FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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光の塔で光の姉妹の姿を見たユッケ。
ゴウと出会い、旅のための鍛錬をする事になったのだが?


いざ、グランドース

セレスとの面会から2週間、一行は次の目的地グランドースへと向かっていた。

 

「いてててっ・・・。」

ユッケは杖を突きながら懸命に歩いていた。

 

「ハハハハッ、だいぶしごかれたようですな。」

その光景を見て、レオンが大笑いしている。

 

「・・・情けない。ガードナーになったとしてもフュージョンを使いこなせない者もいる中で、フィージョンが使えても、ここまで基礎が出来ていない者がいようとは・・・。」

ゴウが表情を変えないまま、冷たく言い放つ。

 

「アハハッ・・・まぁ、ユッケはどう見ても武術できなさそうだし・・・。」

ティアが苦笑いでゴウに続く。

 

「大丈夫?私の背中に乗ってもいいのよ?」

シヴァがソワソワしながらユッケの周りを飛んでいる。

 

「・・・シヴァよ。お前はなぜそう甘やかす。」

ゴウが眼光鋭くシヴァを責める。

 

「ユッケは今まで戦闘なんてしてこなかったのよ。それをいきなりこんな・・・。」

シヴァは泣きそうになっている。

 

「・・・シヴァ様ってあぁいうのがタイプなのかしら・・・。」

ミナが呆れた目でユッケとシヴァを交互に見ている。

 

「・・・ミナ、こういうときは変わってくれてもいいんじゃないのか?」

ミナがこっちを見ているのに気づいてユッケがやんわり提案する。

 

「ゴウ様、どうなんでしょう?」

(あ、こいつ!)

ミナはすかさずゴウに意見を聞いた。それを見て、焦るユッケ。

 

「・・・・・・。」

「歩きます。」

ゴウが無言でユッケを見る。それに素直に従うユッケ。

 

「ユッケ、私が少しささえてあげっ。」

「いいかげんにせんか、シヴァ!」

すぐ甘やかそうとするシヴァにゴウの雷が落ちた。

 

「しかし、ここから我が故郷グランドースまで、まだかなりありますぞ。」

ニコニコとレオンが言う。

 

「・・・仕方ない。ティア、回復してやってくれ。」

ゴウがティアにそう頼んだ。

 

「フフフッ、しょうがないわよね。ユッケ、少しジッとしてて。」

ティアがユッケに近付いてきて、ユッケの身体に両手をかざした。

 

「ケアル」

 

ティアがそう言うと、ティアの手が淡く光り、ユッケの身体を照らし出した。

 

「・・・おおおおっ?!」

ユッケはその光の効果に驚く。

暖かな光が身体を照らしたかと思うと、今まで体中が筋肉痛で動くたびにきしんでいたのが嘘のように消えていった。ゴウにしごかれて出来た体中のアザや痛みも不思議と消えていった。

 

「ティア、ありがとう。」

シヴァが自分の事のようにティアにお礼を言った。

 

「アハハハッ、シヴァ様に褒められるなんて。」

シヴァにお礼を言われて少し照れるティア。

 

「回復魔法は実に便利ですな。軽い怪我や病気ならたちどころに良くなります。」

ニコニコとレオンが今の魔法の事を説明してくれた。

 

「ほ~~っ、便利だよね。」

身体を動かし、確かめながらユッケが感心する。

 

「私の回復魔法は初級も初級だから、たいした効果はないけどね。」

ティアが遠慮がちにそう言う。

 

「・・・鍛錬の後の痛みもまた、己を強くするための糧。今回は急ぐ旅ゆえに特別だ。」

釈然としないゴウが自分を納得させるように言う。

 

「私も覚えたいわ。」

シヴァがユッケを見ながら切に願っている。

 

「・・・シヴァ様・・・。」

その光景をみて、複雑なミナ。

 

