FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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神官のソトフに連れられて風の神殿にやってきた一行
そこでユッケ達はウィンローラに来た理由をソトフに話す
そして、ウィンローラのあの日をソトフが語ってくれたのだったが


闇の民とパンデモニウム

 

「クリスタルの復活ッ?!そんなっ・・・まさかそんな事が可能なのか!」

神殿の一室で席から勢い良く立ち上がりながらソトフが叫ぶ。

 

「・・・やってみないと分からん。が、試す価値は・・・ある。」

席に静かに座っていたゴウが鋭い眼差しでソトフを見る。

 

ユッケ達は神殿に着くと荷物を整理して、神殿の一室に招かれていた。神殿は街の中では復興が一番進んでいるのだが、それはウィンローラの中だけであり、屋根がある部屋を探すのがやっとの有様だった。神官達もクリスタル破壊後は散り散りになり、この神殿に残っているのは数えられる程度しか居なかった。

 

「・・・しかし、先程クリスタルの間を見て参りましたが、ひどい有様ですな。」

悲しいニコニコでレオンが言う。

 

「クリスタルの間が爆心地みたいなものだからな。」

ゴウが両肘をテーブルについて、組んだ両手の上に顎を乗せながら厳しい顔をした。

 

「・・・あの時にここにいた者にとって、クリスタルの復活が可能とはとても思えない。」

ソトフは表情を曇らせた。

 

「ゴウ殿はいませんでしたが、私は神殿にはおりました。まさに一瞬のことでした。」

ソトフはそう言うと、天を仰ぎながら当時の事を話してくれた。

 

 

いつもと変わらない日常過していたソトフ達神官。と思いきや、そんな日常はクリスタルの間から炸裂音がして一変したと言う。

 

 

 

 

〔パキーーーーーーーーーンッ〕

 

 

 

 

神殿内に甲高い炸裂音が響き渡る。

「どうした?!」

ソトフは神殿内を走り、音のする方へと走って向かっていた。

 

「・・・クッ、クリスタル・・・クリスタルが・・・。」

クリスタルの間の前で神官がうろたえている。

 

「クリスタルが、どうしたと言うのだ!」

その者の肩を掴み、大きな声で尋ねる。

 

「・・・・・・。」

言葉に出来ない神官は震える指先でクリスタルの間の中を指し示す。

 

「ッ?!」

大きく開かれたクリスタルの間の扉から目に飛び込んできた光景にソトフは釘付けになった。

 

そこに広がっていたのは、数人の神官達が作り出した血の海とその海の上に立つ、フードを深々と被り、血の滴る剣を片手に持った男だった。そして、部屋の床一杯に砕け散ったクリスタルの破片が散乱しており、クリスタルが浮かんでいたその場所には守護獣のパンデモニウムがいた。

 

「・・・どっ・・・どういぅ・・・ッ。」

異様な光景に目を奪われて動けないソトフ。やっとの思いで吐き出そうとした言葉を他所に

 

 

〔ゴパアアーーッ、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォーーーーッ〕

 

 

「ンッ?!」

パンデモニウムを中心に大きな音を立てて、風が弾けた。風に吹かれてソトフは慌てて腕を顔の前に出し、防御姿勢をとった。が、次の瞬間、身体が宙に浮くのを感じるソトフ。

 

 

 

「・・・次に目が覚めると、神殿の天井はどこかに消えていた。身体を押して街に出てみたら、散々な光景だったよ。建物と言う建物が風に吹き飛ばされ、人々が自分の大切な人の名を大きな声で叫びながら必死に探していた。」

テーブルに座り直して、両手を組んでテーブルの上に置き、テーブルの一点を見詰めながらソトフがそう話し終えた。

 

「・・・人はワシがいなかった事を幸運だと軽々しく言うが。ワシはその日その場所に居なかった事を悔いない日はなかった・・・。」

目を瞑ったままゴウが重い口を開く。

 

「・・・風のガードナーはどうしてたの?」

ユッケがふと疑問に思った事を率直に聞いた。

 

「・・・分からん。」

ゴウは一言でスッパリ答えた。

 

