ちになられたので?

 

 

「染井~~!それだ! おまえのその冷感な切り返しが!!!ほしかった!!!

 この名家の出のワタシにそうも冷淡に振る舞えるのは、おまえしかいないんだよお、染井ぃぃぃぃい……!」

 

 

 

「ぁぁ、」

 

 

はぁーぁあ、馬鹿らしい。

 染井はそう頭を半分抱えつつ……

 

 

 

 やんでれさん、ってやつなんですねぇ。

 

 

「 ど、どうしたの? リアクタちゃん、目が、坐った表情だけど……?」

 

 

 べっつにー、?

 

 

「……、。、」

 

 

 あーもー、なんなのか!!

 

 リアクタ・マイトと有原 陶子、

 この二人からの性質が違う好意を、

 はたして好意と受け止めて切れているかは染井自身もわかりきれては居なかったことではあったが、

 ともかく、綱引き争いのようなこの状局に、染井は黄昏れにうらぶれるしかなかった……

 

 

 

 それはともかく、

 

 

「撃震、一個中隊、12機、全機、損傷、中破、ないしは、大破……」

 

 

 わははは、どうだ、すごいだろう!わたしの戦果だ!

 

 

……

 

 

「 まー、あれだ。

 訪問中のわが帝国政府の特使を、守った、……ということにはさせてくれるだろうが、

……そのはず、だよなぁ?」

 

 

 ただでさえ戦力不足なのに! 

 頭を抱えている幕僚と、表面上は顔をにこやか~、に、……だけど頬と口角がひくついている……

 日本帝国の特使たちが、まわりの間近に控えている状態である。

 

 

「 戦車を失った兵士は、歩兵として戦わざるをえない。

 なら、戦術機を失った衛士は、どうすればいい。」

 

 

「 ゾイドにのればいいじゃん。」

 

 

 は?

 

 

……染井はそう告げ、有原は、面食らった。

 

 

「 染井! おまえ、宇宙人になったのか!!」

 

 あーもー、有原隊長は、いつまでそんなつもりをやっているのですか! もう、わたしも、眠いんですよ?!

 

 

 とはいえしかたないこと……衛士・有原は、今日の始めに起きた出来事の、

 BETAを圧倒したシールドライガーの活躍を思い返した。

 

 しかし……とはいえ、とはいえ……

 

 

「 撃震で生き延びようとすれば途方もなく苦労するのに、

 お前、このゾイドってのはなあ……」

 

 

(はぁぁぁ……)

 

 

 相変わらず……話が、くどい!

 とりあえず、となりでうつらうつら、と寝かけている? リアクタをベッドに連れていくためには、あとどれだけこの隊長の弄言を聞いていなくてはならないか……

 

 

(たすけて! ライガーっ!?)

 

 

 その一方のライガーは、獅子が馬耳東風とはまるで聞いたことはないけども……

 

 ガルル、

 

 まーるで、気にしていないかのように、よその方角を見ていたのであった……

 

 

 

 

 

……その向いている方角の向こうに、海を超えて、米国のワシントンDCがある。

 

 

 

 

++

 

 

 

 その国の大統領と、直通電話で喋って欲しい?

 

「 はい、……われわれにも、背に腹を代えられない事情がありまして……。」

 

 

 

……

 

 

「いやいや!我々としては、あなたがたに新たな負担とはしたくない!

 しかし……

……むこうは、議会内と政府内の不一致、が原因、と、そう主張をしているようです。

 先程、帝国政府の側にも、謝罪の速報が入った、と。……

 

 我々としても、本当に申し訳ない!

 日本帝国官僚としての我々の首と公務員生命に引き換えても、

 この通話は、後日に回していただいても、結構です。

 ほかに外交チャンネルをもちえない向こうさんだからこそ、

 釣ろうとした餌であろう我々に、恥もなく中継ぎを要求して!

…ですがおそらくは、後回しにすれば、向こうの急進派や強硬派に、アリバイを与えてしまう可能性があるでしょう。……我々の懸念は、そこにあります。」

 

 

……わかりました。

 

 

……!! ……もうしわけない……!!

