FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

30 / 157
長い長い道を踏破し、一行が辿り着いたフォレストーラ
そして、早々に巡礼の儀式に入るミナ達
しかし、そこにやはり不穏な影が迫っていた


フォレストーラの厄日

ユッケ達一向は神殿に繋がる大きな道をまっすぐ歩いてきていた。

 

「すげええええええええええええっ・・・。」

目の前に見えてきた神殿よりもその周りに広がる存在にユッケは心奪われた。

そこには今までどの街でも見てきた同じように真っ白な神殿があったが、ここではそれを覆い隠すように大樹の根が生え、どこまでもどこまでも上に横に幹が伸びてその存在感を示していた。左右を見れば、大きな根が大蛇のように踊った後に固まったようにソビえ、上を見れば、天をも飲み込もうとする龍のように雲を貫きさらに伸び、その先は雲に隠れて見えない。それでいて、不思議とフォレストーラは暗くない。どういう原理か分からないが、適度な日差しが木漏れ日を形成し、地上へと降り注いでいた。

 

「・・・・・・ん?」

上を見上げて呆けていてもゴウの雷が飛んでこない事に違和感を感じたユッケ。ゴウの方を見てみると歩いてきた方を見て固まっていた。

 

「えっ、みんなどうしたの?」

ミナも周囲の動きに違和感を感じていた。ゴウもレオンもティアも同じ方向を見て固まっていた。

 

「・・・ティア!」

ゴウが静寂を切り裂くようにティアに声をかけた。

 

「バハムート!」

ティアはゴウの声に反応するよりも早く来た道の上空を見ながらバハムートの名を叫んだ。もちろんそこにあるのは生い茂った木々が隠して、木漏れ日以外ユッケには空は見えなかった。しかし、ティアには手に取るように感じ取れたのだろう。一点を凝視して動かない。

 

 

〔ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォ・・・・・〕

 

 

「うわっ!?」

「キャッ?!」

数秒して、足を取られる様な地震が起こった。

 

「ティア何が起こっておる!」

ゴウが唯一状況を把握しているティアに尋ねた。

 

「闇の民が現れた地点にバハムートが透かさず攻撃したみたい。木々が怯えてる。」

ティアは一点を凝視したまま胸を右手で鷲掴みして悲しそうに顔をシカめた。

 

「距離はどのくらい離れておる?」

ゴウはティアにさらに尋ねる。

 

「そんなに離れてないわ。大体10kmぐらいだと思う。」

「きゅう~~~・・・。」

さっきまでとは裏腹にティアもカーバンクルも怯えていた。どちらかというとこれは敵と言うよりもバハムートに向けられた恐怖だろう。

 

「・・・バハムート、敵しか見てなさそうだな・・・。」

なんとも言えない怒りがユッケの中に広がっていた。

 

 

 

 

数分前のある地点。

「うひょ~~~~っ、便利便利!」

森の中に突然空間に縦穴が開いたように闇が広がり、そこからゼッドが姿を現した。

 

「なんじゃ、ここは・・・森の中ではないか!」

 

〔ガションッ、ガションッ、ガションッ〕

 

ギルガメッシュの声を拡声器で出しながら3mぐらいある人型ロボットが闇から姿を現した。

 

「これ以上はカーバンクルの結界で阻害されるからな。」

最後に白銀の鎧を纏った男が姿を現した。闇の民と名乗っていた男だ。

 

「大将、今回は派手に暴れていいんだよな?!」

ゼッドが右肩をグルグル回しながら闇の民に確認した。

 

「・・・・・・。」

闇の民はハシャグゼッドの方に片手を開いて出して、無言で空のある方向を凝視した。

 

「・・・なんか見えるのか?」

ゼッドは闇の民が見ている方向に目をやったが、そこには木々が生い茂っているだけで何も分からなかった。

 

