しかし、ユッケの想いと一同の姿に真実を見い出す
そこにいたのは、少女だった。
〔ザザザザァーーーーーーッ〕
さっきまでの喧々とした風景とは裏腹に、今、船は快適に進んでいた。
その船上のデッキで風を受けながらユッケ達は話している。
「・・・私の所に数日前、ディアボロス様がいらしたんです。」
ミューレは自分の取った行動の理由をユッケ達に話し出す。
水の神殿の人気のない廊下を一人歩いていたミューレ。ユッケ達が近付いているという報を受け、複雑な気持ちで歩いていた。
「・・・ガードナーミューレ殿。」
「えっ?!」
誰もいない、人の気配もしなかった廊下で自分の名前を言われて驚くミューレ。
「偉大なる魔法使いにして、水の正当なガードナーミューレ殿。」
柱の暗い影の部分からその声が聞こえてきていた。優しい男の声だった。
「誰ですかっ?!」
ミューレはその声の聞こえた方に向かって、臨戦態勢を取る。
「待って下さい、私は敵ではありませんよ。」
柱の影から慌てて、ディアボロスがその姿を現した。
「ディッ、ディアボロス様ッ?!」
ミューレは突然の意外な来訪者に驚きを隠せない。
「あはははっ、怖いなぁ・・・ミューレ殿に構えられたらたまらない。」
おどけた声でディアボロスが言う。
「もっ、申し訳ありません・・・まさか、ディアボロス様だったなんて・・・。」
ミューレは慌ててディアボロスに深々とお辞儀をして謝った。
「いやいや、いいんだよ。逆に注意深くて安心した。」
そういうとミューレに近付くディアボロス。
「ところで、ミューレちゃんはバハムート様には会ったかな?」
ミューレに近付き、耳元でディアボロスが静かに小さく尋ねる。
「えっ、バハムート様ですか?」
ミューレもディアボロスにつられて小さな声で答える。
「・・・・・・あっ、いいんだよ。まだ、来てないならしょうがない・・・。」
ミューレから少し離れて、にこやかに話すディアボロス。
「バハムート様もお見えになられるのですか?」
とんでもない名前にソワソワし出すミューレ。
「ん?・・・いや、あいつ・・・じゃなかったあの方はたぶん来ないかもね。」
目線を上に向けてそう答えるディアボロス。
「そっ、そうですか・・・。」
ちょっと残念なミューレ。
「それよりもミューレちゃん。」
「えっ?!」
親しみを込めて近付くディアボロス。不意な距離感に戸惑うも相手が相手だけにミューレも驚きながらも避けずに従う。
「君にこの世界に起こってる重大な事について話さないといけないんだ・・・。」
ディアボロスは優しくゆっくりと語り掛ける。
「重大な事・・・ですか?」
ミューレはディアボロスの言葉に反応して少し強張る。
「・・・そう、とっても重大な事なんだ・・・。」
ディアボロスはそう言いながら不敵に微笑んだ。
「思えば、そこから気持ちが妙にスッキリしていて・・・。もしかしたら、その時点で既にチャームをかけられていたのかもしれません。」
ミューレはそう言ってユッケ達に申し訳なさそうに上目遣いで話した。
「それから、ユッケさんがアルテマクリスタルを盗んだ闇の民で、アルテマクリスタルの力を使って皆さんを騙している。巡礼も世界のクリスタルの力を独り占めにする為にしていて、自分は闇に属する者で、責任を感じていて、それをなんとしても止めたいから手を貸してほしいと・・・言われて・・・本当に申し訳ありませんでした!」
ミューレは本当に申し訳なさそうに顔をクシャクシャにして、自分の出来る限りのお辞儀をして皆に謝った。
「・・・仕方あるまい・・・ディアボロスめ・・・巧妙な手を使いおって。」
怖い顔でゴウが空を見ながらそう呟く。
「・・・そっ、そうだよ。ディアボロスに操られていたんだから仕方ないよ!」
ユッケはゴウの反応を見てから恐る恐る話し出し、最後に大きな声で賛同した。
「うむ、仕方ないことです。」
満面のニコニコでサムズアップするレオン。
「そっ、そうよね。先回りされて、吹き込まれちゃったんだもん。」
うんうんと頷きながら一人で納得するティア。
「そうだよ!きにするこtッ・・・?!」
「バチコーンッ!」
「いってえええええええっ!」
「調子に乗るな!」
ミューレを励まそうとしたユッケの後頭部を叩き、ユッケを怒鳴りつけるゴウ。
「仕方のないこととは言え、たるんでおる!そもそも、ガードナーとして自覚があれば、そう容易くチャームにかかるものではないわ!!」
と、ユッケを怒鳴りつけるゴウ。
「ええええええええ・・・っ。」
叩かれた頭を押さえながら納得いかないユッケ。
「・・・すっ、すみません・・・。」
ミューレは目に涙を溜めながらゴウに謝る。
「・・・・・・気をつけろ・・・。」
ゴウはミューレを見ずにそう言いながら船首へと歩いていった。
