FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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土のクリスタルを安定化させることに成功した一行
次なる目的に向けて、出発したその時だった。
機械音と共にあの男達が現れる!


フォレストーラへの道

(・・・やっぱりあいつは悪魔だ・・・。)

大量の荷物を持って、ゴウの後姿を睨むユッケ。

今回もグランドースの始めから飛ばしていた。まずは宿屋から上まで走って登らされ、エレベーターが地上に着くまでに来なかったら罰ゲームと言って、皆の荷物を背負わされていた。クタクタに疲れた身体に大量の荷物。普段はチョコに持ってもらっていた荷物まで持たされて散々な目にあっていた。

 

(大体からして、エレベーターより先に地上に着けとか無理だろ、クソジジイ!)

昨日の今日で頑張ろうとゴウに感謝していたユッケはとうの昔に消え去っていた。

 

「ユッケ、私が浮きながら・・・。」

「シヴァ、余計な事をするな!」

シヴァが見かねて助けようとするのをゴウは見逃さなかった。

 

「ユッケよ、その怒りは敵にとっておけよ。」

 

背中を向けながら淡々と言うゴウ。

 

(・・・こわっ・・・。)

その姿に戦慄するユッケ。

 

グランドースからどれほど歩いたろうか。ユッケの周りの風景は土と岩の殺風景な場所から草木がチラホラと目に飛び込んでくるようになってきていた。

 

「もう樹のクリスタルの影響出てきてるかな?」

ユッケが誰に話しかけるわけでもなく言葉を零す。

 

「そうね、だいぶ樹のクリスタルの影響が出てきてるわね。」

シヴァが優しくユッケに答える。

 

「止まれ。」

一番先頭を歩くゴウが足を止めて、後方に指示を出した。

 

「どうかしたの、ゴウ?」

ティアが周囲を探るように見渡しながらゴウに尋ねた。

 

「ユッケ、気をつけろ後ろから来るぞ!」

ゴウがこっちを振り向いたかと思うと大声で危険を伝えた。

 

「え?」

何も感じないユッケは戸惑ったが、ゴウの声が消えるぐらいと同時に

 

 

〔ギュルルルルルルッ・・・〕

 

 

聞き覚えのある音が後ろから聞こえてきた。

高回転で回る車輪が絶叫するかのような音。

この世界に似つかわしくない機械音。

 

「まっ、まさか・・・。」

ユッケは荷物を置くと後ろから来る音の方を向いて剣に手をかけた。

 

「ガハハハハッ、良く気付いたな!強襲失敗だが、まぁいい。どちらにしてもお前達はこのっ」

 

〔ゴゴゴゴゴゴゴッ・・・〕

〔ドガーンッ〕

 

「ギルダンザム29号の餌食となるのだ!」

 

ものすごい土煙と轟音と共に足にキャタピラをつけた人型ロボットがギルガメッシュの雄たけびに後押しされるように姿を現した。

 

「なっ、ロボット!?」

ユッケはまさかファンタジーの世界でロボットを見るとは夢にも思わず、驚愕した。

 

「・・・ゴウ殿、ティア殿。ユッケ殿の加勢に。」

レオンが先頭のゴウと並ぶように近寄り、進もうとしていた道の先を見た。

 

「なんじゃ、お前のお客さんだったか?」

ゴウはレオンの言葉で察し、ユッケの方へと歩き出した。

 

「えっ、二人ともどうしたの?」

二人の男の行動に困惑するティア。

 

「ティア、ワシはあやつのお守りをせなならん。御主は巫女の護衛を頼む。」

困惑するティアの方を見て、ゴウが歩きながら指示を出す。

 

「ちょっと・・・どういうことよ・・・。」

突然の事で未だ理解が追いついていないティア。

 

「まだ、敵が潜んでいるかもしれませんから。ミナ殿をお願いします。」

レオンがニコニコしながら顔をティアに向けて頼む。その時だった。

 

「ヒュ~~~ッ・・・いい調子みたいだね、レオンのおっさん。」

聞き覚えのある声がレオンの見ている方から聞こえた。

まだ、少し距離があるが、そこには人影が一つ、いつの間にか姿を現していた。

 

「・・・レオン。」

目のいいティアは相手を察して、レオンを真剣な目でみる。

 

「・・・大丈夫です。」

レオンが相手の方を改めて見て、ティアに背中で答える。

 

「わかった、頼んだわよ。」

ティアはレオンの行動を察して、指示されたようにミナの方へと下がった。

 

「レオン、どうだい?あんたも一皮向けたかい?」

影だった者はフレビアでレオンと渡り合った黒皮のジャケットを着た男、ゼッドに姿を変えた。

 

「さぁ、どうでしょうね?」

レオンがニコニコしながら臨戦態勢に入る。

 

「闇のダンナにはちょっと我慢してもらってるんでね。準備運動も無しに行かせてもらうよ。」

「・・・私の方は構いませんよ。」

ゼッドがニヤケて笑う。それを見据えるレオン。

二人の間に冷気が走る。

 

「イフリート!」

「ゴーレム!」

 

息ピッタリに互いのカードを切る二人。

ゼッドの後方に炎の魔人イフリートが、レオンの後方に土塊の巨人ゴーレムがそれぞれ姿を現した。

 

