急ぐは次の目的地となった風の郷「ウィンローラ」
ユッケ達の行き先を知るは・・・悪魔のみ。
モーラの居たチョコボの里から数日。船を下りて、ユッケ達は徒歩でウィンローラの地を目指していた。
「よかったのか、チョコ。せっかく里に帰って来れたのに俺達についてきて?」
「クゥエッ!」
ユッケの言葉に頭を大きく縦に動かし、答えるチョコ。
「当たり前だ!って言ってるわ。」
シヴァがチョコの言葉を伝えてくれた。
「でも、助かるわぁ・・・チョコが居てくれると旅が楽だもの。」
と、相変わらずチョコの背に乗って優雅なお姫様がそう言う。
「・・・あの・・・いいのでしょうか・・・本当に?」
イタイケな少女は良心に苦しんでいる。もちろんミューレだ。ミューレは姫の御好意で一緒にチョコの背に乗り旅をしていた。ミューレぐらいなら大した増加にはならないからだろう。
荷物と言えば、
(なんで、荷物持ちは相変わらず俺「だけ」なんだ・・・。)
ユッケが全て背負っていた。
「もう少しで見えてくるぞ。」
ゴウが前方を見ながら、皆に声をかけた。
「・・・昔はいい街並みだったんだけどね・・・。」
もうすぐ見えるであろう街並みを思い出しティアがそう呟く。
そうこうしていると、見晴らしのいい丘に差し掛かろうとしていた。
「・・・ッ?!」
丘から見えるその街の風景に目を奪われるユッケ。
今まで、様々な街並みを見てきたユッケの目に映ったウィンローラの街並みは意外なものだった。大きな山を中腹ぐらいから横に切って上を取っ払った形の地形がいくつかあり、その地形を大きな橋で繋げているのは独特な光景ではあったが、そこに広がる街はボロボロだった。遠くから見ても分かる大きな風車だったものは殆どが原型を留めていない。それにフズイして、家という家がボロボロで雨露を凌げればいいような感じで荒れていた。
「・・・パンデモニウムの仕業だ・・・。」
「ッ?!」
酷い街の様子に目を奪われていたユッケを察して、ゴウが言葉を発する。
「風のクリスタルが闇の民によって、破壊されたその日に。パンデモニウムが街を破壊していった。」
遠い切なそうな目で風景を見ながらゴウがユッケにそう教えた。
「・・・人はいないの?」
ユッケが恐る恐るゴウに尋ねた。
「・・・いるわよ。どこにだって、石に噛り付いてでも生き抜こうって言う人はいるわ。」
ティアも悲しそうな目をしながら風景を見ていた。
「ふん・・・ワシにとっては酔狂な奴にしか見えんわ。」
静かに目をツムってゴウが皮肉を言う。
「・・・取り戻せたらいいですな。」
ニコニコしながらレオンが呟く。
「絶対にうまくいくわ。」
チョコの手綱を力を込めて握りながらミナが誰に言うでもなく、そう告げた。
「きっとうまくいくわ。」
シヴァがユッケの肩に手を置きながらユッケを見詰めて、そう優しく声をかけた。
「・・・うん。」
ユッケは強い目をシヴァに向け、力強く頷いて答えた。
しばらく歩くとウィンローラに続く橋にやってきたユッケ達。橋の前には検問所らしきものがあったが、今は誰もいなかった。
「デケェ~ッ。」
橋を見て、ユッケが驚く。橋の横幅は20m以上はあろうか大きな橋で吊橋の構造になっていた。長さはそこまで長くはなさそうだが、それでも何百mはあろう長さだった。橋から見た下は2・300mはあろう谷で、橋の広さに助けられてはいるが、端を歩けば、目が眩みそうなものだった。
「・・・こっ、この橋は大丈夫だよね?」
ユッケが引きつった笑顔でゴウに尋ねた。
「・・・さぁな。」
ゴウはニヤリと不敵な笑顔で返した。
「あの、心配ならレビテトをかけておきましょうか?」
「是非ッ!」
ユッケとミナが透かさずミューレの申し出を受け入れた。
「ハッハッハッハッ、確かにここから落ちたら痛いでしょうなっ!」
レオンが胸を張って言う。
「・・・いや、痛いで済んだら、こんなに怖がらないでしょうよ。」
ティアが当然なツッコミをレオンに入れた。
「安心せい、パンデモニウムに壊された橋ならともかく。この橋は世界中から橋職人を呼び寄せて作らせた頑丈なものだ。ちょっとやそっとでは朽ちたりはせんっ!」
余りにも怖がるユッケを見かねて、ゴウが先に進むのをやめて振り返って、ユッケに大きな声でそう教えた。
「・・・分かってるなら、そう言ってよ師匠。」
ゴウの対応に肩を落とすも安心して大荷物を抱えながらついていくユッケだった。
橋の入り口を潜り、歩き出したユッケ達。橋は確かに所々、傷みが見えるものの石がちゃんと組んであり、ちょっとやそっとでは崩れそうもなかった。しかし、橋の両脇には所々、朽ちた露天が姿を残していた。
「綺麗だった頃のウィンローラは避暑地でたくさんの巡礼者や旅行者がいたものよ。」
懐かしみながらティアがそう言う。
「風を利用した色々な遊びがあったと聞いています。」
ニコニコしながらレオンも続く。
「そうね、風を利用して空を飛ぶ真似事も人気があったわね。」
シヴァも懐かしそうに話す。
「・・・・・・。」
黙々と進んでいくゴウ。
(師匠はどう思ってるんだろうか・・・こんな荒れ果てた故郷・・・。)
自分ならこんな風景を見たら、張り裂けそうなぐらい悲しいのにと思いながらユッケがゴウの背中を見る。
「着いたぞ、ここがウィンローラだ。」
ゴウがしばらく歩くと立ち止まり、ユッケ達の方を振り返って、そう言った。
ユッケがそこに目をやるとそこには所々、ボロボロになっている城壁があった。ツタが大きく覆っている所もあり、手入れされていないのが見て取れた。門の扉があったのか元々ないのか分からないほど荒れ果てていたが、大きな街の入り口だけがユッケ達を静かに迎えていた。
他の街では見慣れていた巡礼に対しての人の目はそこにはまったくなかった。
次の目的地風の郷ウィンローラについたユッケ達
そこは散々な有様だった。
しかし、そんな街ですら頑張って生きようとする人々が居る
次回、「ウィンローラの人々」
青年は郷を思う人の強さを見る?!(千葉繁さん風)
どっちが好み?あなたの選択でエンディングが変わります。
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包容力があって、海のような心を持つ女性
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等身大でお互いを認め合える女性