ゾイド生命体を用いてBETAの脅威を打ち砕く話   作:もにもに+マウンテンヘッド

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第9話

 

 

 

 ほう……ゾイドというのは、そういう生命体である、ということか。

 

 うぅむ……

 

 で、小型の機種ならば、一個小隊が、五機から、十機……

 

 

 レーザー、ビーム、実体弾機銃、その他多数……

 

 

 

「すばらしいじゃないか!」

 

 

 は、はぁ、

 

 

 過剰火力だな……これ一台で、戦車と戦闘装甲車の、何台分の火力なんだ?!

 

 

 しかし、BETA相手には、

 

 ああ……有れば有るだけ、良い。

 

 

 将軍たちはニヤリっ、と笑った。

 

 

 

「 我々は、宇宙人の手管に……乗った!

 

 

 動物好きの志願者は待機しておけ。

 

 

 片っ端から、適性検査にかけろ。

 乗せれるヤツが見つかったら、メッケモンだ!」

 

 

 

 

 二子玉川の陣地に到着した帝国軍の幕僚は、決断して、そう述べた。

 

 

 

++

 

 

……夕暮れ時の多摩川・二子玉川陣地……

 

 

 

「新守ぃ! そいつぅ、止められねぇのか?!」

 

「そ、それがぁぁ……」

 

 

 がじがじ、がじ、がじ、

 

 

「このこ、なんか勝手に、食べだして……こーらー! やめなさいー! やめてー!」

 

……だれも取らないなら自分のものでしょ?……と云わんばかりに、

 鉄橋の残骸の鉄骨を食べるゴジュラスである。

 

 がじがじ、がじ

 

 やけに美味しげに貪食をつづけるゴジュラスに、

 班長・金済の班員もそうであったが、周りの帝国軍兵士たちも、見ていることしか出来ない。

 その気まぐれさに、操縦役としてゴジュラスに選ばれたはずの新守であったが、しかしゴジュラスは言うことを聞いてくれない。

 戦闘時の息の合い具合はともかくとして、

 こういう場面になると、どうも今ひとつ、御しきれていない……

 

 

 

 ギャォォォォォォォオォ!

 

 

 新守のゴジュラスは特に食い意地が張っているようで、

 遠くにいる他の同族のゴジュラス型たちに、威嚇のように声を発する程であった。

 

 

「あーああ、まるで、おっきな、おっきな赤ちゃんですねー…

 ゴドスちゃんはああならないよね?……ぱっと見だと、お口がどこに付いてるんだろうかな、って今思ったけど……」

 

 キュウ?と声をかけられたゴドスが不思議がりつつ、

 ふたりでともに遠くのゴジュラスの模様を見ながら、土筆はそう呆れた声を出してみせた。

 

 

 

 ギャォォォォォォォオォ……

 

 

「まるで、赤子の目覚めかのようだな……」

 

 

「実際、そのゴッジャアアアア……の映画だと、赤子の泣き声をサンプリングしたのを加工して、

 その“怪獣王”の鳴き声としたそうなんだ。」

 

 

「はー、なるほど、……って、指揮官どの?!」

「「「「「「「「「け、敬礼!!!!!!!!」」」」」」」」」

 

 

「おう、生きて帰ってきて、嬉しいぞ。」

 

 この……っ

 

……自分たちの生死は絶望的な状態だったじゃないか。

 現に、自分たち以外の高機動車の班は、軒並み全滅していた……

 さきほど別の上官や同僚たちに聞かされた話であったが、それでも金済としても、物申しておきたい事はあった。

 

 

 

 

 上空のタートルシップからは、おびただしい数の水戦型ゾイドたちが大量に放出されはじめたところであった。

 

 そうして水面に降ってきたゾイドの中に、大量のバリゲーター型水陸戦闘ゾイドの群れがあった。

 これらを用いて、多摩川流域に残存するBETAの掃討と駆逐を行う……

 二子玉川陣地の上級たちが帝国軍本体からとの中継ぎをしたことで叶った、

 Zi人と、この日本帝国軍との、ひいては地球人類との、初の連携作戦! ということである。

 

 

 自分たちの成果が評価されたからこそ、……金済はそう括って、言葉を堪えた。

 

 

 ギャォォォォォォォオォ…

 

 

……バリゲーターの数匹が、新守のゴジュラスが美味しそうに食べる鉄骨の、その横取りを始めようとしているらしい……

 

 かじる鉄骨の反対側を噛んできたバリゲーターに、ゴジュラスが声を荒げる。

 

 

 

「うぇぇぇん、ゴジュちゃん、ゴジュラスちゃん、いいかげん、コクピットから下ろしてよーっ!

