FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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ミナの祈りによって、
この世界からアルテマクリスタルが砕けて消えた。
その光景に言葉を失う闇の民ハディ。


クリスタルと闇の民

「・・・・・・。」

ハディは目の前で粉々になり、床に散らばってしまったクリスタルを呆然と眺めていた。

 

「・・・・・・。」

ユッケ達はそんなハディを警戒して臨戦態勢を解かないで構えている。

 

 

「・・・お前達は・・・・・・何をしたのか分かっているのか?」

粉々になったクリスタルを見ながらハディがユッケ達に尋ねる。

 

 

「・・・・・・。」

ユッケ達は黙っていて答えない。

 

「・・・お前達はこの世界を終わらせに来たのか?私に渡すぐらいなら道連れにしようと・・・?」

ユッケに視線を移してハディがさらに尋ねる。瞳には光はなく虚ろだった。

 

「・・・・・・。」

それでもユッケは黙って剣を構えているだけだった。

 

「お前達は何を考えているッ!アルテマクリスタルだぞ!アルテマクリスタルがあってこそ、この世界はエネルギーの供給と循環で成り立っているんだぞ!ギルガメッシュの資料は読んでいないのか?ギルガメッシュがお前達に託した未来はどうする?!」

余りの出来事にハディは今までにない怒りと戸惑いと混乱で感情と思考のコントロールが出来なくなっていた。

 

「俺達はお前から世界を取り返しに来たんだ。お前を倒した後で、ゆっくりアルテマクリスタルを再生させるんだ。」

ユッケはハディに自分達の行動を説明した。

 

「なるほどなるほどなるほどなるほど・・・そういうことか・・・私の支配下からアルテマクリスタルを解き放つ為に一時的に破壊をして、私を倒した後に再生させると・・・なるほどなるほどなるほど・・・良く考えたじゃないか・・・。」

しきりにうなずきながらハディが情報を整理していく。

 

「しかし、お前達のプランでは私を倒さない限り不可能ではないか?私が勝った場合、世界はどうなる?私はアルテマクリスタルの再生のプランを知らないぞ?お前達はアルテマクリスタルがなければ私に勝てるとでも本気で思っているのか?」

イライラを隠さないハディが左人差し指を突き出して揺らしながらユッケに言葉で畳み掛ける。

 

「俺はもうお前に負けない。」

ユッケが断言して答える。

 

「負けない?私に勝てると?お前がか?今まで散々私に負けてきたお前が私に勝てると?お前はこれまで目の前でどれだけ失ってきた?私にどれだけ奪われてきた?そのお前が私に勝てると断言するのか?おもしろい・・・見せてもらおうか?今度はお前の目の前で仲間を一人残らず殺してやる!・・・おっと危ない、ミナだけは残さないとな・・・ミナにはキツイお仕置きをした後にアルテマクリスタルの再生をやらせないとな!・・・その後でじっくりまた可愛がって・・・お前の目の前で殺してやる・・・。」

ワナワナと剣を構えて、言葉を並べるだけ並べ立てるハディ。

 

「・・・・・・。」

ユッケはそんなハディを前にしても冷静に前を見据えて黙っている。

 

「イライライライライライライラ・・・お前を見ていると本当にイライラする・・・全てを諦めないで・・・何処か希望があるとあがく・・・お前はただただただただ地面をはいつくばってもがけくだけもがけば、いいものを!」

頭をかきむしりながらハディがユッケに言葉をぶつけていく。そして、次の瞬間勢い良く飛び出してユッケに襲い掛かっていく。

 

〔ガキンッ!・・・ガキンッ、ジャリリリンッ、ガチャンッ!〕

 

今までにないハディの力強い斬撃がユッケに降り注ぐ。

しかし、ユッケはその重い一撃一撃を丁寧に受けて流していく。

 

「小賢しいガキがっ!」

今までユッケが見てきた冷静沈着なハディはもうそこにはなかった。

ただただ怒りに任せて、ユッケを倒そうとする男の姿だけだった。

 

 

〔ガキンッ!ガキキンッ!ジャリンッ、ガキキキンッ!〕

 

 

「・・・だから、お前は・・・奪われるんだ・・・。」

「ッ?!」

 

〔ザシュンッ〕

 

今まで豪快な振り一辺倒だったハディの斬撃が突然変化してユッケに襲い掛かる。

叩きつけるように、殴りつけるように、斬撃がユッケに向けて降り注ぐ中、その一瞬の変化はやってきた。ユッケがハディの斬撃を受け止めて左に流した時、ハディは即座に剣をその流れに沿わせて滑らせて、右手から左手に剣のつかを流し、身体を半身にして上体を沈め、左手一本で切り上げたのだ。その見事な一撃はユッケの左わき腹から右胸に向けて剣が身体を切り裂き、右胸の下を通りながら抜けていく。踏み込みが甘かったためか、ユッケの反応が速かったからか、ユッケの身体を二分するまでには到らなかった。

 

今までのユッケだったならこの一撃だけで勝負は付いただろうが、今の超越したユッケは反応速度も全てにおいてハディに迫っていた。そして、何より・・・。

 

 

「・・・フッ・・・本当に化け物だな・・・。」

ハディは切ったそばからも血をたらしながら再生していくユッケを見て、そう言葉を吐きかけた。

 

 

「・・・・・・。」

ユッケはそんな感情を逆なでするようなハディの言葉に一切反応しない。

 

「・・・・・・心も捨てたんじゃないのか?」

ハディはそんなユッケを言葉でも攻め立てていく。

 

 

〔ドオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!〕

 

 

「なっ・・・何っ?!」

その時だった。突然、オメガ内部でとてつもない爆発音と揺れがハディ達を襲う。

 

「・・・・・・。」

ユッケはそんなハディから目を離さずにジッと黙ってみている。

 

「・・・・・・今度は何をしたッ?!」

この状況でも悠然と自分を見下ろすようなユッケに怒りをぶつけるハディ。

 

「・・・オメガクリスタルを仲間が破壊したんだよ・・・。」

「ッ?!」

ユッケが平然と言った言葉にハディは感情を殺せない。

 

 

アルテマクリスタルだけではなく、オメガクリスタルまでもがユッケ達によって破壊された?

 

 

ハディは絶対的有利から今まさに崩れ落ちようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




突然、足元で起こる爆発による激しい揺れ
その揺れにハディは動揺する。
ユッケの口から、それは
レオン達が「オメガクリスタルを破壊したからだ。」と言われるが、

次回、「決意と執念」
青年よ、時として命を賭けねばならない決断がある!(千葉しげるさん風)
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