 

 

++

 

 

 

「 ハロー、この青い星への、来訪者たちへ。……

 まずは、今回の混乱とその被害をもたらしてしまったことを、最初に、心から謝罪する。

 すまなかった。

 

……

 

 そして、単刀直入に言おう。

 

 それを踏まえた上で

 そちらからの要求はあるだろうか?」

 

 

 はぁっ、……

 

 それを告げる前に……

 

 まず、その前に、あなたたちに、軍事的なテクノロジーの授与を致しましょう。

 けれど、これは貴方達に対する警告の意味があります。

 

 まずひとつに、自衛の能力を持っていただく。

 あなたの国だけではありません、この星の、この世界の人類の、すべて、全体全域として。

 

 まず、あなたがたがさきほど交戦したゾイドの中でも……

 ゴドス・タイプのゾイドは、機種としての誕生の直後であったり、

 その後の補修とアップデートを繰り返してきた上での、

 特に今現在での我々の仕様では確かに違うでしょうが、

 それでも、数ある戦闘機械獣のなかでは、今となっては、もっとも一般的で、ベーシックであり、

 悪し様に言えば、もっとも弱い部類、

 そのような位置づけの、その機体です。

 

 その機体に苦戦したのが、いまの貴方達の軍事力の中での精鋭たちです。

 それであっては、どうにもならない!

 強く受け止めてもらいたい所存です。

 

 それから、

 あなたたちとあなたの国の人間は、何事に置いても最先頭の走者でいなくては、納得がいかない、

 そのような国民性だと見受けられました。……それ故に、今回のアクシデントが起きたのだとも。

 

 それならば、と我々は考えました。

 あなたとあなたの国に、最初からすべて得られるものを施し、

 その分、無為な欲とそれのもたらす混乱と破滅の発生を、厳粛に手控えてもらう。

 そしてその分、あなたたちはあなたたちが望んだように、

 “身の丈に合った”、高くて長い、ハードルのラインとゴールのテープの独自走者に、

 英雄的で勇敢なチャレンジャーに、どうぞお好きお好みなように、なっていただく。

 

 ただ、それは貴方の国への独自の優遇とはなりません。

 われわれはすべての国に、同じ水準のテクノロジーを提案と提供をします。要請があれば。

 あなたの国だけが最恵国ということではなく、

 その他の国や組織にも同様の程度の情報と技術の開示と提供は、我々の独自権としてさせていただきますし、

 そして、いち早く先に、有効に、我々の資産に触れたモノの義務と責任として、

 あなたがたの国には、どうぞぜひとも、リーダーシップの発揮として、

 その物理リソースと資源資産的豊かさの活躍と活用として、どうか、共に続く国家や組織の、あなたたちの同胞の地球人たちへの、誠意と、優しさとして、利他的に、協力と援護をしてあげて頂きたい。

 

……この事件の顛末を聞かせてもらった今の我々としての、

 これが、精一杯の、友好的態度の表明です。

 

 

「……そうか、」

 

 

 兵器類の製造能力で、あなたの国は、

 この傷ついた地球の中でも、いまだトップであろうと、見積もられるからです。

 ですので、我々のテクノロジーを組み込んだ、あなたがたの事情に適合した、有効たり得る兵器。

 これを、早急に実用と調達のめどを付けて、普及させていただきたい。

 それが、要旨ということです。

 

 

「 なるほど……」

 

 

……

 

 

「……うむ、

 うむ、その忠告を、心に留めておこう。

 それと同時に、我が国にへとテクノロジーの供与を行ってくれる表明をしてくれたことに、改めて感謝する。」

 

 

 話はまだあります。

 

 

「とすると?」

 

 

 我々としては、こっちの方が主題です。

 我々が提供するテクノロジーは軍事的パワー以外にも多岐に渡ります。

 それらを普及させることで、

 このあなたたちの地球上の人類の、その文明と生活の水準を、引き上げること。

 

 

「うむ、?その実例としては……うむ、うむ、……

 

……、?! ワオ!!

 

 コロニー! 恒星間移民船!? す、すばらしい!」

 

 

 ですが、ひとつ、留意していただきたいことが、……

 

 この次元世界に入った真っ先に、宇宙空間に、偵察として出した、無帰還目的の無人のホークアイ型レドラー、その多複数。

 それによって得た、電子偵察情報です。

 

 

「……こ、これは……

 

 

 

 俄には……いや……よそうか。」

 

 

 

(これを本当の“まこと”とするならば、我々の思い描いていたオルタネイティブ5が、ただの無意味になる。

 作戦と戦略を大きく変えなくてはならなくなる……)

 

 

「ありがとう、……来訪者よ。

 そうすると、だ」

 

 はい、?

 

「私としても、気分を切り替えたい。……

 なにか、必要なものはあるかね? 

