ゾイド生命体を用いてBETAの脅威を打ち砕く話   作:もにもに+マウンテンヘッド

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第5話

++

 

 

「おい! ……私たちに、再度の出撃許可は出ないのか!?」

 

 

 無理ですよっ、

 この仮設の基地は、各部隊の戦術機が殺到していて、補給するのに手一杯で、我々の番はしばらく当分、回ってきません!

 

 

「……染井のやつ、本当に宇宙人に食われちまったんじゃないよな?!」

 

 

 前線補修基地にて待機中の、染井の属していた部隊の同僚たちは、そう衛士・染井のことを心配していた……

 

 

 

++

 

 

 同じ時刻の頃の、神奈川の山間部でのことである。

 

 

 

──BETAだ! こっちに、来る!!

 

 

 そ、そんな……

 

 

 奇跡的にBETAとは遭遇せずに山奥からなんとか降りてきたのも、ここで運の尽きであるのか。

 避難民たちが、そう絶望しかけた……その時。

 

 

 

 

「あっ、くまだ!」「えっ?!」

 

 

 

 ベアファイターが現れていた。

 

 

 避難民たちを喰らおうとしていた戦車級のBETAどもを、手足の乱舞で薙ぎ払い、牙で食らいつき、

 そして迫りくる突撃級にへと、背部の二連装電磁砲をお見舞いする!

 

 

 ドコォン!

 

 

「す、すごい! 突撃級の正面が、一撃で貫通できてる!」「すごいぞ、あれは!」

 

「くまさん、がんばえー!」

 

 

 そしてたった今……邀撃級のハサミと、取っ組み合いをする。

 しかし、それは僅かな瞬間しか拮抗の気配はなかった。 

 ベアファイターの超強度・セラミック爪の一閃は、やすやすと要撃級の爪ごと、その肉体を貫き、そのまま撫で斬り、三枚下ろしにした。

 

 

「おかあさん、くまさんが、立ちあがったよ!」「えっ、えっ、えっ……」

 

 

 立ち上がったベアファイターが、さらにBETAたちへの追い打ちとして……

 腹部・ロケット砲の、その斉射。

 

 それによって、BETAのあらかたは始末が成された……

 

 

 

「パンダさんと、青色のくまさんもいるよ!」「そ、そうね、そうねえ……」

 

 

 さらに追加のベアファイターと、バンブリアンと、ネオブロックス・ハードベアー。

 

 それらが、山間から見えるさらなる他のBETAどもへ、射撃と砲撃を浴びせていき、掃討戦を繰り広げる……

 こうして増補として到着したそのゾイドの機体たちにもよって、

 この避難民たちは無事、救助が成された……

 

 

++

 

 

 

……神奈川県、川崎区付近、某所。

 

 

「かわいい……!」

 

 

 兵士・土筆という人物は、すっかり、ゴドスの一体に“ゾッコン”というやつであった。

 先程おのれと皆を助けてくれた、というのもあるではあろうが、

 そんな感極まって絶好調の土筆の向ける好感情以上に、このゴドスの個体が、土筆に良くなついている、というのも在るかもしれない。

 

 それもあるから、土筆はますます、愛を向けたくなる。

 

 

「ゴドス! かわいい! かわいいよ! ゴドスちゃん!」

 

 無邪気に土筆が喜んでいるのに向かって……

 ラブコールが向けられたのに答えようとして、だろうか?

 腰を下ろしたゴドスが、

 バクン、と、頭部のコクピット・キャノピーを開く。

 

 

「 ひゃ、?! 口が、開いた! とおもったけど、え……?

 

 

 わ、わたしに、のれ、……って、?」

 

 

 キュゥ、とゴドスは首肯した。

 

 

「わ、わ、わ……!!

 わたしたちも救ってもらえて、その上、こんなに強くて、優しくて、かわいいなんて!

 この子たち、さいこー!」

 

 

 戦術機にものれず、戦車も任されなかったこの土筆という少女兵士は、そうして、ゴドス、というゾイドの相棒を、手に入れたのだった。

 

 

 だが、である。

 

 

「土筆ばっかり、ずるいー!」

 

「 おい、俺にも乗せてくれ! 部下は……死んでねえから、高機動車の……高機動車のカタキを討ちたい!」

 

 

 そうなのだ、

 班の他の人物たちも、目の前のこのゾイドの群れの中から、己の“相棒”を、探して得る。

 そのようなオリエンテーション、

 あるいはカップリングの成立のための、集団お見合いめいたモノのそれが、

 いままさにから、始まろうとしていた……

 

 

 班の皆もやっきであったし、それを興味深げに見るゾイドたちも、

 また、まんざらではない、そのような気持ちであるらしかった。

 

 

 

++

 

 

 

 東京、千代田区の某所……

 

 

 

「……事態はどうなっておるのだね。」

 

 

「友好的な、宇宙人の来訪か……」

 

 

 

 顔を突き合わせながら呻く男たちは、

 この日本帝国という国家の、その最高権力者たちの面子である、

 

 そうそうたる人物たちが、ここに今、集っていた……

 

 

 しかし、この今の場でのこの会議というのは、

 苦悶めいた重苦しい空気と雰囲気の下に包まれていた……

 

 

「我が国単独で、決めれるようなことは、なにも持ち得ない……」

 

「向こうに収容された何人かの我が国の兵士や国民たちがいるとの情報です。

 せめて、その者たちの、法的立場のみでも、定めて要求するのが、いま現状でのとりえれる一手かと」

 

「うぅむ……」

 

 

 

……そこで、外交筋から、このような要望が、……

 

 

「……米軍を再展開させてほしい?!」

 

 

 

 

……

 

 

 

「……あの宇宙人連中の前で、ヘタレた腰は見せたくない、見せられない、というわけか。

 だが、まず、あちらさんに裏切られた我々に、道義と筋道を通してもらわないと!」

 

 

「だが、な……これは政府の意向でも有る。」

 

 

「上と政府の方は、素通しするんですか?!」

 

 

「……~~ッ!!」

 

 

 会議は踊り、議論は回る……

 

 

「……少し、我々は席を離れる。防衛戦の指揮本部で、最新の情報を確かめる」

 

 頼んだぞ……

 

 

「 行こうか……まだ、戦闘は、続いている……」

 

「 ハッ……」

 

 帝国陸軍の幕僚とその従卒は、

 その要人たちが詰めるオフィスを、後にした……

 

 

++

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