ゾイド生命体を用いてBETAの脅威を打ち砕く話   作:もにもに+マウンテンヘッド

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第6話

++

 

……溝の口付近を移動中……

 

 

 

「わーっはっはっは!!!!!

 このゴドスちゃんに乗った私に、もはや恐れ得るものなど、ないのだぁー!!!」

 

 

 ゴドッシュ、ゴドッシュ、と機体を乱暴にさせながら、

 兵士・土筆ははたして相棒・ゴドスの試運転と意気込む、そのさなかのことである。 

 

 

「あいつ、気が大きくなってんじゃないのか~~?」

 

「そのケは前から在りましたしね……普段態度が小さい人だから、ああなる……」

 

 

 そうしているうちにも、この帝国陸軍・婦人少女歩兵部隊の、その班の面子たちも、

 自身の乗れるゾイド、相棒となるその機体……を、見つけていくことができていた。

 

 

 

「 よっしゃ! なかなか強そうなのが乗せてくれるとさ。へっへ~!」

 

 

 さきほど、班長・金済がアタリを付けたのは……

 

 

「……ちょっとまてよ、こいつ、牛なのかあ? こんなに強そうな見た目なのに!?」

 

 突撃戦闘型ゾイド:カノンフォート、

 

 

「おい、こいつの腹部コンテナと背部の砲座というやつに、分乗してくれ!

 これで班は全員、移動できるはずだ!」

 

 

 しかし、そうして、再度の移動が叶う目処がついたのだ。

 班長・金済は快哉を叫んだ。

……だが……

 

 

 

……班長、私達も、相棒がほしいです! 

 

……私も!

 

 わたしも!!

 

 

「……許可する!」

 

 

 ここまでふたりの様を間近で見せられた少女兵士たちは、

 己たちの相棒となる子もいるはずだ、と意気込み、もうしばらく粘ってみたのだ。

 

 

 

 十数分後……

 

 

 

「よおし、分乗完了!

 このまま、オレたちは、二子玉川の陣地に戻るぞ!」

 

「大丈夫かなあ、わたしたち、こんなに派手で、みんな怯えたりしないかなぁ?」

 

「いけいけどんどん、ですよ! いいじゃないですか! これで、BETAなんてのは、片っ端から血祭りに上げられる!」

 

 

 班長・金済以下の、婦人少女兵らの班は、そうしてほぼ全員がゾイドの相棒を得ていた。

 総勢:8機のゾイドたちだ。

 

 カノンフォート、

 アロザウラー、

 ガイサック、×2

 ゴドス×4、

 

 このような編成である。

 

 

 

 乗れるモノも手にして、あとは、自陣に帰り着くのみ!

 浮かれ気分の面々であった……

……ただ二人を除いては。

 

 

 

「……わたしも、相棒、欲しかった……」「わ、わたしも……」

 

 

「こぉーら、お前らには砲座の乗組員をやってもらわないと!

 高機動車の操縦もやってくれてたんだ、いざというときに、補欠が居ないと、困るだろ?」

 

 

「……ぅーっ……」「うぅ~!」

 

 

 そうしているうちに、多摩川の県境が近づいてきた。

 この、仲間になってくれた謎の機械生物のことと、それから、自分たちが無事に味方領域内に帰り着いたということ、

 その2つのことで、班のほぼ全員は、天にも昇る、最高の気分であった!

 

……が、

 

 

 

──よ、要塞級!

 

 

 

 多摩川の神奈川県側護岸にたどり着いた時、

 川の中程に現れていた、そのシルエット……

 それを見た班の全員が、同じように……等しく怯えた。

 

 

 

「 ど、どうする……」

 

 

 川の堤防の影に機を潜めさせながら、班の総員は相談しあった。

 

  

「 でも、このままだと、二子玉川の陣地が、やられちゃいますよ!?」

 

「でも、いくらおれたちがこのスゲー機械の動物に乗ってたからって、さ、さすがに、要塞級は……しんどいんじゃないかな、って……」

 

 

「それもあるだろう、けど……」

 

 

 理由がひとつあった。

 衛士・染井の場合は元々がBETAと切り合う戦術機の搭乗員で、

 その上、大型ゾイドのシールドライガーを最初に得たためにジャイアント・キリングをなし得たのであるが、

 いまこの場の班の面子は、もともとが歩兵である上に、皆、中型から小型のゾイドを相棒とするに至っていたのだ。

 それであるので、皆、どう戦えばよいのか…

…戦い方のその、要領と勘と、それから自信が、湧いてこない。

 

 

「……な、なんだ、あれは!?」

 

 

 そんなときに、それが現れた。

 

 

 

++

 

 

 

 

 

「フム、地表はまだまだ劣勢のようだな……」

 

 しかし、この地域の敵生体重機の、6割は駆逐できたと思われます。

 

「それは、ここからどこまでの範囲の話かな?

