FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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バハムートと分かれて
一同は光のクリスタルがあると言われる街へ
そこでユッケは運命の出会いを果たす。


光の街シャイナール

一行はバハムートと別れて、光のクリスタルがある光の塔の町シャイナールに向かっていた。火のクリスタルのフレビアと違い、気候は安定して温暖。様々な草木が生い茂る平原中心の地域だった。しかし、その中で際立っていたのが『光の塔』と言われる巨大建造物だ。光の塔はシャイナールの中心、この世界の中心に位置するもので、光の地域に入れば、嫌でも目に入るほど高く大きかった。中心に太く伸びる塔があり、それを囲むように3本の塔が細く伸びていた。どういう構造かは不明だが、光の塔と言われるようにそのそれぞれの塔は夜も輝きを放ち人々を照らしていた。

 

「すごいな、あの塔。あんなでかくて長いと地震とか起こったらどうなるんだろう。」

ユッケが疑問に思った事を素直に口にした。

 

「ハハハハッ、地震なんて滅多に起きませんよ。それに地震が起きてもビクともしません。」

レオンがニコニコ答える。

 

「ユッケの住んでた所は地震が多かったの?」

ティアがユッケに質問した。

 

「まぁ、大きな地震はそんなにないけど、小さいものなら結構あったかな?」

ユッケはティアの質問に素直に答える。

 

「地震なんてタイタンに頼めば問題ないじゃない。」

元気の出たミナは相変わらず一人チョコにまたがり、素っ気ない態度でユッケに接していた。

チョコもチョコですっかり飼い主がミナになっていた。

 

「タイタン?」

「地の守護獣の一人であるタイタン様です。大地の怒りと言って地震を起こす事が出来ます。」

ユッケの疑問に即座に答えるレオン。

 

「・・・いやいや、そんな便利な守護獣なんて俺の世界に居ないし・・・でも、地震の原因が大きなナマズだって、言われたりしてたな。」

ユッケは雑学を混ぜつつミナに向かって話した。

 

「・・・ハンッ、ナマズが地震を起こせるわけないでしょ。」

鼻で笑って返すミナ。

 

(いや、俺だって思ってねーよ・・・。)

ユッケは突っかかってくるミナの相手を諦めた。

 

「ほほ~っ、ナマズが地震を起こすとは珍妙な・・・。」

ニコニコしながらレオンが話を広げようとする。

 

(レオン、空気読んで・・・。)

苦笑いしながらレオンに心で思いを投げかけるユッケ。

 

「そろそろシャイナールよ。」

目のいいティアがいち早く町を見つける。

 

「さすがエルフなのか。目がいいな・・・俺は全然見えないよ。」

目を細くしても町が見当たらないユッケ。

 

「エルフって何?エレゼンの事?」

ティアがユッケに尋ねる。

 

「あぁ、エレゼンか・・。俺の世界ではティアみたいな人をエルフって言ってたんだ。まぁ、エルフなんて空想の種族で、見た事なんて絵でしかないけどね。」

ユッケがティアに答える。

 

「へぇ~、アースカンドって面白そう。こっちとは全然違うのかな?」

ティアがユッケの世界に興味津々だ。

 

「・・・う~ん、そうだね。アースカンド?は魔法なんて使えないし・・・でも、機械が変わりにあるから便利は便利だよ。フレビアの神殿にあったエレベーターみたいなね。」

ティアの疑問にシンシに答えるユッケ。

 

「へぇ~~、行ってみたい!」

目をキラキラ輝かせる年齢二百歳の最年長。

 

(エルフって内向的って聞くけど、ガードナーのティアが特別なのか?)

ユッケは心でそう思いながら微妙な疑問をぶつけるのを回避した。

 

「おっ、シャイナールですな。」

やっとレオンの目にもシャイナールが見えたようだ。

 

「ほあ~~っ、ここまで来ると益々でかく感じるな。」

ユッケは天を突くような光の塔に目を奪われる。

 

「・・・まったく、揃いも揃って、世界の行く末が自分たちの肩に乗っかってるっていうのに・・・少しは自覚してほしいわよ。なんで、あんた達全員のん気なの?」

ほのぼのとしているユッケ達を見て、ミナが呆れる。

 

「ミナ、そんなに張りつめていたら長い旅は続かないわ。のんびりしすぎるのも良くないけど、気を張りすぎるのも良くないわ。」

シヴァが優しくミナを諭す。

 

 

「はい、シヴァ様!助言ありがとうございます。」

 

 

