FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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三度の再会の後、
親子は決戦前にお互いを語り合う。


父と子とクリスタル

ミッドガルド人のアースカンド訪問が一段落して、ユッケとヒロヨシは少し雑踏から離れた所で二人で話していた。付き添いの看護士も気を使って、親子と距離を取っていた。

看護士を珍しがったモグッチに捕まって看護師が困っていたのは割愛する。

 

「・・・思えば、この武器を作ったのも母さんの導きだったのかもしれないな・・・。」

ヒロヨシがアルテマウェポンの微調整をしながら話す。

 

「・・・・・・。」

ユッケは興味深い話を邪魔しないように黙って父の作業を眺めている。

 

「・・・部屋でこのクリスタルの破片を見つけた時・・・拾い上げて触れた時に、頭にイメージが流れてきたんだ・・・。」

思い出すように空に一旦視線を流すヒロヨシ。

 

「・・・この武器を振るっている戦士の姿・・・あれがまさか自分の息子だなんて思いもしなかった・・・。」

ユッケの方を向いて微笑む父。

 

「・・・結局、俺しか扱えなかったよ。」

父の微笑みに苦笑いで返す息子。

 

「・・・最初はイメージを無視して、エネルギーの活用を考えていたんだけどな・・・思った以上に難しくてね・・・だけど、イメージに沿ってこの武器を作ったら、すんなり言う事を聞いてくれたよ。」

アルテマウェポンに目線を戻してヒロヨシが作業をしながら苦笑いする。

 

「・・・言う事をちゃんと聞きなさいって、母さんに叱られている様だった。」

ヒロヨシがリアの事を思い出して微笑む。

 

「・・・シヴァが話してくれたんだ・・・母さんはクリスタルの中にいるって・・・思いを込めて・・・今もクリスタルの中で生きているんだよ・・・。」

アルテマウェポンの中のクリスタルを見て、そう自然と言葉を並べるユッケ。

 

「・・・しかし、思いもよらなかったよ・・・お前が剣を振るう姿なんて・・・。」

アルテマウェポンの調節を終えて、ユッケにアルテマウェポンを返しながらヒロヨシが話す。

 

「・・・あのメモにも俺以外使うだろうって書いてたからね。」

自宅の隠し部屋にアルテマウェポンと一緒に添えられていたメモを茶化してユッケが父親をからかった。

 

「ハハハハッ・・・そんなこともあったか・・・。」

頭をかきながら微笑むヒロヨシ。

 

「・・・きっと勝つよ・・・。」

手渡されたアルテマウェポンを見つめてユッケがそう誓う。

 

「・・・もう止めはしないさ・・・お前の好きなようにしなさい。」

息子の決意を強い眼差しで後押しする父。

 

「・・・メラーニ中佐も・・・皆がお前に頼っている・・・両親としては誇らしいが・・・もっとも望まなかった事だ・・・。」

ヒロヨシが複雑な表情でユッケを見て、そう話を続けながら、片手を上げた。

 

傍で待機していた看護士が急いでモグッチから離れて掛け寄って来る。

 

「・・・父さん・・・本当に身体大丈夫なの?」

ユッケがヒロヨシを心配そうに見つめて尋ねる。

 

「・・・私にもやる事があるんだよ・・・お前の望みが叶うように最大限サポートしないとな・・・。」

看護士が近付く今際の際にヒロヨシがそう言葉を発した。

 

「・・・わかったよ・・・。」

何かを隠していると察するもそれ以上怖くて聞けないユッケ。

 

「・・・お前なら何だって出来る・・・信じてやれなかったのは・・・私達だった・・・。」

ヒロヨシはそう言い残して、看護士と共に資料室へと戻って行った。

 

「クポ~~ッ・・・看護士のお姉さん可愛かったクポッ。」

残念がりながらモグッチがユッケの方にやってきた。

 

「・・・モグッチも異性に興味があるんだね・・・。」

ちょっと引いた目線でモグッチを見るユッケ。

 

「・・・男みたいな子ばっかりに囲まれてちゃ息が詰まるクポッ。」

なんだか全方位にケンカを売るような物言いをするモグッチ。

 

「・・・アハハハッ・・・それはティアの前では言わない様にね・・・。」

苦笑いでモグッチに注意を促すユッケ。

 

「大丈夫クポッ、そこまでバカじゃないクポッ。」

胸をモグッチなりに強く叩いてモグッチがそう答えた。

 

 

「・・・・・・。」

雑踏のどこかで、誰かがちゃんと聞いているとはその時のモグッチは知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 




いよいよオメガに向けて出発するユッケ達
色々な思いを胸に最後の作戦会議が始まる!

次回、「オメガに向けて」
青年よ、覚悟は出来たかっ?(千葉しげるさん風)
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