FF アルテマクリスタル   作:葛屋伍美

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ラムウの口からユッケを助けられると聞いた一同
しかし、その代償は余りにも大きいものだった。
そして、バハムートの口から話される闇の民の目的が・・・。


オメガクリスタル編
バハムートからの警告


 

 

 

ビッグブリッヂからの祝砲を聞きながら、ミナ達は意見の割れた重々しい空気の中で互いを意識していた。

ビッグブリッヂ陥落から程なくして、ミッドガルドの戦士達はその先にあるであろうフォッカが指揮している前線基地に雪崩れ込みにここにやってくる。ここで主力部隊が足止めされていると知らずに勢い良くくるだろう。

しかし、その主力部隊であるミナ達はとてもここからさらに打って出ようとする気にはなれなかった。その時、最初に口を開いたのは他でもないバハムートだった。

 

 

「・・・・・・お前達に伝えなければならないことがある。」

 

 

ユッケの命を考える中で、反対派の筆頭でもあるバハムートからの言葉。

それがミナ達にとって良い訳が無い事が自ずと感じ取れた。

それでも、ミナ達は聞かずには居られなかった。

 

「・・・・・・これから来るであろう闇の民との戦いは、お前達が思っている以上に過酷なものとなる・・・。」

期待を裏切らないバハムートの言葉が続く。

 

「・・・ラムウの助言を受け・・・私はそれに乗ろう・・・乗った上で、話そう。この中でも知っている者は少ないだろうが・・・闇の民がこれからするであろうことをお前達は知らなければならない・・・知った上でユッケを生き返らせるか選択するがいい・・・。」

バハムートは上からミナ達に畳み掛けるように語尾を強めていく。

 

「・・・闇の民がしようとしていることは、最早おとぎ話の枠を超えた神話の産物を蘇らそうとしている・・・。」

「っ?!」

バハムートの壮大なスケールの出だしに一同の注目が集まる。

 

「・・・お前達の中にも名前を聞いたことがある者もいるだろう・・・闇の民がこれから持ち出してくるであろう神話の産物『オメガクリスタル』の事を・・・。」

バハムートは『オメガクリスタル』の言葉に非常に不快感を示す表情をして話した。

 

「・・・オメガ・・・クリスタル・・・?」

ミナが聞きなれない言葉を復唱する。

 

「・・・もう何千年も前の神話に出てくるアルテマクリスタルと対を成すと謳われた産物じゃ・・・神話としても知る者も少ないじゃろうて・・・。」

ラムウも険しい表情で続く。どうやら、神話の与太話ではないことを証明する証言だろう。

 

「・・・・・・オメガクリスタルは古代アースカンド人がアルテマクリスタルを模して作った忌まわしき産物だ・・・。」

「ッ?!!!」

バハムートの口からとんでもない情報が飛び出してきた。

一同はその衝撃的な言葉に戸惑いや動揺を隠し切れない。

 

「・・・そんな・・・まさか・・・・・・オメガクリスタルは・・・聞いたことがあるけど、それをアースカンド人が作ったなんて・・・。」

ティアは目を泳がせながらバハムートを見る。

 

「・・・ワシも実際にその神話の中に居たわけではないから確かな事は言えんが、古い話ゆえにアースカンドという存在自体が消えてしまったのじゃろう・・・。」

いつに無く真面目な顔でラムウがティアを見て答える。

 

「・・・お前達は不思議に思わなかったか?・・・ユッケがこの世界にやってきて、いとも簡単に言語で意思疎通が出来た事に・・・。」

バハムートが一同の曇った頭を少しずつ晴らす様に丁寧に説明し出す。

 

「・・・ミッドガルドとアースカンド・・・・・・次元の歪みがなぜ、二つの世界を繋ぐのか?それは難しい事ではない・・・元々二つの世界は繋がっていたのだ・・・。」

バハムートがさも当然かのように淡々と言葉を繋げていく。

 

「・・・もう何千年も前のアースカンドは今以上に高度な科学力を有していた。ミッドガルドもアースカンドからの科学力に影響を受けた魔科学が発展し、今も風のクリスタルの守護下にある雷雲の都市サンダルムにその名残がある。」

バハムートが点と点を丁寧に線で繋げていく。

 

「・・・・・・その時代はミッドガルドもアースカンドも双方に自由に行き来が出来た。魔法と科学・・・その時代に生きる人間には特段不思議なものではなかった・・・しかし、行き過ぎた科学があの時代を狂わせてしまった・・・。」

バハムートの表情が険しくなり、口調が段々と低くなっていく。

 

「・・・アースカンドの科学者達が、あろう事か世界を支えるアルテマクリスタルの研究に手を出し始めたのだ・・・最初は世界の起源を探るためだと言っていたが・・・・・・それだけではない事は容易に感じ取れた。」

バハムートがその時の怒りを思い出すように地面を強く握り締めて地形を変える。

 

「・・・私は反対したが、双方の友好のためと大多数に言い包められて、押し切られた・・・そこから歯車が音を立てて崩れていくまで、そう時間はかからなかった。」

バハムートの瞳がその瞬間、悲しく曇る。

 

「・・・アースカンド人はアルテマクリスタルの無限のエネルギーの研究を進めていく中で、自分達の世界にもアルテマクリスタルを産み出せないかと考え始めた・・・因果な事に、アースカンドの技術力はそれを可能にしてしまった・・・・・・そこで誕生したのが『オメガクリスタル』だった。」

バハムートが後悔の念から静かに目を閉じる。

 

「・・・オメガクリスタルはアースカンド人が生み出した二つ目のアルテマクリスタルだった。そのクリスタルが生み出す無限のエネルギーは計り知れないものだった・・・。が、神をも恐れぬその行為に罰がないわけはない・・・。」

バハムートは閉じた瞳を力強く開けて、ミナ達を見下ろした。

 

 

「オメガクリスタルは暴走した。」

 

 

バハムートは吐き捨てるようにその言葉だけを口にした。

 

「・・・人間とは如何に愚かか・・・。アースカンドの首脳陣と一部のミッドガルド人はオメガクリスタルの完成を見るや否や、ミッドガルドとアースカンドの双方の世界の掌握を目論んだ。その事がオメガクリスタルの暴走と相まって、事態は破滅的なものとなったのだ・・・。」

バハムートがあの時代を遠い目を空に向けて思い出す。

 

「・・・お前達に警告するのは他でもない・・・オメガクリスタルの復活だけではないのだ。」

バハムートがミナ達の方に再度目を向け直して静かに語りかける。

 

「・・・それが、ハディの・・・闇の民のしようとしていることなんですか?」

ミナがバハムートの静かに恐る恐る尋ねた。

 

「・・・・・・そうだ・・・ここから先が闇の民がしようとしていることだ。」

ミナと見詰め合ったバハムートが重い口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 




バハムートの口から明かされる衝撃の真実
そして、畳み掛けるようにバハムートは
オメガクリスタルの脅威について話を続ける。

次回、「オメガクリスタルとオメガ」
青年よ、歴史の失敗に何を学ぶのか?(千葉しげるさん風)
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