「確かに私にも隙があったんです。ユッケさんにガードナーとしての地位を奪われて焦りもありました。ユッケさんが黒幕なら・・・と心の中で喜んでしまった。」
塞ぎ込みながらミューレが言葉を搾り出す。
「・・・奪うなんて・・・。」
ユッケはゆっくり立ち上がって頭を掻きながらミューレに言う。
「・・・守護獣とのフュージョンはガードナーとしての証みたいなものだものね。」
ティアが風に吹かれるモミアゲを手で押さえながら言う。
「大丈夫よ、ミューレ。こいつにガードナーなんて自覚ないんだから。」
今まで黙っていたミナが毒舌を炸裂させる。
「・・・・・・・。」
何も言い返せないユッケ。
「ほらね、やっぱりないでしょ。」
ニヤケながら追い討ちをかけるミナ。
「おおおおおおっ、俺だってっ!」
精一杯言い返そうとするユッケ。そこにミナがミューレを指差す。
「・・・ごめん・・・。俺もシヴァとのフュージョンが必要で・・・。」
「いいっ、いいんですよ。もうガードナーとかそういうものにこだわったりしてませんから。」
今度はミューレに変わって塞ぎ込むユッケを慌ててミューレが励ます。
「あはははははっ、おっもしろーーーいっ!」
ミナはお腹を抱えて笑い出す。
「ごめんなさいね、ミューレ。守護獣がフュージョン出来るのは一代に一人限りなの・・・。」
シヴァがミューレに申し訳なさそうに謝る。
「そんな、シヴァ様が謝る事ではありません!」
とんでもないとミューレが逆にお辞儀をし出す。
「そうですよシヴァ様。これは事故です。ユッケが全部悪いんですから。」
「なっ、なにをぉ~・・・。」
ミナがユッケを指差して、シヴァを庇う。それに辛抱堪らんとユッケがミナに詰め寄る。
「ごめんなさい、ミナ。事故だとしても、私が私の意志でユッケを選んで、今も間違いだったと思っていないから・・・。」
優しい目でミナを見て、優しい声でミナにそう伝えた。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
黙り込むユッケとミナ。
〔パンッパンッ〕
「・・・はい、もうこの話はおしまいね。ミナも調子に乗りすぎよ。」
手を叩いて、場をしめ、ミナを睨むティア。
「はっはっはっはっ、さて、トレーニングしないと鈍りますな。」
場の空気からいち早く抜け出していくレオン。
「・・・ごっ、ごめん・・・。」
ミナも空気を読んでユッケには顔を向けないものの目だけを向けて謝った。謝った後、バツが悪くなり、そそくさと船内の方へと歩いていった。
「・・・もう、素直じゃないんだから・・・。」
やれやれといった表情でミナの方を見るティア。
「・・・本当にありがとうございました、シヴァ様。そして、ユッケさん。」
深々と再度お辞儀をしてミューレが微笑む。
「俺の方こそありがとうミューレちゃん。」
「私からもお礼を言うわミューレ。」
ユッケとシヴァが優しい口調でミューレにお礼を言い返す。
「さぁ、わだかまりも解けたことだし、ミューレも一緒に居れば大丈夫よ。」
ニコニコしながらそう言ってミューレの肩をポンッポンッと叩くティア。
「でも、本当に宜しいんでしょうか。私が神殿を離れて・・・。」
旅の同行に戸惑うミューレがモジモジしていた。
「心配なのは分かるけど、一番肝心なのはアルテマクリスタルだしね。」
ユッケの胸元を見て、ミューレに答えるティア。
「俺としてもミューレちゃんが一緒に来てくれたら心強いよ。」
両手でガッツポーズを作ってそう続くユッケ。
「神殿から長いこと離れていた私が言うのも違うけど、お願いするわミューレ。」
シヴァが優しい眼差しを向けてミューレに言う。
「はっ、はい!私からもよろしくお願いします!!」
満面の笑みでシヴァに答えるミューレ。
「ミューレちゃん、俺の事はユッケでいいからね。さん付けはしなくていいよ。」
笑顔でミューレにそう伝えるユッケ。
「はっ・・・はい・・・。」
ユッケと目が合った瞬間に目を外してモジモジしながら答えるミューレ。
「ふふふ・・・。」
その二人を見ながら微笑むシヴァとティア。
船は次の目的地「チョコボの里」へと着実に進み近付いていた。
ユッケ達の先回りをして、
ユッケ達に共倒れの罠を仕掛けていたディアボロス
その罠を見事破り、ミューレを仲間に入れた一同
次回、「チョコの故郷」
青年が見るは友の帰郷の喜びか。(千葉繁さん風)
どっちが好み?あなたの選択でエンディングが変わります。
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包容力があって、海のような心を持つ女性
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等身大でお互いを認め合える女性