「だが、これで稽古をさらに一層厳しくしても良いと言う事だな。」

ゴウが表情を変えずにウキウキし出した。

 

「ええええええええええっ?!」

それを感じ取ってユッケが引く。

 

「ハハハハハッ、グランドースまでまだまだかかります。楽しい旅路になりそうですな、ユッケ殿。その鍛錬、ぜひとも私もお供しますぞ。」

レオンがニコニコしながら胸を物理的に高鳴らせた。

 

「ほほ~・・・レオンよ。お前、私を甘く見ているようだな。」

ゴウがさらにウキウキし出した。

 

 

(とことん空気読めないな、レオン・・・。)

 

 

痛みが消えたユッケだったが、心の闇が広がるのを感じた。

 

 

 

〔パチッ、パチチッ、パチッ〕

 

 

 

だだっ広い平原の夜。ポツンと火を囲む一団があった。

シャイナールからだいぶ離れた平原でユッケ達は野宿をしていた。

 

「・・・ううぅぅっ、スプーンが重いよ、ティア。」

ユッケは稽古の後の食事をしていたが、食事をする前に日課となったゴウとの稽古があり、レオンが加わったおかげで前よりも壮絶なものになった。まさにゴウとレオンがお互いに負けじと争っているようで、それに巻き込まれたユッケはまさにとばっちりだった。その結果が朝の状態よりもさらにひどい状態で、スプーンすら重く持ち上がらないほどだった。

 

「アハハハッ、ケアルかけてもあんまり効果ないね。」

ティアには稽古が終わってからケアルをかけてもらっていた。そう、ケアルをかけてもらってこの状態だったのだ。

 

「・・・ひどい・・・俺が何したってんだよ・・・。」

食事すら満足に出来ないユッケは泣けてきた。

 

「ユッケ、スプーンを貸して、私が食べさせてあげるから。」

シヴァがユッケの隣にちょこんと座り、スプーンを貸すように手を差し出した。

 

「えええっ、そこまではっ・・・。」

 

「ケアルラ」

 

シヴァが過保護に迫ってくるのに焦ったユッケだったが、後方から暖かい光が差す。その光に当てられるとみるみる身体が軽くなっていくのを感じた。

 

 

「おおおおおおおおおおおおっ!」

 

 

身体を動かして、感動するユッケ。

そして、光の方を向くとそこにはミナが立っていた。

 

「・・・だらしない。シヴァ様を何だと思ってるのよ・・・。」

「・・・すっ、すいません。」

汚物を見るようなさげすんだ目で見下ろすミナ。

ユッケは反射的に謝ってしまった。

 

「まぁまぁ、ミナ・・・あなた、ケアルラが使えたの?すごいわ!」

シヴァはミナの回復魔法を見て、興奮していた。

 

「えっ・・・いえ、これも巫女の嗜みというか・・・。」

シヴァに迫られて、照れるミナ。

 

「アハハハハッ、よかったねユッケ。」

その光景を見て、大笑いするティア。

 

「まったく持って、無駄に頑丈なやつめ。」

ゴウがレオンとの勝負から帰ってきた。

今の今までゴウはレオンをしごき倒していた。

 

「ハハハハハハッ、さすが伝説の剣士ゴウ様のシゴキ。感動しました!」

レオンは泥だらけになっているが、いつもどおりニコニコしている。

勝負の勝敗はどうだったのか。ユッケは深く考えないようにした。

 

「むっ?ユッケよ、案外元気そうだな。」

ユッケがケアルラで回復したのを知らないゴウはユッケの元気そうな姿に驚いた。

 

「えっ?・・・いててっ・・・いや、そんなことないよ・・・いててっ・・・。」

慌てて誤魔化すユッケ。

 

「フンッ。」

その姿を見て、鼻で笑ったミナ。

そのまま、少し離れた所に居たチョコの傍に歩いていった。

 

