ユッケ達を待ち構えていたギルガメッシュ
その自慢の兵器がウナリを上げようとしていた。
「ガッハッハッハッハッ、このギルガメッシュ様の最高傑作にして最終兵器である『ギルダム』の力を見たかッ!!」
ギルガメッシュが自分の作ったロボットの名を高らかに名乗り、拡声器一杯の声量でユッケ達を口撃した。
「あの見たこともない盾・・・相当強敵よ・・・。」
ティアがギルダムのビーム状の盾の防御力に驚きを隠せず、冷や汗を一筋頬に流した。
「・・・大丈夫だよ、ティア。俺達は一人じゃないっ。」
ティアの肩を力強く掴みユッケが仮面の下から微笑んでみせた。
「・・・フゥ~~ッ・・・そうねっ。」
ティアも仮面の下で微笑み返し、息を入れ直した。
「シドさん、ラスターさんッ、下がっててもらえますかっ!」
ユッケはシドとラスターの方を見て、指示を出した。
「分かったユッケ君っ!シドさん、下がりますよっ。」
「おっ、おい・・・俺は大丈夫だってッ!」
ロボットに完全に心を奪われたシドをラスターが強引に引きずりながら安全な後方に移動していく。
(まったくアヤツは機械となると子供じゃな・・・。)
(ハハハハッ・・・。)
心の中でラムウがシドの様子を見て、あきれ返っていた。そんなラムウの嘆きを苦笑いで返すユッケ。
「ガッハッハッハッハッ、懸命な判断だが・・・お前達の仲間なら奴も生かしておくわけにはいかんっ。安全な所に非難させた所で結末は変わらんぞっ。」
相当な自信があるギルガメッシュがユッケ達を見下しながらノノシる。
「どうしますか、ユッケさん?」
離れていたミューレがユッケ達の方に近づいてきて今後の行動について尋ねた。
「・・・・・・まずは相手がどれだけ準備してきたか見てみよう・・・ミューレは最初に俺達に補助魔法を掛けなおしてくれ。」
ユッケはギルダムを見据えながらミューレに指示する。
「その後はどうするの?」
ティアもギルダムから目を離さずにユッケに尋ねる。
「・・・たぶん、銃火器って言って、飛び道具主体で攻撃してくるだろうから固まってたらひとたまりもない、かといってバラケ過ぎてもだめだから、分断されないように距離を3人で測りながら戦おう。」
ユッケが冷静に相手を見ながら追加の指示を出す。
「固まってないと補助魔法が掛けれませんが、どうしますか?」
ミューレが長期戦も視野に入れながら助言する。
「・・・そうだね・・・・・・なら、俺とティアが左右に分かれて、ミューレは少し後ろで援護する形にしよう。補助魔法が切れそうになったら、まずはティアから掛けなおして、ティアが牽制してる間に俺に掛けなおしてくれ。」
ユッケが頭の中で考えた事を出来る限り丁寧に言葉にしながら二人に伝える。
「・・・相手も点にして、私達でダイヤモンドになるようにするってこと?」
ティアがユッケの説明を自分なりに理解して口に出す。
「そうだねっ。その形で行こうっ!ミューレは出来るだけ自由に相手との対角線上の後方を動く感じで良いから・・・後、敵はギルガメッシュだけじゃないかもしれないから気をつけて。」
ティアの言葉に付け足すようにユッケが話す。
「はいっ、分かりましたっ!それでは、二人を全力でサポートします!!」
ミューレが小さくガッツポーズを作ってユッケとティアの言葉を飲み込む。
「ガッハッハッハッハッ、どうした、作戦会議は順調かっ?」
ティアやユッケがギルダムをジッと見ている中で、ギルガメッシュはジッと待っていた。それほどまでに自分の最高傑作に自信があるのが言霊に現れていた。
「待っててくれてありがとうギルガメッシュっ!俺達も全力で行くッ!」
ユッケが胸を張ってギルダムに対峙して大声で宣言をした。
〔ヘイスト シェル プロテス リジェネ〕
ミューレが出来る限りの補助魔法をユッケとティアに掛ける。
補助魔法を掛けられてから3人は打合せしたとおりにお互いに距離を取り、目標とした場所にそれぞれ素早く移動した。
「ほほぉっ、なかなか良い動きをしおるっ。」
余裕のギルガメッシュがユッケ達の連携を見て素直に感心する。
〔スロウ〕
ミューレが相手の動きを遅くする魔法で先制攻撃をした。
「ガッハッハッハッハッ、デバフ魔法の対策をしていないとでも思ったかっ?」
スロウを掛けられたギルダムだったが、どうやら効果を無い様だった。
「これならどうですかっ?!」
ミューレは怯むことなく攻撃を続ける。
〔連続魔法 ブリザガ〕〔パキンッ、パキパキパキッ、ガシャシャシャアアアアンッ〕
ミューレは魔法が届くギリギリの距離からギルダムに立て続けに襲い掛かる。
大地から伸びた氷の牙がギルダムに襲い掛かる。が、
〔カシャンッ、カシャシャンッ、ジュワァ~~ッ〕
ギルダムの装甲に阻まれてブリザガは殆ど相手にダメージを与えられなかった。ビーム状の盾に当たった氷の牙はその熱で触れたそばから水蒸気へと変わっていった。
「ガ~~ハッハッハッハッ、どうしたどうしたっ!」
