ユッケ達の前に姿を現した悪魔ディアボロス。
ユッケ達の前につきつけられた
「クリスタルオブクリスタル」とは?
闇は求めて渇望する。
全ての光を飲み込む絶対的力を羨望する。
全ての希望を飲み込む絶望をそれは与える。
人の欲望を吸い尽くした絶対的クリスタル『オメガ』
人の希望を一身に浴びた絶対的クリスタル『アルテマ』
その全てを飲み込んだクリスタルこそ、まさにクリスタルの中のクリスタル。
その『クリスタルオブクリスタル』が悪魔の胸の中に輝いていた。
「・・・・・・。」
ミナ達がその存在に不安をよぎらす中、ユッケだけは表情を変えずに悪魔をただ見ていた。
「・・・なんだ小僧・・・俺の決め台詞が聞こえなかったのか?」
微動だにしないユッケの様子が面白くない悪魔。
「・・・吸収しただけで強くなれるなら苦労はしない。」
「ッ?!」
悪魔が講釈をたれて、自慢げに話した言葉達を一言で片付けるユッケ。
そのユッケの言葉がなぜか突き刺さる悪魔。
「・・・お前・・・相当バカだな・・・。」
悪魔の顔が闇に沈む。
「・・・ミナ、大丈夫だろ?・・・ほら、感じるはずだ・・・。」
不安にかられていたミナに微笑みかけるユッケ。
「・・・・・・。」
そのユッケの言葉がミナにはこれ以上なく頼もしかった。
「・・・あっ。」
ユッケに言われたように何かを感じ取ったミナ。
「・・・皆急いでここから離れてくれ。」
「ッ?!」
ミナが何かを感じ取った時を見計らって、ユッケがシド達に声をかけた。
「・・・なっ、何言ってんだよユッケ・・・ありゃ、本物だぜっ。」
「・・・確かにシドの言うとおりじゃ・・・勝算はあるのか?」
シドとラムウが異常なほどに落ち着いているユッケに尋ねる。
「・・・大丈夫・・・ほら、来た・・・。」
戸惑うシド達を導くようにユッケが天井を見上げて指差した。
「まだ終わっていないのか?」
〔ゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・ドゴオオオオオオオンッ〕
その者の腹に響く声がユッケ達のいる部屋に木霊す。
「・・・バッ・・・バハムート・・・。」
その姿に一番驚いたのは他でもない悪魔だった。
「・・・ディアボロスか・・・姿が見えないのをデスが心配していたぞ・・・。」
クリスタルを吸収したディアボロスを見てもバハムートはまったく動じていないようだった。
「・・・フッ・・・強がってるなバハムート・・・お前は感じていないのか?」
平然と自分を見下ろす王に悪魔が語尾を強める。
「・・・なるほど・・・凄まじい力を手に入れたな・・・。」
バハムートは悪魔の気配を改めて感知してそう述べた。
「ハーーハッハッハッハッ、そうだっ・・・今からお前達を闇の底に沈めてやるっ。」
悪魔は胸を張って王に立ち向かう。
「・・・そうか・・・。」
「・・・・・・。」
あっけない一言にその場の全員が静まり返る。
「・・・さぁ、皆・・・俺とミナは大丈夫だから急いでここから逃げて・・・。」
ユッケが呆気にとられているシド達に再び声をかける。
「・・・お邪魔ってことですね・・・。」
察しの良いセレスがユッケにそう告げた。
「・・・・・・。」
ユッケはそれ以上何も言わなかった。
「・・・お姉ちゃん・・・大丈夫・・・私達は必ず帰ってくるから・・・。」
ミナが精一杯の笑顔で姉に声をかけた。
「・・・お前達・・・俺を無視してっ。」
「最強なんだろ・・・ちょっと待っててくれ。」
仲間内で盛り上がってるのを見て悪魔が痺れを切らすがそれを透かさず制止するユッケ。
「ユッケ・・・絶対に帰って来いよっ。」
「ユッケよ・・・シヴァとの約束は必ず守るんじゃぞっ。」
「ユッケさん、ミナさん、御武運をっ。」
「ミナ・・・信じてるわ。」
シド達はユッケとミナに最期にそう声をかけるとサンダーバードへと向かっていった。
「またせたな、最強。」
「・・・・・・。」
準備万端まで待っていた悪魔が黙って身体を震わせていた。
「・・・おもしろい・・・オメガも壊れてしまった・・・遊びたりないと思っていた所だ。」
ユッケに続いて、バハムートも悪魔を小ばかにするように言葉を浴びせかける。
「・・・お前達・・・クリスタルの力を思い知れ!」
悪魔が天を仰いでそう叫ぶ。
クリスタルの力を開放して、闇が膨張する。
クリスタルオブクリスタルの力は本物だった。
動力源を失ったオメガがその身を天からゆっくりと落とす中、その身体を絶大な力が震わせる。
「さぁ、本当の闇の力を見るがいいっ!」
悪魔は闇そのものとなり、ユッケ達を飲み込もうと迫る。
そんな中でも、ユッケ達は動じない。
〔フュージョン〕
ユッケ達は闇に立ち向かうために最期のフュージョンをする。
その相手はもちろん・・・。
強大な闇となってユッケ達に迫り来る悪魔。
しかし、ユッケ達は恐れることなく立ち向かい、
闇に本当の最期の闘いを挑む!
次回、「竜騎士」
青年よ、諦めない光が明日を照らす!(千葉しげるさん風)