ゾイド生命体を用いてBETAの脅威を打ち砕く話   作:もにもに+マウンテンヘッド

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第15話

++

 

 

 

 永かった一日が終わり、そして……夜更け頃を過ぎ……

 

 

 

 朝、の多摩川・二子玉川陣地。

 

 

 

 ワニワニパニック、という遊技機がこの世界にあるかはどうかであろうが……

 

 

 多摩川の水に水没した米軍のイーグルの機体が、水中の中を遊戈していた、水棲ゾイドたちに目を付けられた。

 かじってきたり、頭を擦り付けてきたり、頭の顎を使って、なでてきたり……

 特に、様子を面白がったバリゲーターの複数に、機体の手足を噛まれて、四肢をもぎ取られる。

 

 

「ノォーッ?!!」

 

 

 バリゲーターたちは加減をわかっているのか、衛士が乗るコクピットなどの重要部位のバイタルパートには歯を入れなかった……

 が、噛み付くたびにバキバキと割れて折れていく戦術機の装甲外装を小気味よい、面白い! と思ったかはともかく……

 どうあれ、バリゲーターたちの噛み付きは止む様子とはならない。

 

 

 群がるバリゲーターを見て、救助を命じられた帝国軍も、回収を任ぜられた米軍の派遣部隊も、

 その両方の面子が、ワニの殺到する多摩川の中にへは、入りたくとも入れない、そのような状態であった……

 

 

 

 それはともかく……

 

 

 

 

 

 米兵の捕虜たちは、エンジョイしていた。

 

 

 

「ワォ……

 すげぇ! コングとジラが、コンビを組んで戦ってくれてるぜ!!!!!」

 

 

 おれたちの、コングとジラ!

 

 

 留置房に押し込められた捕虜たちが、暇つぶしに、と渡された電子端末の画面を、食い入るように見る。

……いま、全世界が、同じ映像を見ていた。

 そして同様の映像を見ているであろう、

 世界中の各国の軍人と、派遣されてきた米軍兵らが、

 同僚と顔を見合わせながら、興奮して、口々にそう伝えあった。

 

 

 それとは、パッシヴァ・マイトが編纂編集して販売した、

 ゾイド生命体がBETAを圧倒して駆逐している、その場面集。

 データリンクで母船と繋がっている状態の、世界中にばらまかれた無数のゾイド生命体。

 それらがBETAを食らったりして倒している場面の、そのガン・カメラの一人称視点の映像を

 ピックアップして、

 それを編集したMADビデオめいたものを作り、この世界の人類にへと放送を開始したものだ。

 

 

「ワォ、……クレイジー」「オゥ、ィェース……」「アメイジィング……」

 

 

 天下の米軍だって、怖いものはこわいのだ。

 その恐ろしいものの筆頭であったろうBETAを、あの機械生命体たちは、真っ向から粉砕していっている!

 

 

……これが、おれたちの“しもべ”とか“ペット”になったところを想像してみろよ?!

 

…………あぁ、そうだな!!!

 

 

………………偉大なるわがアメリカが、さらに偉大になるぞ……!

 

…………そうなりゃ、そのときは、仕えさせている“マスター”の俺たちが、! 英雄だ、ってこった!

 

…だなぁ! おい、MP、他にもみせてくれよ! 特に、もっと強そうなやつがBETAを倒しているのとか!

 

 

 

 USA! USA! USA!

 

 

 

 監視のタートルシップのクルーたちは、

(なんなんだこいつら…)…と、なっていたとかいないとか。

 

 

 

 

 捕虜になった、米軍の衛士たち。

 そのモノたちの、食事時でのこと。

 聴取のために来訪したアクティア艦長と副官に、

 居住まいを改めて、捕虜たちのその隊長が、尋問を受ける。

 

 

「オゥ、ソーリー…

…貴方のような美しい女性がこの船の艦長だということならば、

 それを最初から知っていれば、私は自分たちのこの“過ち”に、反対をした……」

 

 

 貴方たち、女性でしょう?