 代価、とはいわない。我々からの、その謝罪と友愛の証として、用意しよう。……用意できるものの範疇であれば。」

 

 

(……アクティアは、しばし、考え込んで、)

 

 

……

 

……とりあえず、喫緊の要求としては、食料品類の、補給などを受けたい。

 そして、大統領、あなたとあなたの国の示してくれた親愛に基づけるものとして、

 今後、新たに要求や要望などを、臨時的に、継続的に、重ねていっても、よろしいですか?

 

 

「 無論だ。」

 

 

 そうして、通話は終わった。……

 

 

 

 だ、大統領。

 

 

「 ああ、……正直、ショックだ。

 われわれはちっぽけな存在だ。そのわれわれが、あの忌むべきBETAという怪物どもと! 

 どこまでも、向き合って、戦わねばいかんらしい……

 地球どころか、銀河単位で!

 そして、勝利を勝ち取らなければ、ならない、ときたもんだ。」

 

 

「だが、」

 

 

「 我々としては、願って叶いもしなかったことが、降ってきたかの如くだ。

 まるで、クリスマスプレゼントを受け取った気分でね。

 

 そうすると、あの善意のサンタクロースたちには、それ相応の信義と信頼を以って、今後の関係を築いていきたい……そのつもりだ。」

 

 

「 少なくとも、私の任期中は、ね。」

 

 

 

 

 

 

 こんにちの当直を終えて……

 

 私室に帰ってきた、アクティアである…

…が、その様子は、周りに示していた怜悧で厳かなものとは、打って変わっていて……

 

 

 

 あ゛ー゛!゛

 

 

 つかれたよー! 妹よー!

 

「 おねえちゃん、うるさい。」

 

 

 がわっ!

 

 

 いま、こうして、(毎度のことだ…)…という態度を隠そうともせず、

 枕を放り投げ付けて、その姉の顔面の口を、! 物理的に塞いだのが、

 マイト姉妹の、アクティアの妹でリアクタの姉・パッシヴァである。

 

 

「ウザ絡みするなら、リアクタを当たってよー

 少なくとも、私にはいまやらないと行けないことがあるんだ。」

 

 えー、なんだよー、原住民族の現住文化の研究とそのマネタイズ、かー?

 

 

「 そんなこと、っておもってるかもしれないけどねぇ?

 これが、けっこうおかねになるんだから!」

 

 慣れているように爆発するパッシヴァである。

 

 

「 星系ネットに流せば、けっこーな利益が入ってくるんだよー。」

 

 そのパッシヴァは、

 スマートグラスを掛けたその眼鏡状デバイスのつるを、くいくい、としながら、

 

 

「 リアクタも誰に似たんだかで浪費癖が在るし……特に、ゾイドのことなると、本当に……

 アクティアお姉ぇも、! 今回、相手から相応の金子をまぎあげきれてないじゃない!!」

 

 

 しょーがないだろー、希元素類だの金だの銀だのプラチナだのは、ゾイドの発生とサイボーグ化と義体のリサイクルしてりゃあ、いっくらでも溜まってくだけのシロモンなんだからさー、

 

 とりあえず、新鮮清潔食品類や消耗品類の補給を受けれる目処を付けたんだから!

 

 いーじゃーんー

 

 

「ああもう、経済金銭的な、資金の相互兌換と流通と、取引通用の条項の締結だとか!

 ほんとーだったら、修好和親条約とかいって! 不平等条約だって、できたんだから!

 外面はいいのに、クルーにはもててるのに、この、ダメダメ艦長め!!!

 まったく、この船団の財布と金庫とかね稼ぎ役をやってるのは、私ひとりみたいなもんなんだから……!」

 

 

 リアクタは、ー!?

 

 

「 は ?

 

 なーんか、あのソメイってお嬢さんとよろしくやってるみたいよ?

 

 なーんだかしんないけど、さっき私の端末に、メッセージはいってたもん。

 

“寝落ち作戦成功、これより同じベッドに入る、同衾の成功を願われたし”、って。

 わけわかんないけど。」

 

 

……アクティアからは、返事がない?

 

 

「あら? このシスコン、ショックでしんだかな?

……、、。。、

 あーらら、寝てるや。」

 

 

 パッシヴァは……アクティアの体を、ベッドのそばまでなんとか引っ張っていき、

 それからブランケットをかけてやったあと、

 再び、己の机の前にまで戻った。

 

 

「 さて、私はもうひと踏ん張りするかなー?

 

 ぐふふ、でゅふふ、銭儲けのチャンスだ…! のがしてたまるかーい!!」

 

 

 夜は更けていく……

 

 

++

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