「優しい子ねぇ。」

シヴァはユッケを回復してくれたミナを大いに好意的に見ていた。

 

(シヴァの人を見る目がよくわからない。)

シヴァを見て、なんだか不安になるユッケ。

 

「・・・ゴウ様のシゴキを受けて、益々懐かしくなりました。」

レオンが焚き火の輪に加わり、食事をしながらニコニコとつぶやく。

 

「グランドースはレオンの生まれ故郷だもんね。」

ティアが寝転がって、落ち着いた様子でレオンに話を合わせる。

 

「えぇっ、故郷での鍛錬もすばらしいものですよ。皆と切磋琢磨し、一日を終えて、こうやって食卓を囲み、明日の自分たちを語り合う。懐かしいです。」

レオンがいつもとはちがう穏やかな笑顔で火を見ていた。

 

「グランドースってどうな所なの?」

レオンがこんなにも穏やかになる町に興味を持ったユッケがレオンに尋ねる。

 

「すばらしい所ですよ。大きな鉱山を兼ねた場所でして、大地を深く深く掘った穴の町です。」

レオンが空を見上げながら故郷を思い出す。

 

グランドース。土のクリスタルの町。その町の姿はとてもユニークでダイヤの鉱山跡のような地形をしていた。その地形にグルグルと下に下りていく道を作り、その道すがらに横に穴を掘る形で住居が出来ていた。種族としてはララフェル・ルガディンを中心に工芸や鍛冶に携わる者が多かった。土のクリスタルの恩恵で非常にいい鉱物が採れ、ミッドガルドの名立たる名工は殆どがグランドースの関係者だった。気候は少し寒く、草木もさほど多くない。周りがゴツゴツした岩などが多く、険しい山も目立つが、グランドースの周りは平原が広がっていた。町の様子としては生業と関係して、装備品が充実しているので、人の往来はシャイナールほどではないがそこそこ多く。主に腕に覚えのある者達と商人が装備品を求めて来る事が多かった。

 

「へぇ~~~、なんだか今から見るのが楽しみだな。」

食事を取りながら、レオンの話に浮かれるユッケ。

 

「岩とかが多くて殺風景なところで町の人も愛想悪いけど、良い所よぉ。」

寝る体勢に入ったティアがグランドースを茶化す。

 

「ハハハハッ、皆恥ずかしがり屋なだけです。」

レオンは笑って返す。

 

「レオンって結構特殊なの?」

ティアの言葉にユッケが反応する。

 

「ふわぁ~~っ、ものすごい特殊。」

寝そうなティアが欠伸をした後に言葉を履き捨てるように言う。

 

「ハハハハハハハッ、否定は出来ませんな。」

レオンは相変わらず余裕だ。そこに、

 

 

「・・・時に、ユッケよ。ミナの回復魔法はまた格別だっただろ?」

 

 

「あぁ、ミナってあんな事もできるんだね。俺、おどろい・・・ちゃっ・・・た・・・。」

ゴウが和気藹々と話す輪に絶妙に入り、ユッケに罠を仕掛けた。

ユッケは完全に油断しており、ミナにケアルラをかけてもらった事を自らばらしてしまった。

 

「クックックックッ・・・。」

ティアがウズクマって、毛布を被り、笑いを必死に堪えていた。

 

「・・・・・・。」

ゴウと目が合うユッケ。ゴウがウキウキし出したのをユッケは見逃さなかった。

 

 

 




光のクリスタルと光の塔の町シャイナールを出て、
次の目的地グランドースへと進むユッケ一行
2週間が経過して、ゴウの鍛錬をその身に刻むユッケ
回復魔法のありがた迷惑を胸にユッケは漢になるために進む!


次回、「グランドース」
青年よ、筋肉は嘘を付かない!(千葉繁さん風)

どっちが好み?あなたの選択でエンディングが変わります。

  • 包容力があって、海のような心を持つ女性
  • 等身大でお互いを認め合える女性
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