ゾイド生命体を用いてBETAの脅威を打ち砕く話 作:もにもに+マウンテンヘッド
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戦術機にも乗れない、適性がない。
戦車なんて貴重品、おまえにはもったいない……
闘士級が、眼前に現れた時……果たして、この、土筆 浩 つくし ひろ ……という日本帝国軍の少女兵士は、
拭い難い絶望とともに、脳裏にそうした走馬灯が流れる感覚があった。
……あれ? 走馬灯って、本当なら、もっと、素敵な思い出とか、良かったこととか、そういうのを、思い出せるんじゃなかったっけ……?
ガチガチ、と震えで噛み合う歯のこともそうであったが、両手から取り落しそうになっている小銃のこともそうであったが、己の頬を濡らす涙も、己の股ぐらを濡らす失禁のこともそうであったが、自分は、自分というのは……
(ま、まだ、…ま、だ……)
しにたくない! わたしは!
ザシュ、という音が、最期に響いた。
「 あ、れ、? わたし、しんだはずじゃ……」
……そう、闘士級らこの場のBETAの、その最期の断末魔、として……
BETAの不潔な血……己にかぶさったそれを不快だと思うよりも早く、
この兵士・土筆がまずみやったのは、果たして、目前のBETAを始末した……
「きょ、巨大な……カマキリ、さん?」
チキチッ、と挨拶のように声を残して、
この目前の、巨大なカマキリ……スパイカー型・奇襲戦闘ゾイド……は、
返り血を払った後、再び戦闘のさなかにへと舞い戻っていった。
「え、……えっ、?」
土筆ぃ!
己を呼ぶ上官の声が聞こえて、ようやく、呆けていた土筆は、ハッ、と己を取り戻すに至った。
……そうだ、わたしたちの班は、高機動車で移動してたら、途中で、BETAと遭遇して!
「じょ、上官どのぉ!」
「土筆ぃ、大変なことになった! 本物の宇宙人が、攻めてきやがった!!」
は? というのが、兵士・土筆の最初のその感想である。
普段から素っ頓狂なことを言い出すこの上官のことであったが、
しかし、見ろ、と指し示されたその先を見たら、納得するしか無い。
指の向けられた上空を見た。
なにやら巨大な宇宙船が滞空している。
「なあ、オレたち、どうなっちまうんだ?! どうなんだ?! 土筆!」
「た、多分、だいじょうぶ、ですよ? 大丈夫、ですよ!」
がっくんがっくん、と上半身を揺すってくる……この上官。
話を振られた側も、素っ頓狂にならざるを得ない……と兵士・土筆は呻きつつ、
「こっちは、正義の? 宇宙人さん? ですので!」
腹の中からまだ今もなおこの、巨大な、機械の生物?を吐き出し続けてくれる、
この上空の宇宙船の様子を見て、
そう断言することは、まあ出来るであろう。
++第三話++
「 まるで、カメ、ですな。」
「 ああ、そうだな。」
宇宙船は巨大で、ここ、東京の市ヶ谷・帝国陸軍基地の屋上からでも、
双眼鏡を用いれば、見ることが叶っていた……
帝国陸軍の幕僚が、まるで諦めたかのように従卒に述べる。
「……目薬、あったかな、」
「さあ。わたしも、幻覚まで見させられる花粉症というのは、耳にしたことも無く……」
男二人同士、ぼやきあうしか無い。
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「オレの班は、全員、無事だ……お前もふくめれば、な。
だが、乗ってきた高機動車が、オシャカになっちまった。」
「 えっ……」
状況としては、拙い。
「移動、できない、って事…?!」
「嗚呼! そういうことになる……」
「そんなぁ!」
ぼやきあう班の同僚たちも、である。
……本当なら、最初に闘士級BETAに遭遇した時、すべての運命は、逃れられようのない死へと定まったも同然だったろう。
だが、そこで班長の金済が機転を利かし!
