FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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レオン達がゼッドと対峙する中、
ユッケ達は闇の民ハディと相見えようとしていた。


セレスと闇の民

「・・・・・・。」

一言も話すことなくユッケ達はオメガの深部へと進んでいた。

 

先頭を行くのはミナだ。

ミナはアルテマクリスタルの反応を感じ取れるので、ユッケ達には地図はさほど必要ではなかった。ハディの指示で落とし子も襲ってこない状況。ミナもユッケも敵を感知していないようでただただ黙々と歩いているだけだった。

 

「・・・・・・。」

セレスもさすがに話せない雰囲気。

 

ユッケはシヴァに対して、不信感と先ほどの戦いの申し訳なさで話せず。

シヴァもそんなユッケの気持ちを察してか声を掛けれない。

ミナはそんな二人の関係にモヤモヤと締め付けられるような想いから口が重かった。

 

(・・・どうしましょう・・・なんて声をかければいいか・・・。)

セレスはそんな三人の関係を深く知るはずもなく、これからハディとの戦いに備えて、なんと声をかければいいのか思案していた。

 

 

「・・・ここよ・・・。」

 

 

セレスが考え込む中、静寂を破ったのはミナだった。

ミナは少し大きな扉の前で立ち止まり、ユッケ達の方を振り返ってゴールを告げた。

 

「・・・ここにやつが・・・。」

ミナの後ろにある扉をにらみつけてユッケが言葉をもらす。

 

「・・・ユッケ。」

シヴァがいよいよと思い、ユッケの目を見てフュージョンを促す。

 

「・・・うん。」

ユッケはシヴァの言葉に従って、それを受け入れた。

 

 

〔・・・・・・準備はできたようだな・・・。〕

フュージョンを済ませた所を見計らってか、通路に設置されていたスピーカーからハディの声が響き渡る。

 

 

「ハディッ!?」

「ッ?!」

ハディの声が聞こえた次の瞬間。

思いもよらない行動にでたのはセレスだった。

 

セレスはハディの声を聞いて、居ても立ってもいられなくなり、ミナを押しのけて何があるかも分からない部屋の中へと勢い良く入っていった。

 

「ちょっとお姉ちゃんッ?!」

慌てて姉を止めようとするミナだったが、その手をするりとすり抜けていくセレス。

 

「セレスさんっ!」

ユッケがセレスを守ろうと追いかけていく。

 

 

「・・・フンッ・・・随分無用心だな・・・ユッケ君。」

 

 

扉を抜けた先には、広い体育館のようなスペースが広がっていた。

出入り口は一つしかなく、その奥には大きな窓のようなモニターがあって、外の様子が映し出されており、バハムート達が戦っている様子が流れていた。

そのモニターを眺めやすいように一つの大きな回転式の椅子があり、ハディはそこに座ってユッケ達を出迎えた。

 

「・・・・・・。」

セレスをハディの元に行かせまいとセレスの前にパンデモニウムが黙って立っている。

どうやら、セレスに危害を加えることはなさそうだった。

 

「ハディッ!今ならまだ引き返せますッ、だから・・・だから、お願いですッ!」

セレスはパンデモニウムに阻まれながらもハディに大きな声でそう懇願して涙を流している。

 

セレスはハディと愛し合っていたという。

ここに来て、セレスは溜め込んでいたものが一気に噴き出したようだった。

 

「・・・・・・哀れな女だ・・・まだ愛を信じて、それで思い通りになると思っているのか?笑える話じゃないか・・・なぁ、ユッケ君。」

泣いて懇願するセレスをせせら笑うハディ。

 

「・・・笑えるわけないだろ・・・。」

仮面の下からハディをにらみつけるユッケ。

 

「・・・・・・。」

自分に向けられていないと分かっていても無意識のうちに少し後退りしてしまうパンデモニウム。それほど、ユッケはここに来て凄みを増して来ていた。

 

「・・・どいてやれ、パデモニウム・・・偽りとは言え、愛し合った仲だ・・・。」

「・・・・・・。」

ハディは手でパンデモニウムにセレスに道を開けてやるように指示した。

パンデモニウムは黙ってその指示に従い、セレスとハディの前から少し移動する。

 

「ありがとうございますパンデモニウム様・・・・・ハディッ!」

丁寧に道を開けてくれたパンデモニウムにお辞儀をして、セレスはハディの元へと向かう。

 

 

「お前ぇッ!」

ユッケは見逃さなかった。

 

 

「いかせっ・・・なっ?!」

 

 

〔ドゴーーンッ!〕

 

セレスがハディに近付いていく中で、ハディは剣のつかに手をそっと伸ばしていく。

それに激昂するユッケは透かさずセレスの前へと飛び出す。

それを阻止しようとパンデモニウムが割って入るが、あまりにも強い力でユッケから弾き飛ばされる。

 

 

〔ガキンッ!ピシュンッ、バチンッ〕

 

 

「・・・あっ?!」

セレスは剣と剣とでかち合った二人を見て、腰から崩れ落ちる。

ハディの剣はアルテマウェポンを受け止めて火花を散らしてユッケの一刀を防いだ。

 

「お姉ちゃんっ!」

腰から崩れ落ちた姉を救おうと駆け寄るミナ。

抱きしめた姉は涙を滝のように流して震えていた。

 

今まで必死にしがみ付いていたハディとの最期の信頼という「愛」が本当に幻想だったと叩きつけられた瞬間だった。

 

ハディは笑っている。

 

ユッケと対峙しながら笑っていた。

 

その目にはセレスなどという存在は一欠けらも映っていなかった。

 

「お前だけは絶対に許さないッ・・・。」

セレスの想いを浅くとも知っているユッケにはまた一つハディを許せない理由が出来た。

 

「フフフフフッ・・・フハハハハハッ、お前の許しなど私は必要としていない・・・お前が今、存在していられるのは、私がお前の存在を許しているからだっ。」

ツバゼり合いをしながらユッケを笑い、自分が絶対的強者だと誇るハディ。

 

 

「ハディッ!お姉ちゃんは・・・お姉ちゃんは本当に貴方を救おうとしているのよっ!」

余りにも残酷な姉への仕打ちにミナも黙って入られなかった。

ありったけの怒りを乗せて、ハディに怒鳴る。

 

 

「フフフフフッ・・・これ以上笑わせないでくれ・・・救うだと?おこがましいな・・・私こそがこの世界全てを救うんだよッ!」

「くッ?!」

ハディはミナの言葉を強く打ち返して、力を込めてユッケを弾き飛ばした。

 

 

「・・・・・・俺が必要とした愛はもうこの世にはない・・・最早、愛は存在しない・・・。」

崩れ落ち泣きじゃくるセレスをさげすむ様に見下しながらハディが最後の言葉をセレスに告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




セレスの純粋な愛を踏みにじったハディに
ユッケの怒りが頂点に達する。
そして、ユッケ達は大きな賭けに出る!

次回、「砕け散る」
青年よ、世界の命運をそのテーブルに賭けろ!(千葉しげるさん風)
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