FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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ユッケと闇の民が剣を交える中に起こった爆発音
レオン達もまた、極めし者ゼッドと対峙して
自分達の使命を全うしようとしていた。


決意と執念

「・・・・・・。」

オメガクリスタルが静かに輝く中で黙ってにらみ合う雌雄。

 

レオン達はゼッドをどう攻略してオメガクリスタルを破壊するかを思案し、ゼッドはゼッドでラムウから受けたダメージの回復を待っていた。

 

(・・・・・・そろそろ、痺れもなくなってきたか?)

自分の左手を握り込んだり開いたりしながらラムウから受けた電撃のダメージの回復を見るゼッド。

 

「・・・さぁっ、始めッ?!」

握りこんだ左手に思い通りに力がこもったのを確認したゼッド。だったが、

 

 

〔バキッ、ズザザザアアアアアアーーーーーーーッ〕

 

 

「グォッ?!」

前を向いた瞬間に懐かしい衝撃がゼッドの左頬に走った。

左手に視線を流した隙に死角から飛んできたレオンの右ストレートがゼッドを貫いたのだった。

ゼッドの巨体はその衝撃に足を浮かせられて後方に何mも床を滑らされた。

 

「・・・戦いの最中に余所見とは・・・・・・案外、弱くなりましたか?」

レオンはニコニコとゼッドを見下ろして挑発する。

 

「・・・・・・ヒャハハハッ・・・いいね・・・良い痛みだぜ・・・。」

ゼッドは巨体をゆっくりと起こしながらレオンから視線を外さない。

 

〔森の雷(フォレアラゥ)〕〔シュバアアアアアアーーーーーーンッ!〕

 

「チィッ!」

上体を起こしかけていたゼッドにティアの技が炸裂する。しかし、それを寸でで交わすゼッド。

 

「ハアアアアアアアアアアッ!」

ティアの攻撃を飛んで交わしたその先にレオンのとび蹴りが迫る。

 

〔ドカッ!〕

 

「甘い甘いッ!」

重いレオンの蹴りを腕をクロスさせた中心で受け止めるゼッド。その衝撃を利用して、レオンから距離を取るゼッド。

 

〔ドドドドドドドドドドドッ〕

 

距離を取ったゼッドの顔面目掛けて、今度はラスターが自動小銃で攻撃をする。

 

「忌々しいッ!」

自動小銃如きで今のゼッドにとっては砂をかけられた程度にしか感じない。が、

 

〔シュンッ、バチンッ!〕

 

「・・・分かってるぜっ。」

目くらましをされながらもゼッドは予知していたかのようにレオンの攻撃を受け止める。

ラスターの目くらましに透かさず飛んでくるレオンの左飛び蹴りがゼッドの右腕に防がれる。

 

「ハッ!」

「ッ?!」

レオンは防がれた攻撃を軸に右足でゼッドの右腕を蹴って距離を取った。

その行動にゼッドは次の攻撃を予測する。

 

〔裁きの雷〕〔ズガンッ、ズガガンッ、ズゴゴゴオオオッ、ズギャギャンッ、スパンッ〕

 

「ヒャッホッ!」

ゼッドは心躍らせながら言葉も踊らせて楽しんでいる。

 

次々と繰り出されるレオン達の攻撃。

考えつくされた連携にゼッドは興奮していた。

レオンとの一対一も魅力的だが、今超越者として、湧き上がる力の渦に身を任せているゼッドはその力を一切出し惜しみすることなく使いたいと思っていた。その思いを目の前の敵は満たしていく。

 

ゼッドは分かっている。

 

この敵は強い。

この敵を自分の持てる力全てで破壊して、ジュウリンして、しゃぶり尽し、地面にはいつばらせて見下ろす先の景色がどれほど自分を奮い、いきり立たせ、達し、果てせさられるかを知っている。

それを想像するだけでゼッドの下腹部が興奮でいきり立つ。

その力がゼッドを快楽へと導く。

 

 

望んで望み、手を伸ばして、執念で喰らいついて、渇望して、掴んで果てる。

 

 

その一連の流れがゼッドの脳裏を熱で焼ききらせようとしていた。

気付けば、オメガクリスタルを挟んで両側に分かれる形となったレオン達とゼッド。

 

「・・・どうしますか?」

ゼッドの中に渦巻くものなどレオン達には関係ない。

それよりも、どうこの難敵をカいクグってオメガクリスタルを破壊するか?