「フッフッフッフッ・・・んじゃ、始めますかね?」

「・・・・・・。」

余裕の笑みを浮かべながら話すゼッドと、ニコニコとはしているが真剣にゼッドと黙って対峙するレオン。

 

 

「フュージョン!」

 

 

「なっ?!」

ゼッドの言葉にレオンが驚く。

ゼッドの言葉が発せられるとイフリートは業火の球へと変わり、ゼッドを包み込んだ。炎の中で人影が見える。

 

「ハッハッハッハッ、どうしたおっさん。絶好調じゃねーのか?」

炎の中でゼッドが笑う。

 

「いかん、あやつはフュージョンが出来るのか?!」

ゼッドの姿を見て、ゴウが焦る。

 

「ユッケ、まずいわ!」

ゼッドのフュージョンを見てシヴァが焦る。

 

「俺達が行った方がっ・・・。」

ユッケもシヴァと同様に焦りを隠せない。

 

 

「ガッハッハッハッハッ、よそ見してたら終わっちまうぞ!」

 

 

「ユッケ、危ない!」

シヴァが危険を察知して、ユッケの方に飛ぶ。

 

〔ズオオオオオンッ、ドガーーーンッ〕

 

風切り音と共にギルダンザムの鋼鉄のパンチが大地に降り注いだ。

 

「アイテテテッ、助かったよシヴァ。」

シヴァの咄嗟の判断で尻餅はついたものの攻撃をかわせたユッケ。

 

「ユッケ、シヴァと共に前へ行け!」

剣を構えたゴウがものすごい形相で走り寄って来る。

 

〔ガキーーーーンッ〕

 

「なんじゃ、この老いぼれはっ!?」

ギルダンザムは腕でゴウの斬撃を防ぐ。

 

「声からしたら、そう変わらんようだがな。」

剣を構え直して、ギルダンザムに立ちはだかろうとするゴウ。

 

「ユッケ、フュージョンは強力よ。ここはゴウの指示に従ってレオンの元へ行きましょう。」

シヴァがユッケを促す。

 

「あっ、あぁ。」

ユッケは立ち上がりながらレオンの方を見る。

 

「ガッハッハッハッハッ、どこへ行く小僧!お前はワシの獲物じゃろうが!」

 

「させんっ!」

 

〔ガキキーーンッ〕

 

ギルダンザムの手がユッケに伸びようとした所でものすごい重い斬撃を放ちその腕を弾くゴウ。

 

「おのれ、老いぼれが・・・。」

拡声器からギルガメッシュの妬ましがる声が聞こえる。

 

「はよう、いけぃッ!」

ゴウがギルダンザムの方を向きながらユッケに叫ぶ。

 

「逃がさんというとろうが、小僧ッ!老いぼれッ、お前の相手はこいつらじゃッ!」

 

〔ポシュンッ、ポポシュンッ〕

 

ギルガメッシュの声と同時にギルダンザムの背中から丸い球が数個飛び出した。

 

〔ドドドーーンッ〕

〔ガヒョンッ、ガチョンッ、ガチョチョンッ・・・ビコーーンッ〕

 

鉄の球が地面に落ちたかと思うと球がみるみる変形して行き、人型の小型ロボットに変形した。

大きさは子供ぐらいだが、鉄の棒を両手に持ち、腕の関節をグルグル回していた。

 

「なっ、なんじゃこいつらはっ?!」

初めて見る機械に戸惑うゴウ。

 

「がハハハハッ、機動歩兵五型じゃ!御主みたいな剣しか能の無い老いぼれにはそいつらで十分じゃろうよ!」

 

ギルガメッシュの勝ち誇った声が拡声器から木霊す。

 

「ちょっ・・・シヴァ、やばくない?」

機動歩兵とギルガメッシュに囲まれたユッケ、シヴァ、ゴウ。

この状態だとミナの元から益々離れられなくなったティア。

そして、フュージョンをしたゼッドと相対するレオン。

完全にユッケ達は分断されてしまった。

 

 

「フュージョンはシンクロすればするほど、異形となるが力は格段と増す。フハハハハッ、力が溢れて逝っちまいそうだ!」

先ほどまで炎に包まれていたゼッドだったが、炎が弱まり、次第に姿が鮮明になってきた。鮮明になる頃にゼッドの声がフュージョンについて話し出す。炎の中から現れたのはゼッドの声をした燃え盛る炎をまとった鎧だった。鎧からフレアのように炎が舞い踊り、敵を紅蓮の炎で灰にしたいと、今か今かと待ち構えているようだった。

 

「準備万端整ったぜ、おっさん・・・さぁ、始めようか?」

ゼッドが大きく両手を広げてレオンを誘う。

 

 

 




左右から襲撃を受けたユッケ達。
ギルガメッシュとゼッドの繰り出す新しい攻撃に翻弄される。
分断されたユッケ達に待ち受ける運命とは?!


次回、「フレイムナイト」
青年よ、炎の力を知れ!(千葉繁さん風)

どっちが好み?あなたの選択でエンディングが変わります。

  • 包容力があって、海のような心を持つ女性
  • 等身大でお互いを認め合える女性
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