FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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亡き師ゴウと分かれて
シャイナールへと足を向けるユッケ一行だったが


それぞれの気持ち

 

 

「イヤアアアッ!」

「ハアアアアッ!」

 

 

ユッケとレオンは本気の戦闘さながらに組み手をしていた。

シャイナールへ向かう道中もユッケは今までゴウが付けてくれた訓練を怠ることなくこなし、空いた時間でレオンとの組み手をして実戦経験を高めていた。モンスターの襲撃も少なからずあるが、目標が目標だけにそれだけでは到底足りるものではないとユッケ自身が感じていたからだ。そんな日々を続けても尚、弱音を吐かず、レオンと今では対等に打ち合えるほどにまで戦闘経験を積んでいた。それは他でもない、ゴウとの日々を無駄にせず、成長したきた証でもあった。

 

「いや~、逞しくなったよね、ユッケ君っ。」

「・・・そっ、そうね。」

ティアとミナがユッケ達の組み手を見ながら話していた。

 

「十分ナイトになれるわよね。」

「・・・そっそう?」

ティアがボーーッとユッケ達を見ながらミナに絡む。ミナもミナでそんな風に絡んでくるティアから逃げられずにいた。

 

「あの時、キスするんじゃないかって思った。」

「ちょっ、ちょっと何言ってるのよっ!?」

ボソリといったティアの言葉に慌てて立ち上がってミナが答える。

 

「命がけで助けてくれたんだもの。どう思ったって、皆は否定はしないわ。」

満面の笑みでティアがミナを見る。

 

「なっ・・・さっきから何言ってるのよ、ティアッ。」

顔を真っ赤にしてミナが困惑している。

 

「・・・シヴァ様の事が気になるの?」

ユッケ達を近くで見守っているシヴァを見てティアがミナに尋ねる。

 

「・・・・・・。」

同じくシヴァを見て無言になるミナ。

 

「まぁ~~、始めからすんなりフュージョンしちゃうくらいだから、絆としては十分だけど。シヴァ様は守護獣だし・・・。」

ティアがシヴァを見ながら話す。

 

「・・・ッ?!わっ、私は別になんとも思ってないし、何も気にしてないからっ!」

ティアのペースに乗せられているとハッと我に返ったミナ。

慌てて、ティアの思惑を否定してご飯の支度をしているミューレの方へ早歩きで逃げていった。

 

「・・・まったく・・・・っ。」

ティアはそんなミナの背中を見ながら両手を頭の後ろで組んで見送った。

 

(この際、シヴァ様の気持ちも聞いてみようかな?)

ニヤリとティアは口角を上げて、早速行動へと移した。

 

 

「デアッ!」

「ハッ!」

 

 

ユッケとレオンの組み手が続く中、ティアは傍で見ているシヴァへと近付いた。

 

「シヴァ様っ。」

目をキラキラさせながらティアがシヴァの顔を覗きこむ。

 

「あら、どうしたの、ティア?」

心配そうにユッケを見ていたシヴァがティアの声に答えてティアを見た。

 

「ちょ~~~っと、お時間いいですか?」

ティアが小さく手招きをしてシヴァを誘い出そうとする。

 

「何かしたら?」

まったく警戒心の無いシヴァがティアの誘いに容易に乗った。

 

 

「実はですねぇ。」

ティアはシヴァの元居た所から少し離れた所に移動して早速話を始めた。

 

「ユッケとシヴァ様って、本当に仲がいいなぁ~って思ってて。」

ウキウキでティアがシヴァの顔をニヤニヤ見ながら尋ねる。

 

「え?私とユッケが??」

シヴァはキョトンとしている。

 

(あれ、なんか反応が思ってたのと違う・・・。)

シヴァのあっさりした反応に面食らうティア。

 

「・・・ユッケはリアの大事な大事な子供ですもの。仲が良いとか悪いとかというよりは私にとって掛け替えの無い大事な大事な宝物なのよ。」

組み手をするユッケを見ながら微笑むシヴァ。

 

「・・・私には子供とかいないし、そう言うものを望んだ事もなかったわ。クリスタルを守ると言う使命だけが私の存在意義だったの。」

遠い目で空を見るシヴァ。

 

「リアとアースカンドに飛ばされて、右も左も分からないときにヒロヨシに出会って。そして、ノブヒデが・・・ユッケが生まれて・・・・・・フフッ、そうそう。赤ちゃんだった頃に私に笑顔を向けてくれたことがあったのよ。その時の笑顔が未だに忘れられないわ。どんな星より、どんな宝石より、クリスタルよりもきれいで、温かかった。」

目をツムって胸に手を当てるシヴァ。

 

「リアが死んでから、私は姿を消したままずっとユッケの傍で見守っていたわ。この子が無事に過ごせるように。ミッドガルドと関わらずに笑顔で暮らせるようにって。」

シヴァはそう言ってティアに微笑んだ。

 

「・・・そうだったんですね。」

完全にシヴァの微笑で邪気を祓われたティアは苦笑いした。

 

「・・・でも、確かに最近のユッケは逞しくなって、男としても魅力的ねっ。」

シヴァがウィンクしてイタズラな笑顔をティアに向けた。

 

「・・・・・・。」

一枚上手のシヴァに完全に負けてしまったティアは何も言えなかった。

 

「ご飯で来ましたよぉ~~~~っ!」

ミューレがエプロン姿で皆に声を掛けた。

 

「あらっ・・・ユッケェーーーッ、大丈夫ッ!」

シヴァが組み手を終えたユッケの姿を見て、飛んでいった。

 

(なんだか、こっちがヤキモキしちゃうな・・・。)

肩を落としてドッと疲れたティアがそこにただ一人残された。

 

ミナは何かを忘れたいかのようにせっせと食事の用意をしていた。

シヴァはというと泥だらけになった「ユッケだけに」ケアルを掛けながら介抱していた。隣に同じくらい泥だらけのレオンがニコニコしながら立っているにもかかわらず。

 

 

 

 




それぞれの想いを胸に一行はシャイナールへ
シャイナールで光のクリスタルを安定化させるために
ミナは儀式を執り行う。
そんな中、ミナの姉セレスの口からとんでもない提案が

次回、「光のクリスタル」
青年よ、光の導く先に何を見る?!(千葉繁さん風)

どっちが好み?あなたの選択でエンディングが変わります。

  • 包容力があって、海のような心を持つ女性
  • 等身大でお互いを認め合える女性
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