ミナはシヴァと会話できた事に今でも感動して目をキラキラさせている。

 

「ふふっ。分かってくれればいいのよ。」

シヴァは本当のお母さんのようにミナに接する。

そんな姿を見て、ユッケはつくづくシヴァの懐の深さを感じていた。

 

 

 

光のクリスタルの町シャイナール。ミッドガルドの中心都市というだけあって、そこに住む人々は多種多様でいずれも信仰が深かった。光の塔を中心に広がる町は広大なもので何十万人という人々が住み、何十万という人が地方から毎日代わる代わる巡礼に来ていた。近年はクリスタルの不安定化もあり、巡礼の数は大台に乗ったのではないかという噂が立つぐらい増えている。

 

「おぉ、巫女の巡礼が見れるとは・・・。」

「あぁ、もうここで私は終わっても悔いがない。」

「巫女様、どうかこの世界に祝福を。」

「ナブダメディダ、コティアフダル・・・。」

 

フレビアと違い、人々は遠巻きにミナ達を見て、中には涙を流すものも多かった。光の塔へと続く道には多くの人が行き交っているが、ミナ達が行く手を阻まれる事はなかった。ミナ達を見るだけで人々は自分たちがどういう行動を取るべきかを即座に判断していた。

 

(・・・海が割れるっていうのはこういうんだろうな。)

ユッケはその光景に驚きを隠せない。

 

「あれ、そういえばシヴァは?」

ユッケは海が割れる光景に心奪われて、シヴァが居なくなっている事に今、気付いた。

 

「大丈夫よ、ノブヒッ・・・じゃなかったユッケよね・・・近くにちゃんと居るわ。」

シヴァの囁く様な声がすぐ傍から聞こえてきた。

 

「・・・まぁ、シヴァ様がここに姿現したら巫女の比じゃないからね。」

耳のいいティアがユッケに答える。

 

「フフフッ、そう言うことよ。」

シヴァの囁く声が笑った。

 

「しかし、いつ見ても信仰深い人々ですな。気持ち新たに力がみなぎります。」

ニコニコとレオンが話す。

 

「初めて行った場所がフレビアだったから余計驚くよ。」

ユッケがフレビアでの出来事を思い出しながら肩を落とす。

 

「ハハハハッ、あそこが特別なのですよ。」

皆がユッケの言葉に笑いを隠せない中、レオンが笑いながらフレビアを茶化した。

 

「アハハッ・・・アラッ?待って、あれ誰かしら?」

ティアが笑いながら前方に目をやると割れる海の道の真ん中で仁王立ちする人影が見えた。

 

「・・・見ただけで強者と分かりますな。」

レオンの顔からニコニコが消えた。

 

「大丈夫よ、心配要らないわ。バハムートの言っていた根回しよ。」

シヴァが囁く声で話す。

 

「お迎えにあがりましたミナ様。」

レオンが強者と判断した人物は野太い低音でミナ達を出迎えた。

背はユッケと差ほど変わらないが、身体全体が分厚く見え、レオンのような巨体のように感じた。白髪で長髪、オールバックに束ねた髪を後ろで結び流していた。顔は彫りが深く、口ひげを蓄えていた。左の腰には立派なロングソードを携え、軽そうな鎧を身にまとっている。何よりも際立つのがその眼光で、深く鋭く奥に燃えるような刺す輝きがあった。

 

 

「ゴウッ!?」

 

 

その姿を見て、ティアが大きな声で名前を言った。

 

「ティア、久しぶりだな。」

ゴウといわれた剣士は表情を変えることなくティアに答える。

 

「まさか、バハムート殿の根回しが伝説の剣士ゴウ殿だったとは・・・。」

驚いた声だが、ニコニコに戻っていたレオン。

 

「バハムートから話は聞いている。私はハディの変わりに巡礼に同行することになった。」

「・・・・・・。」

ゴウの言葉でミナが少し強張ったのをユッケは見逃さなかった。

 

「ねっ、姉さんはハディの事を?」

ミナがみるみる元気のなくなった顔でゴウに尋ねる。

 

「知っている。」

ゴウは一言だけ返した。その後、その場にいた全員がそれ以上、口を開く事はなかった。

 

 

 

 

 

 




伝説の剣士ゴウと出会ったユッケ。
ゴウはバハムートの命により、使わされた人物だった。
ユッケを鍛えなおすという剣士に震え上がる。
そして、一向はいよいよ光の塔へ


次回、「光の姉妹」
青年は統括者の気丈な心構えを知る(千葉繁さん風)
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