一行はついに水のガードナーの前任者がいるという
チョコの故郷、チョコボの里へ到着する
「お金はもらってますんで、どうぞごゆっくりっ!」
船長がそう言いながら、ユッケ達に手を振っている。
「ありがとうっ!」
ティアが代表して、船長に手を振って答えた。
ユッケ達はチョコボの里に一番近い船着場で降ろしてもらい、そこからは徒歩で向かっていた。
「チョコボの里ってどれくらいかかるのかしら?」
ミナがいつものようにチョコに乗りながらミューレに聞いた。
「少し時間がかかりますが、それでも半日あれば、十分着くと思います。」
ミューレはミナの後ろに乗り、しがみ付きながら答える。
(ミューレは小さいからいいけど、お前は降りろよ・・・。)
ジトッとした目でその光景を見るユッケ。
「何よ?」
ユッケが見ているのに気付いて、睨みつけるミナ。
「・・・別に。」
ボソッと答えるユッケ。
「すいません、ユッ・・・ケ・・・荷物も持ってもらってるのに。」
ミューレが申し訳なさそうに不慣れな言葉を使いながらユッケを気遣った。
「いいのよ、ミューレ。あいつは好きでやってるんだから。」
優しいミューレと裏腹に冷たく突き離すミナ。
「羨ましい限りですな。」
全員分の大荷物を抱えたユッケを見てレオンがニコニコしながら言う。
「羨ましいと思ってるのはあなただけよ。」
呆れた顔でティアがレオンにツッコむ。
「我々には使命がある。くれぐれも忘れるなよ。」
ブスッとした顔で皆に釘を刺すゴウ。
「ごめんなさい、ゴウ。どうしても、モーラに会っておきたくて。」
シヴァがゴウに切なそうな目をしながら言う。
「・・・誰もトガめておりません。程々にしてもらえればいいので・・・。」
シヴァをチラチラ見ながら、バツが悪そうにゴウが答えた。
「クェッ、クェッ、クェクェッ。」
いつになく上機嫌なチョコが歌っている様だった。
「そういえば、お前はここから来たのか?」
ユッケがチョコを見ながら尋ねた。
「クエッ!」
元気良くユッケに答えるチョコ。
「ということは、ここら辺に次元の歪があるかもしれないのね。」
頭の後ろで手を組みながらティアが辺りを見渡す。
「次元の歪は闇の民の影響で現れては消えるからもうこの辺りにはないかもしれないわ。」
シヴァがそうティアに答える。
「闇の民の影響って?」
ティアが続けてシヴァに質問する。
「闇の民は、リアやアルテマクリスタルを探す為にここと向こうの世界を行ったり来たりしていたみたいだから。」
シヴァが知る限りの事をティアに教える。
「なるほど。」
ティアは納得したようだった。
「闇の民というのは恐ろしい魔法の使い手なのですね・・・。」
ミューレはミナを掴んでいる手に力を込めて、そう呟いた。
「・・・そうね、恐ろしい相手ね。」
ミューレに答えるように静かにミナが言う。
「・・・やろうと思えば、この場に現れて、俺達を襲ったり出来るのかな?」
ユッケが気になった事を口に留めずに零した。
「・・・やろうと思えば、もうとっくにしておるわ。」
ゴウが進行方向を見ながら答える。
「次元や空間を歪めるのはそう容易く連発できるものではないから。」
シヴァがユッケの肩に手を乗せて優しく教える。
「ここに現れて、わしらを倒したとしても、バハムートが飛んでくるじゃろう。あやつとて、バハムートに勝てると思っておらんし、逃げるためには空間を飛ばねばならん。狙ってはいるかもしれんが、そう易々と出来んのだ。」
ゴウがシヴァの説明に付け足すように言葉を続けて答えた。
「バハムート様々ね・・・。」
また、手を頭の後ろで組んでティアがのん気な声で言う。