それこそが命題だった。

 

「・・・・・・レオンを囮にしてオメガクリスタルにアイツの一撃を食らわせるってのは?」

ティアがゼッドの破壊した部屋の床を見て提案する。

 

「・・・そう易々と踊ってくれれば苦労はしないです・・・。」

最もな意見で解答するラスター。

 

「・・・わしの攻撃もためがいる分、予測されると当て辛いわいッ。」

ラムウが少し残念そうに話す。

 

「・・・・・・まったく役に立てなくて・・・すいません・・・。」

クリスタルに魔法を無効化されて落ち込んでいるミューレ。

 

「・・・おめえのせいじゃねぇ・・・お前の力は絶対必要になるっ・・・それまで力を溜めれるって考えろミューレ。」

シドがミューレの右肩を軽く掴んで励ます。

 

「・・・やはり・・・やるしかないみたいですね・・・。」

レオンがニコニコしながらラスターのリュックを見つめる。

 

「・・・・・・。」

一同が黙る。それは最早選択肢がティア達の中にはないと言う証明だった。

 

「・・・シドさん・・・爆弾の設置お願いできますか?」

ニコニコとレオンがシドに尋ねる。

 

「・・・おっ・・・おうぅっ・・・設置は出来るが・・・。」

シドは言葉を濁す。それもそのはず、爆弾を使うという事はこの部屋にいる全員が爆発に巻き込まれて死ぬという事を意味していたからだ。

なにもシドは自分が死ぬ事は毛ほども気にしていない。しかし、ミューレや少なからずティアも女として道連れにするのは忍びなかったのだ。

 

「・・・安心して下さいシドさん・・・私が皆さんをしっかり守りますっ。」

シドの心配を見透かしたようにレオンが言葉をかける。

 

「あんたまさかっ!」

ティアは何かを察したようにレオンをにらむ。

 

「・・・さぁ、そろそろ奴も動き出しますよッ。」

ティアをはぐらかす様にレオンがゼッドに視線を送り動き出す。

 

「ちょっとっ!」

答える前にその場から離れるレオンに声を飛ばすティア。

 

 

「何をコソコソ相談してんだよ、レオンッ!俺をもっと楽しませてくれるのかッ!」

ティアがレオンを追うよりも早くゼッドが反対方向から迫ってくる。

 

 

「楽しませますともッ!これ以上ないくらいにねッ!」

レオンはそうニコニコ言って、ゼッドに飛び掛る。

 

〔バキッ!ドドドドドドドドッ、ズドンッ!〕

 

レオンの攻撃に合わせてラスターも銃撃する。そのスキに体勢を整えて二撃目を放つレオンだったが、ゼッドはその攻撃も受け流していく。

 

「・・・・・・まったく・・・もうッ!シド、任せたからねっ!」

ティアはイライラを抑えながらもレオンを加勢せずにはいられずに飛び出す。

 

〔ヒュヒュッ、パシパシッ、ビュンッ!〕

 

ティアの力を込めた2本の矢がゼッドの目を狙う。が、ゼッドはなんなく手でなぎ払っていく。それと同時にレオンの着地を狙って右足を地面すれすれに滑らせて足払いをする。しかし、レオンはそれを予測して着地の瞬間と同時に地面を蹴ってひねりを入れながら空中に飛んで交わす。

 

「ハッ!」

逃げ場のない空中のレオンを待ってましたかと一回転してゼッドの打ち降ろしの左の裏拳が放たれ・・・。

 

〔裁きの雷〕〔ズガンッ、ズガガンッ、ズゴゴゴオオオッ、ズギャギャンッ、スパンッ〕

 

「ヒュ~~~ッ・・・」

レオンを囮にしてのラムウの攻撃だったが、ゼッドはわざとそれを誘って、ラムウの攻撃を誘発させた。ラムウの攻撃が連発できないと読みきったゼッドの行動だった。

 

「畳み掛けるぜ!」

レオン達の攻撃の中で一番厄介なラムウの攻撃を交わしたゼッドはチャンスとばかりに前線のレオンに襲い掛かる。

 

 

〔森の雷(フォレアラゥ)〕〔シュバアアアアアアーーーーーーンッ!〕

 

 

「なっ?!」

ゼッドの狙いを逆手にとって、オメガに一撃を放ったティア。

その攻撃はレオンに襲い掛かっていたゼッドを怯ませる。

 

 

 

 

 

 

 

 




あの手この手でゼッドに迫るレオン達。
そして、いよいよ決死の決断がレオン達にも迫っていた。

次回、「守る」
青年よ、命を賭して君は何を成すのか?(千葉しげるさん風)
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