ゾイド生命体を用いてBETAの脅威を打ち砕く話   作:もにもに+マウンテンヘッド

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第7話

 

 

 そう遠くもない間近で轟いた大音響とそれに付随する地響きに、

 この二子玉川陣地の指揮官はたじろいだ。

 

「な、な、な、……」

 

 先程のを先駆けに、砲撃の閃きが連続開始されたのは、今しがたからである。

 砲声と炸裂の重低音のリズムが開始された…

 それにしても、

 今の射撃を見舞ったのは、霧の向こうに、何体もいるようであった。

 

 その内訳は、ロングレンジバスターカノン装備型ビガザウロ、

 シャイアン・タイプのゴルドス、

 同じくMk-2装備を装着したマンモス……など。

 

 

 だが、その中で、特に畏怖をもたらした存在が、霧の向こうの……そこには居た。

 

 

 

 

 ゴジュラスである。

 

 

「 あ、あれは、ご、ご、じ、っ、……」

 

 

 ゴジュラス!

 この世界への、その存在の登場と出現であった。

 

 

 

++

 

 

 

 

 空の母艦から、怪獣王たちが降ってきた……

 

 

 その模様から、背負いものの巨大なカノン砲をぶっ放して、要塞級を仕留めていくまで。

 

 

 380mm・ロングレンジ・バスター・カノン。

 俗にゴジュラスカノンとも称される、絶大な威力を持つこれの行使である。

 それを、ほぼ、無射程、ゼロ距離、と称されるような、そのような肉薄距離での使用であった。

 そして繰り広げられる、至近距離での斉射と砲迫……

 

 

 金済らの班員たちは、その模様の始まりから現在までを、余すこと無く目撃していた。

 

 

「 なんだあれ?! あの、バカデカイのは!?」

 

 そう叫びながら、金済は多摩川の方をみて……

 

 

 

「橋が、! 落ちてるじゃねーか!! よくみりゃあ!」

 

 

 遅れて、その事実に気がついた……

 

 

「揚陸艇やLCACも、居ないとなると……」

 

「わ、わたしたち、全員死んだものとみて、見捨てられてたんですね……あは、は、」

 

 

 尚も、金済は声を張り上げた。

 

 

「お、オレ達は、向こうにいきたいんだー!」

 

 

 するとすると、

 

 

 

 ブモゥ、とカノンフォートは、鼻息を上げたのがいまだ。

 

 

 金済が乗るそのゾイドは、

 そのまま、数歩ずつ、多摩川の岸から水面にへと、足を進ませてみている。

 他のゾイドたちも、見習うように、と言いたげに、足を水面にへと進ませた。

 

 

「 なんだこれは?! なんだ、?! おまえら、機械なのに、水ん中進めるのか?!」

 

 

 すごい!! と金済の班の全員が、驚嘆するところではあった。

 

 

 

……その全員が、

 間際の直前に、ゾイドたちの気配が緊迫したのと、背後から、巨大な殺気を感じたのが、今のことだ。

 

 

……振り向いた時、そこには、

 

 

「 よ、要塞級……!」

 

 

 神奈川の西部内陸方面から、BETAがさらにやってきたのだ!

 市街地側からの出没であったのだ。

 それの一体が、この、目前の巨大な要塞級なのであろう。

 それの出現だった…

 

…が、

 

 

 

「 逃げろ、! 距離をとって、それから……」金済がそう言いかける、よりも、早く、……

 

 

 目にも留まらぬ俊敏さで、その要塞級へと…

…体当たりを仕掛けたのは、怪獣王の勇敢さを持ったゾイド……ゴジュラスである……

 

 

 金済班の班員の全員が、唖然とした。驚愕といってもよかった。

 まるでその巨体に見合わない、輪舞の如き……華麗な、素早さであった。

 水際で大暴れするそのゴジュラスによって班員の少女らとそのゾイドたちには多摩川の水が巻き掛けられた、というのもあったし、

 なにより、その一撃で!

 いまこうして少女兵士らの班を襲いかかろうとした要塞級は、横倒しになぎ倒されて、そのままジタバタともがいた。

 

 そうして、顕になったこの要塞級の土手っ腹に、

 このガナー・タイプの装備をしたゴジュラスは、側腕部四連装速射砲のその一斉射を見舞った!

