ゾイド生命体を用いてBETAの脅威を打ち砕く話   作:もにもに+マウンテンヘッド

8 / 20
第8話

 

 

 

 

 “バウン!”

……ロングレンジバスターカノン……ゴジュラスカノンが……いままた再び、放たれた。

 

 

 380ミリの大口径を誇る、戦艦並みの火力の一撃だ。

 それが、大型ゾイド一機当たりにつき、およそだいたい、二門ずつ。

 

 今回のこれの弾丸は、ゾイド生命体由来のある種の金属素材類によって生成がなされた、光線級のレーザー照射に対して、最適化された熱蒸散皮膜に覆われた特殊な徹甲榴弾である。

 BETAとの交戦を踏まえての戦訓としてつい先程、タートルシップ艦内工廠の生産設備で臨時に製造が為されたそれを、対光線級への必殺兵器として装備が為されていた。

 対策が施されたことにより、

 光線級による迎撃は、通じづらいのが特徴の、特別な弾薬となった。

 光線級のレーザー迎撃でも、果たして、阻止しきれずに直撃がなされる。

 

 着弾、命中……

 

 遠くの要塞級が、派手に炸裂して、吹き飛んだ。

 

 

 

「しっぽではたくの、たのしぃ、!」

 

 

 兵士・新守の操縦と本人ふたり?の自我の気性により、その相乗で、思うがままに、ゴジュラスが乱舞していた。

 その強大で長大な尾が振りかぶられるたびに、それはBETAどもの大勢への死刑宣告となる。

 迫りくる要撃級の手腕が、一撃の煽りで、吹き飛んでちぎれる。

 食らいつこうとしていた突撃級は、叩きつけられた衝撃により装甲殻が割れて、

 次の瞬間には、ゴジュラスの足で、踏み潰された。

 

 

 それ以下の戦車級だとか歩兵級だとかのたぐいは、振られたしっぽの命中により……

 汚い色の血の霞になって、消えた。

 

 

 

「チクショウ、つまりBETAどもは、またタカりだしてるってことか……!」

 

 

「わたしたちも、戦いましょう!!」「はい」「おおっ!!!」

 

 

 この金済の班の全員が、ゾイドを用いた陸戦を開始した!

 

 

「とすると、機動力と攻撃能力のバランスが、この、カノンフォート、ってことなのか……

 ならば!」

 

 

 カノンフォートを、暴れさせる。

 頭部下側に懸架された二連ガンランチャーと、背部2連装銃撃砲の、射撃の連続!

 鮮烈な火力の銃撃によって、瞬く間にBETAどもの死骸が、累積していく。

 

「まるで、戦車を動かしてるみたいだな? まあ戦車とか乗せられた経験は無いんだけどよ、って… …」 

 

 まだ暴れ足りない、……カノンフォートが訴えかける感覚があった。

 それの鼻先と目の向けられた先に、あるのは……

 

 

「 おい、この牛、アレに突っ込みたいってか?!

……いーじゃねーか、ヤッテヤル!」

 

 暴れ牛のロデオだ。金済は腹を括った。操縦桿を踏み込む!

 するとカノンフォートは突進の如く発進をし、

 眼前に迫りきた、突撃級の正面外殻を……

 

 

「なんだこれ!? 角から、ビームが生えたぞッ!!」

 

 

 焼き切る。

 

 直撃を受けた突撃級が、ひるむような一瞬があった。

 

 が、それには構わず、

 突き刺さったビームホーンで、そのまま、スパァン……と、灼き切る。

 

 

 まるで、熱したナイフでバターの塊をスライスするかのような、そのイージーさであった。

 

 

「 ヒャッホゥ、たまんねー!」

 

 

 カノンフォートの強力さが、如何もなく発揮された!

 

 

 

 

「あ、あたし、は、……」

 

 

 乗っていた少女兵士はまごついていたが…

 ガイサックのポイズンジェットスプレーで、

 浴びせられた要撃級が、絶叫のうめき声を上げながら、

 もがき、苦しんで、死んだ……

 

 

「す、すごい! すごいよ、ガイサックちゃん!」

 

 この機に乗り込んでいるのは、兵士・相田だ。

 そう声をかけられたガイサックの方は、

 手のハサミを片側だけ上げて、まるで挨拶かのような素振りをした。

 

 

「はぁあっ! てやぁあッ! たぁっ!!!」

 

 

 土筆は、鬼が乗り移ったかのような強さを発揮していた。

 ゴドスのキックで、戦車級が粉砕される。

 左右脇腹のロングレンジガンの自動焦点射撃で、またも要撃級を撃破した!

 そして、ゴドスの武器はそれだけではない……

 ムチ状にしなる尾部の先端には、ナイフのように尖ったヒレが着いている……

 

 撫でられるようにはたかれただけで、小型のBETAは吹き飛ぶように四散された。

 そしてその威力は小型以上のにも有効でいて、

 数匹まとめて撫で斬りと串刺しにされて、さらにBETAは果てて死んだ。

 

 

 土筆による操縦は、そのゴドスのポテンシャルを、十二分に発揮できている!