 妹ならともかく、……わたしには、あまりそういう趣味は無いと想いたいので。

 

 

「ノウ、詫びと謝罪としたいのだ。

 とにかく……無礼とその非礼を詫びたい。

 もし、貴方がたの寛大さと容赦の慈悲によって、

 我々の部隊の全員が元の米国(ステイツ)に返されて引き渡された時、

 私は、責任と約束の実行として、

 元の指揮系統の上官や指揮階級並びに作戦階級に、厳重に抗議をする。

 わたしの原隊での職責にかけて、それを実行しよう。

 それを、可愛らしい貴方たちとの、その第一の約束としたい」

 

 

 口だけの約束でしょう? それに、なんのペナルティーにも、なりえていない。

 あなたの国がどこまで誠実かも、我々には知れるところでは、ありません。

 強いて言うならば、あなたたちとそれへの命令者という独断専行を許すほど、…

…あるいは黙認をされたほど……

 あまり思慮の深さというのには、期待ができなさそうである……とは感じますが。

 

 以上です、

 アクティアと副官は立ち去っていった。

 

 

「ノウ! あなた方の提供されるステーキが何の肉か、わからない!

 チキン・ブロスにされるのは嫌だぁ!」

 

 

(なにいってんだか……)

 

 アクティアと副官は、顔をゲンナリとさせた……

 

 

 

 

 

 そして、捕虜が返還される時間が来た。

 

 

 

 

 

 ほう、こいつがか。

 

 儀礼の交換のために同乗していた、将軍格の米軍人が、葉巻を吸いながら、

 zi人側で同じく警衛に立つ、アイアンコングらとハンマーロックたちに、やぶさかではない……というような目線を向けた。

 

 同乗してきた人間はもう何人かいて……その一人の、ハリウッドのプロデューサーを自称する…正体はCIAのエージェントだ…その人物が、自身が引き連れてきたカメラ・クルーに撮影をさせながら、

 オーバーなリアクションとともに、ラブコールを送ってみせた。

 

「コング!君に髑髏島の王となる栄誉と、愛しのフィアンセをプレゼントしてあげよう。

 さあ、私とともにゆこう。私の妹をファックして、いいぞ!!!」

 

 そんなときに、である。コングは動きを動かして……

 

「ハァ?!」

 

 儀礼の為立っていた米軍の戦術機が、アイアンコングの腕の手に、デコピンを食らった。

 

「なんだと?!」

 

 舌があればぺろり、あっかんべー、……と出しているかの如き仕草のアイアンコングであった。

 ふすー、と鼻息を荒げたアイアンコングたちは、格納庫のハッチの元のピケットラインの位置にへと、

 身を繰り出して戻っていった……

 

 

 

 素通りされていったのは、引き連れされてきた米兵の捕虜たちも、であった。

 これから悲劇の英雄として、祖国に帰る面子たちである。

 

 

……オゥ……

 

……そ、ソォーリィ……

 

……態度で示されると、虚しいものだな……

 

 

 

 このモノたちにへは、人間とゾイドとの奇跡は、起きなかったのであろうか?

 

 悟った米軍兵らは、顔をうなだらさせた。

 

 

 USA! USA! USA!

 

 通信波域の乱れのせいで、

 おそらくこちらの様子は、映像としては断片にしか見えていなかったのだろう。

 ともあれ通信の向こうから聞こえてくる、母艦の米軍の強襲揚陸艦内・本部指揮所の面子たちのその無邪気なコールが、

 先程の個体のアイアンコングたちには選ばれなかった、この場の米軍兵たちを、さらにいたたまれない気分のものとしていた……

 

 

 

 

 衛士・染井は、はたして起きがけだった。

 

 

 目をみやる。

……そういえば、ここは宇宙船のなかだった。

 

 そらあ、見慣れているものはなにもねぇよな、

 

 そう括って、染井は、半掛けに乱れていた…

…ん?なんでこんなに乱れてるんだ?プロレスごっこやったあとじゃあ、あるまいし…

…掛け布団を、剥がそうとし……

 

 

 

「 あったかい……」

 

