FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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ユッケの家にある父ヒロヨシの隠し部屋で
ヒロヨシのこれまでの研究と想いをつづった日記を読む一同
父の気持ちを受けたユッケは・・・。


アルテマウェポン

「・・・・・・。」

ユッケは日記の白いページを黙々とめくって行く。

 

「ヒロヨシが俺にお前の事を探してくれって言ってきたのはこの辺りだな。」

シドが最後の日付を見てそう話した。

 

「・・・思い返してみれば、その日から必死にゲートの研究を進めておったな。」

ラムウもその時を思い出しながら話してくれた。

 

「ゲートが完成したのはその後すぐだ。もしかしたら、ヒロヨシはミッドガルドに行ったのかもしれないな。」

シドが推測を立てて話す。

 

「・・・たしかに、ヒロヨシはアルテマクリスタルの位置を特定する機械を持っておった。アースカンドに反応がないのならミッドガルドに子供の無事を賭けたのかも知れんな。それなら連絡が取れない理由もつくわい。」

シドの推測に賛同するラムウ。

 

「もしかしたら、入れ違いになっとるということか・・・。」

ハモウが口髭を触りながら考えている。

 

「・・・しかし、それならそれで好都合じゃ。わしらはミッドガルドに仲間を助けに戻りたいのじゃッ!ゲートが完成して、ユッケの父親も向こうにおるならそれに越したことはない。」

ハモウが喜びを最大限表すように両手を天に向けて広げた。

 

「・・・それは簡単に言うが大問題だぜ・・・。」

腕組みをして、しかめっ面のシドが言う。

 

「・・・ゲートの管理は軍が行っておる・・・そう易々と使わせてくれるわけでもないしの。」

ラムウも髭を触りながらしかめっ面になる。

 

 

「・・・ちょっと待って下さい。」

 

 

白いページをめくっていたユッケが呟く。

 

「どうかしたのか?」

ユッケの言葉にシドが反応する。

どうやら、日記帳の最後の方にまだ何か書かれているようだった。

 

 

「あいつは最後の最後まで私を助けてはくれなかった・・・と、今まで思い込んでいたが、リアが死んだ時に残してくれていたモノを私が見つけられなかっただけだったのかもしれない。不幸中の幸いと言うべきか、息子がこの世界から居なくなって、私の機械に僅かな反応が現れた。リアの部屋であいつの残した小さな小さな子供を見つけた。ここに来て、あいつは私に諦めるなと言っているのか?小さな小さな欠片だが、計り知れないエネルギーを秘めている。こんなに小さいのにゲートで使うには大きすぎるエネルギーだ。色々思案した結果、武器に活用する事にした。まだまだ、試作段階だが想像以上に強力なモノだ。私は戦う事が苦手だ。これを使うのに相応しい者に残して行こうと思う。願わくば、世界のために使われてほしい。」

 

 

「・・・ほほ~っ、何か新しいモノを作ったみたいじゃな?」

日記を見ながらラムウが目を丸々として嬉しそうに言う。

 

「しかし、作ったことは書かれておるが、それがどこにあるのか分からんぞいっ。」

腕組みをしてハモウが言う。

 

「・・・日記の終わりの方に文字の羅列があるでしょ?これ、昔、珍しく俺が父さんと遊んだ時に使ってた暗号なんです。子供だましですけど。」

日記の暗号の部分を指差して、ユッケが微笑む。

そして、ユッケが迷わず、部屋のある場所へと行って、そこで何か探していた。

 

 

〔ガコンッ〕

 

 

ユッケが何かをして、部屋の何処かで音がした。

ユッケは音がすると、給湯室へと歩き出す。

 

「おいおい、お茶は今はいらねぇぞ。」

シドが給湯室へ向かうユッケに声を掛ける。

 

「バカモノッ、向こうに何かあるということじゃろうがっ。」

ラムウがシドのボケ?にまたツッコむ。

 

「・・・わかってるよっ。」

シドがラムウの指摘をはぐらかす様に言葉を投げ捨てる。

 

「どこへ行くんじゃユッケ。」

ハモウが堪らずユッケに声をかける。

 

「トイレです。」

ユッケが振り返りもせずにそう答えて、給湯室の奥にあるトイレに向かって姿を消した。

 

「おいおい、とっ・・・。」

「わしゃ、もうツッコまんぞっ。」

シドがボケようとしたが、間髪居れずにラムウが割って入った。

 

「置いて行くクポ~~ッ」

年寄り二人とボケている一人を差し置いて、モグッチが邪魔者が居ない空を飛びながら華麗に給湯室へと姿を消した。

 

「おい、こらまて、モフモフ野郎ッ!」

置いていったモグッチに悪態をついてシドが走る。

 

