FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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不穏な空気を漂わせながら儀式に向かうユッケとミナ、
そして、ガードナーとして同行するミューレ
重い空気の中でいよいよ儀式が始まる。


水のクリスタル

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

ただ、黙々と神殿の中を歩いていく二人と浮かんでいる一人。

ミューレはもちろんユッケを置いて行きそうな速度でスタスタと歩いていた。幸い、ミューレは背が小さく、歩幅も大きくはないのでユッケは少し急ぎ足にするだけでよかった。が、その状況が一層場を悪くしているのがヒシヒシとミューレから感じ取れた。

 

 

(・・・俺、めちゃくちゃ嫌われてるな・・・。)

 

 

落ち込まずにはいられないユッケ。だったが、

隣で相当落ち込んでいるシヴァを見ると自分がそれに飲まれるわけには行かなかった。かと言って、ミューレに声を掛けるわけもいかず、ただただ歩くだけしか出来なかった。

 

 

「・・・・・・着きました。」

 

 

しばらく歩くとミューレは一つの大きな扉の前で立ち止まり言葉を吐き捨てた。もちろん、ユッケの方は見ていない。

 

「あっ、ありが・・・。」

「中に入られるのですか?」

ユッケがお礼を言おうとしたのを遮って、ミューレが前を向いたまま尋ねた。

 

「えっ?!」

突然遮られ、困惑するユッケ。

 

「儀式中は中に入られるのかと聞いているのです。」

イライラしたのがヒシヒシと伝わってくる口調でミューレが再度ユッケに尋ねた。

 

「あっ、えっ・・・はいっ、出入り口の近くで見ます。」

ミューレの問いに慌てて答えるユッケ。

 

「・・・そうですか。ならば、勝手にお入りください。私は私でガードナーとして行動しますので・・・。」

そう言うとミューレはクリスタルの間の扉を開き、一人中へと入っていった。ポツンと残されたユッケとシヴァ。

 

「ごめんなさいユッケ・・・私のせいで貴方までこんな責め苦を受けて・・・。」

シヴァが震える声でユッケに謝る。

 

「・・・いや、俺は全然良いんだよ・・・。ガードナーのこととかまったく知らなかったし。今まで、ティアとかレオン見てれば、なんとなく分かる。ガードナーっていう存在がどれだけ誇り高くて大事な役目なのか・・・。」

ユッケは握りこぶしを強く作り、俯いた。

 

 

「オホンッ」

 

 

「うぇっ?!」

後ろからの突然の咳払いに驚くユッケ。振り向くとそこには神官とミナが立っていた。

 

「ユッケ、何ボーッと突っ立ってるの?」

ミナがやれやれと言った表情でユッケを見ている。どうやら、みそぎを終えて、クリスタルの間へとやってきたようだった。

 

「ごっ、ごめん!」

慌てて道を開けるユッケ。

しっかりしなさいという言葉が伝わってくる目線をユッケに突き刺すミナ。その目線を申し訳なく頭を下げて答えるユッケ。ユッケはミナの後をしばし距離を離してからついて行った。

音もなく、静かに開く大きなクリスタルの間の扉。そこに入っていくミナの後を追ってユッケもクリスタルの間へ入った。

 

「はぁ~~~~っ・・・。」

中の光景に目を奪われ、口から発せられた言葉に気付かないユッケ。

そこには大きな広い純白の空間が広がっており、部屋の奥に池というよりは湖があり、その湖の上に大きなクリスタルが静かに浮かんでいた。出入り口から下に降りる階段が湖まで続いており、ミナがその階段をゆっくり通りながらいつものように呪文を静かに口ずさんでいた。

 

 

「んんっ!」

 

 

「っ?!」

右の方からの咳払いに驚くユッケ。

その方向に目をやるとミューレがミナの方を見ながらチラリとこちらを見ていた。ユッケは出入り口から少し外れ、ミューレとは反対方向の通路の脇に移動した。

ゆっくりとゆっくりと階段を下りて、クリスタルへと近付いていくミナ。それに共鳴して、クリスタルがゆっくりと回転を始めた。ミナが近付くにつれてゆっくりと回転し、ゆっくりと上下運動をし始めるクリスタル。ミナが道半ばまで来ると、それは起こった。

 

「みっ、水がっ。」

ユッケがその光景を見て、思わず言葉を漏らす。

クリスタルの下に広がる湖がクリスタルを中心に波紋を広げだし、大きく大きくうねり出した。そして、

 

〔ボコボコボコボコッ・・・〕

 

大きくうねり出したかと思えば、湖から泡が出始めて、次の瞬間、

 

〔ズバババーーンッ、ドドドドドドドドドドーーーーーーッ〕

 

クリスタルの下の湖から水柱が天井に向けて放たれた。水浸しになっていく部屋。それどころか水位がドンドンと上がっていく。

 

「・・・・・・。」

今まで見てきた儀式と同じだと自分に言い聞かせ、気持ちを落ち着かせながらユッケは固唾を飲んで黙って見守る。

どんどんどんどん水位増し、ミナを飲み込んでいく。ミナを飲み込んでも水位は上がり続ける。そして、いよいよユッケ達の足元まで水は迫っていた。

ミナの方を見ると、ミナは目を閉じて呪文を唱え続けている。水位が上がった事により、体は浮き、浮きながらクリスタルに吸い寄せられるように近付いていっていた。

 

 

「んっ・・・!?」

 

 

そして、とうとうユッケは水にのみ込まれる。

一瞬呼吸を止めるが、それが無駄だとすぐに分かった。水中にいるのだが、空気は確かにそこにあった。髪も水中にあるかのように海草の様にたなびき、自分が水中に適した身体になったのではないかと錯覚しそうなぐらいだった。

 

「ウワッ?!」

ミナの方を見て、驚くユッケ。

今度は湖の中から、大きな龍達が出てきて、そこら中を泳ぎ始めた。泳ぐという表現がかわいらしいぐらいに荒々しく、まるで水を切り裂くように流れていく。すると、一時泳いだ後、龍達は一斉にミナの方へと飛び掛った。

 

「・・・・・・!?」

 

幻影と分かっていても力が入ってしまうユッケ。音もなく泳ぎ、ミナへと迫る龍達。

ミナに龍が襲い掛かった瞬間、龍達はミナの身体へと吸い込まれ、それに続くように部屋の水たちもミナへと吸い込まれていった。出てきた時とは対照的に水は静かにミナへと吸い込まれ、あっという間に部屋の中の大量の水がその姿を消した。水が吸い込まれると同時にゆっくりと空中から地上へと降りていくミナ。

 

「ふぅ~~~~・・・。」

儀式が終わったのかミナは大きく息を吹いた。

 

(いつ見てもすごいな・・・。)

両手を強く握りこみミナの方を凝視するユッケ。

 

「・・・・・・。」

そんな様子をミューレは横目で静かに見ていた。

 

 

 

ユッケの胸元を・・・ただただ、静かに。

 

 

 

 

 




儀式を終えて、アクツィアから旅立とうとするユッケ達
その中でシヴァが気にかけていた事をミューレに尋ねる。

次回、「チョコボの里へ」
青年よ、人生の道は急いでいるだけでは進めない!(千葉繁さん風)

どっちが好み?あなたの選択でエンディングが変わります。

  • 包容力があって、海のような心を持つ女性
  • 等身大でお互いを認め合える女性
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