FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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アグニスがハディとの死闘を繰り広げる中、
バハムートもまた闘っていた。


バハムートの戦い

 

 

「・・・こいつ・・・本当に化け物か・・・。」

ディアボロスはイライラを隠し切れずに言葉を吐き捨てる。

 

「・・・アルテマからのエネルギーが制限されているとは思えないな・・・。」

ディアボロスとはうって変わって、素直に感心するパンデモニウム。

 

「・・・・・・。」

二人の目線の先で悠然と空に佇む王者がそこにはいた。

 

「・・・君、もしかして全力出してないんじゃないの?」

睨みつけるようにディアボロスが横目をパンデモニウムに送る。

 

「・・・心外だな・・・お前の得意分野ではないか・・・。」

バハムートの方を見つつ、ディアボロスに悪態を返すパンデモニウム。

 

「・・・どうした二人とも、最初の豪胆な勢いが見られないぞ。」

バハムートはそう静かに二人に言葉を送る。

 

しかし、バハムートの心境は悠然とはしていられなかった。

 

(・・・やはり、エネルギーが制限されていると二人相手では厳しいモノがあるな・・・。)

心の中でバハムートは状況を冷静に分析する。

 

焦る二人?とは違って、その事を顔に一切出さないバハムート。これこそ、何千年も前線でアルテマクリスタルを守ってきた王者の経験値なのだろう。

 

(私の目的はこの二人を私にひきつける事だ。全力で戦う必要はないし、適当に往なす事出来るが、下手に気付かれて行動されるのも危うい。アースカンド人が早く行動してくれる事を祈るばかりだが・・・。)

バハムートは相手を図りつつ、自分の目的を忘れず、淡々と作業をしてるようだった。

 

「・・・ハディは一体何をしているんだ・・・遺跡に潜ってもうだいぶ経つのに・・・。」

ディアボロスがオメガの復活を今か今かと待ちわびている。

 

「・・・マスターなら心配する事はないだろう。多少邪魔が入ったところで変わらない。私達はバハムートを倒す事が目的だが、マスターの邪魔をさせないのであれば問題ない。」

パンデモニウムがそう冷静に話す。

 

「いやいやいやいや、倒す目的が足止めになってる時点でおかしいだろ?」

苦笑いしながらディアボロスが返す。

 

「・・・・・・。」

二人のやりとりを黙ってみているバハムート。

 

バハムートにとってはこちらからアクションを起こす必要は一切ないのだから当然だろう。

 

「・・・そういえば、あいつから攻撃してきた事ってないねぇ・・・。」

いよいよディアボロスもバハムートの目的に気付き始める。

 

「・・・バハムート個人が動くと思っていたが、どうやら別働隊がいたのだろう。」

パンデモニウムがディアボロスの導きに導かれて推測する。

 

「・・・なら、このまま3人でにらみ合っていた方が良いって事?」

ディアボロスがパンデモニウムに尋ねる。

 

「・・・別働隊がどういうものか分かりかねる・・・が、我々としてはにらみ合っているしか出来ないようだ。」

パンデモニウムが淡々と冷静に判断する。

 

(・・・一向に攻めてこなくなったな・・・私としては助かるが・・・そろそろ私の目的にも気付き始めているはずだ・・・アースカンド人よ・・・何をしている?)

バハムートは顔に一切出さずに心の中で焦り始める。その時だった。

 

 

〔ゴゴッゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・〕

 

 

遠くに見える小さい島から何やら地響きが3人の耳に届いてきた。

 

「ッ?!」

3人はその音の方向に一斉に目をやる。

 

「やっとか?!」

ディアボロスが待ちに待ったと目をキラキラさせる。

 

「・・・・・・。」

バハムートはジッと結果を待つ。その時だった。

今度はバハムート達の足元の海の中から凄まじい地響きが起きた。

 

 

〔ゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・ドンッ、ドドンッ、ドンッ・・・〕

 

 

地響きの後に、バハムート達を囲むように巨大な水柱が海から立ち上り始めた。

 

 

〔やれやれ、人の寝床の上で随分と騒がしいな〕

 

 

その声は空気を伝って、3人に届くというよりは、波長のように響き、頭に直接語りかけてくるようだった。

 

「フッ・・・懐かしいな・・・。」

バハムートはその声を聞いただけでその者が何者なのかが分かったようだった。

 

「・・・こっ、これはいったい・・・。」

パンデモニウムは地響きよりも自分の頭に直接語りかけてきた者へ戦慄した。

 

 

〔ドドドドドッ、ザパァーーーーーーンッ!〕

 

 

海が大きくウネリを上げて競り上がり、大きな大きな山を生み出したかと思うとそこから巨大な水色の竜が姿を現した。

 

 

「久しいな・・・リヴァイアサン・・・何千年ぶりか?」

バハムートは昔からの旧友にそう声を掛けた。

 

 

「・・・フッフッフッフッ、もうそんなに経つか・・・おはようバハムート・・・。」

リヴァイアサンは口角を少し上げて微笑むようにそう言った。

 

「・・・マジかよ・・・これはまずいんじゃないの?」

リヴァイアサンの姿を見て、腰が引け出すディアボロス。

 

「・・・・・・。」

黙って状況を観察するパンデモニウム。

 

「・・・お前が目覚めたという事は・・・。」

バハムートは少し悲しい表情をする。

 

「・・・そうだな・・・朗報ではない・・・な・・・。」

リヴァイアサンもバハムートに合わせる様に口角を下げた。

 

「・・・フッ・・・残念だが・・・望むところだ・・・。」

そう言ってバハムートは不敵に笑った。

 

 

 

〔ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・〕

 

 

 

二人の不安をさらに揺さぶるように地の底から暗く重い地響きがアースカンド全土に響き渡った。

 

 

 

 

 




ついに姿を現そうとしている破壊の化身
バハムート達との宿命の対決が今、時を経て
再び始まろうとしていた。

次回、「独創式飛行要塞オメガ」
青年よ、敵の全貌にカツ目せよ!!(千葉しげるさん風)
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