 確かに我が船の直下あたりの地域なら、その程度の駆逐は進んでいる。

 そして、地上での戦域の範囲は、あまりにも広大だろう。

 だから、ここから制圧した地区の防御とその境界を確固としたものとするには、

 これ以上のことをするには、

 地上の国家の政府と、コミュニケーションを行わなくてはならない……」

 

 

 艦長、いっそそれならば、決戦級ゾイドを、ギルベイダーなどを投入してしまえば……

 

「まだ、この眼下の市街地では、歩兵単位での市街地戦がやってるさなかの様だからなあ……

 

 重力砲とビームスマッシャーで爆撃してしまえば楽だろうというのには同意するが、

 とはいえ、この世界の人類軍に、敵視されかねない行動も、したくない……

 

 

……よし、ならば、通常型巨大ゾイドを、投下する。

 機種は……そうだな……

 

 よし、これとこれから、これを、」

 

 

「了解、」

 

 

 

 タートルシップのブリッジでの会話だ。

 

 

 

++

 

 

……三十分程まえに遡る……

 

 

 

 レーザー級!

 衛士も兵士も知らないことだが、今回のこのゾイド戦闘機械獣たちは、

 かつてはゾイド生命体の謎の神秘の一つであったが、それへの研究と解析が重ねられた結果として、

 ホロテック装甲の効果も(限定的に)外装に付与されているので、

 素のままでも、ある程度のエネルギー攻撃にも、多少は耐えられる、そのような性能も獲得していた。

 

 だが、それは機獣に乗ることが叶った地球人の人物でさえも未だ知らないことである。

 

 

 

 特に、たった今のBETAは……要塞級が、多摩川の中ほどに位置を置いている。

 その上面にデザントさせたレーザー級からのレーザー対空迎撃の射撃を、

 多摩川・二子玉川陣地からの重砲の砲迫弾にへと仕掛けていた。

 

 同様の行動を取るそれが、複数体。

……在来の戦力でも、決死で臨んで、なんとか撃破が叶うような、最悪の相手である。

 

 

「クソッ、砲撃を封じられたら、あとは、水中地雷(機雷)と、あとは、戦車による狙撃か、戦術機による水際迎撃しか、ない……」

 

 陣地の指揮官はそう絶望を吐くしかなかった。

 

 

 この、多摩川に点々と立つ要塞級が、文字通りのネックになっていた。

 それのせいで、川の向こうの神奈川県側に砲弾を飛ばそうとしても、戦術機を飛ばそうと思っても、

 その両方が、阻止されてしまう状況であった。

 ここからその要塞級を狙うために重砲による砲撃を仕掛けても、

 それらから放たれる縦横が、二子玉川の上空を光跡として焼き払い、弾丸を阻止し、薙ぎ払っていたのだから……

 

 

「……戦術機の支援と援護は!」

 

「先程の何次めかの迎撃攻撃の際の、その損傷と損耗の蓄積と、なにより野戦補給所の施設の不具合により、

 補給が、思うように進まないとのことで……」

 

「そうか……ッ!」

 

 瞑目したあと、指揮官は目を開く瞬間があった。

 

「戦車隊、準備を終えたとのことです。」

 

「よし、……やってくれたまえ。」

 

「はっ! 了解であります!」

 

 

 直後、……陣地の際の頑強な壕に伏せられた、74式戦車の主砲が唸りを上げる。

 

 戦車砲の射撃の音が轟く。

 

 

……いわば、神話の巨人を人間の手の縫い針で突くかの如きそれである。

 確かに、主砲の口径・105ミリでは心頼りない。

 それは、今の実際の砲撃の命中による効果を見ても、

 要塞級を撃破せしめた弾はまだ出ていないのをみてもそうだった。

 だが、配備されてまもない90式は、まだだ、まだ、温存していた。

 

 

 諦めずに、集中射撃を加えていく、

 一隻の要塞級が、なんとか仕留めることができた。

 もう一隻の要塞級も、河に掛かる鉄橋の、その爆破済みの橋脚にへと崩れ落ちたのが今だ。

 

 

 しかし……

 

 

 

「要塞級、接岸を開始しています!」「クソっ、破れかぶれにか!?」

 

 

 その足を殺ったはずの要塞級が、着上陸を始めた……

 

 

 残った足で多摩川の護岸の岸にのしかかり、

 その腹部から、恐ろしくおぞましいBETAどもを、出産かのように揚陸して解き放ち始めた……

 

 

 

 

 

 その時、

 

 

 

 ヒュン……

 

 

 ドゴォン!

 

 

 

 その出産をしていた要塞級が、閃いて翔んできた弾丸によって、たった今、炸裂して吹き飛んだ。

 

 弾丸の閃きは、遠くからもたらされていた。

 

 

 

……なんだあれは?

 

 

 

 河の上には、霧が発生していた。

 

 その霧の白いスクリーンの向こうに……影色で、巨大なシルエットが現れていた。

 

 

……そして、レーザーサーチャーの機能能力を持った双眸の眼が、紅色に、“光った”。

 

 

 

「か、怪獣王……」

 

 

……その“G”の名前を冠するそれの出現。その名を冠した、戦闘機械獣。

 それにより、

 二子玉川陣地の帝国軍兵士たちは、みな、絶句するしか無かった。

 

 

 

 

++

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