 

 全裸のリアクタが、己の胸、腹から下半身にかけて、からみついていた。

 

 

「 ?! り、リアクタ、!? リアクタちゃん、なにしてるのっ!?」

 

 

 遅れて、染井は、真っ青になった。

 

 

 すっぱだか、になっていた。

 

 なぜか、? 己も、それから、リアクタも。

 

 

(まてよまてよまてよマズイマズイマズイ)

 

 

 どっくんどっくん、バクンバクン、……染井の胸の鼓動は激しくなって……

 

 

(ウッ、動悸が!……はともかくとして、……)

 

 

 なんで、どうして、なにがあった、……なにをやった?! 自分?!

 

 

「おぉっとぉ、マズイマズイまずい、これはまずいぞぉ……」

 

 

……こんなこと、どうしたの、

 染井は、染井は必死で頭の中をひっくり返して、記憶を辿ろうとする……

 

 そうだ、昨日の晩、ライガーの前で、あの晩餐の時、

 染井はリアクタとともに、パパオの実を使った果実酒……を飲んでいたのであった。

 

 リアクタに、進められるがままに。

 おねえちゃん……の秘蔵の品をちょろまかしてきた、とかと云っていた気がする…

…それはとにかく、

 

 

「ふぁ、……おはようございまふ、ソメイ!」

 

 

「え、ええ、あぁ、嗚呼、リアクタちゃん……」

 

 目覚めたばかり……

 蠱惑的な仕草で、リアクタは染井の手腕を、手にとって……己の胸に寄せた、

 

 

「きのうは、とってもステキな、よる、でしたねっ/////」

 

「?! ………  ………」

 

 

「? どうかしましたか? ソメイっ」

 

 

 染井は、存在しない己の記憶回廊の中で、遭難していた。

 

 

 

「おわった……完全に、おわった……」

 

 

(……ゆうわくは、ふはつ。作戦失敗か……)

 

 

 一方のリアクタは、枕を己の顔に押し当てつつ……

 それに染み込んだ、己と染井の体臭と汗の匂いに、名残惜しく……鼻をうずめさせたのであった。

 

 

++

 

 

 

 タートルシップは、北に、移動しつつあった。

……まずは関東圏からのBETAの根絶を、日本帝国政府に、依頼されたからである。

 

 時刻は昼になる前。

 この日のゾイド投下が開始されようとしていた。

 そして、……染井もまた、ゾイドのパイロットとして、己の相棒たるシールドライガーで、出撃を望んでいた。

 

 

 

++

 

 

 

 

「キミは、最初に、一人目のゾイドに選ばれたモノ。

 シールドライガーに見初められた。」

 

 

 格納庫の搭乗ラダーからコクピットに乗り移りつつ……染井に、リアクタがそう述べる。

 

 

「これが、このシールドライガーの、Mk-2装備。

 ダブルキャノンスペシャル、とも読んでくれてもいい。」

 

 

 只今、シールドライガーに、大型の火器が装着されていた。

 MK2装備を装着したシールドライガー、

 もしくは、シールドライガーDCS(ダブルキャノンスペシャル)、

 と呼ばれる形態であった。

 

 大型のビームキャノンか。

 これでなら、真正面から要塞級を倒せるな。……染井は心の奥からそう感じた。

 

 

「わたしが、整備したんですよ? もっちろんです!」

 

 

 あは、は、……心強い味方が出来た、と染井は感じた。

 

 

「さあ? リアクタ、後席(コ・パイ)、まかせたよっ、」

 

「はいっ、精一杯、がんばりますっ/////」

 

 

 搭乗するのは、染井だけじゃない。

 リアクタも、副パイロットとして、機に乗り込む、ということであった。

 

 

 

「行くよ、シールドライガー!」

 

 

 ガウゥ!

 

 

 染井の発奮にシールドライガーもそう答えて、

 そしてふたりとライガーは、ともに、再び戦場にへと舞い降りていった……

 

 

 

 

 




とりあえずこれで第一部完結!といたします。
ですが、まだ続く…予定!
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