FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

48 / 157
モーラと会ってから様子がおかしいゴウ
モーラに案内されてユッケ達が訪れたそこに待っていたのは?


チョコボの里

スタスタ先に歩いていってしまったゴウを追って、ユッケ達が森を歩いていくと、そこには白いこぢんまりとした家が一軒建っていた。家の建っている場所は森の中で大きく開けた所で、家の隣に家庭菜園が広がっていた。すぐ近くに池もあり、家の周りには色とりどりのチョコボ達が居て、思い思いに遊んでいるようだった。

 

「クエエエエエエッ。」

 

チョコが家の周りにいるチョコボ達に向かって声をかける。

 

「クェックェッ。」

ピンクのチョコボがチョコの前を駆けながら鳴き、ついてくる様に促しているようだった。

 

「クワッ。」

一鳴きして、「わかったよ」と答えたようにチョコがピンクのチョコボについて行った。

 

「よかったなぁ・・・チョコ。」

その光景を見て、自然と笑顔になり、言葉が溢れるユッケ。

 

「チョコちゃんも遊んでくるみたいだし、みなさん長旅でお疲れでしょう?よかったら、ゆっくりしていってくださいね。」

モーラが優しい笑顔でユッケ達を再び歓迎してくれた。

 

「ゴウったら、家の前で突っ立っちゃって。」

ニヤニヤとイタズラな笑顔でゴウを見るティア。

 

「ゴウ殿はお腹が空かれていたのかもしれませんなッ!」

さも当然のようにニコニコとレオンがそう胸を張る。

 

「まぁ、レオンの事は置いておいて、モーラさんの料理が食べれるならうれしいな。」

ユッケはレオンに軽くツッコミを入れつつ、モーラに感謝を示した。

 

「ユッケ殿、それはひどい・・・。」

苦笑いでレオンが言う。

 

 

「ハハハハハハッ」

 

 

一同が笑いに包まれた。そんな一同を周りのチョコボ達は不思議そうに眺めている。

 

 

 

 

それからしばらくして、ユッケ達はモーラが腕によりをかけて用意してくれた料理を堪能した。

庭の畑は、チョコボ達のエサの野菜中心という事もあり、野菜がメインの料理で肉らしい肉はなかったものの、その腕前に一同の手は止まらなかった。焼きたてのパンもいい香りとふんわりとした柔らかさで、雲を食べているような食感と優しいほのかな甘さが癖になりそうだった。

料理をたらふく食べた後は、モーラとミューレが一緒に作ってくれたクッキーなどの焼き菓子と紅茶をもらって、大満足。一流のレストランで食べるフルコースにも引けを取らないオモテナシだった。料理を食べている最中は、シヴァとモーラの昔話に花が咲き、ゴウの昔話も聞けて大いに盛り上がった。当のゴウはというと、話を振られる度に料理に夢中とばかりに無視を決め込んで、はぐらかすばかりだった。ユッケ達にはそれがおもしろくて、笑いが耐えない時間となった。巡礼や闇の民の事など忘れられるつかの間の暖かい春の日差しの中、天日干しした布団に包まれ、太陽の匂いを感じながら目を閉じたときのような小さな喜びをユッケ達は感じた。

 

 

「クエクエッ!」

 

 

食事も終わり、紅茶を飲みながら談笑している時にユッケの後ろからチョコが鳴いてきた。

 

「んっ、どうしたチョコ?」

振り返ってチョコの方を見るユッケ。

 

「クエッ、クエエッ!」

片方の翼をしきりに森の方に向けて鳴くチョコ。どうやら、ユッケについて来てほしいらしい。

 

「食後の散歩に丁度いいのではないですか?」

レオンがニコニコしながらユッケに提案する。

 

「そうねぇ~・・・私もちょっと森を散歩してこようかな?」

ティアは何か企んでそうなとぼけた顔をしながら伸び上がり、席を立つ。

 

「・・・そうね、食後の運動に丁度いいわ。行きましょうユッケ。」

シヴァが察したようにユッケを促した。

 

「あっ、そうだ。ミューレちゃん、向こうで魔法の事少し教えてくれない?」

察したミナがミューレを誘い出す。

 

「えっ、私がですか?・・・私でお役に立てるならっ。」

素直にミナの誘いに答えてついて行くミューレ。

 

「なるほど、それでしたら私はっ。」

「一人で修行だよね!」

レオンが何かを言う前にユッケがそれを遮り、レオンに提案する。

 

「んっ・・・一人で・・・確かに!一人で見詰め直すのも一興かも知れませんな!!」

単純なレオンはそう吹き込まれて、走って森の中へと消えていった。

 

 

「・・・むっ。お前達っ!」

 

 

ゴウは一斉に居なくなるユッケ達を見て、何かに気付いたが、時既に遅し。

 

「それじゃぁ、モーラはゴウの相手よろしくねぇ~~。」

ティアが外堀を埋め終わるのを見計らってモーラに声をかけた。

 

「はいはい、皆気をつけてねぇ。」

菩薩モーラは知ってか知らずか、優しく手を振って答えた。

 

「なっ?!」

ゴウは席を立つタイミングを逸して、その場に固まってしまった。

ユッケ達もそれを見逃さず、各々が急いで散り散りに森の方へと消えていった。

その後、二人がどんな話をしたのかはユッケ達には分からない。

 

 

 

ティア曰く、「お子ちゃま」だったそうだ。

 

 

 

 

 




モーラの最高のオモテナシを堪能したユッケ一同
長い旅路を一緒に歩んできたチョコも癒されているようだった
一時の休息の中でチョコがユッケ達をどこかに誘う。

次回、「チョコボのオサ」
青年が出会うはチョコボの王?!(千葉繁さん風)

どっちが好み?あなたの選択でエンディングが変わります。

  • 包容力があって、海のような心を持つ女性
  • 等身大でお互いを認め合える女性
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。