その場から動かず、ミューレを見据えるギルダムの中からギルガメッシュが痛快な笑い声を上げる。
〔レビテト〕
「まだまだっ!」
ミューレは自身にレビテトを掛けて空中に上がり、そこから尚も攻撃を続ける。
〔連続魔法 ファイガ〕〔ゴゴゴゴォオォォォッ、ボボボボボボボッ、ドーーーーンッ〕
特大の大きな火球がミューレから放たれてギルダムに直撃し、ギルダムは火球に丸焼きにされる。
「いいぞいいぞっ、耐熱性能のテストも完璧じゃッ!」
特大の業火で焼かれながらもまったくダメージを受けていないようにギルガメッシュは意気揚々としゃべる。
「ヤアアアアアアアアアアッ!」
ミューレの攻撃による牽制で十分に距離を測ったティアが光と化した矢を何本も放っていく。
〔キュインッ、チュンチュチュチュンッ〕
「ガッハッハッハッハッ、なんだその豆鉄砲はッ!本物の弾丸をお見舞えしてやるわッ!」」
ティアの閃光と化した矢を右手を開いて、ギルダムの手の平で弾くと、今度はその右手の指先をティアに向けるギルダム。
〔ドドドドドドドドドッ!〕
物凄い重低音を連続で出しながら、ギルダムの指先から20mmの弾丸をティア目掛けて放った。
「キャアアアアアアアアアアアーーーッ!」
ティアは避けようとするも被弾して、その弾丸の衝撃で後方に弾き飛ばされる。
「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
ティアの攻撃を尻目にユッケがアルテマウェポンで反対側から斬りかかる。
〔バギャアアアアアアアアアアンッ〕
左手にあるビーム状の盾でユッケの斬撃を受け止めるギルダム。互いの高エネルギーがぶつかり合って、凄まじい火花が飛び散る。
「ガーーーハッハッハッハッハッ、なかなかのビーム兵器ではないか小僧っ。貴様を倒した後に存分に研究してやるっ。」
見事アルテマウェポンを受け止めた盾の後ろからギルガメッシュが勝ち誇って口撃してきた。
「負けるかッ!」
ユッケは初撃を弾かれて尚、ギルダムに怯まず、周りを走りながら2撃目を狙う。
〔ケアルラ〕
ミューレはギルダムがユッケの攻撃に集中する間に、ティアに近付き、ティアのサポートをした。
「あっ、ありがとうミューレ。助かったわ。」
弾丸がわき腹に当たってしまったティアは装甲の上から受けたダメージを押さえながらミューレにお礼を言った。どうやら、軽症で済んだようだった。
「いえ、全力サポートが私の仕事ですからッ。」
片手でガッツポーズをして答えるミューレ。
「そうねっ・・・、でも、私の攻撃はどれも有効的じゃなそう・・・。」
歯痒い自分の弱さにティアが弱音を零す。
「そんなことないです、ティアさんっ。ティアさんの弓は凄い精確じゃないですかッ!」
今度はティアにエールを送るようにガッツポーズを両手で作るミューレ。
「・・・精確・・・・・・そうね、確かにあいつの装甲は貫けなくても戦い方はあるかもしれないわねっ。」
ミューレの言葉で自分のやるべき事を導き出して、ティアは力強い目を仮面の下からミューレに向けた。
「行きましょう、ミューレッ!」
ティアは元気良く立ち上がり、鋭い眼光で獲物を見定めた。
「小僧ッ、相変わらずちょこまかと動きよってッ!これでも食らえッ!」
ギルガメッシュは自分の周りをかく乱するように動き回るユッケに苛立ち、右拳をユッケの方に向けて構えた。
〔ドッシューーーンッ、ドドシューーーンッ!〕
ギルダムの右手首の辺りから小型ミサイルがユッケ目掛けて放たれる。
「いけるッ!」
その攻撃を見て、動いたのは他でもないティアだった。
〔ボボボボオオオオオオオオンッ!〕
「なんじゃとっ!」
ミサイルが発射された瞬間、ミサイルはギルダムから離れることなく、ティアの閃光の矢に貫かれて爆発した。
〔連続魔法ファイラ〕〔ゴゴゴゴォオォォォッ、ドドドドーーーーンッ〕
ミューレがティアの攻撃に合わせて、近くに居るユッケが巻き込まれないように強さを調節し、ギルダムの視界を奪うように攻撃を放つ。
「グッ。」
ミューレの攻撃は大した事はないが、ミサイルの爆発と視界を奪う攻撃に怯むギルガメッシュ。
「もらったアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
ティアとミューレ、二人のサポートにより出来たギルガメッシュの隙をユッケは見逃さなかった。自分の攻撃が弾かれるギルダムの左側のビーム状の盾とは反対方向に回り込み。攻撃を主体としたギルダムの右手の下に潜り込んでいた。
「貴様ッ!」
ギルガメッシュがユッケを捉えた時には、ユッケは下からすくい上げる様にアルテマウェポンを振り上げようとしていた。
ギルガメッシュの最終兵器「ギルダム」の力は絶大。
ギルダムの攻守に翻弄されるユッケ達だったが、
チームの連携を糸口にギルダムの鉄壁を打開しようとしていた。
次回、「ビッグブリッヂの死闘」
青年よ、その一太刀で切り開け!!!(千葉繁さん風)