FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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『大型陸上母艦ビッグブリッヂ』にて
ユッケ達を待つギルガメッシュ
そこで初めて互いに顔を合わせる科学者が二人いた。


科学者の二人

 

 

 

 

〔ドドーーーンッ、ドゴーーンッ〕

〔ドダダダダダダダダッ〕

 

ビッグブリッヂの全砲門が迫り来る大型守護獣の方に向けられる中、ジープが一台さっそうと弾幕の中を走りぬけている。

 

〔ブオオオオオオオオオオオーーーーーーンッ!!〕

 

 

「一番乗りだーーーーーーッ!」

 

 

ビッグブリッヂにジープでさっそうと迫るシド。後方のユッケ達を大きく突き放していた。

 

「シドさん、あまり離れすぎると連携が取れませんよっ。」

助手席に乗っているラスターが後方をチラチラ見ながら苦笑いして、シドに進言する。

 

「バカヤロウッ!俺はそこまで頭悪くねぇよっ。先に入り口開けてやった方が良いだろうがっ。どうせ、お前達は知ってんだろっ。」

ニヤリと悪戯な顔をしながらラスターを見るシド。

 

「・・・・・・まったく・・・抜け目がないですね。」

ラスターはシドの行動に素直に口角を上げて答えた。

 

「・・・・・・それにお前達も動きやすいだろ。」

前を見て運転しながらシドが神妙な面持ちで話す。

 

「・・・・・・ご存知でしたか。」

ラスターも笑顔をやめて静かに答えた。

 

「嫌な仕事はどこにでもあるもんだ・・・気にする事はねぇよ。」

今度は静かに口角を上げてシドがラスターの顔を見た。

 

「嫌と思ったことは一度もありませんよ。」

ラスターがシドにイッペンの曇りのない笑顔で答える。

 

「なら、それぞれの仕事をするだけだっ。」

シドは前を見ながらラスターに話す。

 

「シドさん、ビッグブリッヂの入り口はあそこですよっ。」

ラスターがビッグブリッヂの正面の方を指差してシドに教える。そこには開閉式の大きなハッチがあるのが見えた。

 

「よしきた。あいつらが追いつく前に開けといてやらねぇとなっ!」

シドは豪快なハンドリングで目的の場所に近づける。

 

 

〔ドッシューーンッ、ドッシューーンッ〕

 

 

ジープの後方で準備していたアポニスの隊員二人がロケットランチャーを素早く目的のハッチ目掛けて放った。

 

 

〔ボボーーーンッ、ドカカーーーーーーーンッ!!〕

 

 

二つ放たれたロケットランチャーは目標に正確に当たり、大きな爆発音を上げた。

 

「ヒョオオオオオオオオオッ。」

その光景を見てシドが声を上げる。

ビッグブリッヂのハッチは見事に破壊され大きな穴が出来た。

 

〔ダダダダダダダッ〕

 

さすがに向こうも黙ってられなくなり、開けられた穴の中から兵士達が銃火器で応戦してきた。

ビッグブリッヂからワラワラと兵士達が出てくる。

 

〔連続魔法ファイガ〕〔ゴゴゴゴォオォォォッ、ボボボボボボボッ、ドーーーーンッ〕

 

「ウワアアアアアアアアアアアッ!」

ワラワラとでてきた兵士達目掛けて、一番機動力のあるミューレがシド達のすぐ後方から援護をするべく強力な魔法を放っていく。直撃を受けた兵士達は断末魔を上げながら見たこともない大きな業火に焼かれ、直撃を受けなかった者達はビッグブリッヂから離れて逃げていく者、中に引っ込んでいく者で右往左往し出した。

 

「ナイス援護だぜ、ミューレッ!」

大きくガッツポーズをして後方のミューレに笑顔を向けるシド。

 

「ハイッ!やりましたッ!」

ミューレは右手を大きく振ってシドに答える。

 