「・・・うおぉおおおい!レーダーに強い魔力反応があるぞい!!」

闇の民が見ている方向の空を指差してギルガメッシュが叫ぶ。

 

「・・・バハムートだ・・・あいつ、ずっと見張っていたな・・・。」

兜で分からないが、如何にも悔しそうな声が漏れる。

 

「どうする大将、やっちまうか?」

ウズウズニヤニヤしたゼッドが闇の民に尋ねる。

 

「・・・バカを言うな。奴は桁違いだ・・・作戦を変更する。」

闇の民は冷静さを取り戻したかのようにゼッドの方に向きを変えて、立ち直す。

 

「・・・ディアボロス、パンデモニウム。」

 

「御意。」

「ここに。」

闇の民が名前を呼ぶと、後方の左右から異形の存在が影から姿を現した。

ディアボロスと言われた異形はコウモリのような翼をマトい、大きな角を額から左右に広げていた。口からはみ出した牙は刺々しく、黒と赤の色で構成された全体とは対照的にその目は鋭く光っていた。

パンデモニウムと言われた異形は昆虫のような複眼が3つ顔の大半を占めており、口と耳のようなものは確認できない。印象的なのは右肩にある大きな口で背中の方に大きな袋があり、それと繋がっているようだった。全体的にはやわかな印象があるが、腕も足も太く、それぞれに鋭い爪を5本ずつ有していた。

 

「お、ご両人。おひさ~~っ。」

ゼッドはディアボロスとパンデモニウムに笑顔で手を振ってみせた。

 

「ゼッドとギルガメッシュは言われたとおりに暴れ回れ、パンデモニウムとディアボロスは二人で行動し、機を見て動け。」

ゼッドのお茶目など目もくれず、それぞれに闇の民は指示を出した。

 

「・・・わ~~かりましたよ。」

両手を肩の辺りまで上げて広げ、天に手を広げてみせながらゼッドが答えた。

 

「おいおい、どんどん近付いてくるぞい!」

 

ギルガメッシュはレーダーに映る化け物を確認しながら大きな声で知らせた。

 

「大将は?」

ゼッドが左人差し指で闇の民を指して尋ねた。

闇の民はバハムートがいると思われる方向の頭上を見て、

 

「ふんっ・・・少し遊んでやる。」

兜の下で鼻で笑い、あえてバハムートのいる方へと走っていった。それを合図にゼッド、ギルガメッシュ、パンデモニウム達は散り散りになり、闇の民の指示通り、それぞれがそれぞれにフォレストーラの方向へと走り出した。

 

 

 

 

その頃、フォレストーラの森の上空

 

「・・・小賢しい・・・今まで逃げ回っていながら向かってくるか。」

 

バハムートが闇の民がいるであろう地点を見下ろしていた。

 

「我が咆哮を食らうがいい。」

そう言うとバハムートが少し口を開いた。すると、口の中から紫色に光る光球がみるみる膨れ上がり口の中から弾けんばかりに大きくなっていった。

 

 

〔メガフレア〕〔ゴパァァ・・・ドゴゴゴォォォォォォーーーーッ!!〕

 

 

バハムートが作り出した光球から野太いビームが発射され、闇の民がいるであろう場所に目掛けて落ちていった。

 

〔ドゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!〕

 

ビームが着弾すると光の球体がみるみる広がって行き、大地と空がヒビ割れんばかりに震えた。人々や動植物は突然の厄災にただただ泣き叫び逃げ惑うしかなかった。

 

 

 

 




突如始まったバハムートと闇の民との戦い
壮絶な戦いにフォレストーラ全体が震え上がる
ユッケ達はその状況を打開すべく動こうとするが、

次回、「樹のクリスタル」
青年よ、命の息吹を体感せよ!(千葉繁さん風)

どっちが好み?あなたの選択でエンディングが変わります。

  • 包容力があって、海のような心を持つ女性
  • 等身大でお互いを認め合える女性
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。