 お腹すいたよぉ、トイレにもいきたいよう、シャワーも浴びたいよぉ、みんなーぁぁぁ……」

 

 かれこれ先程の戦闘から一時間が経とうとしている。

 乗せられている新守は泣き叫ぶように嘆願した……が、乗せているゴジュラスは気に留める素振りも見せない。

 

 むしろ、足元のバリゲーターに向かってかじられた鉄骨をぽいっ、と投げ捨てると、

 まだ残っている鉄橋の残骸から! 

 新たな鉄骨をもぎってちぎっては、それの咀嚼をはじめるほどであった……

 投げ捨てられた鉄骨材はバリゲーター同士で鉄骨の食い合い争いになったあと、食い尽くしたバリゲーターたちは顎の開閉がガチガチ、とやって、尚もゴジュラスに催促を求めていたのであったが……

 

 

「金済ぃ、自治体と国土省と私鉄会社から苦情がはいったら、そのときは頼んだぞ!」

 

 

「えっ」

 

 

 金済の不幸であった……

 

 

++

 

 

 

 

 その多摩川を目指して、前進、進出中の戦術機部隊があった。

 日没の空を裂くようにして飛ぶ、東京湾上の強襲揚陸艦から発進した、十二機の機影……

 もっとも、所属は日本帝国軍ではない、……米軍である。

 

 

 

……ジャパンは動物園になるんだって?

 

…………ハハハ、俺たちがその最初の来園者になる、ってことさ!

 

 

………………入場料は何セント必要かな?

 

 

…………………そんときゃあ、劣化ウランの弾をぶちこむさ!!! 

 

 

……こっちは地球への来訪ビザを出してないんだ、グリーンカードは向こうには無え!

  

 

…不法滞住者には厳罰を処すってね。 なんつったって、世界の警察は、この我が国さ!!

   

 

……ハハッ、言えてらぁ!!!!! ヒーホー!!!!!

 

 

 

 巡航速度で加速して通過していく、F-15・イーグル型の戦術機である。

 

 数は複数、多数機……中隊規模での運用であった。

 それがいま、多摩川汽水域を通過して、二子玉川を目指して、多摩川を遡上していた。

 

 

 東京側の陣地化された岸から自分たちを見てくる日本帝国陸軍の守備部隊の兵士らは、

 なにごとか、と戸惑うものたちだったり、

 あるいは事情を把握しているものからは……忌々しい、憎悪、といった感情が向けられていた。

 

 

 

「ハッハ、俺たちの分のアニマルたちを、残しておいてくれよな! ええ?ジャパニーズめっ」

 

 

 戦術機の衛士たちは、口々にそう囃し立てる……

 

 今回、米軍は、米国政府からの特命を持って、一度は撤収させた日本の地へと、この精鋭の米軍のその部隊を派遣することを行っていた。

 

 それも、ただの投入運用というわけではなかった。

 友好的な特使を送り込む、というのは米国の政府内外で、

 只今、喧に議論されている、そのさなかのことである。

 だが、政府内や議会の強硬派などは、この手をこまねく現状では……、と、危機感と焦りを募らせていたのも事情としてある。

 

 彼ら彼女らは云った……かつての北米・カナダへのBETAの落着と、鎮圧までのその混乱。

 それらの前例を踏襲するのならば、いまここでチンタラとしているわけにはいかない! そのはずであろう、という理屈であった。

 すべからく、もう一つ意味があるとしたなら、国連の出方を見ていたというのもある。

 

 無能な味方も、表面上友好とならざるを得ない腹背の虫たちもを……機先を制せ、さすればおのれらの先手を得らん、……というのがそのオーダーとしてあった。

 

 

 つまり、強行偵察、……というわけである。

 

 

 それも、敵対的、攻撃的な意思表示などとなるような行動を慎むように、

 などとへの指示統制の細則などは、事実上、ない状態であった。

 

 

 事実上の、威力偵察……である。

 

 

「ヒャッホホー!!!!」

 

 

 米軍の戦術機たちは、さらに加速して、多摩川上空を遡上していく。

 自分たちをそこで待ち受けているであろう、

 タートルシップの、その下へと……

 

 

 

 

++

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