最大の目的を前にしてどう対峙するのか?
そして、人を凌駕する守護獣達の戦いが繰り広げられる!?
フォレストーラ上空
「闇の民め・・・ちょこまかと動きよって・・・。」
バハムートが地上を見下ろしながら、次の目標を探していた。
(お前が囮になっている事はわかっている。地理的に不利な私としてはお前をアルテマクリスタルに近付かせなければそれでよい。が、仕留められるならここで仕留めておきたいのも本音。)
バハムートは闇の民の悪巧みを推測し、自分の都合と合わせて動いていた。
「・・・ムッ?!」
その時だった。バハムートはフォレストーラの大樹の方からアルテマクリスタルの力があふれ出すのを感じた。
「バハムート様ッ!」
時を同じくして、丁度空中にいるバハムートの足元の森の中からティアの呼ぶ声が聞こえた。
「・・・ティアか。これはちょうど良い所に来た。」
バハムートは声の方に目をやり、高い木の上からこちらに手を振るティアを見つけ、少しずつ高度を下げて行った。
「バハムート様、お静まりください。森が持ちません!」
ティアは精一杯想いを込めて叫び、バハムートに懇願した。
「・・・・・・森は再生する。それよりもお前の物見で闇の民の場所を指し示し教えよ。」
ティアの願いなど気にも留めず、己が望みを一方的に言い放つバハムート。
「・・・しっ、しかし・・・。」
ティアはさすがに困惑を隠せない。
「お前が森を守りたいのであれば、尚の事協力しろ。無闇矢鱈に攻撃しなくて済む。」
当然のことのようにティアに提案するバハムート。
「・・・ッ?!・・・バハムート様、危ない!」
戸惑っている中、ティアは何者かの気配を感じ、急いでバハムートに伝えた。
「ムッ!?」
ティア程ではないが、気配を感じ取り、敵の方向へと目線を向けるバハムート。それと同時に
〔暴風圏突入〕〔ゴゴゴゴゴゴッゴゴオオオオオオオオオオオオーーーーッ!〕
〔闇よりの使者〕〔ズズズズズズズズズズズズズオオオオオオーーーーッ!〕
ものすごい風圧を伴った風の集合体と暗く黒い巨大な球がバハムートへと襲い掛かった。
「・・・コシャクな。」
襲ってきたモノ達をあざ笑うように口角を少し上げて呟くバハムート。
〔メガフレア〕〔〔ゴパァァアァ・・・ドゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォーーーーッ!!〕
〔ドガゴオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!!!〕
「きゃあああああああああああーーーーーッ!」
3つのエネルギーの塊が上空でぶつかり、凄まじい風圧が周囲の全てを跳ね飛ばそうと襲い掛かった。ティアも叫びながら木にしがみ付いて必死に堪える。
しばらくすると、エネルギーがぶつかり合った箇所を中心に数百mは木々が円形になぎ倒されており、そのあまりに人智を超えたパワーが遺憾なく表現されていた。
「さすがさすが・・・王様はやっぱり違いますな。」
「・・・・・・。」
丁度バハムートと円を挟むようにして反対側にディアボロスが手を叩きながらバハムートをおどける様に讃え、対照的に一緒にいたパンデモニウムは静かにバハムートを見据えていた。
「お前達もいることは分かっていたが・・・まさか、私に挑んでこようとは思わなかった。」
バハムートが鋭い眼光で二人?を睨みつける。
「挑むだなんて大それた事を・・・。」
恐れ多いと精一杯身体で表現するディアボロス。完全に相手を挑発しているのが分かる。
「・・・久しいな、その傲慢な態度。」
パンデモニウムが静かに言葉を投げる。
「闇の民の後にと思っていたが、ちょうどいい・・・ここでまとめて・・・ッ。」
「バハムート様、後ろですッ!」
バハムートが目の前の敵に気を取られていた時、ティアが後方の危機をバハムートに伝えた。
〔地獄の火炎〕〔ゴゴゴゴゴゴオオオッ、ゴバアアアアアアアアアアアアアーーーーッ!〕
「なっ、何ッ?!」
バハムートの遠く離れた後方から今度はフレイムナイトのゼッドが攻撃を仕掛けてきていた。完全にディアボロスの挑発に気を取られていたバハムートは対応が遅れ、巨大な火球が目の前まで迫っていた。
「戯れ事をッ、ガオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」
火球に対峙したかと思えば、バハムートは大きく叫んだ。すると、火球が目の前で止まる。
「返すぞ、小僧ッ!」
〔ドゴーーーーーンッ!〕
バハムートは止まった火球を思いっきり殴りつけて、ゼッドの方へと弾き飛ばした。
〔ドドドドドドッ、ゴバアアアアアアアアアアアッ!〕
火球はゼッドの居た場所に着弾し、炎上げ、火の粉を無数に散らしながら弾けた。
「次はお前達のッ・・・?!」
ゼッドを片付けて再びディアボロス達の方を向くバハムート。しかし、そこにはもう二人の姿はなかった。
「ティアッ!」
索敵能力の高いティアにすぐに居場所を教えるように促すバハムート。
「・・・・・・。」
無言で首を横に振って答えるティア。
「ぬうぅぅっ!」
今度はゼッドの方を見るバハムート。だが、そこにも最早気配はなかった。
「闇の民の動きはどうだッ!?」
ゼッドが姿を消した燃え盛る森を見詰めたままティアに声を張り上げて問うバハムート。
「ゼッドの方で一瞬確認しましたが、すぐ気配は消えました・・・。」
切なそうな顔でバハムートを見つめ答えるティア。
敵が去った後の戦場は散々なモノで。殆どがバハムートの力によるモノだが、それを責めれる者はその場に居なかった。
救いがあるとすれば、樹のクリスタルの力が戻った事で、燃えていた森が木々達の動きによってタチマちに消火され、バハムートが作ったクレータには草花がみるみる覆っていった。ただ、戻らないモノも中にはあった。そこかしこで、動物や人の亡骸が草花に優しく包まれ、安らかな眠りへと誘われていた。
「・・・次は逃がさぬぞ・・・。」
バハムートは戦いが終わると、誰に告げる事もなく、そう言い残して、大きく羽ばたき、空へと高く飛び立って行った。
ティアはただ、歯を食いしばって無言でその姿を見送り、涙を一筋流すのが精一杯だった。
暴れるだけ暴れて飛び去っていったバハムート
残された者達は何を思うのか?
次回、「それぞれの戦いの後」
青年よ、怒りを胸に想いを叫べ(千葉繁さん風)
どっちが好み?あなたの選択でエンディングが変わります。
-
包容力があって、海のような心を持つ女性
-
等身大でお互いを認め合える女性