 そのことを、乗っている本人の土筆も、載せている機獣の側のこのゴドスの個体は、心の底から絆を結び合えることを、今確かめあえていた。

 そして心の底から絆を結び合うことが出来ている、その上で、そして……互いに信頼と好感と、己等の本領を発揮できるこの戦いの興奮の感覚を、分かち合えていた。

 

 

「すげえ、すげえ……こんなの、ムテキ、じゃねーか……!」

 

 

 カノンフォートの頭部コクピット内から見ながら、金済はそう譫言するしかなかった。

 あの土筆が! ここまで縦横無尽に、活躍せしめていたのだ。

 もう、言うことなしである……班長・金済はそう独白した。

 

 

 次に、アロザウラーの機体が、市街の道を、跳ねた。

 兵士・片泉が乗る、アロザウラーである。

 

 

 

……アロザウラーが、大地を駆ける。

 

 

 背部の、二連装ビームライフル・さらにそれが二門。

 バシュバシュと浴びせられていくたびに、周り一帯には、灼けて死んだBETAが無数に山積していった。

 

 しっぽを叩きつければ、たちまちにBETAは叩き潰れて、死に腐る。

 そのまま左右にへと薙げば、薙ぎ払われたBETAどもが、そのまま吹き飛び飛び散り、死んでゆく……

 

 戦車級を噛み砕く……

 顎の数噛みで、戦車級の肉体だったそれは、めちゃくちゃにフレークにされた後だ。

 ガムの代わりにもならない。

 そう言いたげに、アロザウラーは口内のそれを、不味そうに、ペッ……と、吐き出して棄てた。

 

 掌部のガン・システムを、火炎放射のモードに切り替えて、

 目前のBETAどもに、浴びせかけていく……

 

 たちまちに、兵士級だとかは燃えて焼き尽きて、くたばっていった。

 

 

 突進してきた突撃級が、この時居た。

 だが、アロザウラーは軽い身のこなしで、ヒョイッ、と飛び退くと……

 

「な、なんだ?!」

 

 乗っているパイロットの片泉すら驚く挙動だった。

 そうなのである……

 逆に、飛びかかって、取り付いた!

 アロザウラー型の誇る軽快な運動性能の、その本領の発揮である。

 そして、突撃級の前部の装甲殻に、その腕の手爪を、掛けてやると……

 

 

…… !!!!!!! ……

 

 

 おそろしい勢いの電流が、そこから薙いだ!

 

 まるで、稲妻が落ちたかのような、衝撃と威力だった。

 たった一撃、その一発で、この突撃級は、黒焦げに、焼死した……

 

 

 

 

 あっという間に、BETAが駆逐出来ていく。

 

 

 

 カノンフォートとガイサックが、巧みに敵を仕留めていく。

 

 アロザウラーと、ゴドスが、連携して要撃級BETAを葬り去る。

 

 ゴジュラスが、背部のゴジュラス・カノンを撃ち放ちながら、格闘戦で、要塞級などを屠っていく……

 

 

 戦場の遠くで繰り広げられているこの模様は、

 二子玉川陣地始め、人類軍の帝国軍のその面々には、

 どうしたらいいのか、なにがなぜ、どうやって、どのように、どのようなことにより、どのようなこととして、起きているのか……

 よくわからないことではあったが、しかし分かることの一つとして、同時に……勇気と、とてつもない高揚を授けてくれていた。

 

 

 

 そして最後に、多摩川の水面に、そのシルエットが現れた。

 

 

 

 長大な首長竜型ゾイドの、その巨艦の出現である。

 

 ウルトラサウルス!

 

 

 

 いよいよ、情け容赦の無い、一方的な砲撃戦が開始された。

 このゾイド生命体たちによるものである。

 

 

 ウルトラサウルスの主砲四連が、火を吹く……

 無数に連ねられたゴジュラスカノンが、放たれていく……

 

 

 

「うぁあぁぁぁっ!!!!!」

 

 

 乾坤の声を挙げた新守の乗るゴジュラスが、

 たった今、エネルギーブーストを投入。

 作動したターボチャージャーによって機体のパワーはさらに高められ……

 そして、

 機体の両手を使い、要塞級の一体を血祭りに上げる場面が、いま再びあった。

 

 両手の爪…クラッシャー・クローで、左右横へつまみ裂くように要塞級の側面を掴んだ。

 

 そうしてすると、次に、ゴジュラスは片足の足首の裏を、この持ち上がった要塞級の脇腹にへと掛けて……

 

 次の間際から、アバラ折りかのような一撃が繰り出された!

 

 全重量が掛けられての必殺がいま、完成した。

 メキメキ…と肉体が折れて潰れる音を立てながら、要塞級は断末魔を呻くしかなかった。

 数秒掛けてゆっくりと一連の技が一つずつ繰り出されたこともあり、

 今、要塞級の肉体は、完全に粉砕されたのが結果として残った……

 

 

 

 

 夕方が暮れかけた頃には、ことはおおよそ終わりかけていた。

 

「か、勝ったのか…」

 

 陣地の指揮官の漏らした言葉の通り、この場にいる大勢の兵士たちは、戸惑う気持ちのほうが強かったであろう。

 けれども……

 この多摩川域での決戦は、このゾイド生命体の戦力による介入により、

 日本帝国軍の人類軍は防衛の成功を得た……

 

 

 

++

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。