その闘士級BETAを、高機動車の体当たりで! 跳ねて仕留めた、というところまでには、まあ行った。
……だが、それにより乗ってきた足である高機動車はスクラップとなり……
この神奈川の大地にて、人知れずに死んでしまう、そのような定めの中に、今の自分達はあるのだろうか。
現に先程は、別に現れたもう複数の闘士級に、殺され掛かるところであった。
だが、その闘士級どもは、この、いま目の前の道路を我が物顔で闊歩している、
謎の機械生物……たちによって、始末がされた。
それがなによりありがたい! としつつ……金済は、しかし、思う。
「 おーい! 乗せてってくれないかー!? 」
思った胸の丈があれば、それを直後には大声にして叫ぶ、というのが、
この金済という女性兵士・班長の生き様ではあった。
「む、無茶ですよぅ、この子たちは、BETA退治?で忙しいみたいですよぅ、ねぇぇ……」
「おれ、実は桃太郎の生まれ変わりだって、子供の時信じてたんだ。」
「き、きび団子が、ないじゃないですか!」
「そうなんだよなぁ……それでいま、悩んでいる。」
「なやんでるって、!?」
再び
おーい!
こいつら部下を、連れて帰りたいんだー!
と、班長・金済は声を張り上げる。
「おぉっ?」「…えっ!!」
すると……興味を示したかのように、ゾイドたちは近づいてきた。
「やった!!! やっぱ、声は出すときに出すもんだな! ガハハ!」
「な、なんか複雑だけど……ま、まあ、あの子たちに、護衛してもらいながら、乗せていってもらえたら……」
そう口々に言い合っていた、その時。
……にわかに、その目の前の機械生命体たちの様子が、慌ただしくなった。
「! BETAか!!」「ええっ?!」
まずい、囲まれた!
班の他の同僚たちが、そう事態の現状を報告してくれた。
( 俺たちは、ここで、死ぬのか!? )
班長・金済が、そう最期を悟ろうとした時……
ヒュン、……
──“ゴドッシュ”!!!!!
目前のBETAたちは、横合いからのその“蹴り”の一撃に、粉砕されるしかなかった。
……数匹の恐竜? めいた見た目と構造の機械生命体たちが、
あっという間に! その目前のBETAどもを始末していったのだ。
「す、すげぇ、」「あ、わ、わ……!」
見ると、その恐竜のような姿をしているのが、見た目がほとんど同じヤツと、スタイリングが似ているヤツと、
様々にあるようであるらしく、
その内の一匹……先程、好意的にこちらに合図を送ってくれた個体の子だ…
…が、再び、こちらへと気づいて、歩いて近づいてきてくれた瞬間があった。
が、
「! あ、危ない!」「あぁっ……?!」
背後から、まだ生きていたBETAが、同輩たちであろうその残骸の中から……
その子たちへと、不意打ちかのごとくに襲いかかってきた!
……しかし、
バシュバシュ、バシュゥ!
「えっ?! す、すげぇ……」「す、すっごい!」
どうも、背中としっぽの尾の付け根にある、肝心肝要のそれによって……
その不意打ちを企んだBETAの一隊は、
燃えカスほどに、火器類のそれらによって蜂の巣にされたのが、今しがたのことらしい。
「 あなたは、ゴドス、っていうのね!? 」
キュゥ? と不思議そうにこちらを向いた、その機獣……ゴドス……は、
しかし、直後には、喜んだかのように! 小さなストライククローのその両手と身振りを躍らせて、
この、土筆……の元にへと、ゴドッシュゴドッシュ、と、スキップを踏むように歩いてきた。
「おぉぉ……!」「わわわ!? すごいっ、すごいっ……!!」
焦げ臭さに包まれながら、班長・金済と兵士・土筆は、その姿をともにみやった。
ゴドス型・戦闘ゾイドの、その勇姿を、である……
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