「よおおしっ、ユッケ達もそろそろ追いつくだろうぜ。合わせて突っ込むぞっ!」

シドは車内のラスター達に声をかける。

 

「行きましょうっ!」

ラスターは大きな声でシドに答えて銃を構えた。

シドは後方に目を向けるともうすぐそこまでユッケ達が迫ってくるのが見えた。

 

「ミューレッ、続けて援護頼むぞッ!」

シドはユッケ達のスピードを見ながら先行し出し、ミューレに指示を出す。

 

「分かりましたッ!」

 

〔連続魔法ファイガ〕〔ゴゴゴゴォオォォォッ、ボボボボボボボッ、ドーーーーンッ〕

 

ミューレは言われた通りに特大の攻撃魔法を連発してビッグブリッヂの兵士達を牽制する。

 

「ウワアアアアアアアアアアアアアッ!」

 

ビッグブリッヂの方は魔法の攻撃に慌てふためくだけで反撃は出来なくなっていた。まだまだ後方にいる大型守護獣達の存在感が大きくビッグブリッヂの攻撃力はそっちに割かなければならず、ビッグブリッヂ内の少数で組織した別働隊だけで迫り来るユッケ達を阻む事は出来なかった。

ユッケ達との距離を測りつつ、すぐ後方のミューレを従えて、シドのジープがハッチに開けた穴からビッグブリッヂの中へと入る。

 

「ヤッホーーーーーーーーーーーーッ!」

 

ビッグブリッヂの中に入ると勢い良くジープを滑らせて止めるシド。

そこはジープなどの車などが止めてある格納庫で天井の高い部屋が広がっていた。戦車などもおかれていたのかもしれないが、車数台を除いて他は残されていなかった。ミューレの攻撃に恐れを成して逃げたのか、応戦してくる兵士達の姿もそこには見えなかった。

 

「なかなかのドライビングテクニックでしたよシドさん。科学者にしておくには勿体無い。」

ニヤリとラスターがシドを褒める。

 

「ヘッヘッヘッヘッ、俺は何をやらせても天才だからな・・・お前ら、気をつけろよっ。」

シドは鼻を人差し指で擦りながら笑って答える。そして、別の仕事に向かうアポニス隊員達に言葉をかけた。

 

「・・・・・・。」

黙ってサムズアップだけをしてジープに乗っていた隊員が次々と降りて、ビッグブリッヂの内部に散らばっていく。

 

「さて、我々はこれからどうしますか?」

その場に残ったラスターがシドに尋ねる。

 

「さぁて・・・どうしたもんかね。」

シドが周りを見ながら腕組みをする。

 

 

〔ドスンッ、ドスンッ、ドスンッ、ドスンッ〕

 

 

その時だった。格納庫の奥の方から何かの大きな足音が響いてきた。

 

「なっ、なんだっ?!」

シドがその足音の方に視線を奪われる。

 

「下がってッ!」

透かさずラスターがシドをジープの後に誘導し、相手との間にジープを置き、盾にするようにして、臨戦態勢を取る。

 

〔ドスンッ、ドスンッ、ドスンッ、ドスンッ〕

 

大きな足音を出していた者がさらにシド達に近付いてきて、その全様をシド達に見せ付けた。

その足音の正体は格納庫に収まるギリギリの高さで3m以上はあり、横にも大きく手と足を広げる人型のロボットだった。スラッとした人型というよりは無骨に太く重心が低いロボットで機動力はなさそうに見える。

 

 

「なんじゃ、貴様達は・・・小僧はどうした?」

 

 

無骨なロボットから野太い老人の声がシド達に降り注ぐ。

 

「すげえええええええええええええっ。」

シドは恐怖をどこかに置いてきて、絶対に味方ではないだろう相手を見て、その造形に逆に感心して目を輝かせた。

 

「シッ、シドさんっ。」

目を輝かせて一歩前に出ようとするシドにラスターが慌てる。

 

