皆が明日へと目を向けようとしていたとき
闇から望まぬ客が三度現れる・・・。
ハディ達が落ちた穴からその者の声が聞こえてきた。
「・・・愛し合う二人の別れと再会の誓い・・・実にいい・・・。」
穴の闇の中からその声がユッケとシヴァを讃える。
「でも、その誓いが叶わないとしたら・・・滑稽だよねぇ・・・。」
穴から始めに手がヌルリ現れて、次にヌメリとディアボロスの顔が現れた。
「・・・ディアボロス・・・お前・・・。」
往生際の悪い悪魔にユッケが怒りの眼差しを向ける。
「・・・ハディの滑稽さを暴露したのにも関わらず、爪が甘いよね・・・自分達も踊ってたなんて思わないなんて・・・。」
悪魔は姿を完全に現すと両手で身体についたホコリをはたくようにみせた。
「・・・どういうことだ?」
シドが悪魔をにらみつける。
「ハディはっ、ハディをどうしたのっ!」
ハディと共に落ちた穴からたった一人無傷ではい出してきた悪魔に当然の問いを投げるセレス。
「・・・これのこと?」
そういうと悪魔は自分の右の腹の辺りを指差して見せた。
「・・・ッっ?!」
セレスはその光景に絶句する。
悪魔が指差した腹にハディのデスマスクが浮かび上がったのだ。
「・・・あんた・・・なんてことを・・・。」
ミナも込みあがってくる怒りを隠しきれない。
「・・・これも見てよっ。」
悪魔は今度は左肩を指差した。
そこに現れたのはパンデモニウムのデスマスクだった。
次に現れたのはゼッド、そして、イフリートのデスマスクも悪魔の身体に浮かび上がる。
「フッフッフッフッフッ・・・バカヤロウどもだよ・・・先生に習わなかったのか?悪魔を信じちゃいけないよってな・・・。」
元仲間達の顔を自分の身体に埋め込んだ悪魔が口を大きく裂けさせてユッケ達をねっとりと見詰める。
「・・・安心しろよ・・・俺はお前に踊らされない・・・。」
悪魔のたわ言にまったく動じないユッケだった。が、
「あらあらあらあら、自信満々だねぇ~・・・さすがはハディを負かした主人公様だ・・・でも、あれあれあれあれ・・・シヴァは居なくなったし、パラディンにはなれないよね?」
おどけてユッケを挑発する悪魔。
シヴァがいなくなるまで、悪魔は待っていたのだ。
「何言ってやがるっ、シヴァが居なくても、俺達がいるっ!」
シドが皆で立ち向かう事を宣言してスパナで悪魔を指し示す。
「クックックックックックッ・・・分かっちゃいないな・・・せっかく見せてやったのに何も分かっちゃいない。」
悪魔が腹を抱えて震える。
「お前らじゃ、いくら束になっても勝てないって言ってんだよッ!」
悪魔は両手を広げて、ユッケ達に叫び、身体を震え上がらせようとした。
「・・・なっ・・・なんじゃ・・・あれは・・・。」
最初に異変に気づいたのはラムウだった。
「・・・まさか・・・。」
セレスの頬に冷や汗が流れる。
「さすがに頭の良い奴は察しがいいねぇ~・・・俺がバカ共だけ取り込んだと思うか?・・・甘い甘い・・・こいつらはほんの付け合わせさ・・・本当の目的はこれ・・・。」
悪魔はそういうと自分の胸の中心のそれを指差した。
「お前達が破壊したオメガクリスタルと・・・ユッケ・・・お前が父から譲り受けたアルテマウェポンに入っていたアルテマクリスタルの破片。俺が狙ってたのはこれだよこれ。あんなバカにあっさり刺されるわけないだろ・・・全部このためさ・・・。」
悪魔はこれ以上裂けようのないぐらい口を裂けさせながらユッケ達をドロリ覗き込む。
「これこそまさに、無限のエネルギーを与えてくれる最強のクリスタル。
『クリスタル オブ クリスタル』
これこそがお前達の絶望の名前だ・・・。」
シヴァ去った部屋に現れた悪魔。
その胸に輝くのは地上最強のクリスタル
「クリスタル オブ クリスタル」だった。
ユッケ達はこの強敵にどう立ち向かうのか?!
次回、「クリスタル オブ クリスタル」
青年よ、迷わぬ想いが明日を導く!(千葉しげるさん風)