ギルガメッシュのギルダムに苦戦するユッケ達だったが、
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」
ユッケはティアとミューレがくれた千載一遇のチャンスを活かすべくアルテマウェポンの一撃をギルダムの右手に解き放つ。
〔スッ・・・・・・ズシイイイイーーーンッ!〕
「ヌオオオオオオオオオオオオオッ!!」
ギルガメッシュはギルダムの右腕を失った事に絶叫する。
ユッケの放った一撃は静かにギルダムの右手と右腕を切り離し、切断された右腕が勢い良く床に落ちて、電気系統がいかれた右腕が微弱な電流を出して小さく震えていた。
(いけるっ!)
ユッケは自分の攻撃がギルダムに通じると判断すると続け様に身体を横に回転させて、ギルダムの右足目掛けて斬りかかった。が、
「調子に乗るなよッ!」
ギルガメッシュはユッケをビームの盾自体で攻撃しようと盾をユッケ目掛けてぶつけて来た。
「ヌワッ!?」
ユッケはギルダムの盾から身を守る為に右足に放ったアルテマウェポンの軌道を左手を離すことで無理やり盾へと切り替えた。
〔バギャアアアアアアアアアアンッ〕
〔サンダガ〕〔ズギャゴンッ、ズガーーーーンッ〕
「グワアアアアアアアアアアアッ!」
「ヌオオオオオオオオオオオオッ!」
ユッケは片手で盾を受け止めた為に衝撃を吸収しきれず、盾と剣の衝撃で後方に跳ね飛ばされた。
ラムウはユッケが怯むのを予測し、ギルガメッシュの次の攻撃を牽制すべく、透かさず魔法でギルダムを攻撃した。ギルダムはいくら耐電性能を上げたとしても機械。今はユッケに斬られた右腕の損傷のせいで、雷撃を無効化できず、ギルガメッシュと共にダメージを受けた。
「・・・さすがだぜ小僧ォ・・・やりやがるッ。」
ギルガメッシュはギルダムの内部にいることで雷撃からのダメージは軽症で済んだ様だった。
ギルガメッシュは一時、ユッケ達への攻撃を中断して、ギルダムの損傷を内部の計器を見て確認した。
〔連続魔法 サンダガ〕〔ズギャゴンッ、ズギャゴンッ、ズガガガガガガッ、ズガーーンッ〕
相手の弱っている隙を見逃さなかったのはミューレだった。ラムウのサンダガでダメージが入った事を確認すると相手にさらにダメージを与えるべく攻撃魔法を放った。
「甘いわッ!ヌウウウウウウウウウウッ。」
ギルガメッシュはミューレの攻撃魔法を盾で身を隠すようにして防ぐ。右腕の損傷からラムウのサンダガによる損傷で魔法を完全に無効化出来なくなったギルガメッシュだったが、ビーム状の盾で雷撃の直撃を避けて、ダメージを軽減した。
「ユッケッ!・・・グッ?!」
ティアは跳ね飛ばされたユッケを受け止めるべく既に動き出しており、ユッケをその身体で正面から受け止めた。
「あっ・・・ありがとうティア。」
ユッケは身を呈して受け止めてくれたティアの方を見て、御礼を言った。
「なっ、なんのこれしきっ!」
お尻を打ち付けて、痛いはずのティアだったが、それをものともせずにユッケにサムズアップをして答えた。
「さぁ、これからよユッケッ。」
ティアが痛むお尻を摩りながら立ち上がってユッケを鼓舞した。
「了解っ。」
ユッケはティアに受け止められはしたが、無傷ではない。しかし、身を呈したティアの手前、そんな事を見せてはいられない。ユッケはなんともないことを見せるべく素早く立ち上がり、ギルダムとの距離を詰めようと走り出した。
〔ダダダダダダダダダッ〕
「そうはさせんぞっ、小僧ッ!」
ユッケがギルダムとの距離を詰めてくるのが見えたギルガメッシュは頭部に付けていた小型マシンガンで牽制する。
「ワワワワワッ。」
ユッケはマシンガンの直撃を避けるべく方向を変えざるを得なくなった。
「お次はこいつじゃッ!」
〔ポシュンッ、ポポシュンッ〕
〔ガヒョンッ、ガチョンッ、ガチョチョンッ・・・ビコーーンッ〕
ギルダムの背中から鉄球が数個ユッケ達の前に現れて、その鉄球がみるみる小型のギルダムへと変形した。
「ガッハッハッハッハッ、小さくても侮るなよッ、性能はまごうことなきギルダムじゃっ!」
〔サンダガ〕〔ズギャゴンッ、ズガガガガーーーーンッ〕
ラムウが小型ギルダムを見るや否やサンダガを放つ。
〔タタタタタタタタタタタタタタッ〕
「ワワワワワワッ?!」
ラムウのサンダガを食らった小型ギルダムだったが、まったくダメージを受けていないようで、サンダガを受けた事でユッケを敵と認識して、即座に右手のマシンガンでユッケを攻撃してきた。ユッケは小型とは言え、マシンガンの。しかも一斉乱射を受けて、さらに本体のギルダムとの距離を開けざるを得なくなった。