 

「ありましたっ!」

 

 

シドが給湯室に着く間際にユッケがそこから何かを掲げながら出てきた。

 

「おうぃッ!」

突然現れたユッケに驚くシド。

 

「・・・なんじゃ、その柄は?」

ラムウがユッケの持っているモノを見て尋ねた。

ユッケが給湯室から持ってきたのは、剣の柄の部分だけだった。

 

「・・・まって下さい。メモが一緒にあったので・・・。」

柄を握りながら、ユッケがもう一方の手で持っていたメモを広げて読む。

 

 

「親愛なる者へ

 このメモを読めると言う事は息子か或いは私が信頼した者なのだろう。

 願わくば、息子がこれを読んでいてくれるなら幸いだ。

 注意してほしい、これは余りにも危険なモノだ。

 剣の柄だけだが、見た目に騙されてはいけない。

 マテリアルの研究の応用で生まれた兵器だ。

 アルテマクリスタルの力を受け継いだ兵器。

 

 

 アルテマウェポン

 

 

 大層な名前だと思うが、名に偽りはない。

 これを扱う者が現れたなら出来れば協力してほしい。

 

 

メモはそこで終わっていた。

 

「・・・アルテマウェポン・・・。」

手に持った剣の柄だけを握り締めてユッケがその名を口にする。

 

「・・・どうみても、柄だけにしか見えないが。」

シドがアルテマウェポンを見回しながら言う。

 

「柄の先端の部分・・・球体の中心に何か光っておるな。」

ラムウもアルテマウェポンをじっくり見ており、発見した何かを口にした。

 

ラムウが言うように剣の柄。刀身がそこから伸びるであろう場所に水晶玉が填め込まれていた。その球の中心に何か輝きを放つ小さな物があるのが見えた。

 

「この水晶球は、たぶんマテリアルを再結晶したもんだろう。」

シドがじっくり観察しながら見解を述べる。

 

「そうなると、マテリアルの球の中心にあるのがアルテマクリスタルの欠片なんじゃろうな。米粒より小さいぞい・・・。」

ラムウもシドと顔を合わせながらじっくりと観察しながら話した。

 

「・・・でも、これどうやって使うんでしょう?」

アルテマウェポンを手に持っているユッケが頭を掻きながら呟く。

 

「ボタンとかないのか?」

ユッケにそう尋ねるシド。

 

「どこにもなさそうです。」

アルテマウェポンを入念に調べて答えるユッケ。

 

「・・・念じてみればどうじゃ?」

ハモウが提案する。

 

「何が起こるかわからねぇから人に向けるなよっ。」

ユッケが何か行動する前にシドが釘を刺した。

 

「了解です・・・ちょっと離れてて下さい。」

ユッケが手で離れるように指示してからアルテマウェポンを両手で握り、目をツブって念じてみた。すると、

 

 

〔ブオンッ〕

 

 

「ッ?!」

目をツブっていたユッケは反応が遅れたが、その光景を目にした全員が驚いた。

ユッケがハモウに言われた通り、念じてみるとただの剣の柄だけだったアルテマウェポンから青白い光が剣の刀身を形作り、見事に一振りの剣へと姿を変えたのだった。

 

 

「・・・こんな所に隠し部屋があったんですね・・・。」

 

 

「ッ?!」

アルテマウェポンの驚きとは別の驚きが一同に訪れた。

 

アルテマウェポンの現象に目を奪われたと同時に部屋の出入り口の方から女性の声が聞こえたのだ。一同は驚いて、そこに視線を奪われる。

一箇所しかない部屋の出入り口に迷彩服で身を包み、軍帽を被ったブロンドのボブヘアで鋭い目をした女性が立っていた。

 

 

〔ザザザザザザザッ〕

 

 

その女性に視界を奪われているのも束の間。

女性の背後から如何にもという体つきの良い迷彩服に身を包み、両手でアサルトライフルを構えながら数人の男達がユッケ達を囲むように素早く左右に分かれた。

 

 

「無駄な抵抗はやめなさい。ここは我々に包囲されています。」

 

 

そう言いながら女性が鋭い目で睨みつける。

 

「・・・・・・。」

ユッケ達はアルテマウェポンに驚いた体勢のまま固まって動けない。

左右に4人ずつ分かれている男達はしっかりとユッケ達に標準を合わせていた。

 

 

 




アルテマウェポンを手に入れたのも束の間
ユッケ達はアースカンドの軍人達に取り囲まれてしまった
軍を従える謎の美女。
ユッケ達はどうなってしまうのか?

次回、「アポニス」
青年に迫るは軍の魔の手か?!(千葉繁さん風)
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