 

 直撃を受けて粉砕された要塞級である。

 

 死んだその中や脇から尚も群れてくるその他のBETAには、

 腹部の70ミリ速射砲と、両腕部側部の前腕部小火器のビームとレーザー、

 それから、尾部付け根とその先端の、各種火器類。

 

 たった一体のゴジュラスから繰り出される、

 この雨あられのように豊富な火器系統を誇る統制射撃によって、

 これらで、圧倒的! 速やかに、殲滅がされていった……。

 

 

 遠くを見れば……

 ゾイドマンモスの頭部の、牙……ビーム・タスクによる一撃で、

 要塞級が何匹も、死体となって、転がされていった。

 

 その脇で、ゴジュラスの乱舞はなおも続く。

 

 今度は、足に食らいついた突撃級の始末であった。

 全重量を掛けた、プレス・キックの、踏み潰し……

 それをめがけて、繰り出したのであろう。

 

 すると……

 

 

「あっ?!」

 

 

 巨大ゾイドの踏みつけに耐えうる道路舗装なんて、この地球上では、限られている。

 なので、路面ごと陥没した!? ということであった。

 

 しっぽの付け根が地面に着いて、まるで、驚かされた、かのように、しかしゴジュラスは鷹揚としていた。

 まるでそれすらも、なんてこともない、と云わんように……

 

 

 そうして、

 

 

「えっ?」「おおーっ」

 

 

 すると、ゴジュラスは、なにか閃いた! と言わんばかりに……

 

 

 足元の潰れかけでもまだ蠢くそれを……

 手の爪で……持ち……

 

 

 かじりつく。

 

 

 今度こそ、突撃級BETAの絶命であった。

 ダイヤモンド以上の表面硬さをもつその装甲殻が、ゴジュラスの顎のひとかみによって、

 割れて砕けて、潰れて、両断された。

 多量の血が、流れ落ち、滴り落ちる……

 

 

 

「ま、まるで、きたねえトマトだ。」

 

「食い物に例えるなよ! 食欲が失せる。」

 

 

……その模様を、キャビンのハッチを開けて見ていた少女が居た。

 

 

「 新守(あらかみ)! おまえは、どうなんだ、」

 

 

「かっこいい……」

 

 

 新守と呼ばれた少女兵士の一人は……ゾイドを与えられなかった二人の内のひとりだ……、

 ゴジュラスが、運命の騎士かのように……見えていた。

 

 

 すると、要塞級を狩って満足したらしいゴジュラスが、その眼差しに気づいた……ように、

 

 ドシュン、ドシュンと、まるで地鳴りのような歩行の足音を立てさせながら……

 こちらへと接近していき……

 

 

「……え、あ、え、? あ、の、あっ、?」

 

 

 間近まできた、その巨体の主……

 首を下ろして、

 少女の前へ頭の顔を近づけたゴジュラスが、

 頭部キャノピーを開いて…

…中に乗れ、と云わんとしている。

 

 

 あ、え、そ、その……

 

 

 しかし、ゴジュラスという生き物は、きまぐれでもあるし、それに、短気でもある。

 

 待ちきれない! となったのかどうなのか、

 手の爪の先で兵士・新守の華奢な少女の体の服を引っ掛けると、

 そのまま、ゴジュラスは、

 己の頭部のコクピットの中にへと、まるで曲芸のように……収めてしまった。

 

 

 

──光線級からのレーザーの照射がそのゴジュラスの頭部に命中したのは、その次の刹那のことであった。

 

 

 

「 新守ーっ!!」

 

 

 班の皆は、絶叫した。

 

 が、次の瞬間……ゴジュラスの腹部機関砲の作動が、唸りを上げて轟いた。

 そうして、今のレーザー射撃をもたらした光線級はまるごと粉砕破砕された……

 

 それならば、

 ゴジュラスは無事なのか? そうしたら、頭部キャノピー内のコクピットの中の、兵士・新守は?

 

 

「ぶ、無事だよーっ!」

 

 

「 おまえ?! 無事なのかっ?!」

 

 

「は、班長っ、コクピットの中に放り込まれた次の瞬間には、キャノピーが閉まって与圧がされたから、だ、だだ、だ、大丈夫だったよっ……

 生きた心地はしなかったけど……すこし、漏らしちゃったけど……うぅぅ」

 

 

 このゴジュラスたち・大型ゾイドらは第三派に属するわけだが、

 第二波以降からの部隊の全機には、

 戦訓として、予め全ゾイドには携行式外部装着型・エネルギーシールド発生機が装備されてもたされている。

 

 固定で装備されている機体よりもその性能率というのは下がるであろうが、

 が、しかし、今の所の、BETAの光線級相手には、これでも十分以上と言えた。

 

 

 そして……強靭で旺盛な生命力を誇るゴジュラスは、生体細胞による破損箇所の修復作用というのが、他のゾイドよりも、とても強く発揮できる特徴がある。

 

 レーザーで討たれたはずのこの装甲に、ものの一分程度で、焦げたあと程度にしか痕跡はなくなり、更に数十秒で、かさぶた状になったその跡が、剥がれ落ちて行くほどに……

 

 

「す、すごい!!!」

 

 ゾイドの中でも、特に生物としてのゾイドのタフな性質を色濃く発揮していると称される、この、ゴジュラスである。

 

 そのゴジュラスは、確かにこの班員の少女らの、その救世主となったのだ……

 

 

 

++

 

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