ミナ達の前に姿を現した。
火の力が高まるこの地形で死闘が始まろうとしていた。
その時、ミナ達が探しても止めていたフェニックスが
ミナ達の前に姿を現したのだった。が、
「私の庭に無断で侵入してあまつさえ、暴れるとは不届きなやつめ。」
そう言いながら、炎で形成された大きな鳥はミナ達の前に舞い降りてきた。
「・・・フェニックス・・・。」
少し後退りしてゼッドが身構える。
そう、その鳥こそが、ミナ達が探していた『火の守護獣フェニックス』だったのだ。
「・・・イフリート・・・お前は随分とえらくなったのだな・・・。」
鋭い眼光でゼッドを見てフェニックスが言葉をぶつける。
「・・・・・・。」
さらに一歩後退するゼッド。
さすがのゼッドも炎の上位であるフェニックスには勝てないと悟ったのだろう。
こうも早くフェニックスが姿を現すのも予想外だったに違いない。
「フェッ、フェニックス様、申し訳ございませんっ。」
ミナが即座に土下座をして、フェニックスに許しを請う。
「・・・・・・。」
フェニックスはミナの姿をイチベツしてゼッドに視線を戻す。
「・・・ここは私の顔に免じて引け、イフリート・・・そうでなければ・・・。」
フェニックスがゼッドに最後通告をする。
「・・・レオン・・・勝負は終わっていない・・・最後に立っていたものが勝者だ・・・フェニックス・・・今は引くが、いずれはお前も・・・。」
ゼッドはそう捨て台詞を吐いて、崖から飛び降りて姿を消した。
「・・・フンッ・・・面白い奴だ・・・。」
フェニックスはゼッドが姿を消すのを見て鼻で笑った。
「フェニックス様、勝手に聖域に踏み入ってしまった事・・・守護統括としても謝罪いたします。」
セレスも場を見て、即座に行動し、ミナの隣で土下座をした。
「・・・私も何も知らないわけではない・・・関わらないようにしていたのだが・・・そうもいかないのだろうな・・・。」
フェニックスは全てを見通した目で一同を見てそう言葉を発した。
「・・・ぶったまげたぜ・・・。」
好奇心を前面に出してシドがフェニックスを見ている。
フェニックスの外見は、孔雀に近い形状でスラリと首が長く、鷹のような鋭い顔をしていた。
頭からは炎で出来た大きな複数の羽飾りをはためかせ、その佇まいは気品を表現するには十分だった。羽ばたけば、4mは有に越えるように思える大きさで、威厳も相まって、その場に居るだけで身体が後方に圧される様な感覚に支配された。
「・・・お主は誰に対しても変わらんな・・・。」
子供のようなキラキラした目をしているシドを見て、ラムウが孫を見るような目で見る。
「・・・アルテマの巫女よ・・・私に何を望む・・・。」
フェニックスが単刀直入にミナに尋ねてきた。
「・・・はい・・・ある者を・・・そのお力で甦らせてほしいのです・・・。」
土下座をしたまま、フェニックスを見ずにミナが誠意を持って頼み込む。
「・・・・・・。」
シドとラムウ以外の全員が土下座をして、フェニックスに頭を下げた。
「・・・全て承知の上ですか?」
フェニックスが全て知っての上で、助力を望んでいるのかを確認した。
「・・・はい・・・。」
ミナが静かに頭を上げて、フェニックスと視線を合わせてゆっくりと返事をした。
「・・・・・・ラムウ・・・。」
フェニックスはミナを見て、一同を見てから少し下がったところでこちらを見ていたラムウに全てを話したのかを再確認した。
「・・・・・・。」
ラムウは頭を静かに縦に一回上下して頷いた。
「・・・わかりました・・・巫女からの願いならば、従う事にしましょう・・・。」
「・・・っ?!」
フェニックスの返答に一同が顔を上げて喜ぶ。
「しかし・・・その者を本当に甦らせるのに相応しいのかは見定めます。」
喜ぶ一同に冷水を浴びせかけるようにフェニックスが言葉を続けた。
「・・・大丈夫です・・・それで構いませんっ。」
フェニックスがOKしてくれた事に喜びを隠せないミナが微笑んだ。
「フェニックス様・・・ご決断感謝いたします・・・。」
セレスは立ち上がって、深々と再度お辞儀をした。
「・・・・・・。」
セレスの行動を真似て、ティア達も深々と頭を下げる。
「・・・試すと言っているのに、揺るがない貴方達を見て私が揺らぎそうですよ・・・。」
少し微笑んだかのように見えるフェニックス。
「あの・・・フェニックス様っ。」
「・・・場所は大体分かります・・・アルテマクリスタルの力を微かに感じますから・・・。」
ミナが言わんとした事をフェニックスは全て承知した上で先に答える。
「もうイフリートの気配も完全に消えました・・・私は先に行って見定めておきます・・・。」
そういうとフェニックスは大きく羽ばたいて舞い上がった。
「フェニックス様っ、ありがとうございますっ!」
高く浮上していくフェニックスに大きな声で感謝するミナ。
「・・・・・・。」
フェニックスはミナ達を見下ろすと無言でユッケの方へと飛んで行った。
(・・・ここまで人を突き動かす存在・・・楽しみですね・・・。)
フェニックスの想いがその場に残った。
「・・・・・・。」
黙ってフェニックスを見送るミナ達。
「・・・道のりは長かったが・・・なんか・・・あっという間だったな・・・。」
一連の流れを部外者のように眺めていたシドが頭をかきながら言葉を零す。
「・・・長い道のりでした・・・。」
張りつめていた糸が切れて、やっと心からニコニコと出来たレオンが言う。
「・・・帰りは寝てても良いかもね。」
ホッとしたティアが苦笑いで続く。
「・・・なんだか・・・疲れました。」
ミューレも緊張が一気に解けたことで腰を抜かして座り込む。
「・・・フェニックスも案外素直だったのぉ・・・。」
髭を触りながらラムウが感想を漏らす。
「・・・後はユッケさん次第ですね・・・心配は要りませんよ、ミナ。」
ミナの肩を触り、微笑むセレス。
「・・・うん・・・。」
セレスに笑顔で返答して、フェニックスが消えた空に視線を戻すミナ。
(・・・ユッケ・・・あんたなら大丈夫よねっ。)
空に向かって想いを投げ、ミナは強い眼差しを向けて、遠い空の向こうに居るユッケに尋ねた。
ついにフェニックスに会えたミナ達
フェニックスにユッケの復活を懇願する。
しかし、フェニックスは余りの存在ゆえに
本当に世界にとって必要かどうかを見定めると告げる。
次回、「シヴァとフェニックス」
青年よ、シヴァの想いは独り善がりか?(千葉しげるさん風)