賢者の孫~公爵家の秀才~   作:マタタビ太郎

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先週は忙しい週でした。

とりあえず、忘れていたわけじゃないので出します。


アルとマリアとシシリーと

「「ごめんなさい」」

 

青髪の少女をいじめていると誤解を受け、弁明をすること数分。

ようやく誤解も解け、赤髪の少女と青髪の少女から謝罪を受けていた。

別に青髪の少女から謝罪を受ける必要はないのだが、友人の勘違いに巻き込んだということで気にしているのだろう。

 

「気にしなくていいよ。私も声のかけ方が悪かったわけだしね」

 

私が何もしなければこんなことにはならなかったからだと付け加える。

 

「そういえば、名乗っていなかったね。アルバーニ=フォン=コーラル。気軽にアルと呼んでくれると嬉しいかな」

 

私の名前を聞いて、一瞬固まった2人だったが、すぐに持ち直して自己紹介を始めた。

マリア=フォン=メッシーナ、シシリー=フォン=クロードと名乗った2人は、この会の主役の片割れである私のことを知らなかったことを続けて謝罪してきた。

 

会の最初に全体に向けて父から私とエリーは紹介されたのだが、いろいろな人に囲まれてしまった私を視界に収めることができなかったようだ。

こういうことはあまり起きないのだが、ここでまた公爵家というところがマイナスに働き、参加者も多くて会場が広いことが災いした形になる。

 

それにしても、マリア、シシリーとこの場で出会えるとは思っていなかった。

この2人はシンがテンプレート的展開で出会い、シシリーに関しては一目惚れで、主人公のシンも同様。

最終的には結婚まで行くのだ。それよりも、シシリーがシンと出会うことで彼女は聖女と呼ばれるほど治癒魔法が得意となる。それにより、救える命というものは正直想像できないくらい多い。

 

もしも、シンがこの世界にいないというような状況になった場合、彼女のレベルアップ機会は失われて助かる人も助からなくなるだろう。そう考えるとここでつながりを作っておかなければ、今後のためになるだろう。

 

「マリア、シシリー。少し付き合ってもらえるかな?」

 

謝罪を受け取る代わりに私のことをアルと呼ぶようにお願いすると、それならば名前で呼んでほしいということで、お互いに名前呼びとなった。

その名前呼びの記念にこの家を案内したくなった。断じて、同世代や上の世代の女性陣から向けられる視線に耐えられなくなってきたからではない……。

 

「いいんでしょうか。抜け出してしまって」

「大丈夫だよ。主役は1人じゃないからね」

 

シシリーの疑問はもっともなのだが、言葉通り今日の主役は2人いる少し特別な会だ。主役の1人がいなくなっても問題はない。最悪、エリーに怒られることになるかもしれないが、それは許容範囲だ。

 

「で、どこに行くんですか?」

「庭を案内するよ。母上のこだわりの庭なんだ」

 

入り口付近にいた使用人に声をかけて、会場の外へ出ると一気に人の数が減る。

そのおかげか、少しばかりシシリーの顔色がよくなったように見える。よく見ればマリアの方も同様だ。

 

そんな2人を気にかけながら庭へ向かって歩いているわけだが、会話はない。

だが、不思議と無言特有の緊張感はなかった。私もシシリーも寡黙なタイプで、マリアは少しこの無言が苦手なようだがシシリーと仲がいいだけあって、その辺りにはなれているようだ。

 

こうして向かった庭は2人には好評だった。

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