「ガーーーーハッハッハッハッ、ええぞお前達っ!」
形勢逆転したことでギルガメッシュは少し元気を取り戻す。
〔連続魔法 サンダガ〕〔ズギャゴンッ、ズギャゴンッ、ズガガガガガガッ、ズガーーンッ〕
「ヌオオオオオオオオオオオオッ、しまったっ・・・。」
調子に乗ったギルガメッシュの頬を叩いたのはミューレだった。ユッケに夢中になった隙に、弱点の右側に回り込みサンダガをお見舞いする。ギルガメッシュもダメージを防ぎきれないのでさらに怯む。
「お前達、小僧と小娘を別れて迎撃せいッ!」
〔ビコーーーーーンッ〕
ギルガメッシュの声に反応して小型ギルダムは目を光らせて、それを合図にユッケとミューレにそれぞれ分かれて攻撃を開始しだした。
〔タタタタタタタタタタタタタタッ〕
「キャアアアアアアアアアアアアッ!」
「ウワワワワワッ。」
小型ギルダムの攻撃でテンヤワンヤになるユッケとミューレ。
「こっからが本番じゃぞぃっ!」
〔ガコンッ、ドスンッ、ガチャガチャガチャッ、ジャキンッ〕
ギルダムは盾を収納して、左手を背中に回し、ガトリングガンを取り出し、切れた右腕の前腕を根元から切り離し、そこにガトリングガンを装着した。
「死ねえィッ小僧ッ!」
〔ドドドドドドドドドドドドッ!!!〕
「ウワアアアアアアアアアアッ!」
一番厄介なユッケに的を絞ってギルガメッシュの苛烈な攻撃がユッケを襲う。完全に避けるだけでギルダムとの距離は一向に縮まらなくなってしまった。
「コノッ!」
ティアがユッケのサポートをするべく閃光の矢を小型ギルダムに放つ。が、
〔ビュビュビュッ、チュチュチュンッ〕
小型ギルダムの小型ビームシールドで弾かれてしまった。
「ガーーーーーーハッハッハッハッハッ、踊れ踊れッ!」
〔ドドドドドドドドドドドッ!!!〕
「クソオオオオオオオオオッ。」
ギルガメッシュは執拗にユッケを狙い撃ち、疲弊させて行く。
中距離には小型ギルダム。長距離はガトリングガンとここに来て、ギルガメッシュが圧倒的有利な状況を作り出した。
「おいおいおいおいっ、これはまずいんじゃねぇのかっ?」
ユッケ達の苦戦を遠くで隠れてみていたシドが苛立ちを隠せずに呟く。
「しかし、我々が出て行ったところで何が出来るというわけでも・・・。」
シドの言っている事は分かるが、あの闘いの中に自分達が行った所で壁にすらなれないことはラスターが一番理解していた。
「なんとか加勢できねぇもんか・・・。」
シドは腕組みをして、考える。
ミューレの攻撃も本体なら有効。特にユッケのアルテマウェポンは決定打になる。しかし、それをさせまいとギルガメッシュは遠距離からの徹底抗戦。
「ガーーーハッハッハッハッ、お前達、しっかり二人の距離を保てよッ!一匹小うるさい娘がいるから一人そっちにいけっ!」
〔ビコーーンッ〕
ギルガメッシュの言葉に反応して一体の小型ギルダムがティアの方に向けて攻撃し出した。
「ちょっ、ちょっとちょっとっ?!」
ティアも堪らず、小型ギルダムから逃げ出す。
「ギルガメッシュはなんでわざわざ言葉にする・・・。」
ギルガメッシュの行動の違和感にシドは反応する。
「どっ、どういう意味ですか?」
シドの発言に困惑を隠せない軍人ラスター。
「・・・フッフッフッフッ・・・なるほどなぁ~。」
シドは何かにピンと来たのか不敵に笑い出した。
「・・・えっ?」
シドの思考がまったく読めないラスター。
「電波だよ、電波っ。」
ニヤリと口角を上げてラスターに向けて答えるシド。
「・・・電波・・・ですか?」
相変わらずピンとこないラスター。
「ばっかっ。妨害電波だよッ!小型のロボットは独立したロボットじゃない。ギルガメッシュの指示でしか動けてねぇ・・・・・・ってことは、ギルガメッシュの本体から通信を受けて命令を受信してるって事だ。それなら、妨害電波で本体との通信を遮断して機能停止させればいい。ユッケ達なら小型ロボットさえ俺がなんとかすれば、勝てるっ。」
シドは脳筋ラスターに分かりやすいように説明してみせた。
「なっ・・・なるほど・・・・・・しかし、妨害電波なんてどうやっ・・・あっ。」
ラスターはシドの作戦を軍人が故に自ずと理解した。
「へっへっへっへっ。こっからはあんたらの仕事だぜ、アポニス・・・。」
シドがラスターに不敵に笑った。
「・・・・・・お任せください。」
シドの不敵な笑みに答えるようにラスターも笑って返し、右手を耳の通信機に当てた。
ギルガメッシュと対峙するユッケ達。
それと時を同じくして、レオンとゼッドの闘いも始まろうとしていた。
次回、「戦場の拳闘士」
青年よ、戦場で交わる拳の熱唱を聴け!(千葉繁さん風)