「おいっ、あんたっ!ランツでもロボットに乗ってたよな?これもあんたが一人で作ったのかっ?!」

シドは科学者の好奇心からなのか、恐れもせずにロボットに話しかける。

 

「なっ、なんじゃっ?!」

 

ロボットの中の人物はシドの行動に困惑する。

 

「すげぇじゃねぇかよ・・・二足歩行はバランスも取りにくい・・・重心を低くしたとは言え、絶妙なバランス感覚だな・・・このシド様でも一人で出来るかどうか・・・やっぱりマテリアルエンジンなのか?」

シドは好奇心が何よりも勝り、もうここが戦場ということを忘れていた。

 

「ムムッ、お主も科学者か?さすがに見る目があるようじゃっ!」

 

シドに褒められて調子を狂わされるロボット。

 

「俺はシドって言うんだ、あんたは?」

シドがラスターに抑えられながらも身を乗り出して自己紹介をする。

 

「シドさん、正気ですか?!」

シドを抑えながらあきれ果てるラスター。

 

「ワシはギルガメッシュじゃっ、シドよ、お主とは気が合いそうじゃが、ここではゆっくりとも話せん。悪い事は言わん、早く逃げろっ。」

 

ギルガメッシュはシドに優しい言葉をかける。

 

 

〔連続魔法 ファイア〕〔ボボボーーーッ、ドドンッ〕

 

 

「シドさん、離れて下さいっ!」

遅れてやってきたミューレがシドを守ろうと牽制の魔法をギルガメッシュに放つ。

 

「ガハハハッ、なんじゃその攻撃はッ!」

 

突然の攻撃だったがまったくビクともしないギルガメッシュ。ミューレもシドと敵との距離を考慮して、シド達に被害が及ばないように魔法の威力を下げた事も要因だろう。

 

「シドさん、なにしてるんですかっ。」

ラスターがミューレが作った隙にシドを引っ張る。

 

「おっ、おいっ。」

話し足りないシドだったがラスターの力に負けて後方に引きづられる。

その時だった。

 

 

「ギルガメッシュッ!」

 

 

ビッグブリッヂの入り口からユッケがギルガメッシュに叫ぶ。

 

「ガハハハッ、やっときたか小僧ッ!今度こそ、決着をつけてやろうっ!」

 

ユッケの言葉に反応してミューレからユッケに視線を移すギルガメッシュ。待ちに待った瞬間だった。

 

 

〔森の雷(フォレアラゥ)〕〔シュバアアアアアアーーーーーーンッ!〕

 

 

ユッケのすぐ後方からティアが特大の先制攻撃を放つ。

 

〔バキャキャーーーーーンッ〕

 

ビッグブリッヂの床を突き破り、木の根という根がギルガメッシュに襲い掛かる。そして、ティアの特大の攻撃がギルガメッシュに食らいつく。

 

「ガハハハッ・・・小娘め、何度も同じ攻撃がこのギルガメッシュ様に通じると思うなよッ!」

 

「そっ・・・そんなっ。」

自慢の攻撃を放ったティアだったが、ギルガメッシュが構える大型のビーム状の盾に阻まれて木の根の攻撃もあの貫通力を持った矢も無力化された。

 

 

「さぁ、来い小僧共ッ、最終決戦じゃッ!!」

 

 

ティアの攻撃を見事に防いだギルガメッシュは誇らしく声を大きく荒げてユッケ達を挑発した。広いビッグブリッヂの格納庫だったが、その時ばかりは狭く感じ、ギルガメッシュのロボットが格納庫を埋め尽くさんばかりに大きく見えた。

 

 

 

 

 




シド達の活躍により、
ユッケ達は難なくビッグブリッヂに進入することが出来た。
だがしかし、そこには大型ロボットに乗ったギルガメッシュが
今か今かとユッケ達を待っていた。

次回、「最終兵器ギルダム」
青年よ、白き魂で迎え撃て!!(千葉繁さん風)
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