「気をつけてね、ティア。バハムートは耳もいいから。」
シヴァがティアの耳元に近付きそう囁いた。
「っ?!」
慌てて両手で口を塞ぐティア。
「ハハハハハハハハッ!」
ゴウ以外の一同がティアの姿を見て、大いに笑った。
「もう、そろそろですね。」
道案内してくれているミューレが一同に向かって、声をかけた。
「クェッ、クエッ、クエクエーーーーッ!」
チョコは自分の家が近付くにつれて益々元気になり、羽をバタつかせながら喜んでいる。
「ちょっとチョコ。振り落とす気ッ。」
喜ぶチョコを見て、笑顔になるが、余りにも暴れるのでなだめる様に言うミナ。
「クエッ!」
わかった!と言わんばかりに一声発して、落ち着くチョコ。
「・・・ハァッ、ハァッ・・・やっ、やっと着いた・・・。」
全員分の荷物を持って、踏破しようとしている若者が最後の力を振り絞って声を出す。
「いやはや、逞しくなられましたなっ!」
ニコニコしながらユッケの成長に感心するレオン。
「グェッ。」
「クエクェッ。」
「グワッ!」
〔ガサガサガサガサッ〕
前の方の草むらから何羽かのチョコボが顔を出して、お互いに声を掛け合って、ユッケ達の方を一目見た後、ユッケ達の進もうとしていた方へと走っていった。
「クエッ、クエエエッ!」
チョコは逃げていく仲間に声をかけるように大きく鳴いた。
「クェェェ~~~ッ」
すると、近くの草むらから一羽。ピンク色のチョコボが姿を現した。
「あら、この子は逃げないのね。」
ティアがそのチョコボの姿を見て、素直に喜んだ。
「クエェッ、クエクエッ。」
チョコはそのチョコボと会話しているようだった。
チョコの説明?が通じたのか、そのピンクのチョコボは恐る恐るゆっくりとユッケ達の元へと歩を進めてくる。
「・・・・・・。」
ユッケ達は脅かさないように声を殺して、その様子を伺った。
「クェ~~~~ッ。」
チョコの傍まで来て、上目遣いでチョコを見上げるピンクのチョコボ。
「クエエエ~~~~ッ。」
チョコは答えるかのように鳴いた。
するとお互いに口ばしを擦りあって見せた。
「クエッ。」
「クエッ。」
顔をお互い見合わせて、一鳴きする2羽。
「クエッ!」
チョコはサムズアップするかのように右の翼を高く上げユッケに合図したようだった。
「おおおおおおおっ。」
ユッケ達は安堵して声を漏らす。(ゴウ以外)
「知り合いだったのでしょうか?」
率直に感じた事を口にするミューレ。
「そうかもしれないわね。」
笑顔で合わせるミナ。
「あらあら、まぁまぁ・・・これはこれはお客様なんて珍しい。」
そうこうしていると、チョコボ達が逃げていった方から優しい女性の声が聞こえてきた。
「おばあ様ッ!」
ミューレはその人物に気付くと勢い良くチョコの背中から降りて、その人物に駆け寄り、勢い良く抱きついた。
「あらあら、ミューレ。こんな遠い所まで良く来てくれたわね。」
ミューレの祖母は優しく暖かい微笑でミューレを迎え入れた。
「・・・・・・モーラ・・・。」
シヴァがミューレの祖母の名前を静かに発する。
「・・・・・・シヴァ様。良くご無事で・・・。」
ミューレに向けた優しく暖かい微笑をシヴァにも向けるモーラ。その目には何か光るものが確かにあった。
ディアボロスにソソノカされたミューレとの戦いを
無事突破したユッケ達はついに目的地に!
そこで待っていたモーラという元ガードナーは?
次回、「モーラ」
青年は陽だまりの元で何を想う?!(千葉繁さん風)
どっちが好み?あなたの選択でエンディングが変わります。
-
包容力があって、海のような心を持つ女性
-
等身大でお互いを認め合える女性