「行方知れずだそうです。」

レオンがゴウ達の代わりに答えた。

 

「まっ・・・まさか・・・。」

ユッケはレオンの話を聞いてピンときてしまった。

 

「・・・確かな事は分からん。だが、パンデモニウムがいる以上。ガードナーはその傍におる。」

ゴウが腕組みをして目を開かず、眉間にしわを寄せて言う。

 

「・・・でも、パンデモニウムって闇の民の仲間だよね?」

今までの事を整理しようとユッケが腕を組み、考え込む。

 

「風のガードナーのワシの甥ラグアはどこに出しても引けを取らん男だった。闇の民ではない事はこのワシが命を賭けても言える。」

目はカッと見開いてゴウが豪語する。

 

「とても才能があり、苦労もされてきたいい青年だったと聞いております。」

レオンがニコニコと語る。

 

「えぇっ、ラグア殿はそれはもう皆に慕われておりました。」

レオンに続いてソトフも賛同する。

 

「・・・と、言う事は?」

ユッケはそう言いながらゴウを見る。

 

「・・・ラグアはやられて、闇の民はパンデモニウムとディアボロスを従えていると言う事だ。」

ユッケを睨んでゴウが答える。

 

「ッ・・・守護獣ってそんなに引き連れることが出来たりするの?」

ゴウの睨みに怯んだユッケだったが、疑問を解消しようと奮闘する。

 

「・・・理論上は不可能ではない・・・不可能ではないが・・・・。」

歯切れが悪くなるゴウ。

 

「守護獣との相互関係は一人だけでも精神力を使います。ましてや、2人以上となりますと・・・やはり、闇の民は化け物だと思われますな。」

ニコニコを我慢しながら真剣に話そうとするレオン。

 

「・・・あんなにつらい過去に耐え、頑張っておられたのに・・・ラグア殿は・・・。」

ソトフがラグアのことを思い出して涙ぐむ。

 

「・・・つらい過去って・・・聞いてもいい?」

ユッケが両手の人差し指を合わせながら申し訳なさそうに尋ねる。

 

「・・・ワシの家の不貞をおいそれと触れ回るものではない!」

「うぅっ。」

調子に乗ったユッケにゴウの雷が落ちた。

 

「まぁ、ラグア殿は素晴らしい方だったのですが・・・どうも父親の方に・・・。」

ソトフが重い口を開いて話す。

 

「ソトフッ!」

ゴウが間髪入れずにソトフに釘を差す。

 

「もっ、申し訳ない・・・。」

ゴウの怒りを静めようと平謝りするソトフ。

 

「ごっ、ごめん・・・師匠。」

ユッケも調子に乗って聞こうとしたことを謝った。

 

「ちょっとちょっと、どうしたの?」

そうこうしているとミナのミソギに付き添っていたティアが部屋に入ってきた。

 

「外まで大きな声が聞こえてたわよ、ゴウ。」

両手を両脇に当てて、やれやれとした表情でゴウを見るティア。

 

「そんなことより、準備は出来たのか?」

ティアの咎めをサッと交わしてゴウが尋ねる。

 

「モチモチッ。」

ティアがサムズアップして答える。

 

「皆、待たせたわね。行きましょう。」

真っ白な純白のローブを身にまとってアルテマの巫女であるミナが部屋に入ってきた。

 

「行こうっ。」

ユッケはこれから始める大きな仕事に想いをはせながら、キラキラと目を輝かせてミナに向けて言葉を発した。

 

「・・・。」

ユッケの想いに共感しながら無言で頷くミナ。部屋にいる皆が皆、期待を胸にいよいよクリスタル復活をかけて、風のクリスタルがあったクリスタルの間へと歩みを進めた。

 

 

 




いよいよ消滅した風のクリスタルの復活に挑む一行
ユッケ達はアルテマクリスタルの力を借りて
無事にこの世界に風を取り戻すことが出来るのか?

次回、「クリスタル復活」
青年は頬で風の息吹を感じる!(千葉繁さん風)

どっちが好み?あなたの選択でエンディングが変わります。

  • 包容力があって、海のような心を持つ女性
  • 等身大でお互いを認め合える女性
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