過去のミッドガルドとアースカンドの深い歴史
そして、これからの未来・・・。
闇の民が狙うオメガクリスタルとは?
ミッドガルドとアースカンドの衝撃的な歴史を聞かされたミナ達はバハムートの生み出す空気に完全にのまれていた。
「・・・お続け下さい、バハムート様。私達は全てを知り、全てを受け止めましょうや・・・。」
不安に包まれるミナ達を他所に、レオンはニコニコとバハムートの攻撃を全て受け切ろうとしていた。
「・・・・・・いいだろう・・・。」
レオンを見て、バハムートが少し口角を上げたように見えた。
「・・・闇の民が持ち出そうとしているのは、オメガクリスタルだけではない・・・。むしろ、オメガクリスタルは付属品に過ぎない・・・。」
バハムートが神話を現実の世界に重ねていく。
「・・・世界を掌握しようとした古代アースカンド人と一部のミッドガルド人は無限のエネルギーを生み出すオメガクリスタルを使い、ある兵器をこの世界に産み落とした・・・。それが『オメガ』だ。」
オメガの言葉に苦虫を潰しながら言葉を搾り出すバハムート。
「・・・・・・オメガ・・・。」
バハムートの言葉を繰り返し、心に刻み込むミューレ。
「・・・そう、オメガ・・・忌々しい我が宿敵だ・・・オメガはオメガクリスタルをエネルギー源に無限に動き、無限に戦える・・・中でも、厄介なのが、『オメガの落とし子』と言われるオメガ内部で生成される兵隊達だ・・・無限に戦い、無限に湧いて来る兵隊達・・・。」
バハムートはオメガへの怒りを両拳に込めて硬く硬く握る。
「・・・とんでもない化け物ね・・・。」
ティアが険しい表情でバハムートの話を噛み締める。
「・・・オメガとの戦いはまさに地獄だった。アースカンドの世界はほぼ壊滅し、ミッドガルドも同じ運命をたどろうとしていた。私達は大きな犠牲を払いながら、オメガをアースカンドに圧し戻し、残ったアースカンド人の力とミッドガルドの守護獣でオメガを地の底に封印したのだ・・・。」
バハムートが重い重い口調でオメガとの戦いを口にする。
「・・・・・・アースカンドの被害は相当なものだったが、ミッドガルドも多大な犠牲を出した以上、アースカンドとの関係は冷え込んでしまった・・・二つの世界はそこで永遠の別れを選択した。アースカンドとミッドガルドを繋ぐ『次元の扉』、今で言うゲートを跡形も無く、全て消し去り、魔科学も異端として、禁止させた。それから、アースカンドがどう立て直したのかは私には分からないが、時代は繰り返すと言う事なのか・・・ミッドガルドにアースカンドを知る者が少なくなったのも、忌々しいその存在自体を思い出したくなかったのかもしれん・・・私を含めてな・・・。」
バハムートがそこまで話して、押し黙った。
「・・・闇の民が今回の戦いに姿を見せていないと言う事はじゃ・・・この戦いに乗じて、アースカンドでオメガクリスタルの・・・もとい、オメガの復活を画策しているのは明白じゃろうて・・・。」
押し黙ったバハムートの変わりにラムウが話を続けた。
「・・・やっぱり、反対だわ・・・。」
ティアが重い口を開けて呟く。
「・・・・・・。」
ミナは否定したい気持ちを目に込めて、ティアを見るが言葉には出せなかった。
「・・・私はやはり気持ちは変わりません・・・むしろ、尚更ユッケ殿は必要です。」
ティアとは別の方向で強い意志を見せるレオン。
「・・・うぅぅぅぅっ・・・。」
幼いミューレは二人の板ばさみで悩まされていた。
「・・・私もユッケは助けたい。私を助けてくれたからって言う事もあるけど・・・。でも、ティアの気持ちも分かる・・・やっぱり、私達だけで決めて良いことじゃないんだわ・・・。」
ミナが両拳を強く握りながら眉間にシワを寄せてクモンする。
「・・・というと?」
ミナの言葉に引っかかったレオンがミナに尋ねる。
「・・・お姉ちゃん・・・私達のリーダーであるセレス様の意見を聞かないと・・・。」
レオンを強く見据えててミナが言う。
「・・・なるほど・・・。」
ミナの言葉を納得したレオンが一言言って、腕組みをして口を真一文字に紡ぐ。
「・・・よかろう・・・巫女の判断に乗ろうではないか・・・。」
バハムートがミナの言葉に賛同した。
「・・・懸命な判断じゃな・・・。」
ラムウもバハムートに続く。
「・・・わかったわ・・・そうしましょう・・・。」
ティアも強い意志を持って、ミナを見て賛同した。
〔ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!〕
後方から大勢の声が迫ってきていた。
どうやら、ミッドガルドの本隊が勢いをつけて、ミナ達の方に近付いてきているようだった。
ユッケは氷付けになった状態で静かに目を閉じて、ただただ戦いに疲れて眠っているようだった。
ああ