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結論から言おう。
アイはなんとか助かった。上手く行けば傷も綺麗に見えなくなるそうだ。(何処のブラックな医者だよ)
犯人は罪悪感に駆られ、自殺したそうだ。
できればアイを刺した男へ復讐を果たしたかったが、アイが生きていたならそんな事はどうでも良い。
それからは大変だった。
駆けつけて来た社長たちへの事のあらましの説明、警察からの事情聴取。
応急処置の的確さには驚かれた。
そして今、社長夫婦とアイにその事について問い詰められている……
何故、幼稚園生の医療の欠片すら学んでいないガキがそんなことができたのか…
ただ、社長婦人はあまり驚いていない様子である。
そりゃそうだろう。赤子の頃から言葉を喋っていたヤツだ、今更驚く事もないだろう。
「アクア、まずはありがとう。流石の私もアクアが本当に私の子なのか疑ってる所はあるけど、そんな事は関係ない。だって命の恩人だもん!流石だよ、アクア〜!」
「そっちはルビーだ」
「ありゃ?」
「ごめんねアクア〜
またママ、間違えちゃった〜」
「は〜〜…
アイ、いい加減そう呑気な事も言ってらなくなって来ちまってるんだぞ。今回の事件もいきなりの事だったから、報道陣にストップをかけるのが遅れて、ニュースとかにも取り上げられちまってアクアとルビーの事もバレちまった。
これからヤバい事になっちまうぞ。アイドルも続けられるかどうか…」
「大丈夫、大丈夫!そんなのどうにかなるよ!社長!」
「そんな事を楽観視して……
まあ今はそんな事はいい。それよりもだアクア。話して貰えるか?お前の秘密。
こんな事があって、、、いや、こんな事が起こる前からお前にはどこか変なとこがあるなとは思ってたんだ。幼稚園生が京極夏彦のサイコロ本なんて読む訳ねえしな。今回の事で踏ん切りがついた。俺はお前の隠している事がどんな事であろうとも見捨てる事はしない。それがお前という爆弾を抱えてしまった俺の責任ってヤツだと思っている。
だからほら、話してみろ。」
「……分かった。
今から話す事は到底信じられる物でもないだろうし、馬鹿げていると思うかも知れない。それでもいいなら聞いてくれ。」
前世の事なんていつまでも隠し通せるような物でもないだろうし、いっそここで話して楽になろう。
これが前世への決別になるかも知れないし。
「まず、俺には前世の記憶がある。ある田舎の病院で産婦人科医をやっていた男の記憶だ。
これで薄々気づいたかも知れないが、俺の前世の名前はゴロー。そう、アイの主治医の名だ。」
「ッ…‼︎マジかよ…お前があの先生だったなんてよ…」
「……続けるぞ。
俺はアイが俺たちを産んだ日あの日、気を落ち着かせる為散歩をしていた。その時草陰から男がやって来て、『あんた、星野アイの主治医?』そう聞かれた。だが勿論俺は医者だ。患者の守秘義務を守らなければいけない。それで俺はその男にアイの関係者であるのかどうか確認を取ろうとした。
だがその時だ、男はいきなり走り出した。
俺は奴を追うため走ったが途中で見失ってしまって、一度息を整えていた。その時、いきなり後ろから刺されたんだ。
意識が朦朧としている中いろいろ考えて果てに意識を失った。
次の瞬間、目を覚ますとアイに抱き抱えられていた。
転生したと自覚したのは暫くしてからだった。
そこから俺は周りの人間にバレないように生きて来たつもりだった…
だが、まさか京極夏彦の本で感づかれていたとはな。
まあ、俺の隠していた事はこのくらいだ。
アイの事は推しでもあるが、今では母とも思っている。
だからどうか、俺のこと、気持ち悪いと思うがどうか見捨てないでくれ…」
「………な〜んだ!そんな事だったんだ!
アクアが変な前置きしてから喋るからなんか身構えちゃった!
そりゃ、前世が全然知らない変態なおじさんとかだったら私も引いたけどさ、中身はゴロー先生なんでしょ?なら安心だよ!
哺乳瓶でしか飲まなかった謎も解けたしね。
とりあえず、これまでと変わらずにいこうよ!これからのことだってどうにかなる!」
「…だといいんだけどな。
まあ、分かったよ。お前の前世が先生だったって事はよ。でも俺からしたらもうお前はアクアマリン。ただのガキだ。だから、前世がどうとか気にするんじゃねえ。お前はお前らしく生きろ。それが俺の願いだ。」
「ありがとう社長。それじゃあそうさせて貰うよ。」
「ところでルビー、お前さっきからなんも喋ってねえけど大丈夫か?兄が転生者でビックリしたのか?」
「…違うのそうじゃないの。
ただ…アクアがゴロー先生だったって事に驚いちゃって……」
「‼︎俺の事を知っているのか?」
「うん、ずっと前から、死ぬ時まで近くにいてくれたもん。」
「それって……」
「私も…話すね。前世の事。」
次回はルビーの前世の告白です。
どうぞ、楽しみにしていてください!