FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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禍々しいクリスタルによって操られているミナ
その対応に四苦八苦するユッケ達
その様子をアザ笑うかのようにミナの凄まじい攻撃が放たれる。


アルテマ

 

 

「・・・・・・。」

ユッケはミナの攻撃をなんとか交わすことが出来たが、その攻撃が起こした惨状に言葉を失ってしまった。

 

ミナが放った攻撃魔法「アルテマ」は最初、ほんの僅かな小さな輝きが空中に出現したかと思うと、それがみるみる膨れ上がり、直径50mほど大きくなると中心から膨大なエネルギーが大爆発を起こして、その何倍もの大きさの衝撃を周囲に解き放った。直径300m以上の球状に大地が削られ、木々が吹き飛ばされ、綺麗なクレーターを残して全てが消し飛んだ。

ユッケ達は直撃をなんとか避けただけなので、その後に起こった衝撃により、3人はバラバラに後方に飛ばされてしまっていた。

 

「イテテテッ・・・、ミナ・・・とんでもないことしてくれたわね・・・。」

尻餅をついたティアがお尻を擦りながら立ち上がり、ミナの方を見て、そう呟いた。

 

「・・・ミナさん・・・凄いです・・・。」

ミューレはレビテトで浮いていたため、空中に退避する事でほぼ無傷だったが、魔法に精通しているだけあって、攻撃魔法に驚き、少し感動していた。

 

(ミューレ・・・冷静にミナを見てみて・・・。)

感動して冷静さを失っているミューレの頭の中で、シヴァの声が響く。

 

「えっ?・・・シヴァ様、どういうことですか?」

頭の中のシヴァに向けるようにミューレが言葉を発する。

 

 

「・・・どうやら、お構いなしという事か・・・。」

皆がそれぞれ驚く中、バハムートはミナの攻撃よりもミナ自身に注目していた。

 

 

「・・・・・・。」

ミナは相変わらずハイライトの無い虚ろな目をしながら、誰を見るでもなくそこに立っていた。だが、一つ違うのは、ミナの身体から湯気というか、煙が立ち上っていたのだ。それに、アルテマの衝撃に対しても、一切自分の身を守るような行動はとっておらず、着ているローブはボロボロになり、ローブで覆われていないところは、衝撃波で飛んできた破片によって出来たのか、すり傷、切り傷だらけだった。

 

(究極魔法アルテマ・・・ワシも見るのは初めてじゃが、アルテマの巫女の最大にして最強の切り札・・・しかし、巫女といえど、誰しも使えないものと聞いておる・・・どうやら、ミナは己を媒体に無理やり使っているようじゃな・・・。)

ユッケの中のラムウが、ミナの様子を伺いながら自身の見解を淡々と述べた。

 

「・・・そんな・・・。」

ラムウの言葉に驚きを隠せないユッケ。

 

「アルテマを使ったのは忘れもしない忌まわしきオメガとの戦いで巫女イデアのみ・・・それ以外で使う機会が無かったとも言えるが、イデアは巫女の中でも抜けて天才だった。そんなイデアでさえ、乱発は出来ない代物だ・・・ミナは正直言って、そこまでの才能があるとは思えぬ・・・闇の民め・・・。」

バハムートがミナの姿を見て、闇の民がミナをどう扱っているのかを推測した。

 

 

〔アルテマ〕〔ブゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーンッ〕

 

 

ユッケ達の心配を他所に、ミナは諸刃の刃のアルテマを連発してきた。狙いはユッケだ。

 

「っ?!」

ユッケはその矛先に驚くよりも、ボロボロになるのを承知で使うミナに唖然とした。

 

(いかんっ、アルテマを避け続けるにしても、ミナの身体が持たんぞっ!)

ラムウがミナの行動に悲壮感を漂わせて話す。

 

「・・・ヌワッ!!」

(ナッ・・・ユッケッ・・・お主っ?!)

ユッケは後方に避けるのでなく、アルテマの発動地点に突っ込んだ。その行動、驚きを隠せないラムウ。

 

「あああああああああああああああっ!」

ユッケは叫びながらアルテマに突っ込む・・・かに見えたが、

ヘイストがかかっているユッケには勝算があった。ユッケはアルテマをすり抜けて、ミナに突っ込んでいったのだった。

 

「ッ?!」

ユッケの目的に気付くミナだったが、アルテマの発動が終わるまで次の行動が出来ない。

 

「もらったあああああああああああああっ!」

 

 

〔パキーーーンッ!〕

 

 

「ッ?!」

ユッケがクリスタルに手を伸ばした瞬間、クリスタルから物凄い壁を感じて、その壁にユッケは弾かれてしまった。

 

「ユッケエエエエエエエエエエエエエエエッ!」

ミナの方から弾かれてしまったユッケを見て、ティアが叫ぶ。叫ばざるを得なかった。

 

「ユッケさんっ!」

ミューレもその光景に目を背けられない。

 

ユッケには勝算はあった。

アルテマを潜り抜けて、ミナからクリスタルを奪えるチャンスはあった。

しかし、それを闇の民がアザ笑うかのように罠が仕掛けられていた。

ミナを倒す事が出来ないであろうユッケ達は必ずミナからクリスタルを剥ぎ取ろうとする。それをさせないように施してあった結界により、ユッケの希望は見事に打ち砕かれた。

そして、今、闇の民も予想だにしていなかった結果がそこに横たわっていた。

 

「・・・・・・。」

ユッケは自分の考えが打ち砕かれたことに呆然自失していた。

ユッケの頭の中にまた、ハディの無数の顔が闇の中から姿を現す。

 

「お前は弱い。」

「お前には何も守れない。」

「お前にいったい何が出来る?」

 

無数のハディの顔がユッケに口撃してくる。

ユッケをまた闇の淵に誘わんと迫ってくる。

 

今まさにユッケの弾かれた後方には、アルテマが発動して大爆発を起こそうとしていた。

 

 

「ユッケエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!」

シヴァはミューレとのフュージョンを解いて、単身ユッケの元に向かおうとした。

 

「だめですっ、シヴァ様っ!?」

シヴァの背中にミューレが叫んで言葉をぶつける。

 

 

〔ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・〕

 

 

ユッケを飲み込んだアルテマがその力でユッケを消し去らんと持てる力の全てを解き放った。

 

 

 

 

 

 

 




ミナを助けようと果敢に走り出すユッケ。
その行動で希望を掴んだかに思われた瞬間、
一同に絶望が降り注ぐ。

次回、「約束」
青年よ、足掻き諦めずに走りぬけ!(千葉しげるさん風)
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