FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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暗い遺跡の中で、アグニス達の戦いは続く。
その戦いの中で、アグニス達は思わぬものを発見するのだが、


ギルガメッシュの真実

 

 

 

仲間が次々とやられる中、慎重にオメガの遺跡をマッピングするアグニス達。

早くも一個小隊が遺跡の中でその命の灯を消していた。

 

「・・・大佐、また一つ分隊がやられたようです・・・。」

兵士が涙を溜めて、悔しそうにアグニスに伝える。

 

「・・・了解した。引き続き、兵を補充して標的の監視に当てるように。」

アグニスは冷酷にそう指示を出す。

 

ハディは遊びながら遺跡にいるアースカンドの軍人を殺しまわっている。しかし、ハディの姿を見失うわけにはいかないアグニスはそこに兵士を送らないわけには行かなかった。そして、そこに赴く兵士もそれを踏まえた上で命令に応じて、文句一つ言わずに進んでいった。

一番悔しいのはアグニスだった。

自分が進んで行くべきなのを我慢して、ここに留まり、指示を出している。

そして、自分の命令に笑って答えてくれる兵士達を見送り続けていた。

 

 

「大佐っ、古代アースカンド人が残したと思われる部屋を発見しましたっ!」

アグニスが自責の念に耐える中で、一人の兵士がそう告げにきた。

 

 

「古代アースカンド人が作った遺跡だ。そんな部屋があったところで不思議はないだろう。」

マッピングしながらアグニスが素っ気なく答える。

 

「・・・それが・・・ギルガメッシュと言う人物なのですが・・・オメガやオメガクリスタルについての文献も残されておりまして・・・。」

「なんだとっ!?」

兵士のさらなる情報にアグニスは驚愕した。

 

古代アースカンド人が作ったとされるオメガクリスタルとそれを原動力に動くオメガ。そのことについて、余りにも情報がないアグニスにとって、その情報は願ってもないものだった。

 

「モイス中佐ッ、ここを頼むッ!」

アグニスはギルガメッシュが残したその情報に飛びつくように兵士を連れて部屋を出る。

 

「了解しましたッ!」

モイス中佐はアグニスの変わりにマッピングをする体勢に入り、アグニスに返事だけをした。

 

 

「どういった情報が書かれているのか分かったのか?」

アグニスは足早に案内されながら兵士に尋ねる。

 

 

「いえ、流石に我々では何が書いてあるのかは分かりませんでした。しかし、オメガに関する情報だと言う事は分かったので・・・。」

アグニスに歩幅をあわせて兵士が説明する。

 

「ヒロヨシ博士には連絡は?」

アグニスが立て続けに尋ねる。

 

「上との通信は出来ません。資料を地上に持って帰るしか今の所できません。」

兵士が素直にそう答える。

 

 

「・・・何か分かったかっ?!」

アグニスは案内された部屋に入るなり、中にいた兵士に声をかける。

 

 

「いえ、何の事かサッパリ分かりません・・・。」

資料を眺めている兵士が頭をかきながらアグニスの方を向いて答える。

 

部屋には資料を見易いようにライトが設置されて明るくされている。他には、そこに元々あった石のテーブルが2つあり、その上に資料が山積みされていた。不思議な事に材質は紙に近いが一切劣化することなくそこにあった。

 

「大佐、これがギルガメッシュという古代アースカンド人の日記です。」

部屋にいた一人の兵士が一冊の本をアグニスに差し出した。

 

「・・・・・・。」

アグニスは差し出された本を手に取り眺める。

 

その本は何の変哲もない本で、パラパラとページをめくると確かに日記のように文章が書かれてあった。

最初のページの隅には

 

「ドクターギルガメッシュ」

 

と今の文字と変わらない文字でサインが書かれていた。

 

 

その日記には、ドクターギルガメッシュがオメガクリスタルの研究を危険視していた事。

独創式飛行要塞オメガの建造を止めようとしていた事がつづられていた。

 

 

「・・・別の部屋なのですが、人が一人入れるカプセルのようなものがあったとの報告もあります。」

兵士が日記を読んでいるアグニスにさらに情報を話す。

 

どうやら、この兵士は先に日記を読んでいたので、アグニスが疑問に戸惑わないように先に答えを教えてくれたようだった。

その情報の通り、ギルガメッシュはコールドスリープしたことも書いてあり、その経緯も丁寧に書かれていた。

 

 

ギルガメッシュは再三、古代アースカンド人の上層部にオメガクリスタルの危険性を説き、説得していたようだったが、異端人だとサゲすまれていたようで邪魔者扱いされていた。その中でも懸命にオメガの建造もどうにかとめようと奔走していたのだった。が、ギルガメッシュの努力は報われる事はなく、オメガの暴走により、アースカンドは破滅へと加速していった事もそこだけ強い執圧で書かれていた。その絶望の中でも、ギルガメッシュは世界を諦めずに仲間達と共にオメガに立ち向かい、ミッドガルド人や守護獣の間接的な協力もあって、オメガクリスタルの封印を成し遂げたようだった。だが、その代償は余りにも大きく、ミッドガルドとの決別。そして、何よりも大切な仲間達は自分以外、全員オメガとの戦いの中でその命を落としてしまったようだった。

それでも、ギルガメッシュはアースカンドの未来を憂い、一人オメガが復活する時に戦うべくコールドスリープする事を決意して眠る事までが日記には記されていた。

 

 

「・・・ドクターギルガメッシュ・・・ユッケ君達の話ではハディに組みしていると聞いていたが・・・どう間違って、このような形になってしまったのか・・・。」

アグニスは日記を読み終えて、そう言わざるを得なかった。

 

日記では周りにサゲスまされようとも決して世界を諦めなかった偉大な漢。

絶望の闇に落とされても前を向き続けた漢だったギルガメッシュ。

 

それ故に、ハディに手を貸して、その命を落としたことが何よりも自分の事のようにアグニスは悔しかった。

 

「ドクターギルガメッシュ・・・あなたの想いは決して無駄にはしません・・・。」

日記を胸に抱いてアグニスは目を閉じて、そう今は亡きドクターギルガメッシュに言葉を送った。

 

 

「ここの資料は一切もらさず、ヒロヨシ博士に届けよっ。それが一番の任務と知れっ!」

アグニスは部屋にいる兵士数名にそう大きく声をかけて、自分の近くにいる兵士に日記を差し出した。

 

 

「サッ!!」

 

 

部屋の兵士達は胸を張って敬礼をしてアグニスに答えた。

 

 

「大佐ッ!部屋が・・・オメガクリスタルの部屋が見つかりましたッ!」

一人の兵士が勢い良く資料室に踏み込んできて、大きな声で叫んだ。

 

 

「よくやったっ!可能な限り部隊を集めろッ!!ハディに目にモノを見せてやるぞっ!」

アグニスは最大級の朗報を聞くと資料室から勢い良く出て、通路に響き渡るように大きな声でそう叫んだ。

 

 

「サッ!!!」

 

 

資料室の兵士、通路にいた兵士が叫ぶ。

皆が満面の笑みで自分達の勝利を確信した瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 




ギルガメッシュによって明かされた古代アースカンドの崩壊
その中で死力を尽くしたギルガメッシュ。
そして、ついにアグニス達はオメガクリスタルに辿り着く。

次回、「オメガクリスタル」
青年よ、漢達の生き様を焼き付けろ!(千葉しげるさん風)
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